SGRAメールマガジン バックナンバー
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MA Geyang “What I Have Learned from My Studies”
2025年6月5日 11:41:05
********************************************** SGRAかわらばん1066号(2025年6月5日) 【1】馬歌陽「『学問』から学んできたこと」 【2】国史対話エッセイ紹介:青山治世「歴史と私~北京をめぐる奇縁と機縁~」 【3】SGRAラーニング紹介:動画「アジアの発明―19世紀におけるリージョンの生成」 ※SGRAの新規プロジェクトです!是非ご覧ください。 *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#794 ◆馬歌陽「『学問』から学んできたこと」 2017年10月に来日して6年半、24年の春に念願の博士号を取得した。この出来事は私の人生においてまさに重要な節目といえよう。ただ、「いつ目指すべき道を見出したのか」、あるいは「いかなる必然がこの学問の森へと導いたのか」と問われても、まだ霧の中を手探りでいるような心境だ。この文章を綴る機会に答えを探してみたい。 幼少期の私にとって「学び」とは、「やるべきこと」に過ぎなかった。クラスの中ではあまり目立たず、成績もごく普通だった。鮮明に覚えているのは、毎日食事の前に必ず本を読んでいたこと。当時、共働きの母は私の健康のために昼と夜のご飯を作ってくれたので、帰宅してから食事が始まるまでの時間が、私の読書の時間となった。『中国少年児童百科全書』や『十万個のなぜ』などの分厚くて重たい本を抱えながら、無心にページをめくっていた記憶がある。当時の私は「本が好きな子供」と周りから言われて育ったが、まだ「知の悦び」は知らなかった。高校時代、友人たちが将来の夢を語り合う輪の中で、いつも奇妙な疎外感にさいなまれた。学部への進学も、「就職に有利」や「大学の所在地に親戚がいる」という周りからの助言に従ったに過ぎない。 転機は大学院受験で現れた。専攻変更を決断した時には、自分でも明確な動機を説明できなかった。しかし、受験勉強に費やした1年半の毎日5~7時間に及ぶ読書は、泉を求めて乾いた砂漠をさまようかのような飢餓感を伴っていた。知識を摂取する快楽は、草原を吹き渡る風のように私の精神をどこまでも駆け巡った。 振り返れば、この時期は「学問」の本質を捉えていなかったと言わざるを得ない。様々な思想体系を無秩序にのみ込む海綿のような状態で、確かに知的興奮に満ちていたが、単なる情報収集の段階を脱し得ていなかった。真の学問の営みが始まったのは大学院へ進学してからのことだ。 修士から博士課程にかけて、私は徐々に知の吸収者から生産者へと変わり、学問の扉を開けたかのような感覚を覚えるようになった。ある研究課題の終着点に近づいたと思いきや、新たな課題がやってくる。山頂に立つたびに、さらにより高く遠い風景が広がっていることに気付く。この繰り返しが、学問への畏敬の念を幾度となく私の胸によみがえらせてきた。ある頂上にたどり着いた時に振り返ると、道程に潜んでいた数々の危険や過ちが鮮やかに浮かび上がる。これらの誤謬を認識することが、再び山頂を目指す際の迂回路を照らす灯火となる。この気付きは、己の執着心を静かに手放すことを余儀なくさせた。研究にも生活にも、慎重かつ緻密な姿勢で臨まねばならない。思考の襞を絶えず研ぎ澄ますことで、不毛な混乱を避けながら歩みを進めていきたい。 <馬歌陽(ま・かよう)MA Geyang> 中国新疆ウイグル自治区烏魯木斉市出身。2023年度渥美国際交流財団奨学生。早稲田大学文学研究科美術史学コース博士課程を経て、博士号を取得。現在中国復旦大学文史研究院PD。専門は仏教美術史。 ------------------------------------------ 【2】国史対話エッセイ紹介 5月26日に配信した国史対話メールマガジン第66号のエッセイをご紹介します。 ◆青山治世「歴史と私~北京をめぐる奇縁と機縁~」 1976年9月9日、現代中国に多大な影響を与えた毛沢東が北京でこの世を去った。私はその1か月半ほど前の7月25日に岐阜県大垣市というところで生まれた。4年前に北京を訪れて日中国交正常化を成し遂げた田中角栄がロッキード事件によって逮捕されたのは、2日後の7月27日のことである。のちに私は以下で述べるようないきさつで、中国に関係する人たちに自己紹介をする時には「北京は第二の故郷です」とよく言うようになるが、研究はもちろん色々な場面で北京との奇縁を感じている。 最近はあまり言わなくなったが、10数年ほど前までは、「八〇後(バーリンホウ)」とよばれる1980年以降に生まれた中国人と初対面で話をする時に、私はよく「毛主席と1か月半同じ時代を生きた」と言って話を始めていた。毛沢東は海外への留学経験はないが、毛に次ぐナンバー2の位置にあった周恩来が20歳前後に日本に留学していたことはよく知られている。国交正常化に際して田中角栄と固い握手を交わした周総理は1976年1月に亡くなっており、残念ながら同じ時代を生きていない。 私は中国の近現代史、とくに政治外交史を専門にしている。私が中国に興味をもつようになったきっかけは、物心ついた頃から、満洲事変から日中戦争にかけて召集で中国に3度出征した祖父(1904~1996)からくり返し中国の話、戦争の話を聞いたことだった。日本の隣には中国という大きな国があり、身近な存在である祖父も関わって日本はその中国と戦争していた……。なぜそんなことになってしまったのか、そもそも中国とはどんな国なのか。そんな漠然とした疑問から、中国、そしてその近現代史への関心が深まっていった。 全文は下記リンクよりお読みください。 https://www.aisf.or.jp/sgra/kokushi/J_Kokushi2025AoyamaEssay.pdf ※SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。国史メルマガは隔月で配信しています。SGRAかわらばんとは別にお送りしますので、ご興味のある方はSGRA事務局にご連絡ください。3言語対応ですので、中国語、韓国語の方々にもご宣伝いただけますと幸いです。 ------------------------------------------ 【3】SGRAラーニング紹介 SGRAの新規プロジェクト「SGRAラーニング」は、SGRAレポートの内容をわかりやすく説明する10~20分の動画で、SGRAレポートのポイントを短くまとめた上で、それをめぐる多国籍の研究者による多様な議論を多言語で共有・紹介しています。高校生や大学低学年を対象に授業の副教材として使っていただくことを想定していますが、どなたでも無料でご視聴いただけます。国史対話のレポートと動画は日本、中国、韓国の3言語で対応しています。 ◆動画「アジアの発明―19世紀におけるリージョンの生成」 東アジアの歴史に足を踏み入れ、「アジア」という概念がどのように生まれ、どのように展開したのか見てみましょう。 アジアの国々は人種も言語も宗教も多様ですが、そこに共通することは何なのでしょうか? それは19世紀のアジアとどう違うのでしょうか? 下記リンクよりご覧ください。 https://www.aisf.or.jp/sgra/research/kokushi/2025/20303/ この動画は、2020年1月にフィリピンで開催された「第4回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」フォーラムにおける三谷博先生の講演「アジアの発明」をまとめたものです。このフォーラムのレポートは日本語、韓国語、中国語で発行されていますので、興味のある方は各言語のレポートをSGRAのウェブサイトからご覧ください。 https://www.aisf.or.jp/sgra/active/report/2020/15991/ SGRAラーニングの動画へのリンクは、SGRAホームページからアクセスしていただけますので、先生方はご授業等でご利用いただけますと幸いです。どなたでも無料で視聴いただけますので、広くご宣伝いただきますようお願いいたします。 https://www.aisf.or.jp/sgra/ ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
Khin Maung Htwe “Support Activities for Victims of the Myanmar Earthquake (Part 2)”
2025年5月29日 12:58:57
********************************************** SGRAかわらばん1065号(2025年5月29日) 【1】SGRAエッセイ:キン・マウン・トウエ「ミャンマー大地震被災者支援活動(その2)」 【2】SGRAラーニング紹介:動画「『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」 ※SGRAの新規プロジェクトです!是非ご覧ください。 【3】第8回アジア未来会議(2026年8月、仙台)論文募集のお知らせ(再送) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#793 ◆キン・マウン・トウエ「ミャンマー大地震被災者支援活動(その2)」 2025年3月28日のミャンマー大地震から2カ月。マンダレーの町は瓦礫もだいぶ撤去され、生活も徐々に日常に戻ってきました。しかしあちこちで重機が作業をしており、交通機関にも影響が残っています。構造まで被害を受けた建物は取り壊して空き地になりますが、放置されている建物もたくさんあります。大半の建物は復旧していませんが、工事中でも開店する店があります。私が経営する居酒屋「秋籾」が入る「イビススタイルホテル」は大きな被害を受けなかったのですが、内装工事に時間がかかっており、来月に営業が再開出来ることを祈っています。 毎日余震があるので、建物の2階へ上がるのが怖いと言う人がたくさんいます。ミャンマーの新学年は6月に始まるため、学校の復旧が急がれています。私立の学校や病院はともかく、公立施設は予算的なこともあってか、なかなか工事が進んでいません。被害が大きかった首都ネピィドー管区では、政府が国会議事堂などの復旧に注力しています。 これまでに26カ国から災害支援活動の専門家、医療関係者が訪れ、ミャンマー政府を通して寄付金も届きました。非政府組織(NGO)や民間の仲介で外国の支援団体も来て活動しています。私もこの「SGRAかわらばん」を通して支援金を頂戴し、被害者の復興のためのお手伝いをすることができました。 前回のエッセイ(SGRAかわらばん1058号、2025年4月10日)で報告したように、地震直後はまず、私が経営するホテルに滞在していた時に自宅が被災した方々に対して一緒に話したり、無料で食事を提供したりしました。次に病院やお寺などで、お弁当と飲料水を配りました。家族を亡くした方々、家を無くした方々、自分の財産が大地震で無くなり、一瞬で生活基盤を失ってしまった方々に対して、お弁当一食だけでも心を休ませる大きな力があることを感じました。実は、お弁当より「応援していますよ!」という笑顔が、皆さんに大きな力を与えることができるのです。「これから、頑張ろう」「立ち直りましょう」と気力が湧いてきたようでした。私たちも「何か力になりたい」という気持ちで一杯になりました。 SGRAの皆様のお力をお借りしながら、夜は入院中の父親の世話をしながら、支援する場所や予算内で可能な支援物資を検討しました。その結果、震源地サガイー市の1か所と決めました。支援物資は、地震1ヵ月後に必要な医療品や米、食用油、塩、卵などとソーラーランプ250家族分を調達しました。 5月5日、私は家族とボランティアと一緒に、支援物資をお届けするためにサガイー市に向かいました。事前に知り合いのボランティア団体を通じて大きな被害を受けた方々に番号が書かれたクーポン券を配布してもらっており、券を持って来た方たちに直接物資を手渡しました。予算が限られているので、多くの被災者が押し寄せたら対応できないためです。 この日はとても暑く、大汗をかきながらも笑顔で対応しました。被災者のみなさんの喜ぶ顔が忘れられません。2007年にミャンマーを襲った「ナルギス大台風」から、私は子どもたちに「必要な時には人々に自分の力を貸す」「自分でできることを支援する」と教えてきたので、今回も家族は喜んで活動を手伝ってくれました。 サガイー市は有名な観光地です。多くのお寺や僧院、老人ホームなどがあり、大きな被害を受けました。活動の翌日、ある僧院に「復興のために使ってください」と、残りの支援予算を寄付しました。今回の復興支援活動の募金にご協力してくださった一人一人の皆様への感謝は、言葉で書き尽くせません。「地球の平和を考える地球市民の行動」であると心から敬意を表します。 これからは、単なる「復旧」ではなく、災害に強い街づくりを考えた「復興」を重視しなくてはならないでしょう。民間企業は建設基準を守り、政府は監督を厳しくすることが重要になるでしょう。