SGRAイベントへのお誘い

  • 2026.05.07

    第79回SGRAフォーラム 「東アジア文化記憶の再読――響きあう言葉と感性」へのお誘い

    下記の通り第79回SGRAフォーラムをハイブリッド形式で開催いたします。会場でもオンラインでも参加をご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テ ー マ:「東アジア文化記憶の再読――響きあう言葉と感性」 日   時:2026年6月27日(土)午後2時~5時 会   場:東京科学大学西9号館ディジタル多目的ホール(Zoomウェビナーとのハイブリット開催) 言   語:日本語・中国語(同時通訳付き) 主   催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) 共   催:東京科学大学リベラルアーツ研究教育院     参加申込:こちらよりお申込くださいください(リンクをクリックして登録してください) (参加方法に関わらず参加用URLが届きます。会場参加の方は当日会場にお越しください。)     【参加にあたってのお知らせ】 ・同時通訳をご希望の方へ 会場で同時通訳を利用する場合は、Zoomへの接続が必要となります。 必要な方はインターネットに接続できる端末とイヤホンをご持参ください。会場のWi-Fiをご利用いただけます。 ・会場【東京科学大学西9号館ディジタル多目的ホール】 〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1(キャンパスマップ 22番の建物です) ・お問い合わせ SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)     ◆フォーラムの趣旨 社会の不安定化や価値観の揺らぎが進む現代において、人文学はいかなる視点と言葉によって過去と現在を結び直しうるのか。本フォーラムは、「東アジア文化記憶の再読」という主題のもと、近現代の文学・思想・音楽・映像を手がかりに、東アジアにおける文化の越境、思想や表現の受容と変容、記憶の継承と再解釈について考えることを目的とする。   本企画の特色は、民国期の美学思想から現代のポピュラー音楽やテレビドラマにいたるまで、約100年にわたる多様な文化事象を横断的にとらえ、作品や言説に刻まれた歴史意識と文化的位相を読み直そうとする点にある。文学者どうしの響き合い、思想の受容と変容、方言をめぐる葛藤、友情の語り、歌われる記憶、映像を通じた共同体像の形成といった諸問題は、それぞれ異なる位相から、文化記憶が国境や時代を越えていかに受け継がれ、編み直されてきたのかを示している。   基調講演と各発表、さらに討論を通じて、本フォーラムは、東アジアにおける文化記憶とは何か、それが文学・思想・芸術の営みのなかでいかに読み継がれ、捉え直されていくのかを、多角的に考える場としたい。     ◆プログラム 司会: 宋 晗(フェリス女学院大学) 開会の辞    室田 真男(東京科学大学 リベラルアーツ研究教育院)   【基調講演】新美南吉と魯迅そして中国 藤井 省三(東京大学名誉教授)   魯迅(1881~1936)と日本文学との間には、深い影響関係がある。拙著『魯迅と日本文学』(2015年)で論じたように、1902~1909年の日本留学時代から1920年代、五・四新文学期にかけて、魯迅は夏目漱石(1867~1916)、森鷗外(1862~1922)、芥川龍之介(1892~1927)らから大きな影響を受けており、1930年代以後は魯迅が太宰治(1909~1948)、松本清張(1909-92)、村上春樹(1949~)らに深い影響を与えてきた。   そして新美南吉(1913〜1943)は、郷土愛知県知多半島を舞台に温かな童心を描いた児童文学者として日本で広く親しまれてきた。また近年、中国においても南吉童話は高い人気を誇っており、その受容の広がりは、従来の南吉像に再考を促している。   本講演は、南吉が魯迅文学、とりわけ「阿Q正伝」を深く読み込み、日中戦争期の中国の民衆に鋭い共感を寄せていた事実を日記・ノート・作品分析を通じて明らかにすることで、「郷土の童話作家」という枠を超えた南吉の世界文学的な側面を提示する。また南吉の反戦意識が村上春樹に継承されて、魯迅―南吉―村上春樹という系譜的関係が成立するであろう点についても検討したい。   —————————————— 第1部 【越境と接触】 —————————————— 【発表1】近代中国美学における自然観の構築――西洋思想の影響のもとで 丁 乙(北海道大学)   【発表2】1926年:危機が潜む ピリニャークの極東旅行と国際左翼連帯活動 黄 詩琦(中山大学)   休憩(15分)   —————————————— 第2部 【言語と感情】 —————————————— 【発表3】「解説/再現」される方言:林参天の『濃煙』における言語政治 賈 海涛(一橋大学)   【発表4】友情三調:巴金のエッセイ集『傾吐不尽的感情』における文化政治 呉 天舟(復旦大学)   —————————————— 第3部 【文化と表象】 —————————————— 【発表5】カバーされる記憶:「李香蘭」と改革開放後の中華ポピュラー音楽 楊 冠穹(東京科学大学)   【発表6】テレビドラマ制作からみる「台湾人」表象――曹瑞原作品を中心に 八木 はるな(中央大学)     【総合討論】 モデレーター:宋 晗(フェリス女学院大学) 討論者(アルファベット順):陳 言(首都師範大学)、龔 艶(上海師範大学)、吉川 龍生(慶應義塾大学)    閉会の辞 今西 淳子(渥美国際交流財団)   ※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。 日本語版 中国語版   中国語版ウェブサイト  
  • 2026.02.12

