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2024.11.13
SGRAレポート第108号(日韓合冊)
第22 回 日韓アジア未来フォーラム
「ジェットコースターの日韓関係―何が正常で何が蜃気楼なのか」
2024年11月14日発行
<フォーラムの趣旨>
21 世紀の新しい日韓パートナーシップ共同宣言後、雪解け期を迎えた日韓関係は、その後浮き沈みを繰り返しながら最悪の日韓関係と言われる「失われた10 年」を経験した。徴用工問題に対する第三者支援解決法を契機に、2023 年の7回にわたる首脳会談を経て日韓関係は一挙に正常化軌道に乗った。一体、日韓関係において何が正常で、何が蜃気楼なのか? 徴用工問題解決の1年後の成果と課題、そして日韓協力の望ましい方向について考える。
<もくじ>
開会の辞
李 鎮奎(未来人力研究院)
南 基正(ソウル大学日本研究所)
【 第1部 報告と指定討論】日韓関係の復元、その一年の評価と課題
はじめに 座長:李 元徳(国民大学)
[報告1]
日韓関係の復元、その一年の評価と課題 政治・安保
西野純也(慶應義塾大学)
[報告2]
日韓関係の復元、その一年の評価と課題 経済・通商
李 昌玟(韓国外国語大学)
[報告3]
日韓関係の復元、その一年の評価と課題 社会・文化
小針 進(静岡県立大学)
[討論1] 西野純也先生の報告を受けて
金 崇培(釜慶大学)
[討論2] 李昌玟先生の報告を受けて
安倍 誠(アジア経済研究所)
[討論3] 小針進先生の報告を受けて
鄭 美愛(ソウル大学日本研究所)
[質疑応答]
【 第2部 パネル討論】 日韓協力の未来ビジョンと協力方向
座 長: 南 基正(ソウル大学日本研究所)
パネリスト: 西野純也(慶應義塾大学)
小針 進(静岡県立大学)
安倍 誠(アジア経済研究所)
崔 喜植(国民大学)
李 政桓(ソウル大学)
鄭 知喜(ソウル大学日本研究所)
趙 胤修(東北アジア歴史財団)
開会の辞
今西淳子(渥美国際交流財団・SGRA)
金 雄煕(現代日本学会)
講師略歴
あとがきにかえて
※所属は本フォーラム開催時のもの。
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2024.06.13
SGRAレポート第107号(日中合冊)
第17回SGRAチャイナ・フォーラム
「東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生」
2024年6月13日発行
<フォーラムの趣旨>
今回は視野を東南アジアに広げた。日本における東南アジア美術史の第一人者である後小路雅弘先生(北九州市立美術館館長)を講師に迎え、いまだ東北アジア地域では紹介されることが少ない東南アジアにおける近代美術誕生の多様な様相について学んだ。東南アジアの初期近代美術運動を通じて東北アジアとの関係や相互の影響について考えた。
<もくじ>
【挨拶】 野田昭彦(国際交流基金北京日本研究センター)
【講演】 東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生
後小路雅弘(北九州市立美術館館長/九州大学名誉教授)
【指定討論1】 熊 燃(北京大学外国語学院)
【指定討論2】 堀川理沙(ナショナル・ギャラリー・シンガポール)
【 指定討論への回答】 後小路雅弘(北九州市立美術館館長/九州大学名誉教授)
【自由討論】 モデレーター:林 少陽(澳門大学歴史学科/ SGRA /清華東亜文化講座)
【閉会挨拶】 趙 京華(清華東亜文化講座/北京第二外国語学院)
講師略歴
あとがきにかえて ─孫 建軍(北京大学日本言語文化学部/ SGRA)
〇同時通訳(日本語⇔中国語):丁 莉(北京大学)、宋 剛(北京外国語大学/ SGRA)
※所属・肩書は本フォーラム開催時のもの
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2024.04.19
SGRAレポート第106日本語版 中国語版 韓国語版
第72回SGRAフォーラム講演録
第8回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性
「20世紀の戦争・植民地支配と和解はどのように語られてきたのか
─教育・メディア・研究─」
2024年4月12日発行
<フォーラムの趣旨>