地震に対応できる最新の建設技術や資材なども導入しなければならないでしょう。 4カ月間入院し、今回の地震も乗り切った父が5月15日に92歳で亡くなりました。9歳の時から聞かされ続けてきた「努力」「自分に頼らなければならない」「国民に出来ることは精一杯に」という「言葉の宝」を頭と心の中に据えて、ひとりの民間人として微力ながらも、ミャンマーのために出来ることを続けていくつもりです。 活動の写真 https://www.aisf.or.jp/sgra/plan/photo-gallery/2025/20365/ 4月10日に配信したキン・マウン・トウエさんのエッセイ https://www.aisf.or.jp/sgra/combination/sgra/2025/20224/ <キン・マウン・トウエ Khin Maung Htwe> ミャンマーで「小さな日本人村」と評価されている「ホテル秋籾(AKIMOMI)」の創設者、オーナー。マンダレー大学理学部応用物理学科を卒業後、1988年に日本へ留学、千葉大学工学部画像工学科研究生終了、東京工芸大学大学院工学研究科画像工学専攻修士、早稲田大学大学院理工学研究科物理学および応用物理学専攻博士、順天堂大学医学部眼科学科研究生終了、早稲田大学理工学部物理学および応用物理学科助手を経て、AKIMOMI_COMPANY_LTD.社長。「ホテル秋籾」「居酒屋秋籾」を経営。SGRA会員。 ※4月10日にSGRAかわらばん1058号で配信したキン・マウン・トウエさんのエッセイで支援活動募金にご協力をお願いしたところ、16名と1団体より、目標額を超える総計417,000円のご寄付をいただきました。皆さんから寄せられた暖かいメッセージを添えて、バンコクに留学中の長女リサさんを通じて全額をキンさんにお届けしました。ご支援をありがとうございました。 SGRA代表 今西淳子 ------------------------------------------ 【2】SGRAラーニング紹介 SGRAの新規プロジェクト「SGRAラーニング」は、SGRAレポートの内容をわかりやすく説明する10~20分の動画で、SGRAレポートのポイントを短くまとめた上で、それをめぐる多国籍の研究者による多様な議論を多言語で共有・紹介しています。高校生や大学生低学年を対象に授業の副教材として使っていただくことを想定していますが、どなたでも無料でご視聴いただけます。国史対話のレポートと動画は日本、中国、韓国の3言語で対応しています。 ◆動画「『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」 「『歴史の大衆化』と東アジアの歴史学」について考えてみましょう。 皆さんは、歴史学とは何だと思いますか? 歴史学者は何をする人でしょうか? 下記リンクよりご覧ください。 https://www.aisf.or.jp/sgra/research/kokushi/2025/20329/ この動画は、2022年8月に開催された「第7回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」フォーラムの一部をまとめたものです。このフォーラムのレポートは日本語、韓国語、中国語で発行されていますので、興味のある方は各言語のレポートを下記リンクよりご覧ください。 https://www.aisf.or.jp/sgra/active/report/2023/18258/ SGRAラーニングの動画へのリンクは、SGRAホームページからアクセスしていただけますので、先生方はご授業等でご利用いただけますと幸いです。どなたでも無料で視聴いただけますので、広くご宣伝いただきますようお願いいたします。 https://www.aisf.or.jp/sgra/ ------------------------------------------ 【3】第8回アジア未来会議論文募集のお知らせ(再送) アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心のある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。アジア未来会議は、学際性を重視しており、グローバル化に伴う様々な課題を、科学技術の開発や経営分析だけでなく、環境、政治、教育、芸術、文化の課題も視野にいれた多面的な取り組みを奨励します。第8回アジア未来会議(AFC#8)は、論文、小論文の発表要旨を下記の通り募集します。 第8回アジア未来会議 テーマ「空間と距離:こえる、縮める、つくる」 会期: 2026年8月25日(火)~ 29日(土)(到着日、出発日を含む) 会場: 東北学院大学五橋キャンパス(仙台市) 発表要旨の投稿締切: ・奨学金/優秀賞に応募する場合 2025年9月20日(土) ・奨学金/優秀賞に応募しない場合 2026年2月28日(土) 募集要項は下記リンクをご覧ください。 画面上のタブで言語(英語、日本語)を選んでください。 https://www.aisf.or.jp/AFC/2026/call-for-papers/ 皆様のご参加をお待ちしています。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
HE Xingyu “Is it Inappropriate to Speak to Children You Don’t Know in Public?”
2025年5月22日 16:21:18
********************************************** SGRAかわらばん1064号(2025年5月22日) 【1】SGRAエッセイ:何星雨「公共空間では、見知らぬ子どもに声をかけてはいけない?」 【2】国史対話エッセイ紹介:平山昇「大震災の副産物?」 【3】第8回アジア未来会議(2026年8月、仙台)論文募集のお知らせ(再送) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#792 ◆何星雨「公共空間では、見知らぬ子どもに声をかけてはいけない?」 休日のショッピングモール、私はふとしたことで一人の子どもと出会った。クレーンゲームの前の8歳くらいの男の子。取り出し口に詰まった小さなおもちゃを見つめて困っていて泣きそうだった。「もう一回やれば出てくるよ」と声をかけると、男の子は「コインがもうない。パパとママはあっちの喫茶店で働いている」と小声で言った。私がコインを購入してあげて、おもちゃを取り出すことができた。おもちゃを受け取った男の子は「ありがとう」と笑った。その後、私は残りのコインでぬいぐるみを取ろうとしたが、何度も失敗。フラフラと他人のゲームを眺めていた男の子に再び出会った。「難しかったわ。手伝ってくれる?」その子はまるで重大な任務を受け取ったような表情で、機械選びを経てぬいぐるみを取ってくれた。「家に帰ったらスマホ見るだけだから、ここにいた方が楽しい」とつぶやいた男の子。その子の表情・言葉・行動―それらは、単なる「子どもの遊び」ではなく、社会の中で誰かと関わり、やりとりをし、自分の存在を肯定された瞬間だった。 ……だが、これは日本での出来事ではない。つい最近、母国の中国での出来事だった。これが日本であれば、見知らぬ子どもに声をかけていなかったかもしれない。 日本の公園で迷子になった子どもに気づいて声をかけようとしたら、一緒にいた日本人の友人に「不審者に思われるから、遠くから見守っていればいい」と言われ、登山している時に頑張っている小さな子どもの姿に感心して名前を聞いて褒めようとすると、「変な人と思われるからやめた方がいい」と止められた。このような経験が何度もあった。以来、「異文化理解」の姿勢を取り、見知らぬ子どもに声かけしたい気持ちを抑えるようにしている。 日本では、公共空間における子どもと他者の関係性が極めて制限されているように感じられる。大人と子どもが「適切」に関われるのは家庭・学校・児童施設など、厳密な制度に囲まれた空間の中だけだ。制度の外にある公共空間では子どもと出会い、関わり、お互いにケアを交わすことは、ときに「越えてはいけない線」のように扱われているのではないか。 私が経験した出来事は、まさに「制度外ケア」の実践だった。そこには管理者も教育者も両親もいない。あるのは困っている子どもと、それに気づいた大人との自然な応答だけだった。その時子どもはケアを受けた存在だけではなく、社会の中で「制度外の大人と関係性を築く主体者」として振る舞っていた。日本ではこうした「制度外の大人と関係性を築く主体者」としての子どもが、果たして容認されるのかとの素朴な疑問を抱えるようになった。 子どもの権利という視座からも考えてみよう。私は子どもの権利に強く関心を持っており、具体的な権利と実践について研究している。子どもの権利条約では「参加する権利」が一つの柱だ。「参加する権利」に関して第12条は、子どもが自分の意見を表明し、それが尊重される権利が保障されており、第15条は子どもが他者と集まり、自由に関わることが認められている。子どもが主体として権利を行使できる場は、本当に制度の内側に限られていいのか。私はむしろ、制度の外の公共空間こそが、子どもの「参加する権利」が日常的に試される、とても重要な実践の場だと考える。 公共空間において、目の前の子どもに関心を持っている大人を潜在的な不審者と疑い、「見知らぬ子どもに声をかけること」がリスクとみなす空気が日本社会でまん延している。子どもの「参加する権利」が公共空間では行使することが難しいと考えられる。この空気の背景には、制度依存的な安心志向と人間関係の希薄化、そして「子どもは所管されたもの」という、無意識のまなざしが潜んでいるのかもしれない。少子高齢化の中の「社会全体で子どもを育てる」というスローガンのもとで、かえって制度の外にいる子どもと大人の関係性が排除される危険性がある。 「制度に所管された子ども像」を問い直す時期に来ているのではないだろうか。子どもと知らぬ他者が自然につながれる空間をもっと寛容に受けとめられる社会。子どもに声をかけるという行為がケアとなり、他者との関係性の入り口となるような社会。それこそが、子どもが本当に「社会の一員」として生きられる参加の場なのだと思う。 目の前で困っている子どもに「大丈夫?」と、素晴らしいことをしている子どもに「すごいね」と、勇気を持って声をかけられる大人でありたい。日常のまなざしの中で、子どもと共に社会を編みなおしていく、そんな子ども研究者であり続けたい。 <何星雨(か・せいう)HE Xingyu> 中国・浙江省杭州市出身、2015年7月に来日。2023年度渥美財団奨学生。2024年3月に東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科を修了し、博士号を取得。日中両国の児童虐待予防に関心を持っている。現在は子どもの権利と保育に関する研究を続けながら東京家政大学、文教大学の非常勤講師として務めている。 ------------------------------------------ 【2】国史対話エッセイ紹介 3月26日に配信した国史対話メールマガジン第65号のエッセイをご紹介します。 ◆平山昇「大震災の副産物?」 私は2015年、博士論文をもとに執筆した『初詣の社会史 鉄道が生んだ娯楽とナショナリズム』という本を東京大学出版会から出版した。簡単に概要を述べると、副題が示す通り、明治期に鉄道の発達とともに庶民の娯楽として成立した初詣が、やがて皇室ナショナリズムともからみあいながら「国民」行事として定着していく過程を論じたものである。「上から」の強制ではなく、人々が自発的に楽しみながら毎年同じ行事を反復することで強固な持続性をもったナショナル・アイデンティティが形成されていく過程を、初詣の近代史から浮かび上がらせたと考えている。 もっとも、実を言えば、研究者を目指しはじめた頃は「初詣は鉄道が生んだ娯楽イヴェント!」という程度のことしか考えておらず、まさか自分の研究がこんなところにたどり着くとは夢にも思っていなかった。なぜナショナリズムなどという厄介な「怪物」と関わる方向へと迷い込んでいったのか。 学生当時、大学内では「ナショナリズムは時代遅れ」だとか「国民国家に捉われているのは愚か」といった類の言葉があふれかえっていた。私もその風潮にすっかり感化された。だが、その後(2000 年代)の日本社会は、国民国家が相対化されていくどころか、インターネットを通じて大衆ナショナリズムが戦後かつてない盛り上がりを見せていった。いったいこれはどういうことなのか、という「モヤモヤした違和感」がずっと頭にひっかかりながら大学院時代を過ごしたような気がする。 全文は下記リンクよりお読みください。 https://www.aisf.or.jp/sgra/kokushi/J_Kokushi2025HirayamaEssay.pdf ※SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。国史メルマガは毎月1回配信しています。SGRAかわらばんとは別にお送りしますので、ご興味のある方はSGRA事務局にご連絡ください。3言語対応ですので、中国語、韓国語の方々にもご宣伝いただけますと幸いです。 ◇国史メルマガのバックナンバー https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ◇購読登録ご希望の方はSGRA事務局へご連絡ください。 [email protected] ------------------------------------------ 【3】第8回アジア未来会議論文募集のお知らせ(再送) アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心のある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。アジア未来会議は、学際性を重視しており、グローバル化に伴う様々な課題を、科学技術の開発や経営分析だけでなく、環境、政治、教育、芸術、文化の課題も視野にいれた多面的な取り組みを奨励します。第8回アジア未来会議(AFC#8)は、論文、小論文の発表要旨を下記の通り募集します。 第8回アジア未来会議 テーマ「空間と距離:こえる、縮める、つくる」 会期: 2026年8月25日(火)~ 29日(土)(到着日、出発日を含む) 会場: 東北学院大学五橋キャンパス(仙台市) 発表要旨の投稿締切: ・奨学金/優秀賞に応募する場合 2025年9月20日(土) ・奨学金/優秀賞に応募しない場合 2026年2月28日(土) 募集要項は下記リンクをご覧ください。 画面上のタブで言語(英語、日本語)を選んでください。 https://www.aisf.or.jp/AFC/2026/call-for-papers/ 皆様のご参加をお待ちしています。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
YUN Jaeun “The Sense of Defeat in ‘The Media Has Lost’ and Future Challenges”