    第1回日印アジア未来フォーラム「アジアにおける日本研究:学術的ネットワークの構築へ」へのお誘い

    下記の通り第1回日印アジア未来フォーラムを対面のみで開催いたします。参加ご希望の方は事前に参加登録をお願いします。今回はオンラインでの参加はできませんので予めご了承ください。   テ  ー  マ:「アジアにおける日本研究:学術的ネットワークの構築へ」 日  時: 2026年3月13日(金)午後1時~6時 会  場: Sir Shankar Lal Concert Hall、デリー大学 言  語:英語 共同主催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)・デリー大学東アジア研究科   参 加 申 込 :こちらよりお申込くださいください(リンクをクリックして登録してください) お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)          デリー大学東アジア研究所([email protected])     ◆フォーラムの趣旨 これまでの東アジア研究は主に東アジア地域内あるいは西洋の理論的枠組みの視点から語られてきました。急速に変化する地政学のダイナミクスとアジア域内の連携の重要性の高まりを背景に、今、こうした視点を再構築することが不可欠となっています。本フォーラムでは、インドにおける日本研究の意義に焦点をあて、東アジア研究および東アジアにおけるインド研究の重要性を明らかにします。   南アジアにおける初の試みとなる本フォーラムでは、東アジアおよび南アジア研究に携わる研究者や研究機関の間で、強固な学術ネットワークの構築を促進することを目的とします。そのために地域研究の現代における意義、他のアジアの研究者によるアジア社会研究への多様な方法論、最新の学術動向、そして学生の研究関心について、批判的な議論を行う場を提供します。   学際的な対話と交流を通じて、アジア研究における共通の関心と各地で特色のある発展を遂げた軌跡の双方を明らかにし、重要な課題や将来の協力関係構築の可能性を浮き彫りにすることで、アジア全域における持続可能かつ相互に有益な学術的パートナーシップの基盤を築くことを目標とします。     ◆プログラム 9:30 AM 受付 10:00 – 11:30 AM   開会式 総合司会:デリー大学東アジア研究科 開会挨拶 Prof. Ranjana Mukhopadhyaya(デリー大学東アジア研究科) 開会挨拶 今西淳子(SGRA代表) 歓迎挨拶   11:30 – 12:00 PM   休憩・交流   12:00 – 1:00 PM 招待講師の発表(韓国・台湾・インドからの日本研究専門家)   発表1:Dr Nidhi Maini (デリー大学東アジア研究科) 「インドにおける日本研究:成長、機会、文化交流」   発表2:Prof. Nam Ki-jeong 南基正  (ソウル大学日本研究所) 「韓国における日本研究の開発と将来:ソウル大学の先駆けと「脱地域学」への転換」   発表3:Prof. Chen Tzu-ching 陳姿菁 (開南大学応用日本語学科) 「台湾における日本研究と教育の現状と傾向:日本・台湾・インドの学術的ネットワークの構築へ」   発表4:Mr. Hoshina Teruyuki 保科輝之  (国際交流基金ニューデリー日本文化センター) 「国際交流基金と南アジアにおける学術的なネットワーク構築」   1:00 – 2:00 PM   休憩   2:00 – 3:00 PM    パネルディスカッション モデレーター: Dr. Amlan Dutta(デリー大学東アジア研究科日本研究専攻) パネリスト:招待講演者と学内講師・日本研究の研究者   討論者: Dr. Sweety Gupta(デリー大学東アジア研究科) Arpan Banerjee(デリー大学東アジア研究科)   質疑応答   3:00 – 3:15 PM    休憩   3:15 – 4:30 PM  デリー大学東アジア研究科の若手研究者による発表 座長: Dr Alok Chandan   発表1:Dr Shashank Patel (Researcher) 「インド・日本のテクノロジーと戦略の融合:半導体産業の技術外交の事例」   発表2:Ahmad Shadaan(Ph.D. Scholar) 「インドにある日本アニメと漫画:その受容と最近の拡大」   発表3:Shreya Mamgain(Ph.D. Scholar) 「日本社会と文学にいる女性:「新しいオンナ」と「モダンギャル」の事例」   発表4:Rashi Chaudhury(Ph.D. Scholar) 「アーユルヴェーダと和食の出会い:インドの伝統的な健康知識と現代の日本食事生活 招待講演者と参加者との質疑応答       4:30 閉会式と文化プログラム 閉会挨拶  デリー大学の日本語学生による文化プログラム 謝辞     6:00 PM ハイティ(軽食)とネットワーキング     ※詳細は下記リンクをご参照ください。 英語版プログラム  
  • 2026.01.13

