-
2026.05.29
SGRAレポート第117号(日中合冊)
第19回SGRAチャイナ・フォーラム
「『琳派』の創造」
2026年6月18日発行
<フォーラムの趣旨>
公益財団法人渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2007 年から毎年、北京を中心とした中国各地の大学等で、日本の民間公益団体の主宰者を招いてSGRA チャイナ・フォーラムを開催してきた。2014 年からは趣向を変え、清華東亜文化講座のご協力をいただき、中国在住の日本文学や文化の研究者を対象として、東北アジア地域の近現代史を「文化と越境」をキーワードに議論を重ねている。本年も、これまでの成果を踏まえながら、「東アジアにおける広域文化史」の可能性を探る。国立近代美術館の学芸員を長く務められた古田亮先生(東京芸術大学 大学美術館教授)をお迎えし、「琳派の創造」をテーマに、西洋の影響を受けて近代に創られた美術史の言説について考察した。
日中同時通訳付き。
<もくじ>
総合司会 はじめに─孫 建軍(北京大学日本言語文化学部/ SGRA)
開会挨拶 李 淑静(北京大学外国語学院 党書記)
開会挨拶 今西淳子(渥美国際交流財団/ SGRA)
開会挨拶 野田昭彦(国際交流基金北京日本文化センター)
【講演】 「 琳派」の創造
古田 亮(東京芸術大学大学美術館)
【指定討論1】 「 『琳派』の創造」へのコメント
戦 暁梅(国際日本文化研究センター)
【指定討論2】 講演を受けて─作品制作現場の眼差し─
中村麗子(東京国立近代美術館)
【指定討論3】 叙述・対話・生成─近代的構築としての「琳派」からの示唆─
董 麗慧(北京大学芸術学院)
【自由討論】
モデレーター: 林 少陽(澳門大学歴史学科/ SGRA /清華東亜文化講座)
発言者: 古田 亮(東京芸術大学大学美術館)、戦 暁梅(国際日本文化研究センター)、中村麗子(東京国立近代美術館)、董 麗慧(北京大学芸術学院)
閉会挨拶 王 中忱(清華東亜文化講座/清華大学中国文学科)
登壇者略歴
あとがきにかえて ─李 趙雪(南京大学芸術学院)
-
2026.05.29
SGRAレポート第115号(日中合冊)
第77 回SGRAフォーラム
「なぜ、戦後80周年を記念するのか?─ポストトランプ時代の東アジアを考える─」
2026年6月11日発行
<フォーラムの趣旨>
80 年の長きにわたる戦後史のなかで、アジアの国々は1945 年の出来事を各自の歴史認識に基づいて「終戦」「抗戦の勝利」「植民地からの解放」といった表現で語り続けてきた。アジアにおける終戦記念日は、それぞれの国が別々の立場から戦争の歴史を振り返り、戦争と植民地支配がもたらした深い傷と記憶を癒やし、平和を祈願する節目の日であった。一方、この地域の人びとが国境を超えた歴史認識を追い求め、対話を重ねてきたことも特筆すべきである。
2025 年は終戦80 周年を迎える。アメリカにおける政権交替にともなって、アジアをめぐる国際情勢がより複雑さを増している。こうした状況のなか、多様性や文明間の対話を尊重し、相互協力のなかで平和を希求してきた戦後の歴史を本格的に検証する意味は大きい。本フォーラムは日本、中国、韓国、東南アジアの視点から戦後80 年の歳月に光を当て、近隣諸国・地域と日本との和解への道を振り返り、平和を追求するアジアの経験と、今日に残る課題を語り合った。
<もくじ>
総合司会 開催にあたって─李 恩民(桜美林大学)
開会挨拶 今西淳子(渥美国際交流財団、関口グローバル研究会)
歓迎挨拶 鷲津明由(早稲田大学)
【第一部】 基調講演
【講演1】 冷戦、東北アジアの安全保障と中国外交戦略の転換
沈 志華(華東師範大学)
【講演2】 冷戦から冷戦までの間─第2次世界大戦後米中関係の展開と日本─
藤原帰一(順天堂大学、東京大学名誉教授)
【第二部】 オープンフォーラム
【 若手研究者による討論】
【 1】東アジアの地政学的転換と朝鮮半島を考える
権 南希(関西大学)
【 2】 なぜ、戦後80周年を記念するのか
─タイ保守派の陰謀論分析から考える政治的断層線─
ラクスミワタナ モトキ(早稲田大学)
【 3】国 際秩序と知的交流─留学生政策から考える─
野﨑雅子(早稲田大学)
【 4】 民間の歴史認識・信頼構築・協力と和解への道
李 彦銘(南山大学)
【質疑応答】
モデレーター: 林 泉忠(東京大学)
Q&A 担当: 陳 璐(早稲田大学)