2025年5月15日 15:27:07
********************************************** SGRAかわらばん1063号(2025年5月15日) 【1】SGRAエッセイ:尹在彦「『メディアが負けた』という挫折感と今後の課題」 【2】第8回アジア未来会議(2026年8月、仙台)論文募集のお知らせ *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#791 ◆尹在彦「『メディアが負けた』という挫折感と今後の課題」 日本のメディア業界はこの1年間、前例のない激変を経験した。世論における、いわゆる「メディア不信」が表面化し、テレビ局や新聞社といった既存メディアが批判の的となった。直近では「フジテレビ問題」があり、その前には兵庫県知事選を巡って、SNS上のみならず有権者からも直接「新聞やテレビの報道は信用できない」という声が噴出した。メディアに対する攻撃は初めてではないが、今回注目すべきことは、多くのジャーナリストに対して直接的な誹謗中傷や脅迫が急速に広がった点だ。状況は憂慮すべきレベルに達している(もしくは危険水域を超えているかもしれない)。 2025年4月25日から3日間にわたって開かれた「報道実務家フォーラム2025」(会場:早稲田大学)は、それを改めて確認できる場だった。2年前、元朝日新聞記者の川崎剛さんの紹介で初めて足を運んで以来、今回が2回目の参加となった。所属に関係なく、日本の現職・元職のジャーナリストたちが集まり、取材の経験や業界の課題について語り合う数少ないフォーラムだ。恐らく私は、生まれも育ちも、さらに仕事の経験も外国という、ほぼ唯一の存在だったかもしれない。そのため、比較的一歩引いた視点で講演を聞くことができた。 今年度は、会場が重い空気に包まれているように感じた。メディア業界の明るい未来や、最新技術に関する新たな取り組みを紹介する講演もあるにはあったが、やはり最近のメディア環境の厳しさが色濃く反映され、「どうすればこの状況を打開できるか」を議論するセッションが目立った。その一つが、兵庫県知事選における「既存メディアの事実上の敗北」と「打つ手が見えない閉塞感」であり、多くの講演がこのテーマを扱った(残念ながら、フジテレビ問題を取り上げた講演はなかったため、ここでは割愛する)。 兵庫県政や斎藤元彦県知事をめぐる疑惑、県議会による辞職勧告、出直し選挙、選挙戦での既存メディアへの批判など、目まぐるしい急展開の中で、現場のジャーナリストたちは十分に対応できず、迷走を続けたという。斎藤県知事に対して激しく揺れ動く世論の行方を追いながらも、最終的には現場の有権者やSNS上の罵詈雑言、誹謗中傷にさらされ、精神的に疲弊していった。ある登壇者(新聞記者)は、会社からまともなサポートも受けられず「社内での孤立感」が極まったと証言した。選挙戦で見られた政治家の「嘘」に対する真偽検証も間に合わず、結果としてその拡散を止めることができなかった。 質疑応答の過程で頻繁に出た言葉が「メディアが負けた」だった。兵庫県政を取材する記者クラブ(記者が日常的に取材活動を行うスペース≒団体)で「会社と戦わなかった記者はいない」という。個人的に印象に残った証言は、選挙戦における「公平性への過度なこだわり」だった。片方の候補者の公約に問題があったとしても、相手側の候補者に対しても「公平に」検証を行わなければならず、結果として問題点を十分に批判的に取り上げることができなかったという。 そうした中で、既存メディアのジャーナリストたちは現場やSNSで絶えず攻撃され、精神的に極めて疲弊しているように見えた。これまで日本では、報道による被害――つまり、事件事故報道における被害者や被疑者への誹謗中傷や個人情報の漏出といった「報道される側の被害」に注目が集まってきたが、今回は「報道する側の被害」がより目立つ結果となった。 このような状況は、日本メディアだけの問題ではない。英ガーディアン紙は「世界中で報道の自由への攻撃が激化 調査結果から確認(Attacks_on_press_freedom around_the_world are_intensifying, index_reveals)」(2024年5月3日)という記事で、これが世界的な現象であることを指摘している。 韓国でも、2024年12月に尹錫悦が首謀したいわゆる違憲的な「内乱事態」以降、尹支持者による政権批判的なメディアやジャーナリストへの攻撃が激化した。尹氏への逮捕状を発行した裁判所では暴動事件が起き、ジャーナリストたちが直接暴力のターゲットとなった。負傷者まで出た。SNS上では、一部のジャーナリストに対する偽情報も拡散され、誹謗中傷が相次いだ。それでも、攻撃対象となったメディアは沈黙せず、批判報道(ファクトチェック報道も含む)を継続し、過度な偽情報には法的措置にも躊躇しなかった。尹氏が罷免されてからは一時期の熱狂的な支持も沈静化し、暴動事件への加担者に対する処罰も進んでいる。 韓国では、メディア支援を目的とする公共団体(韓国言論振興財団)が今年から、会員社のジャーナリストに対するメンタルケア支援事業(年間最大4万円)を開始した。自然災害や暴力事件の現場での「惨事ストレス」によるトラウマ(PTSD)解消を目的としているという。日本でも最低限、同様の支援事業は必要だろう。日本のジャーナリストたちが「敗北」からの巻き返しを図るためにも、業界全体として支える体制の構築が早急に求められている。それが、今年度の報道実務家フォーラムで痛感したことだった。 <尹在彦(ユン・ジェオン)YUN Jaeun> 東洋大学社会学部メディア・コミュニケーション学科准教授。延世大学(韓国)社会学科を卒業後、経済新聞社で記者として勤務。2015年に来日し、一橋大学大学院法学研究科にて博士号(法学)を取得。同大学特任講師、立教大学平和コミュニティ研究機構特任研究員、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所非常勤講師などを経て2025年から現職。専門は国際関係論およびメディア・ジャーナリズム研究(政治社会学)。 ------------------------------------------ 【2】第8回アジア未来会議論文募集のお知らせ アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心のある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。アジア未来会議は、学際性を重視しており、グローバル化に伴う様々な課題を、科学技術の開発や経営分析だけでなく、環境、政治、教育、芸術、文化の課題も視野にいれた多面的な取り組みを奨励します。第8回アジア未来会議(AFC#8)は、論文、小論文の発表要旨を下記の通り募集します。 第8回アジア未来会議 テーマ「空間と距離:こえる、縮める、つくる」 会期: 2026年8月25日(火)~ 29日(土)(到着日、出発日を含む) 会場: 東北学院大学五橋キャンパス(仙台市) 発表要旨の投稿締切: ・奨学金・優秀賞に応募する場合 2025年9月20日(土) ・奨学金・優秀賞に応募しない場合 2026年2月28日(土) 募集要項は下記リンクをご覧ください。 画面上のタブで言語(英語、日本語)を選んでください。 https://www.aisf.or.jp/AFC/2026/call-for-papers/ 皆様のご参加をお待ちしています。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
Ferdinand C. MAQUITO ”Manila Report @ Shinjuku Spring 2025”
2025年5月8日 18:23:47
********************************************** SGRAかわらばん1062号(2025年5月8日) 【1】第75回SGRAフォーラム/第45回持続可能な共有型セミナー報告: マックス・マキト「マニラ・レポート@新宿2025年春」 【2】寄贈本紹介:平川均、F.マキト『アジア経済発展のダイナミクス』(原文は英文) *********************************************** 【1】第75回SGRAフォーラム/第45回持続可能な共有型セミナー報告 ◆マックス・マキト「マニラ・レポート@新宿2025年春」 2025年4月12日に開催された「第75回SGRAフォーラム/第45回持続可能な共有型成長セミナー」の会場である桜美林大学新宿キャンパスはホテルから歩いて行ける距離だったが、道に迷って事前の打ち合わせに遅刻。動揺して既に集まっていた登壇者の先生方に謝罪もせずに自己紹介を始めてしまった。この場を借りてお詫びしたい。また、大学名にふさわしく八重桜が満開の素晴らしい会場を提供してくださったSGRA仲間の李恩民教授(桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群長)にお礼を申し上げる。 セミナーの詳細は後日のSGRAレポートをご覧いただき、ここでは私の感想を申し上げて報告とさせていただく。 私は基調講演を任されるとは思ってもいなかった。今西淳子SGRA代表に強く求められたので応ぜずにいられなかったのだ。大学教授の皆さんの前に基調講演をさせていただき大変恐縮だったが、私の定年退職のお祝いとしてお許しいただきたい。渥美国際交流財団のサポートを受けながら、私なりに頑張ってきた研究の成果を皆で話し合う良い機会だった。それは「持続可能な共有型成長」に他ならない。効率、公平、環境性(エコ)を追求しながら発展をめざすメカニズムで、3つの日本語の頭文字をとって「KKK」と呼ぶ。 「KKK」の中には様々なテーマがあるが、SGRAの仲間と一緒に議論できないかと聞かれたときに「国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(Local-to-Local Across_Border_Scheme、LLABS/エルラブス)」が頭に浮んだ。「KKK」の基本原理は国内の地方分権化だが、LLABSではさらに国際的な地域統合と補完的に組み合わさっている。 基調講演の後、4名の先生からコメントをいただいた。桜美林大学の佐藤考一教授は「コミュニティ連携:成長のトライアングルと移民(中華街・カレー移民)に見る教訓」と題して、マクロとミクロの両方の観点からの分析、東南アジア諸国における経済拠点の設立と日本の協力、そして日本における東南アジアからの移民者コミュニティの形成について報告された。最後に「東アジアの発展を目指して頑張ってください」というエールを頂戴した。 東北亞未来構想研究所(INAF)の李鋼哲所長は「中国および東北アジア地域における越境開発協力と地方自治体国際協力の枠組み」と題し、北東アジアでは様々な越境的地域開発のプロジェクトが立ち上がり、自治体がリードする局地経済圏(サブリージョン・エコノミックゾーン)形成の動きが出現し、この地域の経済成長の大きな原動力となったと指摘。そして、「北と南の東アジアの繋がりを一緒に頑張りましょう」というお誘いを頂いた。 李先生の「お誘い」に同意してくださったソウル大学日本研究所の南基正所長は「韓国地方政府の国際レジーム形成の取り組み:日中韓地方政府交流会議を事例として」という話の中で、日中韓地方政府交流会議が始まったのはASEAN+3が発足した2年後の1999年で、韓国がASEANとの連携を大きく意識し始めた。