    第23回日韓アジア未来フォーラム 「朝鮮半島から読み解く新しい東北アジアの地政学」へのお誘い

      下記の通り第23回日韓アジア未来フォーラムをハイブリッド形式で開催いたします。会場でもオンラインでも参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テ  ー  マ:「朝鮮半島から読み解く新しい東北アジアの地政学」 日   時:2026年2月20日(金)午後2時~5時 会   場:石川県立図書館食文化体験スペース (オンラインとのハイブリット開催) 言   語:日韓同時通訳 主   催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) 共   催:未来人力研究院 協   力:東北亞未来構想研究所 参 加 申 込 :こちらよりお申込くださいください(リンクをクリックして登録してください)   (参加方法に関わらず参加用URLが届きます。会場参加の方は当日会場にお越しください。)   お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)         ◆フォーラムの趣旨 東北アジアは今、米中対立、ウクライナ戦争、北朝鮮の軍事化、経済安保競争など、複数の危機が交錯する新しい地政学的転換点に立っている。この地域は政治・経済・技術の分野が密接に連動し、従来の安全保障概念を越えた「複合的地政学空間」となりつつある。朝鮮半島は依然としてこの変動の中心に位置し、地域の緊張と協力の両面を象徴している。本フォーラムでは、北朝鮮情勢と東北アジア秩序の変化を再評価するとともに、経済安全保障、サイバー安保、技術同盟といった新しい協力領域を視野に入れ、日韓が共有できる戦略的課題を探る。   ◆プログラム 司会: 金 雄煕(仁荷大学) 開会挨拶:今西 淳子(渥美国際交流財団・SGRA) ----------------------------------------------- 基調講演: 「中国と南北朝鮮双方との関係の新しい変化」朱 建栄(東洋学園大学) 2025年9月3日の北京式典で中ロ朝の指導者が並んだが、三者合同会談はなかった。米国こそ「新冷戦」の構図を煽っているが、中国は自身の発展戦略と地域の平和への期待により、北東アジア地域の分断、陣営化を望んでいない。中韓関係は尹錫悦前政権時代に大幅に後退したが、習主席の11年ぶりの韓国公式訪問は関係の正常化の新しい起点になった。中国は北東アジアにおける韓国の独特で重要な役割に引き続き期待を寄せている。半島の「非核化」問題について中国は従来の立場は変わらないと表明し、国連安保理決議による義務を依然果たしている。内外情勢の激変を踏まえて、関係諸国とともに半島の恒久的平和体制を追求していく姿勢だ。 ----------------------------------------------- 報 告1: 「北朝鮮の情勢変化と東北アジアにおける「新冷戦」構図の形成」李 鋼哲(INAF) 北朝鮮は、金正恩氏が2012年に政権を引き継いで以来、大きな政策転換を見せている。経済的には、2021年の朝鮮労働党第8回大会で、新たな「国家経済発展五カ年計画」を策定し、対外経済に左右されない『自力更生、自給自足』を基本路線にしている。2024年1月には「地方発展20×10政策」を打ち出し、地方開発に力を入れるとしている。対外関係では、ロシアとウクライナ戦争をきっかけに、ロシアとの急接近を図り、朝露軍事同盟を結び、同時に中国との伝統関係を維持することで、結果的には朝中露3カ国の結束が強まり、日米韓3カ国の同盟と対抗する構図が形成され、東北アジア地域は「新冷戦」時代に突入しつつある。 ----------------------------------------------- 報 告2: 「北朝鮮のサイバー脅威とクーパン事態から見たサイバー安全保障の課題」李 成訓(国家安保戦略研究院) 北朝鮮のサイバー脅威は、外貨獲得(仮想資産窃取)・諜報活動・インフラ攪乱を組み合わせた「国家主導の犯罪・諜報複合体」へと進化している。韓国は2025年の通信会社ハッキングやクーパン個人情報流出事件を通じて、サイバー安全保障が国家安全保障の中核であることを確認した。2026年には生成AIがフィッシングやディープフェイクを高度化し、選挙や社会紛争の局面で偽情報の影響力が拡大する可能性が高い。対応策として、重要デジタルインフラの指定と復旧能力の強化、北朝鮮脅威に特化した追跡・制裁パッケージの構築、日韓間のCERT/CSIRT協力強化が必要である。特に仮想資産分野でのKYC/AML高度化とブロックチェーン分析の実効性向上が求められる。 ----------------------------------------------- 指定討論1: 「北東アジアの将来と米国——「新冷戦」論を中心として」 三村光弘(新潟県立大学) 基調講演で朱建栄は、「新冷戦」の構図を煽っているのは米国であり、中国は北東アジアの分断、陣営化を望んでいないとする。報告1で李鋼哲は、結果的には朝中露3カ国の結束が強まり、日米韓3カ国の同盟と対抗する構図が形成され、東北アジア地域は「新冷戦」時代に突入しつつあるとする。米国が朝鮮と非核化を前提としない対話を始めたとき、北東アジアには朝鮮戦争の終了と共に「米国のいない北東アジア」の姿が見え始める。 ----------------------------------------------- 指定討論2: 「日韓の地政学的関係性とその力学」金 崇培(釜慶大学) 19世紀に誕生した地政学は、今日においても事象分析の視点を提供しており、その領域は地経学や批判地政学へと発展している。報告者の議論を前提としつつ、ここでは古典的地政学の視点から日韓関係を省察し、あわせて地域秩序を再考する。具体的には、帝国的法規範による「1910年体制」、日韓国交正常化による「1965年体制」、リベラリズムが前景化した「1998年体制」、そしてリアリズムが顕在化している現状を再確認する。 ----------------------------------------------- 指定討論3: 「『敵対的二国家関係』は朝鮮半島の法秩序を変えるのか」権 南希(関西大学) 近年、北朝鮮は南北関係を「敵対的二国家関係」と位置づける言説転換を明確化している。こうした政治的宣言が朝鮮半島をめぐる国際法秩序において既存の法的枠組みを変更するものかを検討し、併せて、危機管理や交渉、抑止の前提を再構成する性格を有するのかに着目する。とりわけ、1953年停戦体制の法的連続性を踏まえつつ、法的安定性と実務的変容が交錯する局面を整理し、討論の出発点としたい。 ----------------------------------------------- 指定討論4: 「北朝鮮によるサイバー攻撃に対する見解と対応方向」 盧 明華(韓国国防組織学会長) 現代の北朝鮮によるサイバー攻撃は対韓国工作から外貨獲得へとその目的を深化させ、対象や技術、侵入経路においても多様化の様相を呈している 。これに対し、韓国は国内機関の連携から国際共助へと対応体制を拡張してきたが、依然として攻撃との時差や手段選択における制約が課題として残存している 。本発表では、サイバーセキュリティの実効性を確保するため、攻撃原点への打撃手段の確保、攻撃勢力間の共助体制の分断、および海外拠点の閉鎖に向けた緊密な国際協力の推進を提言する。 ----------------------------------------------- 指定討論5: 「国交正常化60年を迎える日韓が共有する困難な課題」木宮 正史(東京大学名誉教授) 国交正常化から60年を経て非対称・相互補完関係から対称・相互競争関係になった日韓は、現在、①同盟を共有するトランプ米政権の登場に伴う戦略的不透明さ、②米中対立の尖鋭化・構造化、③体制生存のため核ミサイル開発に邁進し韓国との関係を「敵対的な二国間関係」と規定する北朝鮮、こうした不透明で困難な戦略環境に直面する。共有する困難な課題への対応に関して日韓両政府、両社会がどのような選択をするのかを注視する必要がある。 ----------------------------------------------- 自由討論 モデレーター:平川 均( 名古屋大学名誉教授) 閉会挨拶:李 鎮奎(未来人力研究院)   ※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。 日本語版 韓国語版 韓国語版ウェブサイト
  • 2025.10.22