2016 年から始まった「国史たちの対話」の目的は、日中韓「国史」研究者の交流を深めることによって、知のプラットフォームを構築し、3カ国間に横たわっている歴史認識問題の克服に知恵を提供することである。
東アジア歴史問題の起因は、20 世紀の戦争と植民地支配をめぐる認識の違いと指摘されることが多い。しかし、公表された日韓、日中の歴史共同研究の報告書が示しているように、個別の歴史事実の解釈をめぐる違いはあるものの、20 世紀東アジア歴史の大筋についての認識には大きな齟齬は存在しない。それでも東アジアの国際関係がしばしば歴史問題で紛糾している理由の一つに、相手の「歴史認識」への認識が不十分ということを挙げることができる。
戦後の東アジアは冷戦、和解、日本主導の経済協力、中国の台頭など複数の局面と複雑な変動を経験した。各国は各自の政治、社会的環境のなかで、自国史のコンテクストに基づいて歴史観を形成し、国民に広げてきた。戦後各国の歴史観はなかば閉鎖的な歴史環境のなかで形成されたものである。各国の歴史認識の形成過程、内在する論理、政治との関係、国民に広がるプロセスなどについての情報は、東アジアの歴史家に共有されていない。歴史認識をめぐる対立は、このような情報の欠如と深く関わっているのである。
20 世紀の戦争と植民地支配をめぐる国民の歴史認識は、国家の歴史観、家庭教育、学校教育、歴史家の研究と発信、メディア、文化・芸術などが複雑に作用し合いながら形成されたものである。歴史家の研究は国家の歴史観との緊張関係を保ちながらも、学校教育に大きな影響を及ぼしていることは言うまでもない。今回の対話のテーマの一つは、歴史家が戦後どのように歴史を研究してきたのか、である。戦後東アジア各国では激しい政治変動が発生し、歴史家の歴史研究と歴史認識も激しく揺れ動いた。歴史家の研究と発信の軌跡を跡づけることは、各国の歴史認識の形成過程を確認する有効な手段であろう。
映画・テレビなどのメディアも国民の歴史認識の形成に重要な役割を担っている。戦後、各国は各自の歴史観に立って、戦争と植民地に関係する作品を多数創作した。このような作品が国民の歴史認識に与えた影響は無視できない。また、メディア交流が展開されるなかで、多数の映画やテレビドラマが共同で制作された。国民同士はこれらの作品を鑑賞することで、間接的に歴史対話を行ってきた。各国の文化、社会環境が歴史認識にどう影響したのか、確認したい問題の一つである。
歴史認識をめぐる国家間の対立が発生すると、相手の歴史解釈と歴史認識の問題点を指摘することが多い。しかし、自国内に発生した政治、社会変動に誘発される歴史認識の対立の方がむしろ多い。相手の歴史認識を認識する過程は、自分の歴史認識を問い直す機会でもあろう。このような観点から、第8回の国史対話は、今までの対話をさらに深めることを目指した。
<もくじ>
第1セッション [司会:村 和明(東京大学)]
【開会挨拶】 劉 傑(早稲田大学)
【趣旨説明】 三谷 博(東京大学名誉教授)
第2 セッション サブテーマ:教育 [司会:南 基正(ソウル大学)]
【発表1(韓国)】
解放後における韓国人知識人層の脱植民地議論と歴史叙事構成の変化
金 泰雄(ソウル大学)
【発表2(中国)】
歴史をめぐる記憶の戦争と著述の倫理—20 世紀半ばの中国に関する「歴史の戦い」—
唐 小兵(華東師範大学)
【発表3(日本)】
日本の歴史教育は戦争と植民地支配をどう伝えてきたか—教科書と教育現場から考える—
塩出浩之(京都大学)
【討論・質疑応答】
パネリスト同士の討論・参加者との質疑応答
第3セッション サブテーマ:メディア [司会:李 恩民(桜美林大学)]
【発表4(中国)】
保身、愛国と屈服—ある偽満州国の「協力者」の心理状態に対する考察—
江 沛(南開大学)
【発表5(日本)】
戦後日本のメディア文化と「戦争の語り」の変容
福間良明(立命館大学)
【発表6(韓国)】
現代韓国メディアの植民地、戦争経験の形象化とその影響—映画、ドラマを中心に—
李 基勳(延世大学)
【討論・質疑応答】 パネリスト同士の討論・参加者との質疑応答
第4 セッション サブテーマ:研究 [司会:宋 志勇(南開大学)]
【発表7(日本)】
「 わたし」の歴史、「わたしたち」の歴史—色川大吉の「自分史」論を手がかりに—
安岡健一(大阪大学)
【発表8(韓国)】
「発展」を越える、新しい歴史叙述の可能性—韓国における植民地期経済史研究の行方—
梁 知恵(東北亜歴史財団)
【発表9(中国)】
民国期の中国人は「日本軍閥」という概念をどのように認識したか
陳 紅民(浙江大学)