発言者: 藤原帰一(順天堂大学、東京大学名誉教授)、沈 志華(華東師範大学)、権 南希(関西大学)、ラクスミワタナ モトキ(早稲田大学)、野﨑雅子(早稲田大学)、李 彦銘(南山大学)
総括・閉会挨拶 劉 傑(早稲田大学)
登壇者略歴
あとがきにかえて 賈 海涛(神奈川大学、一橋大学)
-
2025.11.19
SGRAレポート第114号
第76 回SGRA フォーラム
「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」
2025年11月21日発行
<フォーラムの趣旨>
中近東や東南アジアでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーへの関心が急上昇している。日本語学習のきっかけとなることも多い。トルコ語に翻訳された日本のアニメや漫画が飛躍的に増えているように、日本ポップカルチャーはブームだ。日本研究においても、これらの地域でなぜ日本文化の受容が広がっているのか、なぜ若者が日本語に特別な関心を持つようになったのかをもっと議論すべきであろう。
一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。
フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場とした。
中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。
<もくじ>
開会挨拶
角田英一(渥美国際交流財団)
トルガ・オズシェン(COMU)
ムザッフェル・オズレミル(COMU)
【第1部】 中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化
[発表1] トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ
レベント・トクソズ( テキルダー・ナムク・ケマル大学(NKU))
[発表2] トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー
チェリッキ・メレキ(COMU)
[発表3] イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望
アヤット・ホセイニ(テヘラン大学)
[討 論] 中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する
司会:岩田和馬(東京外国語大学)
オンラインQ&A:シェッダーディ アキル(慶應義塾大学)
指定討論者:
孫 建軍(北京大学)
市村美雪(COMU)
ショリナ ダリヤグル(筑波大学)
討論者:
レベント・トクソズ(NKU)
チェリッキ・メレキ(COMU)
アヤット・ホセイニ(テヘラン大学)
【第2部】 日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育
[発表4] 在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察
アキバリ・フーリエ(神田外国語大学)
[発表5] 在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に
ミヤ・ドゥイ・ロスティカ(大東文化大学)
[討論・質疑応答] 日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する
司会:シェッダーディ アキル(慶應義塾大学)
オンラインQ&A:岩田和馬(東京外国語大学)
指定討論者:
ゲンチェル・バルオール・ゼイネップ(パムッカレ大学(PAU))
チャクル・ムラット(関西外国語大学)
討論者:
レベント・トクソズ(NKU)
チェリッキ・メレキ(COMU)
アヤット・ホセイニ(テヘラン大学)
アキバリ・フーリエ(神田外国語大学)
ミヤ・ドゥイ・ロスティカ(大東文化大学)
登壇者略歴
あとがきにかえて
チェリッキ・メレキ(COMU)
-
2025.11.19
SGRAレポート第113号
第75 回SGRAフォーラム/第45 回持続的な共有型成長セミナー
「東アジア地域市民の対話
国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」
2025年11月19日発行
<フォーラムの趣旨>