金大中政権ではASEANへの接近が見られ、韓国の地方政府が地方外交を開始し、ASEAN方式に注目したのがこの頃であったと指摘した。 北東アジアから最後の討論者で、フィリピン人の血も流れている東京大学東洋文化研究所特任研究員の林泉忠先生は「政治的制約を超える台湾と東南アジアの『非政府間』の強い結びつき」において、台湾とASEAN10カ国とは正式の外交関係を有しておらず、またASEAN+3にも入っていないが、両者の関係は実に微妙ながら密接な状況にあると指摘。2016年には蔡英文・民進党政権が中国への経済依存を減らし「新南向政策」を打ち出した。台湾と東南アジアの結びつきはさらに深まり、人的・経済的な国境を超えたつながりが強化されていると報告した。 第3部「市民の意見」ではフィリピン、インドネシア、タイからの視点を発表した。 まず、共催のフィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)のジョアン・セラノ学長が「LLABSの運用」というテーマで、2つのプロジェクトを紹介した。LAKBAY(Learning_Actively through_Knowledge-Based Appreciation for_Youth)はエデュコネクト台湾との共同プロジェクトで、UPOUに派遣された台湾の青少年が様々な開発分野で持続可能な取り組みに積極的に貢献することを目指している。2つ目は、ラグナ州ロスバニョスのコミュニティと日本の藤野町(神奈川県、現在は政令指定都市への移行により相模原市緑区の一部)を結ぶ「LLABSマアハス-藤野(Maahas-Fujino)イニシアチブ」で、UPOUのサステイナビリティ・イン・アクション・リビング・ラボラトリー・キャンパス(SiALLC)と藤野のトランジション・タウン運動という相互補的な構想に基づく、コミュニティの回復力と持続可能性に根ざした生態学的・社会的イノベーションの共同開発だ。両地域は相互訪問、パーマカルチャー講義、森林浴を参考にしたハイキング方法の研究、マッピング演習などの実践的な活動を行い、地域通貨や再生可能エネルギー、持続可能性、適応力(レジリエンス)に関する知識の共有を図る。共通の学びの体験は異文化間の連帯を強化するだけでなく、マアハスと藤野の両地域において持続可能な成功事例を適用し、現地化するための触発剤ともなっている。 国士舘大学21世紀学部専任講師のジャクファル・イドルス先生は「LLABSとインドネシアの視点」としてインドネシア市民の意見を共有。LLABS構想は大きなポテンシャルを持っていると共感し、地方レベルの国際協力における姉妹都市構想や環境分野中心のパートナーシップであるスラバヤー北九州の事例を紹介したが、ASEANにおける「成長のトライアングル」構想はインフラ、治安、資金源などの条件が整わないと成功しにくい点を指摘した。 早稲田大学アジア太平洋研究科のモトキ・ラクスミワタナさんは地方分権化は世界銀行レポートの評価よりも国家の力が強くて思ったほど進んでいないと指摘したが、タイ・ラオス国境でパンデミックへの共通対応が自発的にできた事例を紹介した。 長年にわたる研究協力者である平川均先生(名古屋大学名誉教授/渥美財団理事)は「総括に代えて」として、今回のセミナーの意義4点を取り上げた。広義の東アジア(東南アジアと東北アジア)におけるLLABSの経験の提供と意見交換ができたこと、学問的裏付けを持って知識が提供されたこと、新しい世代が積極的に参加して議論できたこと、そしてSGRAレポートにより、これからより広く深い議論の可能性が開かれること。このように素晴らしい評価をしていただき感謝したい。 セミナーについて誤解を招かないように、LLABSの幾つかの特徴を改めて強調したい。まずLLABSは「水平関係」に重心を置いていること。これには2つの意味合いがある。国内レベルではコミュニティが全てを決定して行動すること。つまり自治体や行政から何も言われずに行動すること。国際レベルでは経済的な豊かさとは関係なく、国同士は平等で、相互に対応すること。従来はより豊かな国がノブレス・オブリージュ(noblesse_oblige)の集団として相手国を支援したが、これでは相手国に自助努力ではなく、ドルアウト(doleout)、つまり「分け与えてもらう」精神が育ってしまう恐れがある。 改めて強調したいのは、LLABSについて北東アジアと東南アジアを同時に考える機会にしたかったことだ。SGRAでは北東アジア(日中韓)と東南アジア10カ国の議論が別々に行われることが多いが、今回はできるだけ伝統的な考え方に捕われず「北と南の東アジア」の視点で対話を進めたかった。 「KKK」の基本的な考え方は、1993年に世界銀行が出版した『東アジアの奇跡』という報告書に取り上げられた「shared_growth」(「共有型成長」と訳す)で、国民の所得が上がりながら、所得分配も良くなる珍しい経済発展のことだ。戦後にこのような経済発展を遂げたのは日本、韓国、台湾、香港、タイ、インドネシア、マレーシアで、残念ながらフィリピンは入っていなかった。『東アジアの奇跡』ではASEAN+3のような地域統合化と国内における中央分権化という2つの大きな流れは検討されていなかったが、近年は大きな関心が寄せられている。2013年に相次いで出版されたピケティの『21世紀の資本』とスティグリッツの『Price_of_Inequality(不平等の代償)』などが唱える「格差」だ。 懇親会では日本に住んでいる友人たちが「日本は格差社会になった」と言うのでびっくりした。『東アジアの奇跡』では、日本は一番のモデル国であり、経済のありかたに対する西洋、特に米国からのバッシングに堂々と対抗していた。むなしくも負けてしまったのか?「今でも格差は米国ほどではない」ことを私は強調した。 今回のイベントに駆けつけてくださったSGRAの仲間たちと、今まで「KKK」セミナーを支えてきた今西代表と渥美財団、そしてジョアン・セラノ学長とフィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)の仲間たちに心から感謝を申し上げる。 当日の写真 https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/05/Forum75PhotosLITE.pdf フィードバック集計 https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/05/Forum75Questionnaire.pdf <フェルディナンド・マキト Ferdinand C. MAQUITO> SGRAフィリピン代表。SGRA日比共有型成長セミナー担当研究員。フィリピン大学オープンユニバーシティ非常勤講師。フィリピン大学機械工学部学士、Center_for_Research_Communication(CRC:現アジア太平洋大学)産業経済学修士、東京大学経済学研究科博士、テンプル大学ジャパン講師、アジア太平洋大学CRC研究顧問を経て現職。 ------------------------------------------ 【2】寄贈本紹介 マキトさんから新刊書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆平川均、F.マキト『アジア経済発展のダイナミクス』(原文は英文) H._Hirakawa Ferdinand_C._Maquito “The Dynamics of Asian Economic Development―Understanding Asia and Its Ways Forward” ・半世紀以上にわたって国家経済の枠組みを超えて進展してきたアジアの発展を紹介する ・アジアの発展モデルを提示する:新興工業経済から、より大規模な市場経済へ ・東アジアの経済発展における「共有型成長メカニズム」を説明する 発行所:Springer Singapore ハードカバーISBN:978-981-97-3105-3(2024年12月11日発行) ソフトカバーISBN:978-981-97-3108-4(2025年12月25日発行予定) 電子書籍ISBN:978-981-97-3106-0(2024年12月11日発行) 詳細は下記をご覧ください https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-97-3106-0 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
Motoki LUXMIWATTANA “Enjoy the Unexpected”
2025年5月1日 16:29:26
********************************************** SGRAかわらばん1061号(2025年5月1日) 【1】SGRAエッセイ:ラクスミワタナ モトキ「『予定外』を楽しむ」 【2】第76回SGRAフォーラムへのお誘い(5月2日、トルコ・チャナッカレ+オンライン) 「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」(最終案内) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#790 ◆ラクスミワタナ モトキ「『予定外』を楽しむ」 2015年、タイのチュラロンコン大学政治学部を卒業した。卒業したての若者の情熱と根拠のない全能感に満ちていた私は、そのまま学部の先生のリサーチ・アシスタントとして1年ほど働いて大学院に進み、タイの政治を変えてやろうと息巻いていた。ところが卒業前に、先生に「あの話はなかったことになってしまった」と申し訳なさそうに言われた。合同研究プロジェクトの別のメンバーが先にアシスタントを見つけてしまっていたらしい。私の出鼻をくじいた「予定外その1」だったが、調子に乗っていた若造にはいい薬だった。少なくとも今はそう思っている。 路頭に迷っていた(というのはさすがに冗談だが)私は、大学サークルの先輩の会社に就職した。業務は保育園の日本人対応窓口と、英語塾の講師である。正直、接客や営業など完全にゼロから学ぶものであったし、ましてや幼児の相手など想像したこともなかった。ところがどうして、今の私は子供と遊ぶことが非常に楽しく、有意義なことだと感じている。最終的にはアカデミアに勝手ながら逃げ帰ってきたが、この「予定外その2」で経験したことは今の私の大事な一部であると、自信を持って言える。 「予定外その3」は、東京大学法学部・大学院法学政治学研究科の修士2年の時、突然訪れた。当時の指導教員には、「博士課程は西洋の大学か、そうでなければ(現在在籍している)早稲田大学大学院アジア太平洋研究科を考えている」と伝えていた。先生も、最初にお会いした時から「定年退職予定だから、博士課程は面倒を見られないだろう」とおっしゃっていたので、自然な流れだった。そう、これが2020年だったことを除いては。あえて言う必要もないだろうが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が始まった年だ。 先生は、「退職後に東南アジア専門の教員が来るかもしれないから、急いで判断しなくてもいい」と言ってくれていたが、大学が閉鎖となるレベルの状況でその見通しはなくなり、他学部に移籍することになった。しかし、当時の米国や英国に渡航したかったかというと、無論ノーだ、単純に死にたくなかった。というか研究のためにタイに帰国することすらままならない状況だったのだ。今思い返しても、あの2020年はなかなかハードスケジュールだった。進学書類の準備をし、そのために家からTOEFLを受け、論文のためにアジア経済研究所の図書館に通いつめ…。正直もう体験したくはない「予定外その3」だ。 最新の「予定外」は、渥美国際交流財団の奨学生になったことに関係している。博士課程を3年で終えられるとは最初から思ってはいなかったが、実際に投稿論文が通らなかったり、自分の研究が上手くまとまらなかったりするのは楽しいことではなかった。そんな中、渥美財団奨学金を日本在住の先輩が勧めてくれたので、応募した。正直な話、「支援してもらえるならそれでいい」程度の気持ちだった。 しかし、蓋を開けてみれば、渥美財団での交流は楽しかった。あそこまで多岐にわたる学術研究の話を聞けるのは楽しかった。渥美財団の皆様や奨学生の仲間と真面目な学術的な話であれ酒の席であれ、時間を共にするのが楽しかった。完全に「予定外」な出会いであったが、あるいはだからこそ、ここまで楽しかったのかもしれない。この「予定外その4」が無かったら、私の2024年の印象はもっと暗いものであっただろう。 散らかった話になってしまったが、結論としては、今の私はいろんな「予定外」のおかげでここにいる、と言ったところだろうか。まだ博士号を取得出来ていないが(これは明らかに悪い予定外だろう)、この場を借りて多くの方々に深くお礼を申し上げたい。この先も、良くも悪くもいろんな「予定外」を楽しんで人生を歩みたいものだ。 <ラクスミワタナ モトキ LUXMIWATTANA, Motoki> タイ、バンコク出身。