SGRAレポートの紹介

  • 2023.11.07

    レポート第105号「20世紀前半、北東アジアに現れた 『緑のウクライナ』という特別な空間」

    SGRAレポート第105号   第71 回SGRA フォーラム 「20世紀前半、北東アジアに現れた『緑のウクライナ』という特別な空間」 2023年10月30日発行     <フォーラムの趣旨> ロシア帝国は中国とのネルチンスク条約、アイグン条約、北京条約によって極東の大きな領土を手に入れることができた。その極東の国境沿いの領土はあまりにも人口が少なかったため、定住者を増やすことが政治地理的な大きな課題となった。   ほぼ同時期の1861 年に農奴解放令が発布され、当時ロシア帝国に付属していたウクライナの農奴はやっと農地を手に入れたものの、配給された土地は非常に小さく不満を抱く人が多かった。そこでロシア帝国政府は「帝国の南側から極東に家族ごと移住すれば、かなり大きな農地をもらえる」と宣伝し、1870 年からロシア革命までに大勢のウクライナ人が極東に移り住んだ。   1918 年1月にキーウで独立共和国の宣言が行われた時、極東のウクライナ人は「緑のウクライナ」という国を作ろうとしていた。1922 年にソ連政権が極東に定着した時、その政権から逃れた100 万人のウクライナ人がハルビンなどに移り住み1945 年まで留まっていた。   本フォーラムでは、いろいろな民族が住み、さまざまな文化が存在し、新たなアイデアもたくさん生まれていた、20 世紀前半の極東アジアに存在した特別な空間について話し合った。   <もくじ> 【開会挨拶】 マグダレナ・コウオジェイ(東洋英和女学院大学)   【講演1】 『緑のウクライナ』という特別な空間  オリガ・ホメンコ(オックスフォード大学日産研究所所属英国アカデミー研究員) 【講演2】 マンチュリア(満洲)における民族の交錯 塚瀬 進(長野大学環境ツーリズム学部学部長)   【話題提供1】 中国東北地域における近代的な空間の形成: 東北蒙旗師範学校を事例に ナヒヤ(内蒙古大学蒙古学学院歴史系副教授) 【話題提供2】 『マンチュリア』に行こう! グロリア・ヤン ユー(九州大学人文科学研究院広人文学コース講師)   自由討論 司会/モデレーター: マグダレナ・コウオジェイ(東洋英和女学院大学准教授) 討論者: オリガ・ホメンコ(オックスフォード大学日産研究所所属英国アカデミー研究員) 塚瀬 進(長野大学環境ツーリズム学部学部長) ナヒヤ(内蒙古大学蒙古学学院歴史系副教授) グロリア・ヤン ユー(九州大学人文科学研究院広人文学コース講師)   講師略歴 あとがきにかえて
  • 2023.11.07

    レポート第104号「新たな脅威(エマージングリスク)・新たな安全保障(エマージングセキュリティ) ――これからの政策への挑戦」

    SGRAレポート第104号(日韓合冊)   第21回 日韓アジア未来フォーラム 「新たな脅威(エマージングリスク)・新たな安全保障(エマージングセキュリティ) ――これからの政策への挑戦」 2023年11月15日発行     <フォーラムの趣旨> 冷戦後の国際関係において非軍事的要素の重要性を背景にグローバルな経済対立、貧富格差の拡大、そして気候変動、先端技術の侵害、サイバー攻撃、パンデミックなどが新しい安全保障の範疇に含まれるようになってきた。伝統的な安全保障問題が地理的に近接した国家間で発生する事案抑止を前提とするのに対して、新たな安全保障上のリスクは突発的に発生し、急速に拡大し、さらにグローバルネットワークを通じて国境を超える。 多岐にわたり複雑に絡み合う新しい安全保障のパラダイムを的確に捉えるためには、より精緻で包括的な分析やアプローチが必要なのではないだろうか。   本フォーラムでは、韓国における「エマージングセキュリティ(新たな安全保障)」研究と日本における「経済安全保障」研究を事例として取り上げ、今日の安全保障論と政策開発の新たな争点と課題について考察した。   <もくじ> 【第1セッション】 [基調講演1]エマージングセキュリティ、新しい安全保障パラダイムの浮上 金 湘培(ソウル大学政治外交学部教授) [基調講演2]経済安全保障・技術安全保障の現在  鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)   【第2セッション】 [コメント1]基調講演を受けて 李 元徳(国民大学校社会科学大学教授) [コメント2]複合地政学への対応としての日韓協力 西野純也(慶應義塾大学法学部政治学科教授) [コメント3]韓国と日本の共通の挑戦 林 恩廷(国立公州大学国際学部副教授) [コメント4]安保、国家、リベラリズム 金 崇培(国立釜慶大学日本学専攻助教授)   【第3セッション】 自由討論/質疑応答 司 会: 金 雄熙(仁荷大学国際通商学部教授) 討論者: 金 湘培(ソウル大学政治外交学部教授) 鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) 李 元徳(国民大学校社会科学大学教授) 西野純也(慶應義塾大学法学部政治学科教授) 林 恩廷(国立公州大学国際学部副教授) 金 崇培(国立釜慶大学日本学専攻助教授)   総括・閉会挨拶 平川 均( 名古屋大学名誉教授/渥美国際交流財団理事、第21 回日韓アジア未来フォーラム実行委員長)   講師略歴  あとがきにかえて 
  • 2023.11.07

