SGRAメールマガジン バックナンバー

  • Invitation to SGRA Study Tour in Fukushima

    ************************************************************** SGRAかわらばん579号(2015年7月30日) 【1】第4回SGRAスタディツアー「飯館村、帰還に向けて」へのお誘い 【2】第4回SGRAワークショップ「知の空間を創ろう」報告 ************************************************************** 【1】第4回SGRAスタディツアー「飯館村、帰還に向けて」へのお誘い 渥美国際交流財団SGRAでは2012年から毎年、福島第一原発事故の被災地である福島県飯舘(いいたて)村でのスタディツアーを行ってきました。ふくしまスタディツアーでの体験や考察をもとにしてSGRAワークショップ、SGRAフォーラム、SGRAカフェ、そしてバリ島で開催された第2回アジア未来会議でのトークセッションなど、さまざまな催しを展開してきました。 今年も10月初めに第4回「SGRAふくしまスタディツアー」を行います。ぜひ、ご参加ください。 日   程:2015年10月2日(金)、3日(土)、4日(日)2泊3日 参加メンバー:渥美財団奨学生、ラクーンメンバー、SGRAメンバー その他 人   数:7~8人程度 宿   泊:「ふくしま再生の会 霊山(りょうぜん)センター」 参加費:渥美奨学生、ラクーンメンバーは無料、一般参加者は新幹線往復費用+1万円 申込み締切:9月15日(火) 申込み・問合せ:渥美国際交流財団 SGRA 角田  tsunodaaisf@gmail.com Tel:03-3943-7612 【プログラム(仮)】(参加の希望を聞いて最終プログラムを決めます) 第1日目 朝:東京⇒福島(新幹線) 午後:飯舘村内の視察・見学 夜:村民(避難住民)、「ふくしま再生の会」メンバー達との語らい テーマ: 「帰還に向けて-地域住民として、今語りたいこと」(菅野宗夫) 「ふくしま再生の会の活動-生活再建の試み-」(田尾陽一) 「帰還と風評被害:原発事故被災地の苦悩」(寺島英哉) 第2日目 朝:避難住民との語らい/村内見学 避難所生活を送るお年寄りたちとの語らい:「いつ自分の家に帰れるのか・・・」 午後:「ふくしま再生の会」での協働作業 地元農民、「ふくしま再生の会」のメンバーと共に「稲の刈入れ」の協働作業 夜:若い世代との語らい 若い世代との語らい:「飯舘村再生の意味」「真手(マデイ)の村造りは持続可能か」 第3日目 午前: 未定(参加者の希望で決ます) 午後: 飯舘⇒福島、福島⇒東京(新幹線) 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2015/07/Fukushima2015Chirashi.pdf 【3】   SGRA催事報告 ◆      趙 国 「第4回SGRAワークショップ『知の空間を創ろう』報告」 第4回SGRAワークショップが、「『知の空間』を創ろう」というテーマで、7月3日から3日間行われた。蓼科への「旅行」なのか、「ワークショップ」(しかも、かなり重いテーマである)なのか、少し不安を抱きながら参加した。以下は、極めて個人的な感想を込めた参加レポートである。 7月3日(金) 朝から激しい雨が降り続いていた。新宿を午前9時の出発予定だったが、激しい雨と思わぬ事情により、1時間程度遅れていよいよ出発。幸い目的地への道は渋滞もなく、諏訪に着くころには雨もほぼ止んだ。 お昼はSUWAガラスの里のレストラン。諏訪湖を眺めながら食事をし、食後SUWAガラスの里の美術館・ショップを見るのが定番のコースらしい。美術館で印象深かったのは、金箔の漆器箱をガラスで表現した作品だった。見た目は六角の漆器箱そっくりだが、ガラスの表面に金箔を張り付けたそうだ。わざわざガラスで造る必要があるのかとの思いもなくはなかったが(隣には、ガラスで作ったキャベツもあった!)、とにかく美しい。 次の目的地は諏訪大社。雨は降ったり止んだりしていたが、雨霧に囲まれた古社は神秘感を増した。たまたまあった茅の輪で夏越しの大祓もやってみた。くぐり方だけに気をとられて、その時は何も祈ることが出来なかったが、同期の皆さんが無事に博論を出せるように祈ったらよかったと思う。 予定より少し遅れて最終目的地、チェルトの森へ到着した。夕食後、アイスブレーキングタイムがあった。「私の強みは_______である」「私の弱みは_______である」などなど、親しい人ともなかなか話さない話題について、小グループごとに話し合う時間だった。これでアイスブレーキングができるかよく分からないが、個人的には話すうちにどんどん盛り上がってきた。また周りを見ると、積極的に、真面目に話す人や、ボンヤリのんびりとする人など、個々の個性が浮かび上がるのも面白い。続く懇親会では、聞くだけでも非常に楽しい話が長く続いた。 7月4日(土) 2日目から本格的なワークショップが始まった。午前中は劉傑先生、茶野純一先生のトークショーがあった。まずは両先生より知・空間の概念定義から始まり、知と政治との関係など、深度の深いお話を伺った。茶野先生はアメリカのthink tankと政治政策について、劉先生は中国における日本学(者)の状況などを例として取り上げ、知の問題が現実の政治権力と微妙な緊張関係にあることを鋭く指摘した。 そもそも蓼科ワークショップは、蓼科旅行とも言われているように、博論執筆に疲れている今年度の奨学生にリフレッシュの時間を与えようとの財団の配慮で、気軽に楽しむという趣旨もあるようだが、今回のテーマはなかなか重い。それゆえ参加者皆が真面目に、真摯にテーマを受け入れた様子であった。講演の後に続く質疑応答時間でも「知の空間」における東アジア共同体の可能性、知と権力との関係、「専門性」と「知」との関係設定、アカデミックの「知」と地域の「知」との結びつきなどなど、様々な側面・観点から議論が行われた。 確かに、日本史、しかも日本近現代史という狭いといえば狭い領域で暮らしていた私にとって、刺激になる、それなりに楽しめる時間だったが、他方、これからのワークショップの分科会、翌日のプレゼンテーションなどへのプレッシャーも次第に高くなった。 しかしながら、これは私の杞憂にすぎなかった。午後から始まった小グループの活動は、ワークショップ本来の趣旨の通り、気軽で、楽しめる時間だった。5つに分けられた各チームは、蓼科の自然を満喫しながら、宝探しを兼ねて知の空間をイメージする色・形や、知の空間に必要なもの、禁止すべきものなどの課題を見つけ、それについて自由に話し合う時間を持った。 その後、話し合った結果を元に、各チームは明日のプレゼンテーションに向けて準備にはいった。私のチームでは、知の空間を象徴する各種のイメージをコラージュすることにした。最初は、どういう形になるか分からずに始めたが、皆が少しずつアイデアを出して、ふさわしいイメージを探し出すことによって、作業はどんどん具体化された。よいチームワークの結果、夕食前に、明日の発表準備をほぼ終わらせることができた。これで一安心。外は少しずつ雨が降り出したが、おいしい夕食と、続く懇親会も思う存分、楽しめた。 7月5日(日) 最後の3日目。ワークショップの結果をチーム毎に発表する時間となった。各チームいずれも発表内容や形式において、個性溢れる、面白い発表であった。私のチームのコラージュは知の空間のイメージから、宇宙と秩序を背景とした人間の形状を作り出した。他の発表の面々を見ると、知の空間とその誕生を、卵の形で立派な照明効果も活用しながら表現したもの、とても面白い料理番組で知の空間へのチョコ(直行)焼きを造ったもの、知の空間のつながり・拡散を真面目な説明と分かりやすい紙工作で表現したものなどがあった。最後のチームは、発表順まで緻密に計算して、会場の全員の手をつなぎ合わせ、知の空間における人と人との結びつきを表現した。実に今回のワークショップのテーマにふさわしい最後の発表であったと思う。また、議論、まとめ、発表全体を通して、新入奨学生に任せきりではなく、奨学生のOBやOG、財団の方々、それに講師の先生方までも皆が積極的に参加してくださって、本当にありがたいと思った。 発表が終わってみんなが満足できる授賞式もあった。それからお昼を食べて、バスで東京へ向かった。短い時間であったが、自然を楽しめる(しかも鹿を二度も見ることが出来た)、皆とより一層親しくなった、貴重なリフレッシュの時間だった。 蓼科ワークショップの写真は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/photo-gallery/2015/3822/ <趙 国(チョ・グック) Guk CHO> 歴史学専攻。早稲田大学大学院文学研究科博士課程在学中。研究分野は日本近現代史で、現在は日本の居留地における清国人管理問題について博士論文を執筆している。 ************************************************** ◆ SGRAカレンダー ◇第4回SGRAスタディツアーin福島  「飯館村:帰還に向けて」(2015年10月2日~4日福島)  http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4363/ ◇第8回SGRAカフェ  「ジェンダーについて考える必要性(仮)」  (2015年10月24日東京)<ご予定ください> ◇第50回SGRAフォーラム  「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」  (2015年11月14日北九州市)<ご予定ください> ◇第9回SGRAチャイナフォーラム 「日中200年―支え合う近代(仮)」 (2015年11月21日北京)<ご予定ください> ★☆★第3回アジア未来会議「環境と共生」  (2016年9月29日~10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中>  http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/  奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日です。  一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ◆「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ◇エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ◇配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ◇皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ◇SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。  http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 ************************************************** 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************
  • SGRA Cafe #7 Report

    ********************************************* SGRAかわらばん578号(2015年7月23日) *********************************************   ■文 景楠「第7回SGRAカフェ報告」 ~中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ~   2015年7月11日、東京九段下にある寺島文庫みねるばの森にて、台湾中央研究院近代史研究所の林泉忠先生をスピーカーに迎え、第7回SGRAカフェが開催された。SGRA運営委員のデール・ソンヤさんの司会のもと、まずSGRA代表の今西淳子さんによる開催の挨拶があり、続いて林先生による講演が始まった。以下、その様子を簡略に伝えたい。   今回の講演は、2014年に中国語圏で起こった政治的な出来事のなかでも特に印象的であった、台湾のひまわり学生運動と香港の雨傘運動を取り上げたものであった。現在の台湾と香港の状況を象徴するようなこれら二つの運動は、学生たちが立法院や道路を占有する映像とともにメディアによって大きく取り上げられ、海外の人々にも非常に強いインパクトを与えた。これらの運動が現代の中国語圏を理解する上でどのような意味をもつのかを整理し、それをもとにして、運動の主体となった台湾と香港の若者のアイデンティティの問題に進んだ。   林先生によれば、二つの運動は以下のような特徴をもつ。まず、それらはともに学生主体の運動であり、政権や社会格差への関心が主な動機として始まっている。また両者は、方法としては非暴力を、理念としては民主主義を掲げたものであり、その展開においてインターネットが重要な役割を果たしていたという点でも類似している。さらに、ひまわり学生運動と雨傘運動の中心となった若者たちが、深い関心をもって互いの活動を積極的に支援したという点も特徴的である。   すでに『「辺境東アジア」のアイデンティティ・ポリティクス:沖縄・台湾・香港』というタイトルの著書を上梓されていることからも窺えるように、林先生が、これらの運動を理解する際にキーワードとしたのは、「中心と辺境との距離」である。上で取り上げた二つの運動は、民主化運動といった点を重視すれば、中国語圏で行われてきた従来の政治運動と一見同様に見えるかも知れない。しかし、今回の二つの運動には大きな違いがあり、それには、近年の中国語圏における最も重大な変化、すなわち「中国の台頭」という現象が関係している。   現在の中国語圏において、中国本土と台湾、香港の力関係は従来のそれから大きく変化している。香港は以前もっていた経済的求心力を失い始め、台湾もまた爆発的な成長を見せる中国との関係をどのように保つかに苦慮している。このような関係の変化は、特に雨傘運動に対する中国政府の対応から垣間見ることができる。林先生の理解によれば、中国政府の雨傘運動への対応は予想以上に強硬なものだった。これは、香港がもっていた経済的重要性が弱まってきたことによって、現在の中国政府がある意味では香港(に住む人々)に対して優位に立つようになったという事情を反映しているといえる。   このような現実に直面している香港の学生たちが今回の運動で問わなければならなかったのは、おそらく民主主義やそのための手続きの問題だけではなく、激変する社会情勢における自分たちの立ち位置でもあったのだろう。同様の指摘は、台湾の事例にも当てはまる。