【討論・質疑応答】
パネリスト同士の討論・参加者との質疑応答)
論点整理 劉 傑(早稲田大学)
第5 セッション 指定討論/全体討議 [司会:鄭 淳一(高麗大学)]
議論を始めるに当たって:三谷 博(東京大学名誉教授)
指定討論者(発言順):
金 憲柱(国立ハンバット大学)、袁 慶豊(中国伝媒大学)、吉井文美(国立歴史民俗博物館)、史 博公(中国伝媒大学)
第6セッション 指定討論/全体討議[ 司会:彭 浩(大阪公立大学)]
指定討論者(発言順):
張 暁剛(長春師範大学)、金 澔(ソウル大学)、平山 昇(神奈川大学)
講師略歴
あとがきにかえて
金キョンテ
参加者リスト
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2023.11.07
SGRAレポート第105号
第71 回SGRA フォーラム
「20世紀前半、北東アジアに現れた『緑のウクライナ』という特別な空間」
2023年10月30日発行
<フォーラムの趣旨>
ロシア帝国は中国とのネルチンスク条約、アイグン条約、北京条約によって極東の大きな領土を手に入れることができた。その極東の国境沿いの領土はあまりにも人口が少なかったため、定住者を増やすことが政治地理的な大きな課題となった。
ほぼ同時期の1861 年に農奴解放令が発布され、当時ロシア帝国に付属していたウクライナの農奴はやっと農地を手に入れたものの、配給された土地は非常に小さく不満を抱く人が多かった。そこでロシア帝国政府は「帝国の南側から極東に家族ごと移住すれば、かなり大きな農地をもらえる」と宣伝し、1870 年からロシア革命までに大勢のウクライナ人が極東に移り住んだ。
1918 年1月にキーウで独立共和国の宣言が行われた時、極東のウクライナ人は「緑のウクライナ」という国を作ろうとしていた。1922 年にソ連政権が極東に定着した時、その政権から逃れた100 万人のウクライナ人がハルビンなどに移り住み1945 年まで留まっていた。
本フォーラムでは、いろいろな民族が住み、さまざまな文化が存在し、新たなアイデアもたくさん生まれていた、20 世紀前半の極東アジアに存在した特別な空間について話し合った。
<もくじ>
【開会挨拶】
マグダレナ・コウオジェイ(東洋英和女学院大学)
【講演1】 『緑のウクライナ』という特別な空間
オリガ・ホメンコ(オックスフォード大学日産研究所所属英国アカデミー研究員)
【講演2】 マンチュリア(満洲)における民族の交錯
塚瀬 進(長野大学環境ツーリズム学部学部長)
【話題提供1】 中国東北地域における近代的な空間の形成: 東北蒙旗師範学校を事例に
ナヒヤ(内蒙古大学蒙古学学院歴史系副教授)
【話題提供2】 『マンチュリア』に行こう!
グロリア・ヤン ユー(九州大学人文科学研究院広人文学コース講師)
自由討論
司会/モデレーター:
マグダレナ・コウオジェイ(東洋英和女学院大学准教授)
討論者:
オリガ・ホメンコ(オックスフォード大学日産研究所所属英国アカデミー研究員)
塚瀬 進(長野大学環境ツーリズム学部学部長)
ナヒヤ(内蒙古大学蒙古学学院歴史系副教授)
グロリア・ヤン ユー(九州大学人文科学研究院広人文学コース講師)
講師略歴
あとがきにかえて
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2023.11.07
SGRAレポート第104号(日韓合冊)
第21回 日韓アジア未来フォーラム
「新たな脅威(エマージングリスク)・新たな安全保障(エマージングセキュリティ) ――これからの政策への挑戦」
2023年11月15日発行
<フォーラムの趣旨>
冷戦後の国際関係において非軍事的要素の重要性を背景にグローバルな経済対立、貧富格差の拡大、そして気候変動、先端技術の侵害、サイバー攻撃、パンデミックなどが新しい安全保障の範疇に含まれるようになってきた。伝統的な安全保障問題が地理的に近接した国家間で発生する事案抑止を前提とするのに対して、新たな安全保障上のリスクは突発的に発生し、急速に拡大し、さらにグローバルネットワークを通じて国境を超える。 多岐にわたり複雑に絡み合う新しい安全保障のパラダイムを的確に捉えるためには、より精緻で包括的な分析やアプローチが必要なのではないだろうか。
本フォーラムでは、韓国における「エマージングセキュリティ(新たな安全保障)」研究と日本における「経済安全保障」研究を事例として取り上げ、今日の安全保障論と政策開発の新たな争点と課題について考察した。