2024年度渥美国際交流財団奨学生。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の博士後期課程在籍。2021年に東京大学法学部・大学院法学政治学研究科で修士号を取得。主にタイ政治における保守派・右派の政治思想の研究を行っている。 ------------------------------------------ 【2】第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本」へのお誘い(最終案内) 下記の通り第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。オンラインで参加ご希望の方は、直接下記リンクよりお入りください。 テーマ:「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」 日 時:2025年5月2日(金) 第1部10:00~11:30(トルコ時間)/16:00~17:30(日本時間) 第2部13:30~15:00(トルコ時間)/19:30~21:00(日本時間) 方 法:会場参加とオンライン参加(Zoomウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:チャナッカレ・オンセキ・マルト大学(COMU)アナファルタラル・キャンパス 教育学部4階セミナーホール 言 語:日本語 ※オンライン参加の方は下記より直接おはいりください。 https://us02web.zoom.us/j/85115416326 お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]) ◆フォーラムの趣旨 中近東や東南アジアでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーへの関心が急上昇している。日本語学習のきっかけとなることも多い。トルコ語に翻訳された日本のアニメや漫画が飛躍的に増えているように、日本ポップカルチャーはブームだ。日本研究においても、これらの地域でなぜ日本文化の受容が広がっているのか、なぜ若者が日本語に特別な関心を持つようになったのかをもっと議論すべきであろう。 一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。 フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場としたい。 中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。 ◆プログラム 【第1部】中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化 ◇「トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ」 Levent_TOKSOZ(Tekirdag_Namik_Kemal_University・NKU) ◇「トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー」 Melek_CELIK(COMU) ◇「イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望」 Ayat_HOSSEINI(テヘラン大学) ◇討論「中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する」 Jianjun_SUN(北京大学)、Miyuki_ICHIMURA(COMU)、Shorina_DARIYAGUL(筑波大学) 【第2部】日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育 ◇「在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察」 Akbari_HOURIEH(神田外国語大学) ◇「在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に」 Mya_Dwi_ROSTIKA(大東文化大学) ◇【討論】「日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する」 Zeynep_GEN?ER_BALO?LU(Pamukkale_University・PAU)、Murat_?AKIR(関西外国語大学) 詳細は下記リンクをご参照ください。 ※プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/forum76program.pdf ※ポスター https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/76_SGRA_ForumV8-scaled.jpg 皆さまのご参加をお待ちしております。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
GU Jiachen “Becoming a Scholar of the Displaced: ‘Searching for Pokémon’ as Methodology”
2025年4月24日 13:24:25
********************************************** SGRAかわらばん1060号(2025年4月24日) 【1】SGRAエッセイ:顧嘉晨「目指せ 遺民博士―方法としての『ポケモン探し』―」 【2】寄贈本紹介:武内今日子『非二元的な性を生きる』 【3】第76回SGRAフォーラムへのお誘い(5月2日、トルコ・チャナッカレ+オンライン) 「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」(再送) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#789 ◆顧嘉晨「目指せ 遺民博士―方法としての『ポケモン探し』―」 「テレビで映画をやってる!男の子が4人、線路の上を歩いている……僕ももう行かなくちゃ!」。 いつからだろうか、私の目標は子供の頃に憧れていた「ポケモンマスター(携帯獣達人)」から、「イミンドクター(遺民博士)」へと変わっていった。国が滅び、遺された民、縮めて「遺民」、この世の不思議な集団、「江南」に「中州」に「日ノ本」に、その数は100、200、300……いや、それ以上かもしれない。 私の研究対象はこの「遺民」と呼ばれている人たちだ。「遺民」とは何だろうか?簡単に言えば、「遺民」とは、旧王朝が滅びた後も生き残り、あるいは義を守り、新王朝に仕えることを拒んだ人々を指す。日本人になじみのある概念では、主家を失った「浪人」(例えば『忠臣蔵』)が最も近い存在だろう。中でも私は、漢人政権の明から満洲政権の清へという王朝交代を生き抜いた遺民、さらには中国大陸から逃れ日本へ渡った遺民たちを主な研究対象としている。 研究方法は主に文献学の手法を用いながら、フィールドワークも行う。歴史学者として遺民を追う作業は、私にとって「ポケモン探し」にとてもよく似ている。「遺民博士」の仕事とは、歴史の闇に埋もれてしまった未知の遺民を発掘し、図鑑を完成させることに他ならない。まず、膨大な古書の中から「野生」の遺民を探し出す。だが、注意を怠ると、彼らは逃げて行ってしまう。そして、古書だけではなく、山中の寺院、大名の屋敷、果ては墓地に至るまで、冒険の旅が必要になる。特に寺院においては、秘蔵の史料が外部に公開されることが少ない。まず「ミッション」をクリアしないと隠し場所に入ることすら許されない場合もある。 調査の途中では、遺民にゆかりのある庭園や橋、書道作品、石碑などに出会うこともしばしば。そうした瞬間、時を超え、昔の遺民たちと交錯する感覚に陥る。まるで彼らと「対話」をしているような不思議なひとときである。遺民を「捕まえる」ことに成功した後は、彼らを「遺民図鑑(遺民録)」に登録。その上で、分析と研究を重ね、論文として発表することで図鑑の説明文を埋めていく。最終的には、パートナーである遺民と学術成果を携えて学会に発表――ポケモンゲームのように「バトル」を行い、トレーナーやジムリーダー、さらには四天王に挑むことになる。ただし、ゲームと同様に、その遊び方や楽しみ方は人それぞれ。私の夢は「チャンピオン」になることではなく、図鑑を完成させ、本物の「遺民博士」となることだ。 私の研究の旅は、修士課程で明の遺民・王夫之という人物を選んだことから始まった。王夫之は顧炎武、黄宗羲とともに「明末清初の三大師(三大儒)」と称され、遺民の中でも最も著名な三人のうちの一人。私は彼らを明遺民の「御三家」と呼びたい(王夫之は当時あまり知られておらず、清末になって同郷の曾国藩によって発掘された人物)。この「御三家」を初期パートナーとして修士論文を完成させたことで、本格的に「遺民博士」への旅路を歩み始めた。博士課程に進学する前、指導教官の小島毅博士から「顧君も曾国藩のように、将来は王夫之に匹敵する遺民を発掘してほしい」と言われた。その言葉を胸に、博士課程では、さらに知られざる遺民たちを探し求めた。広く知られる南方の遺民だけではなく、北方の李楷や日本に逃れた戴曼公、張斐といった人物も対象とした。 遺民を発掘する際、よく使うのは「芋づる式」という「遺民捕獲」のコツだ。東洋文化研究所の大木康博士から学んだ方法で、遺民の友人たちもまた多くが遺民であることから、一人を見つけると、繋がりを辿って次々と新たな遺民を発見できるというものだ。この連鎖が続くと、時には非常にレアな「伝説遺民」に巡り会う。特に未知の遺民や未発掘の史料を第一発見者として見つける瞬間は、新種のポケモンを発見した時のような感動がある。最近、約400年前に明の遺民が記した『宋遺民広録』という失われた書物を再発見した。この発掘過程は、まるで「古びた海図」を手に「最果ての孤島」へ向かい、ミュウと出会う旅のようだった。遺民を探し出す過程は「ポケモン探し」のようなもので、その過程には驚きと発見が詰まっており、楽しさに満ちている。 幾多の試練を乗り越え、遺民研究学界の「マスター」になるために、そして最高の「ドクター」になるために、新たな出会いを繰り返しながら、遺民仲間たちとの旅は今日も続く。続くったら続く…… <顧嘉晨(こ・かしん)GU Jiachen> 2024年度渥美国際交流財団奨学生。東京大学大学院人文社会系研究科(アジア文化研究専攻東アジア思想文化専門分野)博士課程。日本学術振興会特別研究員DC1、国際日本文化研究センター特別共同利用研究員を経て、現在桜美林大学リベラルアーツ学群非常勤講師。専攻は遺民思想史。日本儒教学会賞受賞。 ------------------------------------------ 【2】寄贈本紹介 SGRA会員で東京大学特任助教の武内今日子さんからご著書をご寄贈いただきましたので紹介します。 ◆武内今日子『非二元的な性を生きる』 「Xジェンダー」「ノンバイナリー」「オーバージェンダー」「インタージェンダー」……「男」「女」に当てはまらない性のカテゴリーは、どのようにして用いられてきたのか? 30人ほどへのインタビューやミニコミ誌・インターネット上のテクストをもとに、1990年代から2010年代の日本におけるXジェンダーやノンバイナリーなど「男」「女」に当てはまらない非二元的な性概念が用いられてきた歴史をたどる。第五回東京大学而立賞受賞。 発行:明石書房 判型・ページ数:A5・360ページ 出版年月日:2025/03/20 ISBN:9784750359120 詳細は下記リンクをご覧ください。 https://www.akashi.co.jp/book/b659860.html ------------------------------------------ 【3】第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本」へのお誘い(再送) 下記の通り第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」 日 時:2025年5月2日(金)10:00~15:00(トルコ時間)/16:00~21:00(日本時間) 方 法:会場参加とオンライン参加(Zoomウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:チャナッカレ・オンセキ・マルト大学(COMU)アナファルタラル・キャンパス 教育学部4階セミナーホール 言 語:日本語 ※オンライン参加の方は下記より直接おはいりください。 https://us02web.zoom.us/j/85115416326 お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]) ◆フォーラムの趣旨 中近東や東南アジアでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーへの関心が急上昇している。