中国政府の反応は香港の場合とは違って比較的おだやかなものではあったが、ひまわり学生運動がそもそも中国本土と台湾の経済的な協定が火種となったものであるという点を考えれば、台湾の若者が苦心していたものもまた、単なる政治的意思決定のプロセスの妥当性だけではなく、中国台頭時代における自らの立ち位置への不安でもあったと思われる。   このように、今回の二つの運動は、ますます中心化していく中国本土とますます辺境化する台湾・香港の関係がもつ不安定さを反映したものであり、若者による民主化運動という理解だけではこれらの内実を正確に把握することは、もはやできないのである。   中心と辺境の距離感は、講演の主題となったアイデンティティの問題に直結している。林先生の調査によれば、香港・台湾の住民のかなりが、自らを香港人・台湾人と考えている。香港人や台湾人という自己認識が何を意味するのか、さらに、この自己認識が中国語圏の今後に対して何を示唆するのかに関しては、まだ判定を下すことができない。しかし、社会情勢の変化が、中国語圏が従来から抱えていた問題の位相を変えていることは恐らく事実であり、今後このような傾向はさらに加速されるだろう。   現状の整理は上記のとおりであるが、これから中国語圏の人々が何を目指すべきかを示すことは簡単ではない。これに関して林先生は、中心となっていく中国政府が、どのように辺境の人々からの信頼を回復できるのかが鍵となるだろうと述べた。その具体的な方法は事案に応じて個別的に論じられなければならないが、その指摘は方向性としては全面的に正しいと思われる。   中国語圏の若者のアイデンティティの問題は、その地域の現実を直に反映したものである。今回の講演は、このようなアクチュアルな現象に着目することで今後の中国語圏全体のあり方を考えるという、非常に刺激的な内容であった。   <文 景楠(ムン・キョンナミ)Kyungnam MOON> 哲学専攻。東京大学大学院博士課程在学中。研究分野はギリシア哲学で、現在はアリストテレスの質料形相論について博士論文を執筆している。   当日の写真を下記リンクからご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/photo-gallery/2015/3822/   ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第8回SGRAカフェ 「ジェンダーについて考える必要性(仮)」 (2015年10月24日東京)<ご予定ください> ○第50回SGRAフォーラム 「アジアに青空を取り戻そう―女性が社会を変える(仮)」 (2015年11月14日北九州市)<ご予定ください> ○第9回SGRAチャイナフォーラム 「日中200年―支え合う近代(仮)」 (2015年11月21日北京)<ご予定ください>   ★☆★第3回アジア未来会議「環境と共生」 (2016年9月29日~10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日です。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。   ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ● 登録および配信解除をご希望の方はSGRA事務局へご連絡ください。 ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11   関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************      
  • Liu Jie ”Japan Studies as Asian Public Knowledge”

    ******************************************************** SGRAかわらばん577号(2015年7月16日)   【1】エッセイ: 劉 傑「『日本研究』を『アジアの公共知』に」   【2】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(7月18日東京) 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」(当日参加可)   【3】新刊紹介:「東アジア経済と労働移動」 ********************************************************   【1】SGRAエッセイ#466   ◆ 劉 傑「『日本研究』を『アジアの公共知』に」   日中韓の東アジア三国は歴史認識と領土問題をめぐって、70年代以来の難局に直面している。アジアインフラ投資銀行がいよいよ創設されるなか、金融を梃子にした経済提携が期待される一方、日本は中国が主導する同機構の透明性と公正性に懐疑的で、慎重な姿勢を崩していない。終戦から70年が経過するが、アジアにおける「信」の欠如は、政治的関係を著しく後退させ、国民感情にも暗い陰を落としている。長期的に安定した地域関係を構築するために、信賴の醸成は不可欠であるが、その前提条件は、共有できる「知」を編み出すことである。この重責を担う各国の知識人に求められているのは、国境を越える「知」の「公共空間」を構築することである。   歴史の束縛から解放されていない東アジアにおいて、地域研究としての「中国研究」「日本研究」及び「韓国研究」の諸分野で、「公共空間」を形成することは極めて難しい。各国がそれぞれのコンテクストの中で他地域を研究している現状は、憂慮すべきことである。各国が描く他国のイメージと当該国の自己認識との間に大きなズレが生じている。例えば、中国と韓国の研究者がもっている日本の近代史像と、日本人研究者がもっているそれとの距離は、この30年間で拡大の一途を辿った。中国研究への傾斜が顕著な今、東アジアにおける日本研究の停滞は、この地域の国際関係に大きな影響を及ぼしている。   問題は先ず日本側にある。そもそも日本のアジア研究から日本研究が排除されたことで、日本の日本研究は「日本的空間」のなかに閉じ込められた。このことが世界の日本研究に与えた影響は大きく、日本の「独自性」が特別に強調される結果をもたらした。しかし、19世紀以来のアジアの歩みには、戦争と革命はいうまでもなく、社会・経済の近代化や文化の伝達と発展など、どの分野からみても、日本が深く関わってきたことは一目瞭然である。日本研究の視野を広げ、アジア研究のなかに踏み込まなければ、本当の意味の日本研究は成り立たない。   一方、中国や韓国の日本研究のあり方にも大きな問題がある。中国についていえば、清末から中華民国時代にかけて大量の留学生が日本、アメリカそしてヨーロッパに渡ったが、彼らが追い求めたのは、中国を近代国家に進化させる道筋であった。彼らは中国の歴史から近代化のさまたげとなるものをえぐり出し、中国の歴史、思想、文化などを西洋の近代的な学問体系を用いて再解釈することに力を入れた。半面、中国の知識人は日本経由で近代の「知」の概念を貪欲に吸収しながらも、日本や欧米に対する研究には大きな関心を示さなかった。そのため、中国には本当の意味の「日本学」も「アジア学」も確立しなかった。   1980年から始まった第二波の留学ブームもこの伝統を継承した。文系を専攻とする留学生の学問的関心は相変わらず、中国近代史、中国政治、中国社会、中国経済などに集中し、日本研究を志すものは比較的少なかった。日本の教育研究機関における中国研究は大変充実しており、留学生に恵まれた環境を提供した。日本には戦前から内藤湖南や狩野直喜らがリードする「支那学」の伝統があり、戦後は「中国学」に継承された。1947年に設立された東方学会は、民間の学術団体として、日本のアジア学の発展と東方諸国の文化の進展に貢献することを目的に活動し続けている。また、アジア政経学会に集まる研究者の大半は中国研究に従事する研究者である。留学生の受け入れに積極的な日本の大学は、中国や韓国の日本研究者をどのように育成していくのか、喫緊な課題である。   東アジアの歴史和解を実現するとともに、国民同士の信頼を回復し、安定した協力関係を構築するには、「公共知」の力が求められる。日本研究をこのような「公共知」に育成することの意味は無視できない。近代日本はアジア諸国と複雑な関係を歩んできた。日本が経験した成功と失敗をアジア全体が共有する財産に昇華させることは、歴史を乗り越えることでもある。また、戦後の日本はアジアのどの国よりも、環境問題、高齢化問題、エネルギー問題、自然災害などの問題をたくさん経験し、多くの知見を蓄積してきた。これらの経験をアジア共有の財産に育て上げることの意味はいうまでもない。アジアが求めている現代日本学は、失敗と成功の2つの側面からの「日本経験」に他ならない。   それでは、「アジアの公共知」としての「日本研究」をどのように創成していくのだろうか。   第一は、歴史を乗り越えることである。そのための第一歩は、中国の「国史」と日本の「国史」、韓国の「国史」を対話させることである。「国史」研究者同士の交流は共有するアジア史につながり、日本のアジア研究に日本研究を取り入れる環境整備にもなる。   第二は、日本が中心になって日本研究のプラットフォームを形成し、これをアジアの公共財に育成することである。日本には日本研究に必要な資源がもっとも集中している。「日本文化」だけではなく、人文科学と社会科学の融合を目指した日本研究の拠点が必要である。これは多方面の提携協力が必要であるが、既存の研究環境の活用から着手することが重要であろう。   第三は、情報の共有を目指すことである。「アジア歴史資料センター」という試みは、世界の日本研究に大きな貢献をしている。歴史資料だけではなく、今まで蓄積された日本の「日本研究」の成果を、多言語に翻訳し、多様な型式で発信する事業も重要であろう。   第四は、アジアにおける日本研究ネットワークの構築である。各国には日本研究の組織が多数存在するものの、国際的な連携を図る仕掛けは存在しない。ネットワークと共同研究の場の形成に向けて、日本はハブ機能とリーダーシップを発揮しなければならない。   <劉 傑(りゅう けつ)Liu Jie> 早稲田大学社会科学総合学術院教授、博士(文学)。専門は近代日本政治外交史、近代日中関係史、現代日中関係論。北京外国語大学を経て、1982年に来日。1993年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。1996年4月より早稲田大学社会科学部に勤務。コロンビア大学客員研究員、朝日新聞アジアネットワーク客員研究員などを歴任。著書に『日中戦争下の外交』(吉川弘文館、1995年)、『中国人の歴史観』(文藝春秋 文春新書、1999年)、『漢奸裁判―対日協力者を襲った運命』(中央公論新社 中公新書、2000年)、共著に『国境を越える歴史認識』(東京大学出版会、2006年)、『新華僑老華僑』(文春新書、2008年)、『1945年の歴史認識』(東京大学出版会、2009年)など。   *本文は、2015年7月18日に開催する第49回SGRAフォーラム「日本研究の新しいパラダイムを求めて」の問題提起として書かれたものを著者のご同意を得て、SGRAかわらばんで配信します。       【2】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(当日参加も歓迎!)   下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにも参加していただけますので、ご関心のある方をお誘いください。   テーマ:「日本研究の新しいパラダイムを求めて」   日時:2015年7月18日(土)午前9時30分~午後5時   会場:早稲田大学大隈会館 (N棟2階 201、202号室) http://www.waseda.jp/somu-d2/kaigishitsu/#link7   参加費:無料 使用言語:日本語 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp   ◇フォーラムの趣旨   渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2014年8月にインドネシア・バリ島で開催した第2回アジア未来会議において、円卓会議「これからの日本研究:学術共同体の夢に向かって」を開催した。この円卓会議に参加したアジア各国の日本研究者、特にこれまで「日本研究」の中心的役割を担ってきた東アジアの研究者から「日本研究」の衰退と研究環境の悪化を危惧する報告が相次いだ。   こうした状況の外的要因として、アジア・世界における日本の国際プレゼンスの低下と、近隣諸国との政治外交関係の悪化が指摘されている。一方では東アジアの日本研究が日本語研究からスタートし、日本語や日本文学・歴史の研究が「日本研究」の主流となってきたことにより、現代の要請に見合った学際的・統合的な「日本研究」の基盤が創成されていないこと、また各国で日本研究に関する学会が乱立し、国内のみならず国際的な連携を図りづらいこと、などが内的要因として指摘されている。   今回のフォーラムでは、下記の4つのテーマを柱とした議論を行い、東アジアの「日本研究」の現状を検討するとともに「日本研究の新しいパラダイム」を切り開く契機としたい。   1.東アジアの「日本研究」の現状と課題、問題点などの考察 2.アジアで共有できる「公共知」としての「日本研究」の位置づけ及び「アジア研究」の枠組みの中での再構築 3.「アジアの公共知としての日本研究」を創成するための基盤づくりと知の共有のための基盤づくり、国際研究ネットワーク/情報インフラの整備等の構想 4.日本の研究者、学識者との連携と日本の関係諸機関の協力と支援の重要性   詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/       【3】新刊紹介   SGRA研究員で執筆者のひとりのフェルディナント・マキトさんから新刊書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。   ◆「東アジア経済と労働移動」   [編著]トラン・ヴァン・トウ/松本邦愛/ド・マン・ホーン   東アジアで国際間労働移動が活発化している。しかし,その実態を把握した研究は少なく,ましてや国内の労働移動との関係を分析した研究はない。本書は日本,韓国,台湾から中国,タイ,マレーシア,インドネシア,フィリピン,ベトナム,ミャンマー等,国内と国際間の労働移動,送出国と受入国の実態を分析し,持続的発展の為の政策提言を行う。   A5判並製 278頁 C3033 ISBN 978-4-8309-4867-1(4-8309-4867-1) 定価 3240円(本体 3000+税) 発行所 文真堂 発行日 2015年6月発行   http://www.bunshin-do.co.jp/catalogue/book4867.html   ************************************************** ○ SGRAカレンダー ◇第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ◇第8回SGRAカフェ 「ジェンダーについて考える必要性(仮)」 (2015年10月24日東京)<ご予定ください> ◇第50回SGRAフォーラム 「アジアに青空を取り戻そう―女性が社会を変える(仮)」 (2015年11月14日北九州市)<ご予定ください> ◇第9回SGRAチャイナフォーラム 「日中200年―支え合う近代(仮)」 (2015年11月21日北京)<ご予定ください> ★☆★第3回アジア未来会議「環境と共生」 (2016年9月29日~10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日です。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。   ○「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ○ 登録および配信解除をご希望の方はSGRA事務局へご連絡ください。 ○ エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ○ 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ○ 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ○ SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11   関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************