<もくじ>
【第1セッション】
[基調講演1]エマージングセキュリティ、新しい安全保障パラダイムの浮上
金 湘培(ソウル大学政治外交学部教授)
[基調講演2]経済安全保障・技術安全保障の現在
鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
【第2セッション】
[コメント1]基調講演を受けて
李 元徳(国民大学校社会科学大学教授)
[コメント2]複合地政学への対応としての日韓協力
西野純也(慶應義塾大学法学部政治学科教授)
[コメント3]韓国と日本の共通の挑戦
林 恩廷(国立公州大学国際学部副教授)
[コメント4]安保、国家、リベラリズム
金 崇培(国立釜慶大学日本学専攻助教授)
【第3セッション】 自由討論/質疑応答
司 会: 金 雄熙(仁荷大学国際通商学部教授)
討論者:
金 湘培(ソウル大学政治外交学部教授)
鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
李 元徳(国民大学校社会科学大学教授)
西野純也(慶應義塾大学法学部政治学科教授)
林 恩廷(国立公州大学国際学部副教授)
金 崇培(国立釜慶大学日本学専攻助教授)
総括・閉会挨拶
平川 均( 名古屋大学名誉教授/渥美国際交流財団理事、第21 回日韓アジア未来フォーラム実行委員長)
講師略歴
あとがきにかえて
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2023.11.07
SGRAレポート第103号日本語版 中国語版 韓国語版
第70回SGRAフォーラム
「木造建築文化財の修復・保存について考える」
2023年11月10日発行
<フォーラムの趣旨>
東アジアの諸国は共通した木造建築文化圏に属しており、西洋と異なる文化遺産の形態を持っています。第70回SGRAフォーラムでは、国宝金峯山寺(きんぷせんじ)二王門の保存修理工事を取り上げ、日本の修理技術者から現在進行中の文化財修理現場をライブ中継で紹介していただきます。続いて韓国・中国・ヨーロッパの専門家と市民の代表からコメントを頂いた上で、視聴者からの質問も取り上げながら、専門家と市民の方々との間に文化財の修復と保存について議論の場を設けます。
今回のフォーラムを通じて、木造建築文化財の修復方法と保存実態をありのままお伝えし、専門家と市民の方々との相互理解を推進したいと考えております。
今回のフォーラムを実現することを可能にしてくださった、金峯山寺と奈良県文化財保存事務所に心からお礼を申し上げます。
<もくじ>
はじめに
総合司会:李 暉(奈良文化財研究所 アソシエイトフェロー/ SGRA)
開会挨拶
五條良知(金峯山修験本宗 総本山金峯山寺 管長)
【話題提供】 ライブ中継 国宝 金峯山寺二王門修復現場から
竹口泰生(奈良県文化財保存事務所金峯山寺出張所 主任)
【討論1】 [韓国専門家によるコメント]
韓国における文化遺産修理と部材保存
姜 璿慧(伝統建築修理技術振興財団 企画行政チームリーダー)
【討論2】 [中国専門家によるコメント]
古建築金峯山寺二王門の保存修理について
永 昕群(中国文化遺産研究院 研究館員)
【討論3】 [ヨーロッパ専門家によるコメント]
日本における木造建築遺産保存の特徴 ─ヨーロッパとの比較から─
アレハンドロ・マルティネス(京都工芸繊維大学 助教)
【討論4】 [市民によるコメント]
文化財修復保存に市民として期待していること
塩原フローニ・フリデリケ(BMW GROUP Japan / SGRA)
質疑応答
モデレーター:金 玟淑(京都大学防災研究所 民間等共同研究員/ SGRA)
回答者:
竹口泰生(奈良県文化財保存事務所金峯山寺出張所 主任)
姜 璿慧(伝統建築修理技術振興財団 企画行政チームリーダー)
永 昕群(中国文化遺産研究院 研究館員)
アレハンドロ・マルティネス(京都工芸繊維大学 助教)
塩原フローニ・フリデリケ(BMW GROUP Japan / SGRA)
講師略歴
あとがきにかえて
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2023.06.21
SGRAレポート第102号(日中合冊)
第16回SGRAチャイナフォーラム
「モダンの衝撃とアジアの百年
―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―」
2023年6月14日発行