    レポート第103号「木造建築文化財の修復・保存について考える」

    SGRAレポート第103号日本語版 中国語版(Coming Soon) 韓国語版(Coming Soon)   第70回SGRAフォーラム 「木造建築文化財の修復・保存について考える」 2023年11月10日発行   <フォーラムの趣旨> 東アジアの諸国は共通した木造建築文化圏に属しており、西洋と異なる文化遺産の形態を持っています。第70回SGRAフォーラムでは、国宝金峯山寺(きんぷせんじ)二王門の保存修理工事を取り上げ、日本の修理技術者から現在進行中の文化財修理現場をライブ中継で紹介していただきます。続いて韓国・中国・ヨーロッパの専門家と市民の代表からコメントを頂いた上で、視聴者からの質問も取り上げながら、専門家と市民の方々との間に文化財の修復と保存について議論の場を設けます。   今回のフォーラムを通じて、木造建築文化財の修復方法と保存実態をありのままお伝えし、専門家と市民の方々との相互理解を推進したいと考えております。   今回のフォーラムを実現することを可能にしてくださった、金峯山寺と奈良県文化財保存事務所に心からお礼を申し上げます。   <もくじ> はじめに  総合司会:李 暉(奈良文化財研究所 アソシエイトフェロー/ SGRA) 開会挨拶  五條良知(金峯山修験本宗 総本山金峯山寺 管長)   【話題提供】 ライブ中継 国宝 金峯山寺二王門修復現場から  竹口泰生(奈良県文化財保存事務所金峯山寺出張所 主任)   【討論1】 [韓国専門家によるコメント] 韓国における文化遺産修理と部材保存  姜 璿慧(伝統建築修理技術振興財団 企画行政チームリーダー) 【討論2】 [中国専門家によるコメント] 古建築金峯山寺二王門の保存修理について  永 昕群(中国文化遺産研究院 研究館員) 【討論3】 [ヨーロッパ専門家によるコメント] 日本における木造建築遺産保存の特徴 ─ヨーロッパとの比較から─ アレハンドロ・マルティネス(京都工芸繊維大学 助教) 【討論4】 [市民によるコメント] 文化財修復保存に市民として期待していること 塩原フローニ・フリデリケ(BMW GROUP Japan / SGRA)   質疑応答  モデレーター:金 玟淑(京都大学防災研究所 民間等共同研究員/ SGRA) 回答者: 竹口泰生(奈良県文化財保存事務所金峯山寺出張所 主任) 姜 璿慧(伝統建築修理技術振興財団 企画行政チームリーダー) 永 昕群(中国文化遺産研究院 研究館員) アレハンドロ・マルティネス(京都工芸繊維大学 助教) 塩原フローニ・フリデリケ(BMW GROUP Japan / SGRA)   講師略歴 あとがきにかえて
  • 2023.06.21