  • [SGRA_Kawaraban] David Goginashvili “Some Thoughts about

    *********************************************************** SGRAかわらばん576号(2015年7月9日) 【1】エッセイ: ゴギナシュヴィリ「イデオロギーをめぐる考え」    〜『どんな人が一番嫌い?』という質問から得られた示唆〜 【2】レポート紹介:「科学技術とリスク社会」    〜福島第一原発事故から考える科学倫理〜 【3】第7回SGRAカフェへのお誘い(7月11日東京)(当日参加OK) 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 【4】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(7月18日東京)(再送) 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 *********************************************************** 【1】SGRAエッセイ#465 ■ダヴィド ゴギナシュヴィリ「イデオロギーをめぐる考え」 〜「どんな人が一番嫌い?」という質問から得られた示唆〜 ある飲み会で、「どんな人が一番嫌い?」 と聞かれた。「〇〇主義者」が一番嫌い だと心の中で思ったが、そう答えても、相手が理解してくれないだろうと考えたた め、反論を招かないように無難な回答をさがして、誰もが共感するであろう「裏表の ある人が嫌いだ」という答えを選んだ。 理解してもらえないだろうと思った理由は、相手が日本人であり、私とは全く違う バックグラウンドを持っていたからである。私は、長い間様々な「〇〇主義者」に よって苦しめられてきたジョージアという国で生まれ育ったのだが、そのような経験 をしていない人間にとって「〇〇主義者が嫌いだ」というような発言は、すんなりと 理解できないのは当然であろう。 ここで、そのように答えたかった私の気持ちの背景、この質問が私に提起した問題、 そしてそこから導いた結論を説明したいと思う。 私が子供だった頃は共産主義者が人々の自由を抑圧しており、ソ連崩壊後は過激主義 者と分離主義者、そしてその分離主義者を後押ししていた隣国(ロシア)の帝国主義 者がジョージアを分断しようとしていたことが記憶に刻まれている。一方で、国を守 ろうとしていた愛国主義者(彼らは私の憧れであった)もいた。ただし、その愛国主 義者の中でも健全な愛国主義と偏狭な民族主義を区別できず、イデオロギーの名の下 で内戦に火をつける人も多かった。そういった「〇〇主義者」と呼称されていた人た ちのせいで私の国は政治・経済的な危機、そして戦争に直面してしまった。当時の混 乱は、私と同じ世代のジョージア人なら誰もがよく覚えているはずだ。 21世紀に入ると、ジョージアは様々な改革を実施し、著しい発展を成し遂げたが、 「〇〇主義者」によって痛めつけられた傷は未だ国中に強く影響を残している。 大学生になって海外留学や海外旅行をしていたら、ジョージアでは見たこともない 様々な類の「〇〇主義者」に出会った。 例えば、アメリカの南部では白人至上主義者に襲われそうになったり(幸いに、私が コーカス地域出身である、すなわち、英語で白人の人種を意味する「コーカソイド」 であると認められ、白くはない肌にもかかわらず見逃してくれた)、オーストリアの ウィーン郊外のバスでは、ネオナチ主義者とトルコ人の殴り合いに巻き込まれそうに なったり(何とか逃げ出すことができた)もした。また、ある時は、ネパールのカト マンズのレストランで、私が共産主義の悪口を言っていたせいでレストランを出た途 端に、その話を聞いていた共産党毛沢東主義者の店員とその仲間に絡まれたこともあ る(幸いにも話し合いで問題を解決できた)。 一方で、上述の人々とは違う、非暴力的な平和主義者の類の人々にも会ったこともあ るが、当然そうした「〇〇主義者」に対しては決して嫌悪を感じない。しかし、残念 ながら平和主義のようなイデオロギーは極めて観念的、かつ非現実的な思想に基づい ており、暴力的な現実から目をそらすことによって、むしろ間接的に悪の繁栄を促進 しているのではないかという疑問が生じる。イギリスの哲学者ジョン・スチュアー ト・ミルが書き残したように、「悪人が成功を遂げるために必要なたった一つのこと は、善人が黙視し、何もしないことである」(注) まさに現代の世界では、いわゆるジハード主義者のボコ・ハラムやイスラム主義者の 組織と呼ばれるISILが拡大し続けているし、または神政主義者と言われているジョゼ フ・コニーが未だに子供を誘拐して、少年兵として利用している。このような事態を 許している主な原因の一つには、国際社会がそれらの被害者の叫び声に十分に耳を傾 けていないことである。 この21世紀においても人間は、宗教またはイデオロギーの名の下に、心の中にある悪 を養い、人道に対する罪まで犯している。それにもかかわらず、この悪を阻止できる はずのアクターは、利己主義または平和主義の名の下で介入を回避しているという現 実に鑑みると、「〇〇主義者が嫌いだ」という私の答えはもはや不自然ではないだろ う。 しかし、上述の問題を生み出している原因をイデオロギーや宗教に求めるという考え は完全に間違っている。イデオロギーや宗教は、憎しみが生まれ育ちやすい周囲の教 育や社会環境が存在する条件下において、偏狭な考えしか持ち合わせない人々により 「憎しみを養うためのツール」として利用されているに過ぎない。つまり、問題の根 源は人間の心の中に潜んでいる憎しみであり、その感情に対してはいかなる餌も与え てはいけないのだ。 以上のような考察を経た後で、「〇〇主義者が嫌いだ」という私自身の意見をもう一 度よく考えてみると、私が間違っていたことに気がつく。つまり「嫌いだ」とずっと 思い続けていたことこそが間違っていたのではないか。なぜなら憎しみは「さらなる 憎しみ」しか生み出さないからである。 *筆者の訳。原文は下記の通りである:"Bad men need nothing more to compass their ends, than that good men should look on and do nothing". 出所:Mill, John Stuart, Inaugural Address Delivered to the University of St. Andrews, London: Longmans, Green, Reader, and Dyer, 1867, p. 36. <ダヴィッド ゴギナシュビリ David Goginashvili> 渥美国際交流財団2014年度奨学生 グルジア出身。慶応義塾大学大学院政策・メディ ア研究科後期博士課程。2008年文部科学省奨学生として来日。研究領域は国際政治、 日本のODA研究。 【2】SGRAレポート第71号紹介 SGRAレポート第71号を発行しました。本文は下記リンクよりダウンロードしていただ けます。既にSGRA賛助会員と特別会員にはお送りしましたが、冊子本をご希望の方は SGRA事務局にご連絡ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/report/2015/3132/ 第47回SGRAフォーラム講演録 ■「科学技術とリスク社会〜福島第一原発事故から考える科学倫理〜」 2015年5月25日発行 <もくじ> 【問題提起】 崔 勝媛(チェ・スンウォン)理化学研究所研究員 【対談】 モデレータ:エリック・シッケタンツ 東京大学大学院人文社会系研究科特別研究員 【対談1】島薗 進(しまぞの・すすむ)上智大学神学部教授 「今のリスク社会と科学技術に欠けているもの−原発事故後の放射線健康影響問題か ら−」 【対談2】平川秀幸(ひらかわ・ひでゆき)大阪大学コミュニケーションデザインセ ンター教授 「科学の『外』の問いをいかに問うか−科学技術とリスク社会:福島原発事故から考 える−」 【オープンディスカッション】 ファシリテータ:デール・ソンヤ 上智大学大学院グローバルスタディーズ研究科特 別研究員 参加者:島薗 進、平川秀幸、会場参加者 【3】第7回SGRAカフェへのお誘い(当日参加も歓迎です!) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まり いただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、 「SGRAメンバーと話して世界をもっと知ろう」という主旨で、台湾から来日する林泉 忠さんのお話を伺います。準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、 SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ■ 林 泉忠「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」       〜『ひまわり』と『あまがさ』の現場から〜 日時:2015年7月11日(土)14時〜17時 会場:寺島文庫Cafe「みねるばの森」 http://terashima-bunko.com/bunko-cafe/access.html 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp 講師からのメッセージ: 2001年、私は、近現代における「中心⇔辺境」関係の変遷に着目し、共に「帰属変 更」という特殊な経験をもつ台湾、香港、沖縄において出現したアイデンティティの ダイナミズムに、「辺境東アジア」という概念を提出して説明した。興味深いこと に、この3つの「辺境」地域はいずれも2014年において「中心」に対して再び激しい 反発とアイデンティティの躍動を見せている。今回のSGRAカフェでは、「中国の台 頭」という新しい時代を迎えるなか、なぜ台湾と香港では「ひまわり」と「あまが さ」という若者中心の市民運動がそれぞれ起きたのか、変化する台湾と香港の若者の アイデンティティと彼らの新しい中国観についてお話しします。 <林 泉忠 John Chuan-Tiong LIM> 台湾中央研究院近代史研究所副研究員、国際政治学専攻。2002年東京大学より博士号 (法学)を取得、琉球大学法文学部准教授、またハーバード大学フェアバンク・セン ター客員研究員などを歴任。2012年より現職。著作に『「辺境東アジア」のアイデン ティティ・ポリティクス:沖縄・台湾・香港』(単著、明石書店、2005年)。 【4】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(再送) 下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご 所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにも参加 していただけますので、ご所属のメーリングリスト等で宣伝をお願いいたします。 テーマ:「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 日時:2015年7月18日(土)午前9時30分〜午後5時 会場:早稲田大学大隈会館 (N棟2階 201、202号室)    http://www.waseda.jp/somu-d2/kaigishitsu/#link7 参加費:無料 使用言語:日本語 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp ◇フォーラムの趣旨 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2014年8月にインドネシア・バ リ島で開催した第2回アジア未来会議において、円卓会議「これからの日本研究:学 術共同体の夢に向かって」を開催した。この円卓会議に参加したアジア各国の日本研 究者、特にこれまで「日本研究」の中心的役割を担ってきた東アジアの研究者から 「日本研究」の衰退と研究環境の悪化を危惧する報告が相次いだ。 こうした状況の外的要因として、アジア・世界における日本の国際プレゼンスの低下 と、近隣諸国との政治外交関係の悪化が指摘されている。一方では東アジアの日本研 究が日本語研究からスタートし、日本語や日本文学・歴史の研究が「日本研究」の主 流となってきたことにより、現代の要請に見合った学際的・統合的な「日本研究」の 基盤が創成されていないこと、また各国で日本研究に関する学会が乱立し、国内のみ ならず国際的な連携を図りづらいこと、などが内的要因として指摘されている。 今回のフォーラムでは、下記の4つのテーマを柱とした議論を行い、東アジアの「日 本研究」の現状を検討するとともに「日本研究の新しいパラダイム」を切り開く契機 としたい。 1.