日本語学習のきっかけとなることも多い。トルコ語に翻訳された日本のアニメや漫画が飛躍的に増えているように、日本ポップカルチャーはブームだ。日本研究においても、これらの地域でなぜ日本文化の受容が広がっているのか、なぜ若者が日本語に特別な関心を持つようになったのかをもっと議論すべきであろう。 一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。 フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場としたい。 中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。 ◆プログラム 【第1部】中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化 ◇「トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ」 Levent_TOKSOZ(Tekirdag_Namik_Kemal_University・NKU) ◇「トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー」 Melek_CELIK(COMU) ◇「イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望」 Ayat_HOSSEINI(テヘラン大学) ◇討論「中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する」 Jianjun_SUN(北京大学)、Miyuki_ICHIMURA(COMU)、Shorina_DARIYAGUL(筑波大学) 【第2部】日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育 ◇「在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察」 Akbari_HOURIEH(神田外国語大学) ◇「在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に」 Mya_Dwi_ROSTIKA(大東文化大学) ◇【討論】「日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する」 Zeynep_GEN?ER_BALO?LU(Pamukkale_University・PAU)、Murat_?AKIR(関西外国語大学) 詳細は下記リンクをご参照ください。 ※プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/forum76program.pdf ※ポスター https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/76_SGRA_ForumV8-scaled.jpg 皆さまのご参加をお待ちしております。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
SATO Yuna “Dialogue Across Categories”
2025年4月17日 14:49:04
********************************************** SGRAかわらばん1059号(2025年4月17日) 【1】SGRAエッセイ:佐藤祐菜「カテゴリーを超えた対話を―『国際交流』を再考する」 【2】寄贈本紹介:賈海涛『流動と混在の上海文学』 【3】第76回SGRAフォーラムへのお誘い(5月2日、トルコ・チャナッカレ+オンライン) 「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」(再送) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#788 ◆佐藤祐菜「カテゴリーを超えた対話を―『国際交流』を再考する」 2023年の夏、留学中だったオーストラリア・アデレードで、渥美国際交流財団の奨学金申請書類に取り組んでいた。「国際交流への関心」という課題を見て、「これは私にぴったりのテーマだ」と思った。私自身や家族は多文化の背景を持ち、高校生の頃から自治体や学校の国際交流や留学プログラムに積極的に参加してきた。だからこそ、私はこの財団が求める人材に違いないと、根拠のない自信すら抱いた。しかし、審査を意識するあまり、実際に書いた内容は「国際交流とはかくあるべきだ」という一般的な枠組みに沿うものだった。あの時は書ききれなかった本音を、奨学期間が終わる今、改めて率直に綴ってみたい。 国際交流の場では、しばしば「○○人」と「××人」といった対比がなされる。あたかも、明確に定義された2つの文化が交わるかのように。例えば、過去に私が参加したプログラムでは、「日本人として恥ずかしくない行動を!」、「日本人としての誇りをもって」、「日本文化を外国人に伝えよう!」といった言葉が飛び交っていた。これらの言説には暗黙の前提が含まれている。1つ、画一的で普遍的な「日本文化」が存在すること。2つ、「日本人」であれば、それを知っていて当然であること。3つ、その場にいる参加者全員が「日本人」であること。これらの前提は本当に正しいのだろうか。 例えば、プログラムに参加していた人々が同じ文化的背景を持っていたかというと、そうではない。沖縄出身の友人は「お節料理を食べたことがない」と言い、広島出身の友人は「3.11を経験していないことに負い目を感じる」と語った。その場には在日コリアンの友人や、ミックスルーツの人もいた。それでも「日本人としての文化的統一性」が求められる場面では、こうした個々の違いは無いものとして扱われたり、「例外」として扱われたりする。私自身、日韓の背景を持つが、国際交流の活動におけるそのような言説に対し、違和感を覚えることがある。それは、アイデンティティを「勝手に決めないでほしい」という思いと、狭い「日本人らしさ」に押し込められる息苦しさがあるからだ。 私は研究を通じて、「日本人らしさ」がどのように定義され、それと「ハーフ」というカテゴリーがどのように関係しているのかを社会学的に分析してきた。「ハーフ」はしばしば画一的な「日本人」イメージを広げる存在として語られる。だが、実際には見た目や振る舞いといった「日本人らしさ」からの部分的な逸脱を説明するための「ラベル」として機能している。「この人は日本人っぽくない」と感じたとき、「ハーフなのでは?」と推測することで、その違和感を説明しようとする。私の調査では、外国にルーツがないにもかかわらず「ハーフ」と誤認される人々も含まれていた。つまり、マジョリティ・「日本人」とされる人々の間にも見た目や振る舞い方や文化といった多様性はあるはずなのに、そうした多様性はしばしば無視され、「ハーフ」といった単純化されたカテゴリーに押し込められてしまうのだ。 こうしたカテゴリーの枠を外して考えると気づくことがある。「○○人」や「ハーフ」といった言葉では捉えきれない多様性が存在することに。世界は単純な二分法では説明できず、三分法や四分法でも十分に捉えきれない。「画一的な国・人と、画一的な国・人同士の交流」という、一般的な国際交流の捉え方には限界がある。国際交流とは、異なる2つの文化の間に橋をかけることだけではない。むしろ、個々の背景や経験を尊重し、固定化されたカテゴリーを超えて対話することではないだろうか。 <佐藤祐菜(さとう・ゆな)SATO Yuna> 神奈川県平塚市出身。2024年度渥美国際交流財団奨学生。専門は国際社会学および人種・エスニシティ研究。2025年4月より特任研究員(日本学術振興会特別研究員PD)として東京大学社会科学研究所に所属。慶應義塾大学社会学研究科後期博士課程在学中に南オーストラリア大学とのダブルディグリー制度に参加し、2023年3月から一年間、オーストラリア・アデレードに留学。2025年3月に慶應義塾大学で博士号(社会学)を取得し、2025年5月に南オーストラリア大学からも博士号を取得予定。 ------------------------------------------ 【2】寄贈本紹介 SGRA会員で神奈川大学特任助教の賈海涛さんからご著書をご寄贈いただきましたので紹介します。 ◆賈海涛『流動と混在の上海文学』 中国で最大の経済力を誇りつつも、反都市イデオロギーや標準語の普及によって地域文化と方言が危機に瀕する上海。この都市出身の作家や知識人は、どのようにこの現状と向き合っているのか?旧租界へのノスタルジア、移住者集団への注目、上海語での創作の試み、これらは文学にどのように映し出されるのか。本書では、方言、文化、移住者といった視点から、上海文学における流動的で混在する「地域性」を探求する。 発行:ひつじ書房 A5判上製カバー装 定価:6200円+税 ISBN:978-4-8234-1285-1 装丁:坂野公一(welle_design) 詳細は下記リンクをご覧ください。 https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1285-1.htm ------------------------------------------ 【3】第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本」へのお誘い(再送) 下記の通り第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」 日 時:2025年5月2日(金)10:00~15:00(トルコ時間)/16:00~21:00(日本時間) 方 法:会場参加とオンライン参加(Zoomウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:チャナッカレ・オンセキ・マルト大学(COMU)アナファルタラル・キャンパス 教育学部4階セミナーホール 言 語:日本語 申 込:参加申込(参加には事前登録が必要です) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_riLvAnD5RwKdQVoGTNrPNA#/registration お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]) ◆フォーラムの趣旨 中近東や東南アジアでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーへの関心が急上昇している。日本語学習のきっかけとなることも多い。トルコ語に翻訳された日本のアニメや漫画が飛躍的に増えているように、日本ポップカルチャーはブームだ。日本研究においても、これらの地域でなぜ日本文化の受容が広がっているのか、なぜ若者が日本語に特別な関心を持つようになったのかをもっと議論すべきであろう。 一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。 フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場としたい。 中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。 ◆プログラム 【第1部】中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化 ◇「トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ」 Levent_TOKSOZ(Tekirdag_Namik_Kemal_University・NKU) ◇「トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー」 Melek_CELIK(COMU) ◇「イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望」 Ayat_HOSSEINI(テヘラン大学) ◇討論「中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する」 Jianjun_SUN(北京大学)、Miyuki_ICHIMURA(COMU)、Shorina_DARIYAGUL(筑波大学) 【第2部】日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育 ◇「在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察」 Akbari_HOURIEH(神田外国語大学) ◇「在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に」 Mya_Dwi_ROSTIKA(大東文化大学) ◇【討論】「日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する」 Zeynep_GEN?ER_BALO?LU(Pamukkale_University・PAU)、Murat_?AKIR(関西外国語大学) 詳細は下記リンクをご参照ください。 ※プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/forum76program.pdf ※ポスター https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/76_SGRA_ForumV8-scaled.jpg 皆さまのご参加をお待ちしております。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ********************************************* -
Khin Maung Htwe “Myanmar Earthquake Experience”