    レポート第102号「モダンの衝撃とアジアの百年―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―」

    SGRAレポート第102号(日中合冊)   第16回SGRAチャイナフォーラム 「モダンの衝撃とアジアの百年 ―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―」 2023年6月14日発行     <フォーラムの趣旨> 山室信一先生(京都大学名誉教授)の『アジアの思想史脈―空間思想学の試み』(人文書院、2017年。徐静波・訳『亚洲的思想史脉——空间思想学的尝试』上海交通大学出版社・近刊予定)と『モダン語の世界へ:流行語で探る近現代』(岩波新書、2021年)などを手がかりに行った2021年のフォーラム「アジアはいかに作られ、モダンはいかなる変化を生んだのか?」の続編として、前回に提起した空間論・時間論・ジェンダー論における論的転回の具体的現れについて考える。そして、それらが生活世界にどのような衝撃を与え、現在の私たちの時空感覚や身体的感性や倫理規範などにいかに通底しているのかを検討する。   <もくじ> 【挨拶】 野田昭彦(国際交流基金北京日本文化センター)   【講演】 モダンの衝撃とアジアの百年 ―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション― 山室信一(京都大学名誉教授)   【コメント1】 今日における山室信一理論の意義 陳 言(北京市社会科学院) 【コメント2】 山室教授講演へのコメント 高 華鑫(中国社会科学院外国文学研究所) 【応答】 コメントを受けて 山室信一(京都大学名誉教授)   【自由討論】 モデレーター 林 少陽(澳門大学歴史学科/ SGRA /清華東亜文化講座) 討論者 陳 言(北京市社会科学院) 高 華鑫(中国社会科学院外国文学研究所) 山室信一(京都大学名誉教授)   【閉会挨拶】 劉 暁峰(清華東亜文化講座/清華大学歴史系)   講師略歴 あとがきにかえて
  • 2023.03.20

    レポート第101号「第7回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性 ―『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」

    SGRAレポート第101日本語版 中国語版 韓国語版   第69回SGRAフォーラム講演録 第7回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性  「『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」 2023年3月22日発行   <フォーラムの趣旨> 新型コロナ感染症蔓延が続くなか、「国史たちの対話」ではオンラインでのシンポジウムを開催し、一定の成功を収めてきたと考える。イベントを開催する環境にはなお大きな改善が期待しづらいことを踏まえ、引き続き従来参加してきた人々のなかでの対話を深めることを重視した企画を立てた。 大きな狙いは、各国の歴史学の現状をめぐって国史研究者たちが抱えている悩みを語り合い、各国の現状についての理解を共有し、今後の対話に活かしてゆきたい、ということである。こうした悩みは多岐にわたる。今回はその中から、各国の社会情勢の変貌、さまざまなメディア、特にインターネットの急速な発達のもとで、新たな需要に応えて歴史に関係する語りが多様な形で増殖しているが、国史の専門家たちの声が歴史に関心を持つ多くの人々に届いておらず、かつ既存の歴史学がそれに対応し切れていない、という危機意識を、具体的な論題として設定した。 共通の背景はありつつも、各国における社会の変貌のあり方により、具体的な事情は多種多様であると考えられるので、ひとまずこうした現状認識を「歴史大衆化」という言葉でくくってみた上で、各国の現状を報告していただき、それぞれの研究者が抱えている悩みや打開策を率直に語り合う場とした。   <もくじ> 第1セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)] はじめに 李 恩民(桜美林大学) 開会の趣旨 彭 浩(大阪公立大学) 【問題提起】 「 歴史大衆化」について一緒に考えてみましょう  韓 成敏(高麗大学) 【指定討論1(中国)】 私が接触したパブリック・ヒストリー  鄭 潔西(温州大学) 【指定討論2(日本)】 日本で起こっていること─「歴史学」専門家の立ち位置と境界─  村 和明(東京大学) 【指定討論3(韓国)】 韓国における「公共歴史学」の現況と課題  沈 哲基(延世大学) 【コメント】 指定討論を受けて 韓 成敏(高麗大学)   第2 セッション [モデレーター:南 基正(ソウル大学)] 自由討論 論点整理:劉 傑(早稲田大学) パネリスト:問題提起者、討論者、国史対話プロジェクト参加者   第3セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)] 総括 三谷 博(東京大学名誉教授) 閉会挨拶 趙 珖(高麗大学名誉教授)   講師略歴    あとがきにかえて 金キョンテ   参加者リスト  
  • 2022.11.28