    第19回SGRAチャイナフォーラム「『琳派』の創造」へのお誘い

    下記の通りSGRAチャイナフォーラムをハイブリッド形式で開催いたします。会場でもオンラインでも参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テ  ー  マ:「『琳派』の創造」 日   時:2025年11月22日(土)午後3時~5時20分(北京時間)/午後4時~6時20分(東京時間) 会   場:北京大学外国語学院新楼501(オンラインとのハイブリット開催) 言   語:日中同時通訳 共同主催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)            北京大学日本文化研究所            清華東亜文化講座 後   援:国際交流基金北京日本文化センター 協   賛:鹿島建設(中国)有限公司     ※参加申込(リンクをクリックして登録してください)   ★会場参加者の事前申請は締め切りました★ (参加方法に関わらず参加用URLが届きます。会場参加の方は当日会場にお越しください。) (会場参加を希望する方で北京大学関係者以外の方は、事前に北京大学への入校申請が必要となりますので、フォーラム参加登録時に必要事項の入力をお願いします。登録いただいた情報をもとに事務局でまとめて申請します。なお、事前入校申請受付は11月18日(火)で締め切ります。(締め切りを過ぎた場合はオンラインでご参加ください。)当日は、北京大学のキャンパスに入校する際に身分証明書(中国籍の方はID、外国籍の方はパスポート)の提示が必要です。忘れずにお持ちください。)   お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)     ◆フォーラムの趣旨 公益財団法人渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は、2007年から毎年、北京を中心とした中国各地の大学等で、日本の民間公益団体の主宰者を招いてSGRAチャイナ・フォーラムを開催してきた。2014年からは趣向を変え、清華東亜文化講座のご協力をいただき、中国在住の日本文学や文化の研究者を対象として、東北アジア地域の近現代史を「文化と越境」をキーワードに議論を重ねている。本年も、これまでの成果を踏まえながら、「東アジアにおける広域文化史」の可能性を探る。国立近代美術館の学芸員を長く務められた古田亮先生(東京芸術大学 大学美術館教授)をお迎えし、「琳派の創造」をテーマに、西洋の影響を受けて近代に創られた美術史の言説について考察する。日中同時通訳付き。   ◆プログラム 総合司会:孫 建軍(北京大学日本言語文化学部/SGRA) 開会挨拶:野田昭彦(国際交流基金北京日本研究センター所長) 講演:古田 亮(東京芸術大学 大学美術館)「『琳派』の創造」 指定討論 討論者:戦 暁梅(国際日本文化研究センター) 中村麗子(東京国立近代美術館) 董 麗慧(北京大学芸術学院) 自由討論 モデレーター:林 少陽(澳門大学歴史学科/SGRA/清華東亜文化講座) 閉会挨拶:王 中忱(清華東亜文化講座/清華大学中国文学科)(予定)   ◆講演内容 古田 亮(東京芸術大学 大学美術館)「『琳派』の創造」 「琳派」は、一般に日本美術史上に現れた流派の一つととらえられている。江戸時代初期に活躍した俵屋宗達や本阿弥光悦らによってつくられ、尾形光琳や酒井抱一によって受け継がれて近代に至ると説明されることが多い。しかし、実際には二つの点で間違っている。一つは、その間に「琳派」と名乗った画家は一人もいないこと。つまり、尾形光琳の「琳」に由来するこの用語は光琳以前に存在しなかっただけでなく、光琳自身も使わず、抱一の時代にもなかった。「琳派」という用語は近代に創造されたのである。もう一点は、江戸時代の宗達、光琳、抱一には直接の師弟関係も、狩野派のような流派としての家のつながりもない。光琳は時代を超えて宗達を発見し、抱一もまた時代を超えて光琳を発見した。その関係は私淑というべきものであった。   一方、「琳派」が近代に創造されたと言うとき、それは学術研究の結果ではなかった。歴史に沿って宗達、光琳、抱一という流れが初めから認識されていたのではない。まず、明治時代後半(19世紀末)、ジャポニスムに端を発してヨーロッパから〈日本らしい装飾芸術〉として光琳が注目された。ついで大正時代に、個性主義という20世紀初めの芸術観のもとに宗達の芸術が再評価された。本発表では美術史家よりもむしろ近代美術の同時代のムーブメントのなかで「琳派」という伝統がつくりあげられていったことを明らかにする。   ※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。 日本語版 中国語版   中国語版ウェブサイト
  • 2025.09.19