地理学的にいえば、「東アジア」は、北東アジア(日本、中国、韓国)と東南アジア(ASEAN 加盟国)の双方から構成され、「多様性の中の調和」原則の現出ともいえる「東アジア統合」というASEAN+3 のビジョンを共有している。東アジアはこのビジョンに向けて大きな前進を遂げたが、近年中国が関わる出来事がこのビジョンに向けた地域の進歩を頓挫させていることも否定できない。
国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(Local-to-Local Across Border Schemes、以下LLABS)は、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)経営開発学部(CPAf )のさまざまなコラボレーションとして、フェルディナンド C. マキト博士が主導する「持続可能な共有成長セミナー」を通じて生まれた。UPLB チームは、フィリピン内務省の地方政府アカデミーと地方自治省のために LLABS 研究プロジェクトを実施した。
本フォーラムでは、桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群とSGRA の協力によって、従来主にフィリピンで検討されてきた LLABS構想について、北東アジアの研究者と一緒に議論し、その実現の可能性について探ることを目的とした。
会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、共催のフィリピン大学オープンユニバーシティを通じて広くオンライン参加者を募った。
<もくじ>
【開会挨拶】 李 恩民(桜美林大学)
【基調講演】 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の概要と意義
フェルディナンド C. マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
【討論1】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性コミュニティ連携
─成長のトライアングルと移民(中華街・カレー移民)に見る教訓─
佐藤考一(桜美林大学)
【討論2】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性
東北アジア地域における越境開発協力および地域自治体協力枠組み─中国を事例に─
李 鋼哲(東北亞未来構想研究所(INAF))
【討論3】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性
国際レジーム形成における韓国地方政府の取り組み─日中韓地方政府交流会議を事例として─
南 基正(ソウル大学日本研究所)
【討論4】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性
政治的制約を超える台湾と東南アジア「非政府間」の強い結びつき
林 泉忠(東京大学東洋文化研究所)
【市民の意見】
フィリピン市民の意見─LLABSとフィリピンの視点─
ジョアン V. セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
インドネシア市民の意見─LLABSとインドネシアの視点─
ジャクファル・イドルス(国士舘大学)
タイ市民の意見─LLABSとタイの視点─
モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学)
【自由討論】
総合司会: ブレンダ・テネグラ(アクセンチュア)
進 行: フェルディナンド C. マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
発 言 者:(発言順):
南 基正(ソウル大学日本研究所)
林 泉忠(東京大学東洋文化研究所)
佐藤考一(桜美林大学)
李 鋼哲(東北亞未来構想研究所(INAF))
ジョアン V. セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
ジャクファル・イドルス(国士舘大学)
モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学)
【総括にかえて】 平川 均(名古屋大学名誉教授)
【閉会挨拶】 今西淳子(渥美国際交流財団)
登壇者略歴
あとがきにかえて