<フォーラムの趣旨>
山室信一先生(京都大学名誉教授)の『アジアの思想史脈―空間思想学の試み』(人文書院、2017年。徐静波・訳『亚洲的思想史脉——空间思想学的尝试』上海交通大学出版社・近刊予定)と『モダン語の世界へ:流行語で探る近現代』(岩波新書、2021年)などを手がかりに行った2021年のフォーラム「アジアはいかに作られ、モダンはいかなる変化を生んだのか?」の続編として、前回に提起した空間論・時間論・ジェンダー論における論的転回の具体的現れについて考える。そして、それらが生活世界にどのような衝撃を与え、現在の私たちの時空感覚や身体的感性や倫理規範などにいかに通底しているのかを検討する。
<もくじ>
【挨拶】 野田昭彦(国際交流基金北京日本文化センター)
【講演】 モダンの衝撃とアジアの百年
―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―
山室信一(京都大学名誉教授)
【コメント1】 今日における山室信一理論の意義
陳 言(北京市社会科学院)
【コメント2】 山室教授講演へのコメント
高 華鑫(中国社会科学院外国文学研究所)
【応答】 コメントを受けて
山室信一(京都大学名誉教授)
【自由討論】
モデレーター
林 少陽(澳門大学歴史学科/ SGRA /清華東亜文化講座)
討論者
陳 言(北京市社会科学院)
高 華鑫(中国社会科学院外国文学研究所)
山室信一(京都大学名誉教授)
【閉会挨拶】 劉 暁峰(清華東亜文化講座/清華大学歴史系)
講師略歴
あとがきにかえて
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2023.03.20
SGRAレポート第101日本語版 中国語版 韓国語版
第69回SGRAフォーラム講演録
第7回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性
「『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」
2023年3月22日発行
<フォーラムの趣旨>
新型コロナ感染症蔓延が続くなか、「国史たちの対話」ではオンラインでのシンポジウムを開催し、一定の成功を収めてきたと考える。イベントを開催する環境にはなお大きな改善が期待しづらいことを踏まえ、引き続き従来参加してきた人々のなかでの対話を深めることを重視した企画を立てた。
大きな狙いは、各国の歴史学の現状をめぐって国史研究者たちが抱えている悩みを語り合い、各国の現状についての理解を共有し、今後の対話に活かしてゆきたい、ということである。こうした悩みは多岐にわたる。今回はその中から、各国の社会情勢の変貌、さまざまなメディア、特にインターネットの急速な発達のもとで、新たな需要に応えて歴史に関係する語りが多様な形で増殖しているが、国史の専門家たちの声が歴史に関心を持つ多くの人々に届いておらず、かつ既存の歴史学がそれに対応し切れていない、という危機意識を、具体的な論題として設定した。
共通の背景はありつつも、各国における社会の変貌のあり方により、具体的な事情は多種多様であると考えられるので、ひとまずこうした現状認識を「歴史大衆化」という言葉でくくってみた上で、各国の現状を報告していただき、それぞれの研究者が抱えている悩みや打開策を率直に語り合う場とした。
<もくじ>
第1セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)]
はじめに 李 恩民(桜美林大学)
開会の趣旨 彭 浩(大阪公立大学)
【問題提起】 「 歴史大衆化」について一緒に考えてみましょう
韓 成敏(高麗大学)
【指定討論1(中国)】 私が接触したパブリック・ヒストリー
鄭 潔西(温州大学)
【指定討論2(日本)】 日本で起こっていること─「歴史学」専門家の立ち位置と境界─
村 和明(東京大学)
【指定討論3(韓国)】 韓国における「公共歴史学」の現況と課題
沈 哲基(延世大学)
【コメント】 指定討論を受けて
韓 成敏(高麗大学)
第2 セッション [モデレーター:南 基正(ソウル大学)]
自由討論
論点整理:劉 傑(早稲田大学)
パネリスト:問題提起者、討論者、国史対話プロジェクト参加者
第3セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)]
総括
三谷 博(東京大学名誉教授)
閉会挨拶
趙 珖(高麗大学名誉教授)