    第12回日台アジア未来フォーラム/東呉大学東アジア地域発展研究センターUSR国際シンポジウム「大学の社会的責任(USR)の現状と展望―マクロからミクロへ」へのお誘い

    下記の通り第12回日台アジア未来フォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。皆様のご参加をお待ちしています。      開催日:2025年10月17日(金)9:30〜17:20   開催場所:台湾 東呉大学 外雙溪キャンパス 第1教学研究棟(台北市臨渓路70号) 及びオンライン  使用言語:中国語・日本語・英語   共同主催:公益財団法人 渥美国際交流財団関口グローバル研究会     東呉大学(校級)東アジア地域発展研究センター   協賛:東呉大学外国語文学部、英文学科、日本語文学科、ドイツ文化学科、     国際学士 課程、心理学科、中東欧教学研究センター    参加申込はこちらから  ※オンライン参加の方には後日アクセス情報をお送りします   お問い合わせ SGRA事務局([email protected])     ◆ 趣旨  日台未来フォーラムは、台湾在住のSGRAメンバーの発案により2011年に始まり、毎年台湾の大学と協力して開催されてきました。第12回となる今回は、東呉大学東アジア地域発展研究センターとの共催により「大学と地域社会の未来」を主題に掲げ、大学の社会的責任(USR)を多角的に考察します。基調講演では観光と地域づくりを切り口にUSRの新たな可能性を探り、招待講演では日台の大学協働の試みや、ヨーロッパにおけるCSR・USRの先進的事例を共有します。さらにパネル討論では台湾・士林北投地域と東呉大学の取り組みをもとに、地域創生における大学の具体的な役割を検討します。本フォーラムは、台湾・日本・ヨーロッパを結ぶ知的ネットワークを基盤に、大学がレジリエンスや包摂性、民主的価値を育む主体としていかに地域と関わり得るかを国際的かつ学際的に議論する場を提供し、人文社会科学を越えて幅広い研究者に新たな視座と刺激をもたらすことを目指します。   ◆プログラム  【基調講演】 山川 和彦(麗澤大学大学院言語教育研究科教授) 「地域社会の持続と観光学2.0 ―共創するまちづくりに向けて」   日本の地方社会では人口減少が進み、地域経済の維持が大きな問題になりつつある。こうした中、観光は地域活性化の重要な産業として期待され、多くの自治体が観光振興に力を入れている。しかし、観光客、特に外国人旅行者の急増により一部地域ではオーバーツーリズムが深刻化し、自然環境の破壊や住民の生活への悪影響が顕在化している。 国連世界観光機関(UNWTO)は持続可能な観光を「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」と定義しており、観光地においてもこの理念に基づいた取り組みが求められている。この持続可能な観光は、観光が観光客と観光業者によって成り立つものではなく、地域生活者、地域産業、行政、教育など多様なステークホルダーが関与する社会的活動になったと言っても過言ではない。そのため、地域の多様な関係者をつなぎ、持続可能性を調整・推進する「サステナビリティ・コーディネーター」の役割が重要になってくる。同時に持続可能な観光は、その場所に関係する人やものごとのウエルビーイングを考える必要があるといえる。(講演は日本語、中国語へ逐次通訳)   【招待講演1】 楊名豪 (国立台湾海洋大学助理教授) 「国境を越える「関係人口」の創出:日台大学協働の試み」   「関係人口」とは、特定の地域と多様な関わりを持つ人々を指す言葉であり、近年、日本の地方創生において重要な概念となっています。本講演では、この「関係人口」という概念を、台湾と日本の大学間の国際協力に応用し、より柔軟で非伝統的な学術的・社会的な繋がりを構築する方法について考察します。共同研究や学生交流、地域活性化プロジェクトを通じて、両国の大学がどのように新たな「関係人口」を創出し、ひいては東アジア地域の持続可能な発展と異文化理解を促進できるかを分析します。実践例を共有し、今後の台日大学連携における新たなモデルを提示することを目的とします。(講演は英語)   【招待講演2】  Olga Khomenko 氏(オックスフォード大学グローバルエリアスタティーズ研究科)  「ヨーロッパにおける大学の社会的責任の現代的実践 ―ウクライナ、ドイツ、フランスイギリスの事例を用いた国際比較研究」   本プレゼンテーションでは、ヨーロッパの大学における地域社会との連携モデルを比較します。戦時下や平時における大学の役割の変化に注目し、サービスラーニング、パートナーシップ、参加型ガバナンス、ソーシャル・イノベーションなどの実践を紹介します。台湾に教訓になる事例を紹介しながら、大学がレジリエンス、包摂性、民主的価値を育むために果たせる役割について、国際的な視点から考察を行います。 (講演は英語)   【パネルディスカッション】   テーマ: 「USRの現況と展望 -マクロからミクロへ ― 台湾・士林北投地域・東呉大学の地域創生事例の検討と共有 ―」   司会:王世和 教授(東呉大学副学長)   登壇者:  汪曼穎 教授(東呉大学心理学科)   張綺容 准教授(英文学科・国際学士課程長)   李泓瑋 助理教授(日本語文学科)   施富盛 助理教授(社会学科)  (討論は英語、一部中国語⇔英語逐次通訳)   プログラム(中国語・日本語))   フォーラム概要       2025年9月19日配信  
  • 2025.07.31