─フェルディナンド C. マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
-
2025.11.16
SGRAレポート第112号(日中合冊)
第18回SGRAチャイナ・フォーラム
「アジア近代美術における〈西洋〉の受容」
2025年11月16日発行
<フォーラムの趣旨>
2023年に開催した「東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生」では、日本における東南アジア美術史の第一人者である後小路雅弘先生(北九州市立美術館館長)を講師に迎え、いまだ東北アジア地域では紹介されることが少ない東南アジアにおける近代美術誕生の多様な様相について学んだ。その続編として今回は、初期の東南アジアの美術家にとって重要な存在であったゴーギャンを取り上げ、東南アジア近代美術において〈西洋〉がどのように受容され、そこにどのような課題が反映していたのかを考察した。
<もくじ>
【開会挨拶】
周 異夫(北京外国語大学日本語学院/日本学研究センター)
野田昭彦(国際交流基金北京日本文化センター)
【 講 演 】 アジア近代美術における〈西洋〉の受容 ─東南アジアのゴーギャニズム8後小路雅弘(北九州市立美術館)
【 指定討論1】 王 嘉(北京外国語大学)20世紀初期ベトナム近代美術教育について
【 指定討論 2】 二村淳子(関西学院大学)ゴーギャンにおけるベトナム、ベトナムにおけるゴーギャン
【自由討論】
モデレーター:林 少陽(澳門大学歴史学科/SGRA/清華東亜文化講座)
発 言者: 後小路雅弘(北九州市立美術館) 王 嘉( 北 京 外 国 語 大 学 )、二村淳子(関西学院大学)
【閉会挨拶】 王 中忱(清華東亜文化講座/清華大学中国文学科)
講師略歴
あとがきにかえて 李 趙雪(南京大学芸術学院)
-
2025.06.20
SGRAレポート第111号
第11 回 日台アジア未来フォーラム
「疫病と東アジアの医学知識-知の連鎖と比較」
2025年6月20日発行
<フォーラムの趣旨>
2019年12月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国の武漢市から流行し、多くの死者が出て全世界的なパンデミックを引き起こした。人と物の流れが遮断され、世界経済も甚大な打撃を受けた。この出来事によって、私たちは東アジアの歴史における疫病の流行と対処の仕方、また治療、予防の医学知識はどのように構築されていたか、さらに東アジアという地域の中で、どのように知の連鎖を引き起こして共有されたかということに、大きな関心を持つようになった。会議では中国、台湾、日本、韓国における疫病の歴史とその予防対策、またそれに関わる知識の構築と伝播を巡って議論を行った。
<もくじ>
【第1部】
[報告1] 新型コロナウイルス感染症(Covid-19)から疫病史を再考する
──比較史研究の可能性について
李 尚仁(中央研究院歴史語言研究所)
[報告2] 清日戦争以前の朝鮮開港場の検疫規則
朴 漢珉(東北亜歴史財団)
[報告3] 幕末から明治初期の種痘について
松村 紀明(帝京平成大学)
[報告4] 流行性感染症と東アジア伝統医学
町 泉寿郎(二松学舎大学)
【第2部】
[指定討論1] 「報告1 新型コロナウイルス感染症(Covid-19)から疫病史を再考する
──比較史研究の可能性について」へのコメント
市川 智生(沖縄国際大学)
[指定討論2] 「報告2 清日戦争以前の朝鮮開港場の検疫規則」へのコメント
巫 毓荃(中央研究院歴史語言研究所)
[指定討論3] 「報告3 幕末から明治初期の種痘について」へのコメント
祝 平一(中央研究院歴史語言研究所)
[指定討論4] 「報告4 流行性感染症と東アジア伝統医学」へのコメント
小曽戸 洋(前北里大学東洋医学総合研究所教授)
【第3部】 自由討論
モデレーター:藍 弘岳(中央研究院歴史語言研究所)
発言者(発言順):
李 尚仁(中央研究院歴史語言研究所)
朴 漢珉(東北亜歴史財団)
松村 紀明(帝京平成大学)
町 泉寿郎(二松学舎大学)
講師略歴
あとがきにかえて
藍 弘岳(中央研究院歴史語言研究所)
-
2025.06.19
SGRAレポート第110号
第20 回SGRA カフェ/第73 回SGRA フォーラム/第22 回SGRA カフェ連続3回シリーズ
「パレスチナを知ろう」
2025年6月20日発行
<各シリーズ開催の趣旨>
シリーズ1:第20回SGRAカフェ