2025年4月10日 13:58:20
********************************************** SGRAかわらばん1058号(2025年4月10日) 【1】SGRAエッセイとご支援のお願い:キン・マウン・トウエ「ミャンマー大地震の経験」 【2】第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナーへのお誘い(4月12日、東京+オンライン)(最終案内) 「東アジア地域市民の対話:国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」 【3】第76回SGRAフォーラムへのお誘い(5月2日、トルコ・チャナッカレ+オンライン)(再送) 「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」 *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#787とご支援のお願い ※「ミャンマー大地震復興支援活動のための募金」を応援していただける方は、下記リンクのフォームにご記入の上指定口座にお振込みください。ご寄付の全額をキンさんにお届けします。 https://forms.gle/qdqAzYyxgjdkZEYv5 ◆キン・マウン・トウエ「ミャンマー大地震の経験」 2025年3月28日午後12時50分(日本時間:15時20分)、ミャンマーの中心部にあるマンダレー市の近くサガイーを震源にマグニチュード7.7の大地震が発生した。地震の経験が少ないミャンマーの人々にとっては、瞬時に自分が生き残れるかが決まる一生忘れられない出来事だった。予測もしていなかったし経験もないから、地震直後は困難なことがたくさんあった。 「サガイー断層(Sagaing_Fault)」と呼ばれる1200キロ以上もある長い断層がミャンマーを南北に縦断していることは、1930年ごろから専門家によって指摘されていた。今回の大地震を引き起こした動きは「ストライクスリップ」であり、2つのブロックがお互いに水平に動いた。実は、サガイー断層プレートを中心とした大地震が100年後(現在)に起きるとも予測されていた。 ミャンマーの首都ネピィドー管区、マンダレー管区、サガイー管区、南シャン州に大きな被害が起きて多くの建物が潰れた。4月1日に死亡者2719人、負傷者4521人、行方不明441人と発表があり、その後も増加し続けている。 多くの高層ビル(例えば11階建て1000室以上のスカイヴィラ高級マンション)が潰れ、たくさんの命が失われた。地震の後、マンダレーの街に出てみると、家を失ってホームレス生活をしている人々がたくさん居た。命が残されても食料や水、寝る場所、仕事場がなくなり、夢を失い、心の傷を負っている。階段を見るだけで怖い、家は残ったが戻るのが怖い。一瞬のうちにホームレス生活になった友人たちを見て、支える言葉も出ない。40度以上の暑さは被災者の健康をむしばむ。5月になれば雨季に入り、テント生活もできなくなる。被災者のために心が痛む。 自分に命が残されたのは幸せなことだった。地震が起きた時、マンダレー市にある市民病院に2カ月半前から入院している91歳の父親のところに居た。父を背負って4階から階段で運び出した。父はこの混乱によるショックで危機的な状態に陥ったが、病院スタッフのみなさんのおかげで助かった。 地震が発生した時、家族はばらばらだった。幸いにも病院のインターネットがまだ使える状態だったので、バンコク留学中の娘から連絡があり、お互いの無事を確認した。マンダレーの学校に通っている次女は潰れた校舎から抜け出し、先生たちと避難したとの連絡があり安堵した。6階の自宅に居た妻と息子に連絡が取れなくて心配したが、2時間後に私が経営する居酒屋のスタッフと避難したとの連絡を受け、やっと全員の無事が確認できた。「イビススタイルホテル」内にある「居酒屋秋籾(AKIMOMI)」は大きな被害を受け、日本から苦労して輸入した大事な食器や飾り物が壊れてしまった。ただ、マンダレーから車で1時間ほど離れた避暑地ピンウーリンで経営する「ホテル秋籾」は、日本人の設計と監督によって建設されたこともあってか、大地震の影響はほぼない。 今回の大地震によって、家族とスタッフ全員の命に影響が無かったのは幸せだった。そこで、被災者のために私ができることをしようと考えて支援活動を始めた。まず、「ホテル秋籾」に滞在しているマンダレーからの被災者(多くは、年配の方たちと子供たち)に心の傷を短時間でも忘れてもらうために、特別な夕食を無料で提供して皆さんに美味しく、楽しく過ごしていただいた。部屋代の割引やできる限りのサービスを行った。ホテルに滞在している100人ぐらいの被災者しか支援できないので、お弁当も作って病院に差し入れた。 今、私の力ではお弁当や飲み水を配布することしかできない。これから必要になる医薬品やドライフード、ソーラー電気関係やテント、寝具など被災者支援のための募金を始めた。このエッセイを読まれる皆様にも「ミャンマー大地震復興支援活動のための募金」にご協力を願いしたい。 ※地震被害の状況や支援活動の写真を下記リンクよりご覧いただけます。 https://www.aisf.or.jp/sgra/plan/photo-gallery/2025/20232/ <キン・マウン・トウエ Khin Maung Htwe> ミャンマーで「小さな日本人村」と評価されている「ホテル秋籾(AKIMOMI)」の創設者、オーナー。マンダレー大学理学部応用物理学科を卒業後、1988年に日本へ留学、千葉大学工学部画像工学科研究生終了、東京工芸大学大学院工学研究科画像工学専攻修士、早稲田大学大学院理工学研究科物理学および応用物理学専攻博士、順天堂大学医学部眼科学科研究生終了、早稲田大学理工学部物理学および応用物理学科助手、Ocean_Resources_Production社長を経て「ホテル秋籾」を創設。SGRA会員。 ------------------------------------------ 【2】第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナーへのお誘い(最終案内) 下記の通り第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナー「東アジア地域市民の対話」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「東アジア地域市民の対話 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」 日 時:2025年4月12 日(土)午後2時~午後5時(日本時間) 方 法:会場参加とオンライン参加(Zoomウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:桜美林大学新宿キャンパス創新館(南館)JS302号室 https://www.obirin.ac.jp/access/shinjuku/ 言 語:日本語・英語(同時通訳) 申 込:参加申込(参加には事前登録が必要です) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_6rSMRrVaRw-wmMhl6Cc3RQ#/registration お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]) ◆フォーラムの趣旨 地理学的にいえば、「東アジア」は、北東アジア(日本、中国、韓国)と東南アジア(ASEAN加盟国)の双方から構成され、「多様性の中の調和」原則の現出ともいえる「東アジア統合」というASEAN+3(日中韓)のビジョンを共有している。東アジアはこのビジョンに向けて大きな前進を遂げたが、近年中国が関わる出来事がビジョンに向けた地域の進歩を頓挫させていることも否定できない。 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(Local-to-Local-Across-Border-Schemes、以下LLABS)は、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)経営開発学部(CPAf)のさまざまなコラボレーションとして、フェルディナンド・C・マキト博士が主導する「持続可能な共有成長セミナー」を通じて生まれた。UPLBチームは、フィリピン内務省の地方政府アカデミーと地方自治省のためにLLABS研究プロジェクトを実施した。 本フォーラムでは、桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群とSGRAの協力によって、これまで主にフィリピンで検討されてきたLLABS構想について、北東アジアの研究者と一緒に議論し、実現の可能性について探る。 会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、共催のフィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)を通じて広くオンライン参加者を募る。 ◆プログラム ◇基調講演 「国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の概要と意義」 フェルディナンド・マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)講師) ◇討論1<ASEAN+3と日本。LLABSの可能性> 「コミュニティ連携:成長のトライアングル、中華街、「カレー移民」に見る教訓」 佐藤考一(桜美林大学リベラルアーツ学群教授) ◇討論2<ASEAN+3と中国。LLABSの可能性> 「中国および東北アジア地域における越境開発協力と地方自治体国際協力の枠組み」 李鋼哲(INAF研究所代表理事・所長) ◇討論3<ASEAN+3と韓国。LLABSの可能性> 「韓国地方政府の国際レジーム形成の取り組み:日中韓地方政府交流会議を事例として」 南基正(ソウル大学日本研究所所長) ◇討論4<ASEAN+3と台湾。LLABSの可能性> 「政治的制約を超える台湾と東南アジアの「非政府間」の強い結びつき」 林泉忠(東京大学東洋文化研究所特任研究員) ◇自由討論 フィリピン市民の意見 … ジョアン・セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ教授) インドネシア市民の意見 … ジャクファル・イドルス(国士舘大学21世紀学部専任講師) タイ市民の意見 … モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学アジア太平洋研究科) ◇総括 平川均(名古屋大学名誉教授) 詳細は下記リンクをご覧ください。 ※プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/01/SGRAForum75Program.pdf ※英語版プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/english/2025/02/06/forum75kkk45/ ------------------------------------------ 【3】第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本」へのお誘い(再送) 下記の通り第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」 日 時:2025年5月2日(金)10:00~15:00(トルコ時間)/16:00~21:00(日本時間) 方 法:会場参加とオンライン参加(Zoomウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:チャナッカレ・オンセキ・マルト大学(COMU)アナファルタラル・キャンパス 教育学部4階セミナーホール 言 語:日本語 申 込:参加申込(参加には事前登録が必要です) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_riLvAnD5RwKdQVoGTNrPNA#/registration お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]) ◆フォーラムの趣旨 中近東や東南アジアでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーへの関心が急上昇している。