東アジアの「日本研究」の現状と課題、問題点などの考察 2.アジアで共有できる「公共知」としての「日本研究」の位置づけ及び「アジア研 究」の枠組みの中での再構築 3.「アジアの公共知としての日本研究」を創成するための基盤づくりと知の共有の ための基盤づくり、国際研究ネットワーク/情報インフラの整備等の構想 4.日本の研究者、学識者との連携と日本の関係諸機関の協力と支援の重要性 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/5xYAie ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第7回SGRAカフェ 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 (2015年7月11日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3240/ ○第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ★☆★第3回アジア未来会議  (2016年9月29日〜10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日で す。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来に ついて語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員 のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読 いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ● 登録および配信解除をご希望の方はSGRA事務局へご連絡ください。 ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務 局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただ けます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3−5−8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03−3943−7612 FAX:03−3943−1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************
  • [SGRA_Kawaraban] Xie Zhihai “What will happen to the Regional Revitalization Policy?”

    *********************************************************** SGRAかわらばん575号(2015年7月2日) 【1】エッセイ:謝 志海「どうなる地方創生」 【2】SGRAレポート第70号紹介   「インクルーシブ教育:子どもの多様なニーズにどう応えるか」 【3】第7回SGRAカフェへのお誘い(7月11日東京)(再送) 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 【4】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(7月18日東京)(再送) 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 *********************************************************** 【1】SGRAエッセイ#464 ■ 謝 志海「どうなる地方創生」 地方創生はうまくいっているのだろうか?具体的には何をしているのだろうか?ぱっ と頭に浮かぶのはゆるキャラ、町おこしのプロモーションビデオ。しかしこれだけ で、都心に住む人が地方都市をどれほど知ることができるのか?行ってみたいと思う 人はいるのだろうか?実際に地方都市の人口は増えているのだろうか? もちろん地方 創生は地方だけの問題ではない、国の問題だ。政府は「まち・ひと・しごと創生本 部」を設置していて、各府省庁はそれぞれの視点で地方創生の策を練っている。 例えば、総務省は地方へ若者の人口流入を促すべく、「地域おこし協力隊」として移 住政策を推進している。移住先でローカルの仕事を斡旋する仕組みや、住居なども整 えてあげている。あるいはその土地で起業する人への財政支援もしている。これらは 大体1〜3年という期間が設けられているところが多いが、約6割の人が任期終了後も 同じ地域に定住しているそうだ。しかも若い人が多い(平成25年6月末時点。まち・ひ と・しごと創生本部資料より)。 すでに実績も出ていて、素晴らしいプロジェクトだ と思う。一方で有識者会議によるCCRC(Continue Care Retirement Community)構想も 発表されている。これは東京圏をはじめ大都市の高齢者が、本人の希望に即して地方 に移り住むことを支援するというもの(まち・ひと・しごと創生本部資料より)。 こ ちらのすごい点は、移住した後の生活まで支援体制を整えているところで、引き続き 健康でアクティブな生活を送れること、後に医療や介護が必要になった時の為の体制 も確保することを目指している。定年後は首都圏から離れて穏やかに過ごしたいが、 その術がわからずイマイチ踏み出せない、という人にチャンスを与えることができる はずだ。 このような素晴らしい地方創生のプログラムがたくさんありながら、都市部と地方に は大きなギャップがあると感じるのはどうしてだろう。現在私は地方都市に住んでい て、東京には時々仕事で行くぐらいだ。この往復で思うのは、東京と地方の温度差 (気候ではない)が未だに大きいこと。東京はやはりエネルギッシュな都会だ。オリン ピックを5年後に控え、観光客で賑わい、衰えることを知らない感じがする。他方、 地元にいると地方創生をしようという雰囲気は特に感じられない。 政府が地方の活性化にどんなにいいプログラムを策定しても効果はそれほど上がらな い。やはり、元からいる住民がその土地で楽しく暮らし、住民たちの手で広め、呼び 込むことが大事なのではないだろうか。例えば、東京の広告代理店に頼んで、地元活 性化のプロモーションビデオを作ってもらって、YouTubeにアップロードして終わり では、結局お金が東京の会社に支払われるだけで本末転倒になってしまう。プログラ ムを作った分だけ地元に還元されるべきだろう。地元の人々が、政府が用意してくれ た様々な地方創生プログラム案をその土地に合うようにカスタマイズし、運用してい く所から活性化していくのではないだろうか。実際、すでに地方創生が盛んな地域と そうでない地域の差が出始めている。地方創生がうまくいっている地域は、東京から のアクセスが良くなかったりする。ということは、きっとその地方の人々の努力の賜 物だろうと私は勝手に推測している。 これから地方創生に求められるのはスピード感ではないだろうか。人口減少必至の日 本、乗り遅れると一気に過疎化してしまうのでは?と心配になる。町が生き生きとす るかどうかは、地元に住んでいる人が自ら動き出すかどうかによるのではないだろう か。 -------------------------------------------- <謝 志海(しゃ しかい)Xie Zhihai> 共愛学園前橋国際大学専任講師。北京大学と早稲田大学のダブル・ディグリープログ ラムで2007年10月来日。2010年9月に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期 課程単位取得退学、2011年7月に北京大学の博士号(国際関係論)取得。日本国際交 流基金研究フェロー、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2013年 4月より現職。ジャパンタイムズ、朝日新聞AJWフォーラムにも論説が掲載されてい る。 -------------------------------------------- 【2】レポート紹介 SGRAレポート第70号を発行いたしましたのでご紹介します。本文はSGRAホームページ よりダウンロードしていただけます。SGRA賛助会員と特別会員の皆様には冊子本をお 送りいたしましたが、その他の方で冊子本の送付をご希望の場合は事務局までご連絡 ください。 ------------------------- 第46回SGRAフォーラム講演録 ■「インクルーシブ教育:子どもの多様なニーズにどう応えるか」 2015年4月20日発行 <もくじ> 【基調講演】 「インクルーシブ教育の実現に向けて」 荒川 智(あらかわ・さとし)茨城大学教育学部教授 【報告1】 「障碍ある子どもへの支援」 上原芳枝(うえはら・よしえ)特定非営利活動法人リソースセンターone代表理事 【指定討論】 ヴィラーグ ヴィクトル 日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科博士課程 【報告2】 「学校教育からはみ出た外国につながりを持つ子どもたちに寄り添って」 中村ノーマン(なかむら・ノーマン)多文化活動連絡協議会代表 【指定討論】 崔 佳英(チェ・カヨン) 東京大学大学院総合文化研究科博士課程 【オープンフォーラム】 進行:権 明愛 討論者:上記発表者 レポート全文は下記ウェブサイトよりダウンロードしてください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/report/2015/3125/ 【3】第7回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まり いただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、 「SGRAメンバーと話して世界をもっと知ろう」という主旨で、台湾から来日する林泉 忠さんのお話を伺います。準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、 SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ■ 林 泉忠「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」       〜『ひまわり』と『あまがさ』の現場から〜 日時:2015年7月11日(土)14時〜17時 会場:寺島文庫Cafe「みねるばの森」 http://terashima-bunko.com/bunko-cafe/access.html 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp 講師からのメッセージ: 2001年、私は、近現代における「中心⇔辺境」関係の変遷に着目し、共に「帰属変 更」という特殊な経験をもつ台湾、香港、沖縄において出現したアイデンティティの ダイナミズムに、「辺境東アジア」という概念を提出して説明した。興味深いこと に、この3つの「辺境」地域はいずれも2014年において「中心」に対して再び激しい 反発とアイデンティティの躍動を見せている。今回のSGRAカフェでは、「中国の台 頭」という新しい時代を迎えるなか、なぜ台湾と香港では「ひまわり」と「あまが さ」という若者中心の市民運動がそれぞれ起きたのか、変化する台湾と香港の若者の アイデンティティと彼らの新しい中国観についてお話しします。 ------------------------------ <林 泉忠 John Chuan-Tiong LIM> 台湾中央研究院近代史研究所副研究員、国際政治学専攻。2002年東京大学より博士号 (法学)を取得、琉球大学法文学部准教授、またハーバード大学フェアバンク・セン ター客員研究員などを歴任。2012年より現職。著作に『「辺境東アジア」のアイデン ティティ・ポリティクス:沖縄・台湾・香港』(単著、明石書店、2005年)。 ------------------------------ 【4】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(再送) 下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご 所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにも参加 していただけますので、ご所属のメーリングリスト等で宣伝をお願いいたします。 第49回SGRAフォーラム ■「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 日時:2015年7月18日(土)午前9時30分〜午後5時 会場:早稲田大学大隈会館 (N棟2階 201、202号室)    http://www.waseda.jp/somu-d2/kaigishitsu/#link7 参加費:無料 使用言語:日本語 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp ◇フォーラムの趣旨 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2014年8月にインドネシア・バ リ島で開催した第2回アジア未来会議において、円卓会議「これからの日本研究:学 術共同体の夢に向かって」を開催した。この円卓会議に参加したアジア各国の日本研 究者、特にこれまで「日本研究」の中心的役割を担ってきた東アジアの研究者から 「日本研究」の衰退と研究環境の悪化を危惧する報告が相次いだ。 こうした状況の外的要因として、アジア・世界における日本の国際プレゼンスの低下 と、近隣諸国との政治外交関係の悪化が指摘されている。一方では東アジアの日本研 究が日本語研究からスタートし、日本語や日本文学・歴史の研究が「日本研究」の主 流となってきたことにより、現代の要請に見合った学際的・統合的な「日本研究」の 基盤が創成されていないこと、また各国で日本研究に関する学会が乱立し、国内のみ ならず国際的な連携を図りづらいこと、などが内的要因として指摘されている。 今回のフォーラムでは、下記の4つのテーマを柱とした議論を行い、東アジアの「日 本研究」の現状を検討するとともに「日本研究の新しいパラダイム」を切り開く契機 としたい。 1.東アジアの「日本研究」の現状と課題、問題点などの考察 2.アジアで共有できる「公共知」としての「日本研究」の位置づけ及び「アジア研 究」の枠組みの中での再構築 3.「アジアの公共知としての日本研究」を創成するための基盤づくりと知の共有の ための基盤づくり、国際研究ネットワーク/情報インフラの整備等の構想 4.