「パレスチナについて知ろう:歴史、メディア、現在の問題を理解するために」
パレスチナは中東の重要な地域であり、イスラエルとの紛争や国際社会との関係が注目されています。しかし、多くの人はパレスチナの実情や人々の声を知らないまま、偏った情報や先入観に基づいて判断してしまうことがあります。シリーズ1では、パレスチナの歴史的背景やメディアの表現方法を分析し、現在の問題に対する多様な視点や意見を紹介しました。パレスチナについて知ることで、平和的な解決に向けた理解と共感を深めることを目的としています。大切なのは、同じ地球市民の一員として、この問題がこのままでいいのか、どうあるべきなのかを考えること、そしてそれに基づいて、何ができるか考え、実際に行動することではないでしょうか。シリーズ1はその出発点となるように、パレスチナ問題の歴史や現状、メディアとの向き合い方などについて、皆さんと一緒に考えました。
シリーズ2:第73回SGRAフォーラム
「パレスチナの壁:「わたし」との関係は?」
シリーズ2では専門家、パレスチナ出身者、パレスチナ支持の活動を行っている学生の声を取り上げ、なぜこの問題が全ての人にとって重要なのか、そしてその問題を取り上げようとするときに直面する壁について話し合いました。 「壁」という言葉には複数の意味が込められています。一つは、パレスチナ問題について公然と話すことを阻む見えない壁であり、タブーと言論の自由への抑圧を象徴しています。もう一つは、パレスチナ領土での継続的なアパルトヘイト(人種隔離)と植民地化の結果として存在する物理的な分離の壁です。世界中での学生の抗議活動は、これらの見えない壁を取り壊す試みであり、パレスチナ問題に対する公開討論を促進する力となっています。これはパレスチナ問題に対する新たな視点を提供すると同時に、世代間の意識の違いとその変化を示唆しています。
このフォーラムを通じて、参加者がパレスチナ問題に対する多面的な理解を深め、グローバルおよびローカル、マクロとミクロな視点からアプローチする機会になることを期待しています。
シリーズ3:第22回SGRAカフェ
「逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ」
これまでは国際政治やパレスチナ問題の現状に焦点を当ててきたことを踏まえ、シリーズ3では文化、文学、芸術にスポットライトを当てました。
パレスチナに関するニュースは戦争や紛争に偏りがちですが、パレスチナ人には逆境の中で形成された独自で多様な文化的アイデンティティがあります。パレスチナの文学や芸術は民族が国家を奪われ、自決権を認められず、土地や文化の喪失を経験してきた中で、「故郷」をどのように捉えているかを映し出しています。
パレスチナの芸術や文学がいかにして平和的な抵抗の手段となり、抑圧や占領に対抗する一つの形となっているのかについても探求しました。メディアでは語られることのないパレスチナの別の側面をご紹介し、このシリーズがポジティブな視点で終わることを目指しました。
<もくじ>
シリーズ1 第20 回SGRAカフェ
「パレスチナについて知ろう:歴史、メディア、現在の問題を理解するために」
[講 演] パレスチナ問題の基礎知識:歴史と政治的構図の要点を抑える
ハディ ハーニ(明治大学) ※シリーズ1・2共通
[ 質疑応答・ディスカッション]
パレスチナについて知ろう:歴史、メディア、現在の問題を理解するために
司会:シェッダーディ アキル(慶應義塾大学)
オンラインQ&A担当:徳永 佳晃(東京大学)
発言者:ハディ ハーニ(明治大学)
シリーズ1 あとがきにかえて シェッダーディ アキル(慶應義塾大学)
シリーズ2 第73回SGRAフォーラム
「パレスチナの壁:『わたし』との関係は?」
[発表①] パレスチナ問題の基礎知識:歴史と政治的構図の要点を抑える
ハディ ハーニ(明治大学) ※シリーズ1・2共通
[発表②] 建築の支配:植民地主義の武器としての建造環境
ウィアム・ヌマン(東京工業大学)
[発表③] 立ち上がる学生、クィア、環境活動家たち:2023 年10月以降の東京のパレスチナ解放運動
溝川 貴己(早稲田大学)
[ 質疑応答・ディスカッション] パレスチナの壁:「わたし」との関係は?
モデレーター:徳永 佳晃(日本学術振興会)
オンラインQ&A担当:郭 立夫(筑波大学)
発言者(発言順): ハディ ハーニ(明治大学)
ウィアム・ヌマン(東京工業大学)
溝川 貴己(早稲田大学)
シリーズ2 あとがきにかえて 郭 立夫(筑波大学)