日本語学習のきっかけとなることも多い。トルコ語に翻訳された日本のアニメや漫画が飛躍的に増えているように、日本ポップカルチャーはブームだ。日本研究においても、これらの地域でなぜ日本文化の受容が広がっているのか、なぜ若者が日本語に特別な関心を持つようになったのかをもっと議論すべきであろう。 一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。 フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場としたい。 中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。 ◆プログラム 【第1部】中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化 ◇「トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ」 Levent_TOKSOZ(Tekirdag_Namik_Kemal_University・NKU) ◇「トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー」 Melek_CELIK(COMU) ◇「イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望」 Ayat_HOSSEINI(テヘラン大学) ◇討論「中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する」 Jianjun_SUN(北京大学)、Miyuki_ICHIMURA(COMU)、Shorina_DARIYAGUL(筑波大学) 【第2部】日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育 ◇「在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察」 Akbari_HOURIEH(神田外国語大学) ◇「在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に」 Mya_Dwi_ROSTIKA(大東文化大学) ◇【討論】「日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する」 Zeynep_GENCER_BALOGLU(Pamukkale_University・PAU)、Murat_CAKIR(関西外国語大学) 詳細は下記リンクをご参照ください。 ※プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/forum76program.pdf ※ポスター https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/76_SGRA_ForumV8-scaled.jpg 皆さまのご参加をお待ちしております。 ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************** -
Invitation to the 76th SGRA Forum in Çanakkale, Turkey
2025年4月3日 20:02:08
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一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。 フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場としたい。 中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。 ■プログラム 総合司会:Irmak_Kilkesen(COMU)・Arif_Celebi_Metin(COMU) 10:00-10:10 開会挨拶 Eiichi_TSUNODA(渥美国際交流財団) Tolga_OZSEN(COMU) 10:10-11:30 第1部:中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化 司会:Kazuma_IWATA(東京外国語大学) オンラインQ&A:Aqil CHEDDADI(慶應義塾大学) 10:10-10:30「トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ」 Levent_TOKSOZ(Tekirdag_Namik_Kemal_University・NKU) 10:30-10:50「トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー」 Melek_CELIK(COMU) 10:50-11:10「イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望」 Ayat_HOSSEINI(テヘラン大学) 11:10-11:30【討論】「中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する」 Jianjun_SUN(北京大学) Miyuki_ICHIMURA(COMU) Shorina_DARIYAGUL(筑波大学) 11:30-13:30 休憩・ランチ 13:30-15:00 第2部:日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育 司会:Aqil_CHEDDADI(慶應義塾大学) オンラインQ&A:Kazuma_IWATA(東京外国語大学) 13:30-13:50「在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察」 Akbari_HOURIEH(神田外国語大学) 13:50-14:10「在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に」 Mya_Dwi_ROSTIKA(大東文化大学) 14:10-14:40 【討論】「日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する」 Zeynep_GENCER_BALOGLU(Pamukkale_University・PAU) Murat_CAKIR(関西外国語大学) 14:40-14:50 総括 詳細は、下記リンクをご参照ください。 ※プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/forum76program.pdf ※ポスター https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/04/76_SGRA_ForumV8-scaled.jpg 皆さまのご参加をお待ちしております。 ------------------------------------------ 【2】第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナーへのお誘い(再送) 下記の通り第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナー「東アジア地域市民の対話」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「東アジア地域市民の対話 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」 日 時:2025年4月12 日(土)午後2時~午後5時(日本時間) 方 法:会場参加とオンライン参加(Zoomウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:桜美林大学新宿キャンパス創新館(南館)JS302号室 https://www.obirin.ac.jp/access/shinjuku/ 言 語:日本語・英語(同時通訳) 申 込:参加申込(参加には事前登録が必要です) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_6rSMRrVaRw-wmMhl6Cc3RQ#/registration お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]) ◆フォーラムの趣旨 地理学的にいえば、「東アジア」は、北東アジア(日本、中国、韓国)と東南アジア(ASEAN加盟国)の双方から構成され、「多様性の中の調和」原則の現出ともいえる「東アジア統合」というASEAN+3(日中韓)のビジョンを共有している。東アジアはこのビジョンに向けて大きな前進を遂げたが、近年中国が関わる出来事がビジョンに向けた地域の進歩を頓挫させていることも否定できない。 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(Local-to-Local-Across-Border-Schemes、以下LLABS)は、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)経営開発学部(CPAf)のさまざまなコラボレーションとして、フェルディナンド・C・マキト博士が主導する「持続可能な共有成長セミナー」を通じて生まれた。UPLBチームは、フィリピン内務省の地方政府アカデミーと地方自治省のためにLLABS研究プロジェクトを実施した。 本フォーラムでは、桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群とSGRAの協力によって、これまで主にフィリピンで検討されてきたLLABS構想について、北東アジアの研究者と一緒に議論し、実現の可能性について探る。 会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、共催のフィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)を通じて広くオンライン参加者を募る。 ◆プログラム ◇基調講演 「国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の概要と意義」 フェルディナンド・マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)講師) ◇討論1<ASEAN+3と日本。LLABSの可能性> 「コミュニティ連携:成長のトライアングル、中華街、「カレー移民」に見る教訓」 佐藤考一(桜美林大学リベラルアーツ学群教授) ◇討論2<ASEAN+3と中国。LLABSの可能性> 「中国および東北アジア地域における越境開発協力と地方自治体国際協力の枠組み」 李鋼哲(INAF研究所代表理事・所長) ◇討論3<ASEAN+3と韓国。LLABSの可能性> 「韓国地方政府の国際レジーム形成の取り組み:日中韓地方政府交流会議を事例として」 南基正(ソウル大学日本研究所所長) ◇討論4<ASEAN+3と台湾。LLABSの可能性> 「政治的制約を超える台湾と東南アジアの「非政府間」の強い結びつき」 林泉忠(東京大学東洋文化研究所特任研究員) ◇自由討論 フィリピン市民の意見 … ジョアン・セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ教授) インドネシア市民の意見 … ジャクファル・イドルス(国士舘大学21世紀学部専任講師) タイ市民の意見 … モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学アジア太平洋研究科) ◇総括 平川均(名古屋大学名誉教授) プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2025/01/SGRAForum75Program.pdf 英語版プログラム https://www.aisf.or.jp/sgra/english/2025/02/06/forum75kkk45/ ***************************************** ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方はSGRA事務局にご連絡ください。 https://www.aisf.or.jp/kokushi/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************