日本の研究者、学識者との連携と日本の関係諸機関の協力と支援の重要性 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/5xYAie ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第4回SGRAワークショップin蓼科 (2015年7月4日〜5日)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3137/ ○第7回SGRAカフェ 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 (2015年7月11日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3240/ ○第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ★☆★第3回アジア未来会議  (2016年9月29日〜10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日で す。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来に ついて語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員 のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読 いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●自動登録および配信解除は下記リンクから行えます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/entry/mailing_form/ ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務 局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただ けます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3−5−8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03−3943−7612 FAX:03−3943−1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************
  • [SGRA_Kawaraban] Che Kyounghun “Paralyzed in Sleep by the Ghost Next to

    *********************************************************** SGRAかわらばん574号(2015年6月25日) 【1】エッセイ: 蔡 炅勳「隣の幽霊の金縛り」 【2】第7回SGRAカフェへのお誘い(7月11日東京)(再送) 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 【3】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(7月18日東京)(再送) 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 *********************************************************** 【1】SGRAエッセイ#463 ■ 蔡 炅勳「隣の幽霊の金縛り」 日本のホラー映画が世界的に有名であることに異論のある人はあまりいないだろう。 最近では少し停滞しているが、一時期『リング』や『呪怨』のような日本のホラー映 画が外国で注目を集め、ついにハリウッド映画でリメイクされることにもなった。 『リング』の場合は、韓国でもリメイクされ、『リング』に出た幽霊の貞子は、長い 間人々の話題となっていた。ホラー映画は、他ジャンルの映画に比べて好き嫌いが はっきりと分かれ、観客層が限られている。そのため、映画ランキングの第1位を占 めるのは容易ではない。正確な記憶ではないが、『リング』や『呪怨』も 映画ラン キング1位を占めたことはなかったと思う。にもかかわらず、それらの映画をはじ め、日本のホラー映画が注目を浴びたのには何か特別な理由があるのだろう。 その理由の一つとして、私は日本映画に出てくる幽霊のそれぞれの存在理由が、主人 公に劣らず詳しく描かれ、物語がより豊かになっているからだと言いたい。幽霊の存 在感を浮き彫りにするこのような傾向は、他者を眺める日本人の視線に関係があると 思う。字数が限られおり、また映画の批評でもないため、複雑な話は省略したいが、 重要なことは、幽霊や怪物がこの社会の他者を形象化した存在であり、日本のホラー 映画の幽霊は他者としての強力な存在根拠を持ち、主人公に決して避けられない恐怖 を与えるのだ。 映画のみならず、アニメーション、漫画、小説、ビデオゲームなど、日本の大衆文化 の中には幽霊や妖怪や怪物のような異質の存在がしばしば登場する。これらは通常、 恐ろしくてグロテスクだが、時には『隣のトトロ』のように親しみやすく、『ポケッ トモンスター』のように可愛く、そして『うる星やつら』のように人間と大きく変わ らない存在としても出てくる。もしかすると、日本人の中に、主流の特定宗教がな く、唯一神の信仰が定着していないこととも関係があるのかもしれない。また、八百 万の神を祀っているという話のように、あまりにも多くの異質の存在が到る所にいる からかもしれない。私はこのような日本文化の特徴の中に、現代人に求められる人間 的な価値や美徳の大きな可能性があると思う。 前述したように、幽霊、妖怪、怪物のような異質のものは、その社会の他者の形状を 通じて生まれた、つまり他者化された存在である。すべての他者がそのようなもので はないのだが、ほとんどの他者は、個人にとっても社会においても脅威の存在とみな される。そのため、他者は追放されるか封印されるべき存在であり、社会追放と封印 の過程を経て、全体性の中に整然と統合される。中世の魔女狩りが共同体の構成員の 同質性を回復し、共同体の存立のためになされる他者化の代表的な例であろう。我ら 人間は、このような他者の犠牲のおかげで自分の世界を維持することができたのだ。 そして、魔女狩りは現在も続いている。 しかし、現代社会は他者に関する新たな視点と理解を求めている。特に、様々な人々 が国境を越えて自由に移動し、コミュニケーションをとっている現代社会で、他者と のコミュニケーションはますます重要な問題となっている。2年前のOECDの調査報告 書でも、移住の問題は、宗教、民族、人種などが幅広く関連しているため、現代社会 の中で最も重要な問題の一つだと指摘されている。激しい宗教紛争、民族問題、人種 差別、領土紛争などが起きている今日、自分に代表される同一者と他者との葛藤は、 もはや従来の認識論的体系では解決不可能の状態にある。これまでの同一者中心の欧 米のロゴス的認識体系では、他者とのコミュニケーションに限界があることを知り、 他者に関する新たな模索を試み、他者を他者本来の位置に戻そうとしている。 他者も皆それぞれの歴史を持ち、自分なりの物語を持つ。それを私たちが判断し、評 価を下すことはできない。そもそもそのような権利さえない。他者は他者として、幽 霊は幽霊として、妖怪は妖怪として存在しなければならない。また何よりも、私たち 自身も幽霊の姿をしている他者であることを覚えておかなければならない。このよう なことから、私は他者との共存可能性の糸口が日本の文化の中にあると思うのだ。ハ リウッド映画の優しいモンスターは常に人間の味方で人間のために戦い、ある意味で は、神のような特別な存在である。一方、日本の怪物は日常の中で生きながら人々と 付き合い、時には葛藤したり、喧嘩したりして共存する存在として登場する。もちろ ん、最終的には物語の主人公の世界観や社会の一般常識によって異質性が評価され、 統合されてしまう限界はあるが、怪物を怪物として、幽霊を幽霊として認識し、受け 入れようとする試みが見られるのが日本の大衆文化の特徴だと思われる。 八百万の神を祀っていることは、一方で八百万以上の犠牲になった他者(即ち幽霊や 妖怪や怪物のような異質のもの)が存在していると考えることもできるかもしれな い。その分、他者を徹底的に排除してきたとも言えるが、同時に幽霊や怪物は、すで に消えた他者を記憶して哀悼する方法でもある。実際に私たちの社会は他者の犠牲に よって存立しているが、すでに忘れ去られて幽霊や怪物にもならなかった無数の犠牲 者がいたことも忘れてはいけない。他者を少しでも多く、より長い間覚えて悼もうと するために、八百万にも達する神を祀っているのかもしれない。このように考えて、 私は日本文化に他者とのコミュニケーションの取り方の可能性を見るのである。 しかしながら、現代の日本社会は、本来日本文化の中に存在しているはずの「異質な ものをそのまま受け入れる」力が失われてしまっているのではないだろうか。現代の 日本社会は、他者に関する想像力が非常に低いようにみえる。この問題は、自分自身 も鬼の姿をしている他者でもあるということを認めようとしていないためではないだ ろうか。「おもてなし」に代表される他人への配慮は、むしろ他者に向かって自分の ことを隠して他者の視線から避ける行為のように見える。他人のことを先に考え自分 のことを譲るのも、他者に対する配慮ではなく、他者との衝突を避ける卑怯な行為の ようにも見える。日本人は他者を認めようと努力はしているが、自分自身が異質の存 在として他者の位置に置かれることは恐れているようだ。しかし、自分もまた他者と して、他者の生を規定し、規定されるのは、あまりにも当然のことで、避けることは 絶対に不可能なのである。 ということで、他者の怖い目つきに堪えなければいけない。恐怖そのものであるけれ ども、私たちは他者という異質の存在に直面しなければならない。これがエマニュエ ル・レヴィナスの話した他者に向かう無限の責任であり、他者に対する倫理ではない だろうか。『リング』の貞子がテレビの画面を突き抜けて私たちの前に顕現すること をちゃんと見つめ、『ステキな金縛り』の武士の幽霊と一緒に過去の真実を裁判所で 証言しなければならない。他者との出会いで葛藤は避けられないが、重要なことは、 葛藤と向き合うことによって他者に一歩近づくことができるということであり、それ はまた、他者の金縛りになった我らを自ら解放させることなのである。 ------------------------------ <蔡炅勳(チェ・キョンフン)Che Kyounghun> 韓国外国語大学校卒業、東国大学校大学院文学修士号取得。映画評論家として活動。 2010年来日。現在、東京芸術大学大学院映像研究科博士後期課程映像メディア学博士 号候補者。実験映画監督として作品活動。研究テーマは、他者性を基にして記憶と空 間の問題を扱い、在日韓国・朝鮮人の映画的な表象と映画の中の風景との関係を研究 している。論文のタイトルは、『風景として現われた在日朝鮮人−映画的な記憶と在 日朝鮮人の表象』。 ------------------------------ 【2】第7回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まり いただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、 「SGRAメンバーと話して世界をもっと知ろう」という主旨で、台湾から来日する林泉 忠さんのお話を伺います。準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、 SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ■ 林 泉忠「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 〜『ひまわり』と『あまがさ』の現場から〜 日時:2015年7月11日(土)14時〜17時 会場:寺島文庫Cafe「みねるばの森」 http://terashima-bunko.com/bunko-cafe/access.html 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp 講師からのメッセージ: 2001年、私は、近現代における「中心⇔辺境」関係の変遷に着目し、共に「帰属変 更」という特殊な経験をもつ台湾、香港、沖縄において出現したアイデンティティの ダイナミズムに、「辺境東アジア」という概念を提出して説明した。興味深いこと に、この3つの「辺境」地域はいずれも2014年において「中心」に対して再び激しい 反発とアイデンティティの躍動を見せている。今回のSGRAカフェでは、「中国の台 頭」という新しい時代を迎えるなか、なぜ台湾と香港では「ひまわり」と「あまが さ」という若者中心の市民運動がそれぞれ起きたのか、変化する台湾と香港の若者の アイデンティティと彼らの新しい中国観についてお話しします。 ------------------------------ <林 泉忠 John Chuan-Tiong LIM> 台湾中央研究院近代史研究所副研究員、国際政治学専攻。2002年東京大学より博士号 (法学)を取得、琉球大学法文学部准教授、またハーバード大学フェアバンク・セン ター客員研究員などを歴任。2012年より現職。著作に『「辺境東アジア」のアイデン ティティ・ポリティクス:沖縄・台湾・香港』(単著、明石書店、2005年)。 ------------------------------ 【3】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(再送) 下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご 所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにも参加 していただけますので、ご所属のメーリングリスト等で宣伝をお願いいたします。 テーマ:「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 日時:2015年7月18日(土)午前9時30分〜午後5時 会場:早稲田大学大隈会館 (N棟2階 201、202号室) http://www.waseda.jp/somu-d2/kaigishitsu/#link7 参加費:無料 使用言語:日本語 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp ◇フォーラムの趣旨 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2014年8月にインドネシア・バ リ島で開催した第2回アジア未来会議において、円卓会議「これからの日本研究:学 術共同体の夢に向かって」を開催した。