講師略歴
あとがきにかえて
金キョンテ
参加者リスト
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2022.11.28
SGRAレポート第100号(日韓合冊)
第20 回 日韓アジア未来フォーラム
「進撃のKカルチャー―新韓流現象とその影響力」
2022年11月16日発行
<フォーラムの趣旨>
BTS は国籍や人種を超え、一種の地球市民を一つにしたコンテンツとして、グローバルファンダムを形成し、BTS 現象として世界的な注目を集めている。一体BTS の文化力の源泉をなすものは何か。BTS 現象は日韓関係、地域協力、そしてグローバル化にどのようなインプリケーションをもつものなのか。
本フォーラムでは日韓、アジアの関連専門家を招き、これらの問題について幅広い観点から議論するため、日韓の基調報告をベースに討論と質疑応答を行った。
<もくじ>
【開会の辞】
今西淳子(渥美国際交流財団常務理事・SGRA代表)
【第1 部】
[報告1]
文化と政治・外交をめぐるモヤモヤする「眺め」
小針 進(静岡県立大学教授)
[報告2]
BTSのグローバルな魅力―外的、環境条件と内的、力量の要因―
韓 準(延世大学教授)
【第2 部】
[ミニ報告]
ベトナムにおけるKポップ・Jポップ
チュ・スワン・ザオ(ベトナム社会科学院文化研究所上席研究員)
[講演者と討論者の自由討論]
討論者: 金 賢旭(国民大学教授)
平田由紀江(日本女子大学教授)
【第3 部】
[質疑応答]
進 行:
金 崇培(釜慶大学日語日文学部准教授)
金 銀恵(釜山大学社会学科准教授)
回答者:
小針 進(静岡県立大学教授)
韓 準(延世大学教授)
平田由紀江(日本女子大学教授)
【閉会の辞】 徐 載鎭(ソ・ゼジン:未来人力研究院院長)
講師略歴
あとがきにかえて
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2022.10.27
SGRAレポート第99号
第68回SGRAフォーラム
「夢・希望・嘘 -メディアとジェンダー・セクシュアリティの関係性を探る-」
2022年11月1日発行
<フォーラムの趣旨>
現代社会に生きる者がメディアの影響からのがれることは難しい。服から食べ物まで、私たちの日常的なあらゆるものの選択はメディアに左右されている。
同様に、子供のころからジェンダーやセクシュアリティに関わる情報にさらされ、女性は、男性は、いかに行動すべきなのか、どのようなジェンダーやセクシュアリティが存在するのか、恋愛とは何なのかというイメージもメディアにより作られている。メディアは意見を作るための貴重なツールであるだけでなく、意見を変えるためのツールでもある。
本フォーラムではメディアはどのように恋愛、ジェンダーやセクシュアリティの理解に影響を与えているのか?視聴者やファンはどのようにメディアと接触しているのか?社会的な変化のために、メディアをどのように利用することができるのか? など、現代におけるメディアとジェンダーおよびセクシュアリティの関係性のさまざまな様相を皆さんと共に掘り下げ、探ってゆくことを目指した。
<もくじ>
【第1 部】
[基調講演]
今の時代、白馬に乗った王子様って必要?
―リアリティーテレビの「バチェラー・ジャパン」と「バチェロレッテ・ジャパン」から見たジェンダー表象―
ハンブルトン・アレクサンドラ(津田塾大学)
[質疑応答]
質問者:デール・ソンヤ(インディペンデントリサーチャー)
回答者: ハンブルトン・アレクサンドラ(津田塾大学)
Q&Aコーディネーター:郭 立夫(東京大学)
【第2 部】
[発表①]
夢を売り、夢を描く
―ジェンダー視点からみる宝塚歌劇団の経営戦略と関西圏のファン文化―
バラニャク平田ズザンナ(お茶の水女子大学)
[発表②]
中国本土のクィア運動におけるメディア利用
―北京紀安徳咨詢センターによるメディア・アクティビズムを中心に―
于 寧(国際基督教大学)
[発表③]
#MeTooからデンジャンニョ(味噌女)まで
―韓国のメディアにおける「フェミ/嫌フェミ」をめぐって―
洪ユン伸(一橋大学)
【第3 部】 ディスカッション
パネリスト: ハンブルトン・アレクサンドラ(津田塾大学)
バラニャク平田ズザンナ(お茶の水女子大学)
于 寧(国際基督教大学)
洪 ユン伸(一橋大学)
Q&A コーディネーター:郭 立夫(東京大学)
講師略歴
あとがきにかえて
デール・ソンヤ(インディペンデントリサーチャー)