シリーズ3 第22回SGRAカフェ
「逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ」
[講 演] 逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ
山本 薫(慶應義塾大学)
[ 質疑応答・ディスカッション] 逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ
司会:シェッダーディ アキル(慶應義塾大学)
オンラインQ&A担当:銭 海英(明治大学)
発言者:山本 薫(慶應義塾大学)
シリーズ3 あとがきにかえて 銭 海英(明治大学)
登壇者略歴
おわりに
-
2025.06.18
SGRAレポート第109日本語版 中国語版 韓国語版
第74回SGRAフォーラム講演録
第9回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性
「東アジアの「国史」と東南アジア」
2025年6月20日発行
<フォーラムの趣旨>
「国史たちの対話」企画は、日中韓「国史」研究者の交流を深めることによって、知のプラットフォームを構築し、3カ国間に存在する歴史認識問題の克服に知恵を提供することを目的に対話を重ねてきた。第1回で日中韓各国の国史研究と歴史教育の状況を確認することからスタートし、その後13 世紀から時代を下りながらテーマを設け、対話を深めてきた。新型コロナ下でもオンラインでの対話を実施し、その特性を考慮して、歴史学を取り巻くタイムリーなテーマを取り上げてきた。
2023 年は対面型での再開が可能となったことを受け、「国史たちの対話」企画当時から構想されていた、20 世紀の戦争と植民地支配をめぐる国民の歴史認識をテーマに掲げた。多様な切り口から豊かな対話がなされ、「国史たちの対話」企画の目標の一つが達成された。今後はこれまでの対話で培った日中韓の国史研究者のネットワークをいかに発展させていくか、またそのためにどのような方針で対話を継続していくかが課題となるだろう。
こうした新たな段階を迎えて、第9回となる今回は、開催地にちなみ、「東南アジア」と各国の国史の関係をテーマとして掲げた。日本・中国・韓国における国史研究は、過去から現在に至るまで、なぜ、どのように、東南アジアに注目してきたのだろうか。過去の様々な段階で、様々な政治、経済、文化における交流や「進出」があった。それらは政府間の関係であったり、それにとどまらない人やモノの移動であったりもした。こうした諸関係や、それらへの関心のあり方は、各国ではかなり事情が異なってきた。こうした直接・間接の関係の解明に加え、比較的条件の近い事例として、自国の歩みとの比較も行われてきた。そもそも「東南アジア」という枠組み自体も、国民国家や「東アジア」といった枠組みと同様、世界の激動のなかで生み出されたものであり、歴史学の考察対象となってきた。
本シンポジウムでは、各国の気鋭の論者により、過去の研究動向と最先端の成果が紹介された。これらの研究は、どのような社会的・歴史的な背景のもとで進められてきたのか。こうした手法・視座を用いることで、自国史にいかなる影響があり、また今後はどのような展望が描かれるのか。議論と対話を通じて3カ国の国史の対話を、より多元的な文脈のうちに位置づけ、さらに開いたものとし、発展の方向性をも考える機会としたい。
<もくじ>
第1セッション [司会:劉 傑(早稲田大学)]
【はじめに】 劉 傑(早稲田大学)
【開会挨拶】 三谷 博(東京大学名誉教授)
【基調講演】 ポストコロニアル時代における「ナショナリズム」衝突の原因
—毛沢東時代とポスト毛沢東時代における中国の対日政策の変化を手掛かりに
楊 奎松(北京大学・華東師範大学)
質疑応答
発言(発言順):
平山 昇(神奈川大学)
楊 奎松(北京大学・華東師範大学)
タンシンマンコン・パッタジット(東京大学)
第2セッション [司会:南 基正(ソウル大学)]
【発表1(タイ)】 「竹の外交論」における大国関係と小国意識
タンシンマンコン・パッタジット(東京大学)
【発表2(日本)】 日本近代史と東南アジア ―1930 年代の評価をめぐって―
吉田ますみ(三井文庫)
【発表3(韓国)】 韓国における東南アジア史研究 ―回顧と展望―
尹 大栄(ソウル大学)
【発表4(中国)】 華僑問題と外交 —1959 年のインドネシア華人排斥に対する中国政府の対応—
高 艷傑(厦門大学)