この円卓会議に参加したアジア各国の日本研 究者、特にこれまで「日本研究」の中心的役割を担ってきた東アジアの研究者から 「日本研究」の衰退と研究環境の悪化を危惧する報告が相次いだ。 こうした状況の外的要因として、アジア・世界における日本の国際プレゼンスの低下 と、近隣諸国との政治外交関係の悪化が指摘されている。一方では東アジアの日本研 究が日本語研究からスタートし、日本語や日本文学・歴史の研究が「日本研究」の主 流となってきたことにより、現代の要請に見合った学際的・統合的な「日本研究」の 基盤が創成されていないこと、また各国で日本研究に関する学会が乱立し、国内のみ ならず国際的な連携を図りづらいこと、などが内的要因として指摘されている。 今回のフォーラムでは、下記の4つのテーマを柱とした議論を行い、東アジアの「日 本研究」の現状を検討するとともに「日本研究の新しいパラダイム」を切り開く契機 としたい。 1.東アジアの「日本研究」の現状と課題、問題点などの考察 2.アジアで共有できる「公共知」としての「日本研究」の位置づけ及び「アジア研 究」の枠組みの中での再構築 3.「アジアの公共知としての日本研究」を創成するための基盤づくりと知の共有の ための基盤づくり、国際研究ネットワーク/情報インフラの整備等の構想 4.日本の研究者、学識者との連携と日本の関係諸機関の協力と支援の重要性 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/5xYAie ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第4回SGRAワークショップin蓼科 (2015年7月4日〜5日)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3137/ ○第7回SGRAカフェ 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 (2015年7月11日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3240/ ○第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ★☆★第3回アジア未来会議 (2016年9月29日〜10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日で す。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来に ついて語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員 のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読 いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●自動登録および配信解除は下記リンクから行えます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/entry/mailing_form/ ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務 局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただ けます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3−5−8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03−3943−7612 FAX:03−3943−1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ 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  • [SGRA_Kawaraban] Hu Yanhong “About Superstition”

    ********************************************* SGRAかわらばん573号(2015年6月18日) 【1】エッセイ: 胡 艶紅「『迷信』をめぐって」 【2】新刊紹介:彭 浩「近世日清通商関係史」 ********************************************* 【1】SGRAエッセイ#462 ■ 胡 艶紅「『迷信』をめぐって」 2006年に来日してから、あっという間に8年が経ちました。日本に留学した感想につ いては、様々な面から述べることができますが、私は日本で民俗学を専攻しましたの で、民俗学を勉強してからの自分自身の変化や感想を述べたいと思います。 日本に来て民俗学を選んだ時には、衣食住などの習俗に関する面白いことを研究する 学問としか考えていませんでした。ところが、研究生として筑波大学で民俗学専門の ゼミに参加してみると、ゼミでよく議論されていたのは、衣食住などの習俗ではな く、人々の日常生活に関わる民間信仰でした。しかし、中国で無神論の教育を受けて きた私にとって、ゼミで聞いた信仰の話は体系的な宗教ではなく、中国で「迷信」と 呼ばれるものでした。 日本に来る前までは「迷信」に対して強い抵抗がありました。私が大学一年生の時、 祖母が癌に罹りました。病院で治療しても治らなかったので、祖母は大金を惜しま ず、儀式を行って病気を治療する民間の宗教職能者に頼もうとしました。当時、無神 論の教育を受けていた私はそれに大反対しました。お金を無駄にするということが理 由の一つでしたが、自分の家族がこうした「迷信」的な行為をすることをとても恥ず かしく思ったということもありました。結局、宗教職能者が招かれ、儀式が行われま した。その日、本来ならベッドで横になっていた祖母を看護すべきだったのですが、 私は祖母に対して不満の言葉を吐いて、家を出てしまいました。そのため、祖母の心 を傷つけてしまいました。間もなく、祖母の病気は重くなり、そして亡くなりまし た。 そのようなことから、こうした「迷信」が日本民俗学で議論され、研究されるほどの 価値が一体どこにあるのか、当時は疑問を持ち、自分が選んだ道に対して戸惑いも覚 ました。しかし、柳田國男が唱える民俗学の目的の一つに、人々の心意現象を明らか にすることがあるのを知り、約2年にわたる民俗学の勉強を経て、私は民俗学に対す る理解を深め、こうした「迷信」を研究する価値も徐々に理解していきました。つま り、「迷信」の背後には、人々の考えや思いが潜んでおり、そこから地域の深層文化 を読み取れるということです。これは文化研究に対して大きな意義を持っています。 文化の差異の最も根底にあるのは、人々の考えや思いです。こうした認識を持つこと により、私の修士論文のテーマも飲食文化から水神信仰に変りました。 日本で「迷信」について勉強して、日本人や日本文化に対する理解が深まりました。 同時に、こうした「迷信」に関する研究にも興味を持つようになりました。一方、中 国における「迷信」をめぐる事情についても考え始めました。すると、もう一つの疑 問が浮かび上がりました。それは、私の周りにも私の家族にも「迷信」への関わりが 頻繁に見られるにも拘らず、なぜ私は、以前はそれに対して強い抵抗があり、全く関 心を持つことがなかったのだろうか。なぜこうした有意義な研究が中国であまり行わ れていないのだろうか。私は、こうした疑問を持って博士課程に進学し、「迷信」に よる行動を盛んにとっている中国の漁民を研究対象として選びました。 研究の過程で、私は「迷信」的な行動を盛んにとる中国の漁民の考え方を次第に理解 できるようになりました。なぜ私が当初「迷信」に対して強い抵抗があったのかもよ くわかるようになってきました。そして、臨終の祖母の心を理解できず、不満の言葉 を吐いた当時の私を思い出して、後悔の気持ちでいっぱいになりました。 日本での留学を通して、様々な収穫がありましたが、最も大きな収穫は、むしろこう した日本人・日本文化を理解することによって、自分自身、自国の制度や文化を見直 せたことだと考えています。 -------------------------------------------------- <胡 艶紅(こ・えんこう)Hu Yanhong> 2006年来日。2010年3月筑波大学人文社会科学研究科 国際地域専攻修士課程修了。 同年4月同研究科 歴史・人類学専攻一貫制博士課程編入、2015年7月同課程修了見込 み。専門は、東アジア歴史民俗学。主要論文「現代中国における漁民信仰の変容」 (『現代民俗学』4)。 -------------------------------------------------- 【2】新刊紹介 SGRA会員で東京大学資料編纂所特任研究員の彭浩さんから、新刊書をご寄贈いただき ましたので、ご紹介します。 ■ 彭 浩「近世日清通商関係史」 発行所:東京大学出版会 発行日:2015年05月20日 判型:A5, 328頁 ISBN 978-4-13-026240-8 ○内容紹介 徳川幕府・清朝双方の貿易政策を分析し、国交もなく交渉すら欠如するなかでいかに 長崎貿易を維持することができたのかを描きだす。信牌システム論、幕府の唐船対 策、さらには中国における商人組織化という視点から日中双方の史料を読み解き、東 シナ海域の国際秩序および東アジア国際関係の再構築を試みる。 ○あとがきより 経済・社会のグローバル化が進んでいる今日、国民国家の限界をどのように克服すべ きかは、政治家だけではなく、日中両国の国民全体が直面している課題となってい る。領土問題や歴史問題については、断片的な資料を見て物事の是非を判断するので はなく、歴史研究のように、問題の背景及び経緯を広く見る意識があれば、より冷静 な態度をとるようになり、自ずと解決策も生まれてくると、私は信じている。本書の 研究対象でもある信牌には「永以為好」という印文があり、それは永遠に友好関係を 持つようにという意味が込められている。それこそは私が希うところである。 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-026240-8.html ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第4回SGRAワークショップin蓼科 (2015年7月4日〜5日)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3137/ ○第7回SGRAカフェ 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 (2015年7月11日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3240/ ○第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ★☆★第3回アジア未来会議  (2016年9月29日〜10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日で す。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来に ついて語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員 のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読 いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●自動登録および配信解除は下記リンクから行えます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/entry/mailing_form/ ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務 局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただ けます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3−5−8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03−3943−7612 FAX:03−3943−1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************
  • [SGRA_Kawaraban] Kim Taehee “Changes in Japan-Korea Relationship”