    レポート第100号「進撃のKカルチャー ――新韓流現象とその影響力」

    SGRAレポート第100号(日韓合冊)     第20 回 日韓アジア未来フォーラム 「進撃のKカルチャー―新韓流現象とその影響力」 2022年11月16日発行     <フォーラムの趣旨> BTS は国籍や人種を超え、一種の地球市民を一つにしたコンテンツとして、グローバルファンダムを形成し、BTS 現象として世界的な注目を集めている。一体BTS の文化力の源泉をなすものは何か。BTS 現象は日韓関係、地域協力、そしてグローバル化にどのようなインプリケーションをもつものなのか。   本フォーラムでは日韓、アジアの関連専門家を招き、これらの問題について幅広い観点から議論するため、日韓の基調報告をベースに討論と質疑応答を行った。   <もくじ> 【開会の辞】 今西淳子(渥美国際交流財団常務理事・SGRA代表)    【第1 部】 [報告1] 文化と政治・外交をめぐるモヤモヤする「眺め」 小針 進(静岡県立大学教授)   [報告2] BTSのグローバルな魅力―外的、環境条件と内的、力量の要因― 韓 準(延世大学教授)   【第2 部】 [ミニ報告] ベトナムにおけるKポップ・Jポップ チュ・スワン・ザオ(ベトナム社会科学院文化研究所上席研究員)   [講演者と討論者の自由討論] 討論者: 金 賢旭(国民大学教授) 平田由紀江(日本女子大学教授)   【第3 部】 [質疑応答] 進 行: 金 崇培(釜慶大学日語日文学部准教授) 金 銀恵(釜山大学社会学科准教授) 回答者: 小針 進(静岡県立大学教授) 韓 準(延世大学教授) 平田由紀江(日本女子大学教授)   【閉会の辞】 徐 載鎭(ソ・ゼジン:未来人力研究院院長)   講師略歴   あとがきにかえて
  • 2022.10.27

    レポート第99号「夢・希望・嘘 -メディアとジェンダー・セクシュアリティの関係性を探る-」

    SGRAレポート第99号   第68回SGRAフォーラム 「夢・希望・嘘 -メディアとジェンダー・セクシュアリティの関係性を探る-」 2022年11月1日発行   <フォーラムの趣旨> 現代社会に生きる者がメディアの影響からのがれることは難しい。服から食べ物まで、私たちの日常的なあらゆるものの選択はメディアに左右されている。   同様に、子供のころからジェンダーやセクシュアリティに関わる情報にさらされ、女性は、男性は、いかに行動すべきなのか、どのようなジェンダーやセクシュアリティが存在するのか、恋愛とは何なのかというイメージもメディアにより作られている。メディアは意見を作るための貴重なツールであるだけでなく、意見を変えるためのツールでもある。   本フォーラムではメディアはどのように恋愛、ジェンダーやセクシュアリティの理解に影響を与えているのか?視聴者やファンはどのようにメディアと接触しているのか?社会的な変化のために、メディアをどのように利用することができるのか? など、現代におけるメディアとジェンダーおよびセクシュアリティの関係性のさまざまな様相を皆さんと共に掘り下げ、探ってゆくことを目指した。     <もくじ> 【第1 部】 [基調講演] 今の時代、白馬に乗った王子様って必要? ―リアリティーテレビの「バチェラー・ジャパン」と「バチェロレッテ・ジャパン」から見たジェンダー表象―  ハンブルトン・アレクサンドラ(津田塾大学)   [質疑応答] 質問者:デール・ソンヤ(インディペンデントリサーチャー) 回答者: ハンブルトン・アレクサンドラ(津田塾大学) Q&Aコーディネーター:郭 立夫(東京大学)   【第2 部】 [発表①] 夢を売り、夢を描く ―ジェンダー視点からみる宝塚歌劇団の経営戦略と関西圏のファン文化― バラニャク平田ズザンナ(お茶の水女子大学)   [発表②] 中国本土のクィア運動におけるメディア利用 ―北京紀安徳咨詢センターによるメディア・アクティビズムを中心に― 于 寧(国際基督教大学)   [発表③] #MeTooからデンジャンニョ(味噌女)まで ―韓国のメディアにおける「フェミ/嫌フェミ」をめぐって―  洪ユン伸(一橋大学)   【第3 部】 ディスカッション パネリスト: ハンブルトン・アレクサンドラ(津田塾大学) バラニャク平田ズザンナ(お茶の水女子大学) 于 寧(国際基督教大学) 洪 ユン伸(一橋大学) Q&A コーディネーター:郭 立夫(東京大学)   講師略歴   あとがきにかえて デール・ソンヤ(インディペンデントリサーチャー)
  • 2022.06.08