    第78回SGRAフォーラム/第5回アジア文化対話(Asian Cultural Dialogues)/第611回沖縄大学土曜教養講座第611回沖縄大学土曜教養講座「アジアにおけるジェンダーと暴力の関係性」へのお誘い

    下記の通り第78回SGRAフォーラム ・第5回アジア文化対話(Asian Cultural Dialogues)・第611回沖縄大学土曜教養講座「アジアにおけるジェンダーと暴力の関係性」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テーマ:「アジアにおけるジェンダーと暴力の関係性」 日 時:2025年9月13日(土)9:30~17:30 会 場:沖縄大学3号館101教室 およびオンライン(Zoomウェビナー) 言 語:日本語・英語(同時通訳) 参 加:無料/こちらから。 共同主催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会・沖縄大学地域研究所   ※会場参加の方もオンライン参加の方も必ず参加登録をお願いします。 お問い合わせ:SGRA事務局([email protected])     ◇フォーラムの趣旨 沖縄はアジア太平洋戦争時に住民の4人に1人が死亡したとされる激しい地上戦を経験している。さらに戦後も日本国内の70%を超える米軍の施設が集中する「基地の島」と化した。女性や子どもを含む非戦闘員が犠牲となった「戦場」の暴力は、現在進行形のグローバルな課題を再考察する上で欠かすことができない題材である。軍事的な対立の際に、私たちはどのように非戦闘員の命を守るための観点を保ちうるだろうか。ジェンダーからの問いが必要な理由がそこにある。   沖縄で開催されるAsian Cultural Dialogues(ACD;アジア文化対話)フォーラムでは、地上戦を経験し、今なお米軍基地による性暴力事件が絶えない沖縄で、ジェンダーという弱者への配慮を前提とする視点から「過去・現在・未来」につなげる普遍的価値を探る。本フォーラムは「沖縄の問題」を論じるものではない。多国籍の専門家により構成され、その議論の焦点は沖縄という空間で出会う「アジア的視点」と言える。2025年度は戦後80周年という節目の年であり、いかにアジア太平洋戦争時の傷痕に向き合うかをアジア各地で議論する年でもある。議論の場である沖縄はもちろん、アジアの過去、現在、未来に一貫して忘れてはならない本質的な価値とは何かを国際的かつ学際的に、さらにはアカデミアを超えて皆で考える機会になることを望んでいる。   ◇プログラム 9:30 イベント開始 ご挨拶 今西淳子(SGRA)、山代 寛(沖縄大学学長) フォーラムの紹介 洪 玧伸(沖縄大学)   セッション① 基調講演 司会:デール ソンヤ(SGRA)、モデレーター:洪 玧伸   基調講演:冨山一郎(同志社大学)「暴力に抗する「他者」の眼差し」 45分(日本語)   コメンテーター:宮城晴美(沖縄女性史研究家)、ロバート・リケット(和光大学元教授)、グオ・リフ(筑波大学)     11:00 休憩     11:30 セッション② 交差性・各発表:30分 司会:イドジーエヴァ・ジアーナ(東京外国語大学)   発表1 高里鈴代(「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表)「交差する差別とジェンダー」(日本語) 発表2 Intan Paramaditha(マッコーリー大学)、「インドネシアのフェミニズム運動」(英語)   コメンテーター:ミヤ・ドゥイ・ロスティカ(大東文化大学)、梁絃娥(ソウル大学)     13:00 昼食・休憩   14:00 セッション③ 戦争とジェンダー・各発表:30分 司会:ミキ・デザキ(ドキュメンタリー監督)   発表1 山城紀子(沖縄タイムス元記者・フリージャーナリスト)「沖縄戦・米軍統治下の福祉と女性」(日本語) 発表2 Jose Jowel Canuday(アテネオ大学)「平和の最後の数マイル:ミンダナオ島バンサモロ地域のジェンダー化された最前線における長期戦争の後に何が起こるのか」(英語)   コメンテーター:福永 玄弥(東京大学)、増渕あさ子(立命館大学)     15:30 休憩     16:00 セッション④ これからに向かって・各発表:20分 司会:洪 玧伸、デール ソンヤ   発表1 徳田彩(沖縄キリスト教学院大学在学生)、松田明(沖縄キリスト教学院大学卒業生) 「沖縄の基地暴力とジェンダー:CSW国連女性の地位委員会に性暴力を訴えるー沖縄県内の動きを中心にー」(日本語) 発表2 Memee Nitchakarn (タイの学生活動家))「タイの若いフェミニスト運動の流れ」(英語) 発表3 中塚静樹(沖縄大学在学生)「沖縄戦の記憶を聴く若者たち:証言者との交流で学ぶ記憶の継承」(日本語)   コメンテーター:親川裕子(沖縄大学・Be the Change Okinawa代表)、上野さやか(沖縄大学・エンパワメント・ラボ・おきなわ共同代表 )、Bonni Rambatan (Rainbow Panda代表)     17:30 フォーラム閉会     ※詳細は、下記リンクをご参照ください。 プログラム 英語版のプログラム   皆さまのご参加をお待ちしております。
  • 2025.07.24