    *********************************************************** SGRAかわらばん572号(2015年6月12日) 【1】エッセイ: 金 兌希「日韓関係の変化について」 【2】第7回SGRAカフェへのお誘い(7月11日東京)(再送) 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 【3】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(7月18日東京)(再送) 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 *********************************************************** 【1】SGRAエッセイ#461 ■ 金 兌希「日韓関係の変化について」 2012年8月、イ・ミョンバク前大統領の竹島訪問があった一週間を私はとてもよく憶 えています。この時期、三つの出来事がありました。イ・ミョンバク前大統領の竹島 訪問と天皇への謝罪要求発言、そしてロンドンオリンピックにおける男子サッカーの 日韓戦で韓国の選手が「竹島は韓国の領土である」と記載されたプラカードを掲げた 事件です。そしてこの時を境に、韓国に対する日本の報道、そして世論が大きく変 わったと感じました。その変わりようがあまりにも早くて、非常に驚いたのを今でも よく憶えています。その後、日韓関係は急速に冷え込み、今日に至っています。 よく、イ・ミョンバク前大統領の竹島訪問などの一連の出来事がなかったら、日韓関 係は今のようにはならなかったのではと尋ねられることがありますが、私の考えは違 います。私は日韓が今日抱えている問題の根本的な原因はずっと前から存在していた もので、イ・ミョンバク前大統領の竹島訪問は一つの契機に過ぎなかったと思ってい ます。また、それぞれの国に対する世論において、より大きく変化したのは韓国では なく、日本であるように思います。 なぜならば、韓国の世論が歴史問題で日本政府に対して批判的な態度をとってきたの は、大韓民国の建国以来続いてきたことであり、近年に始まったことではありませ ん。ただ、日本で韓流ブームが始まる前は、日本における韓国のプレゼンスはそれほ ど大きくなく、韓国内の情報もそれほど日本のメディアに流れることはありませんで した。1990年代まで、韓国はNIES諸国と呼ばれ、IMF経済危機まで経験し、経済的に も影響力が弱かったのです。 しかし、2000年代に入って、韓流ブーム、サムソンなどの企業の国際的台頭、イン ターネットメディアの発達により状況は変わりました。経済レベルでも、民間レベル でも、韓国に対する関心は大きく高まり、同時に韓国に対する情報量も一挙に増えま した。経済的・文化的交流が大幅に増え、韓国のプレゼンスが日本国内で高まった時 期だったように思います。 その結果、韓国世論がどれほど歴史問題について対立的な態度をとっているか、改め て多くの人が知ることになりました。日本は既に「戦後70年」ですが、韓国では戦前 の植民地時代の問題が解決していないと認識している割合が高いように思います。こ のような両国内の歴史問題に対する「時差」は、日韓両国の関係が深まるにつれ、い ずれは衝突を起こす潜在的な要因だったのです。 両国の対韓・対日感情を改善するためには、色々な方策が考えられます。例えば政府 レベルでの外交関係を改善する、経済レベルでの協力を緊密にする、民間レベルの交 流を増やすなどがあります。しかし、それらは必ずしも世論を改善することにはつな がりません。根本的な改善のためには、互いの交流以前に両国内で歴史問題や両国関 係に関する成熟した議論が必要ではないかと思います。 韓国では、日韓問題について、国内の議論が成熟していない部分があります。特に歴 史問題は非常にデリケートで、多様な議論が充分満足に行われているとは言い難いの ではないかと思います。そのため、どうすれば歴史問題を終結させ日韓関係を改善す ることができるのか、という議論も明確にまとまっていないように思います。例え ば、日本に対する要求に関しても(謝罪など)、具体的な中身については韓国国内で すら意見の食い違いがみられます。まず韓国では、日韓問題について多様な議論を自 由に行える土台を作る必要があります。また歴史問題の解決を日本の出方に任せるの ではなく、どうすれば歴史問題を終結させることができるのか、韓国は自らが主体と なって冷静に議論し答えを出していく努力が必要です。 一方で、日本は、韓国が歴史問題をどのように認識しているのか、どのような「時 差」が日韓の間に生じているのか、理解する必要があるのではないかと思います。ま た、今日の日本では、憲法改正の可能性も高まっており、安全保障の問題において歴 史的な変化の時期を迎えようとしています。同時に、歴史に対する見方、外交政策の 方針などにおいても変化の時期に入っているように思います。これらが今後の国の在 り方を決めるにあたって、基礎となる非常に重要な問題であることは言うまでもない ことです。これらの議論を政治レベルに一任するのではなく、市民レベルにおいても 十分な議論を行う必要があるのではないかと思います。また、韓国との関係が悪化し たことで、嫌韓デモや在日韓国人に対するヘイトスピーチなどが行われることがあり ました。これは、日韓の外交問題が契機となって表面化したことかも知れませんが、 あくまで日本国内の問題です。国籍や人種をもとにした差別や暴力は、韓国に対して だけでなく、他のマイノリティーにも今後広がる可能性は十分にあります。国際化の 推進や、海外からの労働力導入を検討している今、多様化した社会で起こりうる差別 とどう向き合っていくか、考えていく必要があるのではないかと思います。 *対韓国意識の変化については、内閣府世論調査などをご参照ください。 http://survey.gov-online.go.jp/h25/h25-gaiko/2-1.html ---------------------------------------- 金 兌希(きむ・てひ)Kim Taehee 慶應義塾大学法学研究科助教。延世大学政治外交学科卒、慶應義塾大学大学院法学研 究科修士課程修了、同大学院博士課程単位取得退学(2015 年)。現在博士論文の提 出を準備中。専門は、投票行動、政治参加、市民意識の国際比較など。 ----------------------------------------- 【2】第7回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まり いただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、 「SGRAメンバーと話して世界をもっと知ろう」という主旨で、台湾から来日する林泉 忠さんのお話を伺います。準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、 SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ■ 林 泉忠「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」       〜『ひまわり』と『あまがさ』の現場から〜 日時:2015年7月11日(土)14時〜17時 会場:寺島文庫Cafe「みねるばの森」 http://terashima-bunko.com/bunko-cafe/access.html 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp 講師からのメッセージ: 2001年、私は、近現代における「中心⇔辺境」関係の変遷に着目し、共に「帰属変 更」という特殊な経験をもつ台湾、香港、沖縄において出現したアイデンティティの ダイナミズムに、「辺境東アジア」という概念を提出して説明した。興味深いこと に、この3つの「辺境」地域はいずれも2014年において「中心」に対して再び激しい 反発とアイデンティティの躍動を見せている。今回のSGRAカフェでは、「中国の台 頭」という新しい時代を迎えるなか、なぜ台湾と香港では「ひまわり」と「あまが さ」という若者中心の市民運動がそれぞれ起きたのか、変化する台湾と香港の若者の アイデンティティと彼らの新しい中国観についてお話しします。 ------------------------------ <林 泉忠 John Chuan-Tiong LIM> 台湾中央研究院近代史研究所副研究員、国際政治学専攻。2002年東京大学より博士号 (法学)を取得、琉球大学法文学部准教授、またハーバード大学フェアバンク・セン ター客員研究員などを歴任。2012年より現職。著作に『「辺境東アジア」のアイデン ティティ・ポリティクス:沖縄・台湾・香港』(単著、明石書店、2005年)。 ------------------------------ 【3】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(再送) 下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご 所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにもご参 加いただけますので、ご所属のメーリングリスト等でご宣伝いただけますと幸いで す。 テーマ:「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 日時:2015年7月18日(土)午前9時30分〜午後5時 会場:早稲田大学大隈会館 (N棟2階 201、202号室)    http://www.waseda.jp/somu-d2/kaigishitsu/#link7 参加費:無料 使用言語:日本語 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp ◇フォーラムの趣旨 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2014年8月にインドネシア・バ リ島で開催した第2回アジア未来会議において、円卓会議「これからの日本研究:学 術共同体の夢に向かって」を開催した。この円卓会議に参加したアジア各国の日本研 究者、特にこれまで「日本研究」の中心的役割を担ってきた東アジアの研究者から 「日本研究」の衰退と研究環境の悪化を危惧する報告が相次いだ。 こうした状況の外的要因として、アジア・世界における日本の国際プレゼンスの低下 と、近隣諸国との政治外交関係の悪化が指摘されている。一方では東アジアの日本研 究が日本語研究からスタートし、日本語や日本文学・歴史の研究が「日本研究」の主 流となってきたことにより、現代の要請に見合った学際的・統合的な「日本研究」の 基盤が創成されていないこと、また各国で日本研究に関する学会が乱立し、国内のみ ならず国際的な連携を図りづらいこと、などが内的要因として指摘されている。 今回のフォーラムでは、下記の4つのテーマを柱とした議論を行い、東アジアの「日 本研究」の現状を検討するとともに「日本研究の新しいパラダイム」を切り開く契機 としたい。 1.東アジアの「日本研究」の現状と課題、問題点などの考察 2.アジアで共有できる「公共知」としての「日本研究」の位置づけ及び「アジア研 究」の枠組みの中での再構築 3.「アジアの公共知としての日本研究」を創成するための基盤づくりと知の共有の ための基盤づくり、国際研究ネットワーク/情報インフラの整備等の構想 4.日本の研究者、学識者との連携と日本の関係諸機関の協力と支援の重要性 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/5xYAie ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第4回SGRAワークショップin蓼科 (2015年7月4日〜5日)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3137/ ○第7回SGRAカフェ 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 (2015年7月11日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3240/ ○第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ★☆★第3回アジア未来会議  (2016年9月29日〜10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日で す。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来に ついて語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員 のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読 いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●自動登録および配信解除は下記リンクから行えます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/entry/mailing_form/ ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務 局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただ けます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3−5−8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03−3943−7612 FAX:03−3943−1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************
  • [SGRA_Kawaraban] Technical Trouble

    SGRAかわらばん読者の皆様 本日(2015年6月12日)午後3時04分に、SGRAかわらばん配信システムの不具合のた め、誤って「写真表示のテスト 花瓶の写真」というテストメールが配信されてしま いました。間違いですので削除いただきますようお願いします。ウィルスメールでは ありませんので、その他の対応をしていただく必要はありません。 ご迷惑をおかけしたことをお詫びし、今後このようなことが起きないよう万全の注意 を払うとともに、システム上の対策をいたします。 もし何か問題がございましたら、SGRA事務局宛てご連絡ください。 sgra-office@aisf.or.p SGRA代表 今西淳子 (渥美国際交流財団) **************************************** Junko Imanishi, Representative Sekiguchi Global Research Association Atsumi International Foundation 3-5-8 Sekiguchi, Bunkyo-ku, Tokyo 112-0014, JAPAN Tel: +813-3943-7612 Fax: +813-3943-1512 ****************************************
  • [SGRA_Kawaraban] Invitation to SGRA Cafe 7 (July 11, Tokyo)