    レポート第98号「アジアはいかに作られ、 モダンはいかなる変化を生んだのか? ―空間アジアの形成と生活世界の近代・現代―」

    SGRAレポート第98号(日中合冊)     第15回SGRAチャイナフォーラム 「アジアはいかに作られ、 モダンはいかなる変化を生んだのか? ―空間アジアの形成と生活世界の近代・現代―」 2022年6月9日発行     <フォーラムの趣旨> 山室信一先生(京都大学名誉教授)の『アジアの思想史脈―空間思想学の試み』(人文書院、2017年。徐静波・訳『亚洲的思想史脉——空间思想学的尝试』上海交通大学出版社・近刊予定)と『モダン語の世界へ:流行語で探る近現代』(岩波新書、2021年)などを手がかりとして、「アジアという空間が翻訳・留学などによっていかに作られたのか?」さらに、その時空間において「modernやglobalizationなどがいかなる生活様式・思考様式の変容をもたらしたのか?」を概念語や日常語の視点からいかに捉えるのかを検討するものである。   <もくじ> 【開会挨拶】 はじめに―開会挨拶― 今西淳子(渥美国際交流財団) 野田昭彦(国際交流基金北京日本文化センター)   【講演】 「アジアはいかに作られ、モダンはいかなる変化を生んだのか? ―空間アジアの形成と生活世界の近代・現代―」 山室信一(京都大学名誉教授)   【コメントと回答】 [コメント1] 王 中忱(清華大学中国文学科) [コメント2] 劉 暁峰(清華大学歴史系) [コメント3] 趙 京華(北京第二外国語学院) [コメント4] 林 少陽(香港城市大学中文及歴史学科)   【質疑応答】 質問者:フォーラム参加者/回答者:山室信一   【閉会挨拶】 王 中忱(清華大学中国文学科)   講師略歴   あとがきにかえて 孫 建軍(北京大学日本言語文化学部)
  • 2022.02.01

    レポート第97号「「誰一人取り残さない」 如何にパンデミックを乗り越え SDGs 実現に向かうか ―世界各地からの現状報告―」

    SGRAレポート第97号   第67 回SGRA フォーラム 「誰一人取り残さない」 如何にパンデミックを乗り越えSDGs 実現に向かうか ―世界各地からの現状報告― 2022年2月10日発行   <フォーラムの趣旨> SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)は、2015 年9月の国連サミットで、国連加盟193 カ国が採択した、2016 年から30 年までの15 年間で持続可能で、より良い世界を目指すために掲げた目標。国連ではSDGs を通じて、貧困に終止符を打ち、地球を保護してすべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけている。具体的には、17 のゴール(なりたい姿)・169 のターゲット(具体的な達成基準)から構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leaveno one behind)」ことを誓っている。SDGs に取り組むのは、国連加盟国の各国政府だけではなく、企業、NPO、NGO などの各種団体、地方自治体、教育機関、市民社会、そして個人などすべての主体がそれぞれの立場から取り組んでいくことが求められている。   2020 年はSDGs の5年目になる年であったが、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界を席巻し、世界各国の経済や社会生活に多大な打撃を与え、世界大戦に匹敵する死傷者を出す悲惨な状況になってしまった。世界では先進国を中心にワクチン開発・供給などで取り組んで来ているが、多くの発展途上国は、資本主義の生存競争のなかで、パンデミックの対応に困難を極める状況に置かれているのが現状である。   本フォーラムは、SDGs の基本理念と目標について理解するとともに、いくつかの国をケーススタディとしてとりあげ、パンデミックを如何に克服して「誰一人取り残さない」SDGs の実現に対応すべきかについて議論を交わすことを通じて、「地球市民」を目指す市民の意識を高め、一人一人がSDGs に主体的に取り組むアクションを起こすきっかけを提供することを目的とする。     <もくじ> 【第1 部】 基調報告 SDGs時代における私たちの意識改革 佐渡友 哲(日本大学、INAF)   【第2 部】 世界各地からの現状報告 【報告1】 フィリピンにおけるSDGs フェルディナンド・C・マキト(フィリピン大学ロスバニョス校、SGRA) 【報告2】 ハンガリーにおけるSDGs ―水に関するハンガリー・中国の国際関係・協力を事例に― 杜 世鑫(INAF) 【報告3】 「 アラブ持続可能な開発レポート2020」から読み解く 中東・北アフリカ地域のSDGsに向けた課題 ダルウィッシュ ホサム(アジア経済研究所、SGRA) 【報告4】 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)における SDGsの取り組みと評価 李 鋼哲(北陸大学、SGRA、INAF) 【報告5】 民主化プロセスとパンデミック ―歴史の運命のいたずらに翻弄されるスーダン暫定政府と国民― モハメド・オマル・アブディン(参天製薬(株)、SGRA)   【第3 部】 討論・総括 モデレーター:李 鋼哲(北陸大学、SGRA、INAF) 指定討論者: 羽場 久美子(神奈川大学教授・青山学院大学名誉教授、INAF)、三村 光弘(環日本海経済研究所(ERINA)、INAF) パネリスト:報告者全員 総   括:平川 均(名古屋大学名誉教授、SGRA、INAF)   あとがきにかえて 李 鋼哲(北陸大学、SGRA、INAF)   講師略歴
  • 2022.01.13