    第8回日韓青少年大学生歴史対話へのお誘い

    SGRA「日本中国韓国における国史たちの対話の可能性」プロジェクトの一環として、日本と韓国の高校生と大学生の交流プロジェクトを共催します。参加ご希望の方は事前にSGRA事務局までメールでご連絡ください。   ◆第8回日韓青少年大学生歴史対話 日時:2025年8月8日(金)10:00~12:20 会場:福岡大学図書館多目的ホール 共催:日韓青少年大学生歴史対話実行委員会、関口グローバル研究会(SGRA) 言語:日本語・韓国語(同時通訳) 参加:無料|参加ご希望の方は事前にSGRA事務局までメールでご連絡ください。 お問い合わせ・参加申込:SGRA事務局( [email protected] ) ※会場参加の方で同時通訳を利用する方は、Zoomを利用するためインターネットに接続できる端末とイヤホンをご持参ください。   10:00 開会 10:10 趣旨説明 ・柿沼亮介(早稲田大学高等学院教諭) ・鄭淳一(高麗大学歴史教育科教授) 10:20 日韓の学生による発表「これまでの歴史対話プログラムを振り返って」 ・コメント、質疑応答 10:50 休憩 11:00 歴史対話の経験を聴く、経験から学ぶ ・三谷博(東京大学名誉教授) ・劉傑(早稲田大学社会科学総合学術院教授) 11:40 質疑応答:青少年大学生と歴史学者との対話 12:00 日韓の青少年・大学生に伝えたい一言(参加教員からの提言) ・金キョンテ(全南大学歴史教育科副教授) ・柳忠熙(福岡大学人文学部准教授) ・坂村圭(東京科学大学都市・環境学コース准教授) 12:20 閉会   ※午後はSGRAラーニングの動画「歴史の大衆化と東アジアの歴史学」を視聴した後、参加型のセッション(グループディスカッション)を予定しています。参加ご希望の方は合わせてご連絡ください。    
  • 2025.06.16