    ****************************************************** SGRAかわらばん571号(2015年6月5日) 【1】第7回SGRAカフェへのお誘い(7月11日東京) 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 【2】第5回日台アジア未来フォーラム報告    「日本研究から見た日台交流120年」 【3】第49回SGRAフォーラムへのお誘い(7月18日東京) 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」(再送) ****************************************************** 【1】第7回SGRAカフェへのお誘い SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まり いただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、 「SGRAメンバーと話して世界をもっと知ろう」という主旨で、台湾から来日する林泉 忠さんのお話を伺います。準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、 SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ■ 林 泉忠「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」       〜『ひまわり』と『あまがさ』の現場から〜 日時:2015年7月11日(土)14時〜17時 会場:寺島文庫Cafe「みねるばの森」 http://terashima-bunko.com/bunko-cafe/access.html 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp 講師からのメッセージ: 2001年、私は、近現代における「中心⇔辺境」関係の変遷に着目し、共に「帰属変 更」という特殊な経験をもつ台湾、香港、沖縄において出現したアイデンティティの ダイナミズムに、「辺境東アジア」という概念を提出して説明した。興味深いこと に、この3つの「辺境」地域はいずれも2014年において「中心」に対して再び激しい 反発とアイデンティティの躍動を見せている。 今回のSGRAカフェでは、「中国の台頭」という新しい時代を迎えるなか、なぜ台湾と 香港では「ひまわり」と「あまがさ」という若者中心の市民運動がそれぞれ起きたの か、変化する台湾と香港の若者のアイデンティティと彼らの新しい中国観についてお 話しします。 ------------------------------ <林 泉忠 John Chuan-Tiong LIM> 台湾中央研究院近代史研究所副研究員、国際政治学専攻。2002年東京大学より博士号 (法学)を取得、琉球大学法文学部准教授、またハーバード大学フェアバンク・セン ター客員研究員などを歴任。2012年より現職。著作に『「辺境東アジア」のアイデン ティティ・ポリティクス:沖縄・台湾・香港』(単著、明石書店、2005年)。 ------------------------------ 【2】第5回日台アジア未来フォーラム報告 ■林 泉忠「第5回日台アジア未来フォーラム『日本研究から見た日台交流120年』報 告」 2015年5月8日、第5回日台アジア未来フォーラム「日本研究から見た日台交流120年」 が国立台湾大学で開催された。過去120年間の日台関係を振り返り、戦前の経験はい かなる遺産としていかに再認識すべきか、戦後東アジアが新たな秩序を模索するな か、台湾と日本との関係は様々な困難を乗り越えて再構築されたが、そのプロセスは 如何なる特徴を有しているのか、そして、次の120年の日台関係を展望するには如何 なるキーワードを念頭にいれる必要があるのか、という問題意識に基づき13の講演・ 論文発表と活発な議論が展開された。李嘉進・亜東関係協会会長と沼田幹夫・日本交 流協会代表にご挨拶をいただき、200名の参加者を得て大盛会であった。 フォーラムは、「国際関係」、「語学と文学」そして「社会変容」という3つのセッ ションから構成され、台湾、日本、韓国、中国から第一線で活躍する学者を招き、斬 新な視点から鋭い議論が展開された。 基調講演は、東京大学東洋文化研究所教授の松田康博氏が「日本と台湾の120年: 『二重構造』の特徴と変遷」という演題で行った。松田教授は、冒頭で、最初の50年 は宗主国と植民地の関係であり、後の70年は外国同士の関係であることに触れ、台湾 の主体性の顕現という観点から見ると、日本と台湾との関係はほぼ一貫して「二重 性」という特徴を有していたと指摘した。植民地期の日本と台湾の関係は、「中央政 府と総督府」および「日本社会と台湾社会」という二重性であり、数年の過渡期を経 て、1952年以降のそれはいわば「政府当局間の日華関係」と「社会間の日台関係」に なったと力説した。最後に、今後、中国の台頭は日台関係にどのような影響を及ぼす であろうか、またそれは、台湾住民が台湾の主体性をどのようにとらえるかが鍵とな るだろうと語り、基調講演を終えた。 第1セッションは、国立台湾大学歴史学系兼任教授の呉密察氏を座長に迎え、「政治 環境・国際関係の変容から見た日台関係」というテーマで、台湾、日本、そして中国 という3つの視点から「日台関係120年」を議論した。発表された3本の論文は、国立 成功大学台湾文学科の李承機副教授による「『植民母国』から『国際関係』へ—台湾 の文化主体論の変容と日台関係—」、東京大学総合文化研究科の川島真教授による 「戦後初期台湾の日本研究/日本の台湾研究 」、そして中国社会科学院近代史研究 所の王鍵研究員による「中国の視点から見た台日関係120年」(代読) という、いず れも刺激的な内容ばかりであったし、日中台の学者が一堂に会して「日台関係」を語 ることも画期的であった。 第2セッションは、「日本研究の回顧と展望—言語と文学—」というテーマであった が、A「文学・文化」、B「言語・語学」に分けられた。前者の座長を務めたのは、国 立台湾大学日本語文学科長の范淑文教授、また発表された3本の論文は、?翠娥・輔仁 大学外語学部副部長による「台湾における日本近代文学研究」、曹景惠・国立台湾大 学日本語文学科副教授による「台湾における日本古典文学研究の過去、現在と未 来」、藍弘岳・国立交通大学社会与文化科学研究所副教授による「台湾における日本 研究—思想、文化、歴史をめぐって—」であった。「時間軸」で台湾の日本文学を古 代から近代まで検討すると同時に、「分野軸」で 台湾の日本研究を纏めるという実 に多彩な内容だった。 Bは、林立萍・国立台湾大学日本語文学科教授が座長を務め、「言語・語学」という テーマで賴錦雀・東呉大学日本語文学科教授、外国語文学部長による「データから見 た台湾における日本語学研究」、葉淑華・国立高雄第一科技大学外語学部長よる「台 湾における日本語教育研究の現状と展望—国際シンポジウムを中心に—」(データ、 シンポジウムをキーワードとして日本語学および日本語教育の現状を考察)、申忠 均・韓国全北大学日語日文学科教授による「韓国における日本語教育の歴史—朝鮮時 代の倭学、そして現在—」という興味深い報告が行われた。 第3セッションの「日台社会の変容と交流の諸相」では、文字通り、日台交流史にお ける「社会の変容」と「交流の諸相」に焦点をあてた。張啓雄・中央研究院近代史研 究所研究員が座長を務め、3本の論文が発表された。まず経済の視点からの佐藤幸人 教授による「日台企業間の信頼と協力の再生産」では、日台企業間の協力関係につい て、複数の事例からアプローチし、その再生産のダイナミズムを明らかにした。また 鍾淑敏・中央研究院台湾史研究所副研究員がアイデンティティの視点から「根を下ろ せし異郷、故郷となれり」という興味深いタイトルで、台湾生まれの日本人と台湾社 会との交流を再検討した。そして、中央研究院台湾史研究所副研究員の呉叡人氏は歴 史社会学の視点から、現実主義者の歴史的イデオロギーの操作による日台右翼民族主 義者の結合現象を分析した。 最後の総合討論では、「21世紀の日台関係を展望する」というテーマで、座長の徐興 慶・国立台湾大学日本語文学系教授兼日本研究センター主任のもとで、各分野を代表 する6人の学者、すなわち范淑文、辻本雅史、 松田康博、川島真、呉叡人、そして筆 者が、これまで120年の日台関係および日本研究のあり方や特徴をそれぞれ語り、今 後の方向性を提示した。 今回のフォーラムを「ハイレベルだった」と評してくださった基調講演の松田康博教 授をはじめ、多くの参加者が高く評価してくださった。今回の議論を通して新たな 「日台関係論」の構築に資したいと思う。 アンケートの集計結果は下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/Qx0Ccq 当日の写真は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/photo-gallery/2015/3236/ ---------------------------------- <林 泉忠(リン・センチュウ)☆ John Chuan-Tiong Lim> 国際政治専攻。2002年東京大学より博士号を取得(法学博士)。同年より琉球大学法 文学部准教授。2008年より2年間ハーバード大学客員研究員、2010年夏台湾大学客員 研究員。2012年より台湾中央研究院近代史研究所副研究員、2014年より国立台湾大学 兼任副教授。著作に『「辺境東アジア」のアイデンティティ・ポリティクス:沖縄・ 台湾・香港』(単著、明石書店、2005年)。 ---------------------------------- 【3】第49回SGRAフォーラム「日本研究の新しいパラダイムを求めて」へのお誘い (再送) 下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご 所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにもご参 加いただけますので、ご所属のメーリングリスト等でご宣伝いただけますと幸いで す。 テーマ:「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 日時:2015年7月18日(土)午前9時30分〜午後5時 会場:早稲田大学大隈会館 (N棟2階 201、202号室)    http://www.waseda.jp/somu-d2/kaigishitsu/#link7 参加費:無料 使用言語:日本語 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局  sgra-office@aisf.or.jp ◇フォーラムの趣旨 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2014年8月にインドネシア・バ リ島で開催した第2回アジア未来会議において、円卓会議「これからの日本研究:学 術共同体の夢に向かって」を開催した。この円卓会議に参加したアジア各国の日本研 究者、特にこれまで「日本研究」の中心的役割を担ってきた東アジアの研究者から 「日本研究」の衰退と研究環境の悪化を危惧する報告が相次いだ。 こうした状況の外的要因として、アジア・世界における日本の国際プレゼンスの低下 と、近隣諸国との政治外交関係の悪化が指摘されている。一方では東アジアの日本研 究が日本語研究からスタートし、日本語や日本文学・歴史の研究が「日本研究」の主 流となってきたことにより、現代の要請に見合った学際的・統合的な「日本研究」の 基盤が創成されていないこと、また各国で日本研究に関する学会が乱立し、国内のみ ならず国際的な連携を図りづらいこと、などが内的要因として指摘されている。 今回のフォーラムでは、下記の4つのテーマを柱とした議論を行い、東アジアの「日 本研究」の現状を検討するとともに「日本研究の新しいパラダイム」を切り開く契機 としたい。 1.東アジアの「日本研究」の現状と課題、問題点などの考察 2.アジアで共有できる「公共知」としての「日本研究」の位置づけ及び「アジア研 究」の枠組みの中での再構築 3.「アジアの公共知としての日本研究」を創成するための基盤づくりと知の共有の ための基盤づくり、国際研究ネットワーク/情報インフラの整備等の構想 4.日本の研究者、学識者との連携と日本の関係諸機関の協力と支援の重要性 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/5xYAie ************************************************** ● SGRAカレンダー ○第4回SGRAワークショップin蓼科 (2015年7月4日〜5日)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3137/ ○第7回SGRAカフェ 「中国台頭時代の台湾・香港の若者のアイデンティティ」 (2015年7月11日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3240/ ○第49回SGRAフォーラム 「日本研究の新しいパラダイムを求めて」 (2015年7月18日東京)<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/3144/ ★☆★第3回アジア未来会議  (2016年9月29日〜10月3日、北九州市)<論文(要旨)募集中> http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 奨学金・優秀論文賞の対象となる論文(要旨)の投稿締め切りは2015年8月31日で す。 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来に ついて語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員 のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読 いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。下記URLより自動登録していた だくこともできますし、事務局までご連絡いただいても結構です。 http://www.aisf.or.jp/sgra/entry/mailing_form/ ● アドレス変更、配信解除をご希望の方は、お手数ですがSGRA事務局までご連絡く ださい。 ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務 局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただ けます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3−5−8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03−3943−7612 FAX:03−3943−1512 Email: sgra-office@aisf.or.jp Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************