    レポート第96号「第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性 ―人の移動と境界・権力・民族」

    SGRAレポート第96号 中国語版 韓国語版   第66回SGRAフォーラム講演録 第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性  「人の移動と境界・権力・民族」 2022年6月9日発行   <フォーラムの趣旨> 「国史たちの対話」企画は、自国の歴史を専門とする各国の研究者たちの対話・交流を目的として2016 年に始まり、これまで全5 回を開催した。国境を越えて多くの参加者が集い、各国の国史の現状と課題や、個別の実証研究をめぐって、議論と交流を深めてきた。第5 回 は新型コロナ流行下でも対話を継続すべく、初のオンライン開催を試み、多くの参加者から興味深い発言が得られたが、討論時間が短く、やや消化不良の印象を残した。今回はやや実験的に、自由な討論に十分な時間を割くことを主眼に、思い切った大きなテーマを掲げた。 問題提起と若干のコメントを皮切りに、国や地域、時代を超えて議論を豊かに展開し、これまで広がってきた参加者の輪の連帯を一層深めたい。   <もくじ> 第1セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)] 【開会趣旨】 はじめに 村 和明(東京大学) 【問題提起】 人の移動からみる近代日本:国境・国籍・民族 塩出浩之(京都大学) 【指定討論1】 13~14世紀のモンゴル帝国期における人の移動 韓国:趙 阮(釜山大学) 【指定討論2】 中国の歴史における大規模な人口移動 中国:張 佳(復旦大学) 【指定討論3】 古代および中世日本の出入国管理 日本:榎本 渉(国際日本文化研究センター)   第2セッション 指定討論 [司会:南 基正(ソウル大学)] 【指定討論4】 近代における韓国人の移動 韓国:韓 成敏(世宗大学) 【指定討論5】 中心から辺地へ―「ゾミア」という概念― 中国:秦 方(首都師範大学) 【指定討論6】 帝国・人権・南洋―政治思想の視座から― 日本:大久保健晴(慶應義塾大学) 指定討論者への応答  塩出浩之(京都大学) 自由討論1 講師と指定討論者   第3セッション 自由討論2 [司会:彭 浩(大阪市立大学)] 論点整理:劉 傑(早稲田大学) パネリスト(国史対話プロジェクト参加者): 市川智生(沖縄国際大学)、大川 真(中央大学)、佐藤雄基(立教大学)、 平山 昇(神奈川大学)、浅野豊美(早稲田大学)、沈 哲基(延世大学)、 南 基玄(韓国独立記念館)、金キョンテ(全南大学)、王 耀振(天津外国語大学)、 孫 継強(蘇州大学)   第4セッション 自由討論3 [司会:鄭 淳一(高麗大学)] パネリスト(国史対話プロジェクト参加者): 市川智生(沖縄国際大学)、大川 真(中央大学)、佐藤雄基(立教大学)、 平山 昇(神奈川大学)、浅野豊美(早稲田大学)、沈 哲基(延世大学)、 南 基玄(韓国独立記念館)、金キョンテ(全南大学)、王 耀振(天津外国語大学)、 孫 継強(蘇州大学)   総括 宋 志勇(南開大学)、三谷 博(東京大学名誉教授) 閉会挨拶 趙 珖(高麗大学名誉教授)   講師略歴   あとがきにかえて 金キョンテ、三谷博   参加者リスト