第3セッション [司会:彭 浩(大阪公立大学)]
指定討論
指定討論者:
【中国】鄭 成(兵庫県立大学)、鄭 潔西(温州大学)
【韓国】鄭 栽賢(木浦大学)、韓 成敏(高麗大学)
【日本】佐藤雄基(立教大学)、平山 昇(神奈川大学)
第4セッション [司会:鄭 淳一(高麗大学)]
自由討論
討論者(発言順):
楊 奎松(北京大学・華東師範大学)、タンシンマンコン・パッタジット(東京大学)、
吉田ますみ(三井文庫)、尹 大栄(ソウル大学)、高 艷傑(厦門大学)、
三谷 博(東京大学名誉教授)、塩出浩之(京都大学)、平山 昇(神奈川大学)、
宋 志勇(南開大学)、鄭 栽賢(木浦大学)、韓 成敏(高麗大学)
討論まとめ: 劉 傑(早稲田大学)
【閉会挨拶】 宋 志勇(南開大学)
著者略歴
あとがきにかえて 金キョンテ(全南大学)
参加者リスト
-
2024.11.13
SGRAレポート第108号(日韓合冊)
第22 回 日韓アジア未来フォーラム
「ジェットコースターの日韓関係―何が正常で何が蜃気楼なのか」
2024年11月14日発行
<フォーラムの趣旨>
21 世紀の新しい日韓パートナーシップ共同宣言後、雪解け期を迎えた日韓関係は、その後浮き沈みを繰り返しながら最悪の日韓関係と言われる「失われた10 年」を経験した。徴用工問題に対する第三者支援解決法を契機に、2023 年の7回にわたる首脳会談を経て日韓関係は一挙に正常化軌道に乗った。一体、日韓関係において何が正常で、何が蜃気楼なのか? 徴用工問題解決の1年後の成果と課題、そして日韓協力の望ましい方向について考える。
<もくじ>
開会の辞
李 鎮奎(未来人力研究院)
南 基正(ソウル大学日本研究所)
【 第1部 報告と指定討論】日韓関係の復元、その一年の評価と課題
はじめに 座長:李 元徳(国民大学)
[報告1]
日韓関係の復元、その一年の評価と課題 政治・安保
西野純也(慶應義塾大学)
[報告2]
日韓関係の復元、その一年の評価と課題 経済・通商
李 昌玟(韓国外国語大学)
[報告3]
日韓関係の復元、その一年の評価と課題 社会・文化
小針 進(静岡県立大学)
[討論1] 西野純也先生の報告を受けて
金 崇培(釜慶大学)
[討論2] 李昌玟先生の報告を受けて
安倍 誠(アジア経済研究所)
[討論3] 小針進先生の報告を受けて
鄭 美愛(ソウル大学日本研究所)
[質疑応答]
【 第2部 パネル討論】 日韓協力の未来ビジョンと協力方向
座 長: 南 基正(ソウル大学日本研究所)
パネリスト: 西野純也(慶應義塾大学)
小針 進(静岡県立大学)
安倍 誠(アジア経済研究所)
崔 喜植(国民大学)
李 政桓(ソウル大学)
鄭 知喜(ソウル大学日本研究所)
趙 胤修(東北アジア歴史財団)
開会の辞
今西淳子(渥美国際交流財団・SGRA)
金 雄煕(現代日本学会)
講師略歴
あとがきにかえて
※所属は本フォーラム開催時のもの。
-
2024.06.13
SGRAレポート第107号(日中合冊)
第17回SGRAチャイナ・フォーラム
「東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生」
2024年6月13日発行
<フォーラムの趣旨>
今回は視野を東南アジアに広げた。日本における東南アジア美術史の第一人者である後小路雅弘先生(北九州市立美術館館長)を講師に迎え、いまだ東北アジア地域では紹介されることが少ない東南アジアにおける近代美術誕生の多様な様相について学んだ。東南アジアの初期近代美術運動を通じて東北アジアとの関係や相互の影響について考えた。
<もくじ>
【挨拶】 野田昭彦(国際交流基金北京日本研究センター)
【講演】 東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生
後小路雅弘(北九州市立美術館館長/九州大学名誉教授)
【指定討論1】 熊 燃(北京大学外国語学院)
【指定討論2】 堀川理沙(ナショナル・ギャラリー・シンガポール)
【 指定討論への回答】 後小路雅弘(北九州市立美術館館長/九州大学名誉教授)
【自由討論】 モデレーター:林 少陽(澳門大学歴史学科/ SGRA /清華東亜文化講座)
【閉会挨拶】 趙 京華(清華東亜文化講座/北京第二外国語学院)
講師略歴
あとがきにかえて ─孫 建軍(北京大学日本言語文化学部/ SGRA)
〇同時通訳(日本語⇔中国語):丁 莉(北京大学)、宋 剛(北京外国語大学/ SGRA)
※所属・肩書は本フォーラム開催時のもの