    第77回SGRAフォーラム「なぜ、戦後80周年を記念するのか?」へのお誘い

    下記の通り第77回SGRAフォーラム 「なぜ、戦後80周年を記念するのか?~ポストトランプ時代の東アジアを考える~」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テーマ:「なぜ、戦後80周年を記念するのか?~ポストトランプ時代の東アジアを考える~」 日 時:2025年7月26日(土)14:00~17:00 会 場:早稲田大学大隈記念講堂 小講堂 およびオンライン(Zoomウェビナー) 言 語:日本語・中国語(同時通訳) 参 加:無料/こちらから事前申込をお願いします ※会場参加の方もオンライン参加の方も必ず下記より参加登録をお願いします。 ※会場参加で同時通訳を利用する方は、Zoomを利用するためインターネットに接続できる端末とイヤホンをご持参ください。 お問い合わせ:SGRA事務局([email protected])     ◇フォーラムの趣旨 80年の長きにわたる戦後史のなかで、アジアの国々は1945年の出来事を各自の歴史認識に基づいて「終戦」「抗戦の勝利」「植民地からの解放」といった表現で語り続けてきた。アジアにおける終戦記念日は、それぞれの国が別々の立場から戦争の歴史を振り返り、戦争と植民地支配がもたらした深い傷と記憶を癒やし、平和を祈願する節目の日であった。一方、この地域の人びとが国境を超えた歴史認識を追い求め、対話を重ねてきたことも特筆すべきである。 2025年は終戦80周年を迎える。アメリカにおける政権交替にともなって、アジアをめぐる国際情勢がより複雑さを増している。こうした状況のなか、多様性や文明間の対話を尊重し、相互協力のなかで平和を希求してきた戦後の歴史を本格的に検証する意味は大きい。本フォーラムは日本、中国、韓国、東南アジアの視点から戦後80年の歳月に光を当て、近隣諸国・地域と日本との和解への道を振り返り、平和を追求するアジアの経験と、今日に残る課題を語り合う。   ◇プログラム 総合司会:李 恩民(桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群長)   14:00 開会挨拶 今西 淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会代表) 歓迎挨拶 鷲津 明由(早稲田大学次世代科学技術経済分析研究所長)   ------------------------------------【第1部】------------------------------------   14:20 基調講演Ⅰ. 「冷戦、東北アジアの安全保障と中国外交戦略の転換」 沈 志華(華東師範大学資深教授)   冷戦期において、中華人民共和国の外交戦略は三つの段階と2度の大きな転換を経て、「革命外交」から「実務重視の外交」への転換を実現した。同時に、東北アジアの安全保障構造も根本的な変化を遂げ、当初の二つの三角同盟間の対立構造から、緊張緩和および交差的な国家承認へと推移し、和平交渉のプロセスへと移行した。 まず1949年から1969年にかけての第1段階では、中国は「向ソ一辺倒」政策を採用し、ソ連と連携してアメリカに対抗した。これにより中国は冷戦構造に参入し、社会主義陣営の急先鋒となり、東北アジアは南北に分かれた二つの三角同盟が対立する局面に突入した。 続く1970年から1984年にかけての第2段階では、中国は「向米一辺倒」へと方針を転換し、アメリカと連携してソ連に対抗した。この過程で、最終的に中国は米ソ冷戦の二極構造から脱却し、東北アジアは緊張緩和期へと移行した。 最後の1985年から1991年にかけての第3段階では、イデオロギー上の対立および台湾問題により中米対立が激化したが、一方で中ソ関係は正常化された。中国の改革開放政策の実施に伴い、外交理念も大きく変化し、非同盟の全方位外交へと転換した。中米ソの「大三角」構造が形成され、東北アジア地域においては交差的な国家承認が進行し、二つの三角同盟が対立する局面は完全に解消され、和平交渉のプロセスが始動した。 以上を踏まえ、今後の中国外交においては、鄧小平が確立した実務重視の外交と非同盟政策を堅持しつつ、中米露の三国関係を冷静かつ慎重に処理し、とりわけ中日および中韓関係の発展を、東北アジアの平和と発展の基盤とすべきである。     14:50 基調講演Ⅱ. 「冷戦から冷戦までの間 第2次世界大戦後米中関係の展開と日本」 藤原 帰一(順天堂大学国際教養学研究科特任教授・東京大学名誉教授)   かつて世界を分断した冷戦は今復活したように見える。日本の第2次世界大戦敗戦は連合国による日本占領の元で武装解除と民主化をもたらしたが、米ソ冷戦の開始とともに日本を拠点とした米国のアジア戦略が展開され、米中の緊張は1960年代にいっそう強まった。米中接近後には冷戦を基軸とした日中関係は変貌し、日中国交と経済関係の回復が実現する。冷戦は終わったはずだった。しかし少なくとも2008年以後には米中関係の緊張が再び広がり、同盟体制の再編を経て、冷戦と呼んでも誇張とは言えない国際政治の分断が生まれた。ではなぜ米中の新たな緊張は生まれたのか。これは一時的な緊張なのか、それとも長期的な対立と見るべきなのか。この報告では、大戦後から第2次トランプ政権に至るアメリカの対中政策を跡づけるとともに、その変化をどこまで権力移行論によって説明できるのかについて検討したい。さらに、日本の対中政策はどこまでアメリカの影響、主導権によって説明できるのか、そこに相違、ズレは存在しないのかについても、福田赳夫政権と石破茂政権を手がかりとして考察を試みたい。   15:20 質疑応答   ------------------------------------【第2部】------------------------------------   15:45 オープンフォーラム モデレーター:林 泉忠(東京大学東洋文化研究所特任研究員)   ◇若手研究者による討論 権 南希(関西大学政策創造学部教授) 東アジアの地政学的転換と朝鮮半島を考える 東アジアの安全保障体制は、北朝鮮の核・ミサイル開発に加え、ロシア・ウクライナ戦争を背景とする北朝鮮とロシアの軍事的接近、米中露の地政学的対立の激化により、構造的な不安定性を一層深めている。北朝鮮は2024年以降、韓国を「主敵」と規定し、統一を否定する二国家論を公式化した。一方、韓国社会では統一を「結果」よりも「過程」として捉える傾向が強まっており、経済協力や文化交流を通じた段階的信頼構築が注目される。本発表では、北東アジアの戦略構造と北朝鮮の政策転換を分析しつつ、法治主義に基づく統合体制の構築と、社会文化的接触を通じた内的インフラの整備の必要性を論じる。   ラクスミワタナ モトキ(早稲田大学アジア太平洋研究科) タイ保守派の陰謀論分析からみる冷戦期の政治分析 途上国において、冷戦は国内政治に多大な影響を及ぼした。反共・親共問わず、特定の勢力の台頭や弾圧が冷戦の文脈で行われ、今日まで続く権力構造に寄与している。本報告では、戦後や冷戦を考える上での国内政治分析が提供しうる視点を、タイ保守派の陰謀論分析を通し模索する。これらの言説の性質から見受けられる今日の冷戦の断層線(fault line)に言及するとともに、「国」を単位とした分析を超える視点の可能性について考えたい。   野﨑 雅子(早稲田大学社会科学総合学術院助手) 国際秩序と知的交流—留学生政策から考える— 本討論では、近年の日米中の留学生政策の変化に着目し、国際秩序と知的交流の関係を検討する。冷戦終結後、留学生派遣・受け入れに代表される知的交流は、各国間の信頼関係構築の基盤として機能してきた。しかし、近年各国間の緊張関係が深まる中で、知的交流の場においても分断が深まりつつある。本討論では、近年の日米中の留学生数の推移や政策の変化を踏まえて、知的交流の場における分断の危機とその克服の可能性について議論したい。    李 彦銘(南山大学総合政策学部教授) 民間の歴史認識・信頼構築・協力と和解への道 本稿は日中の和解の道のりに焦点を当てる。まず、日中の政府レベルでは一定の和解が達成できたとして、事実を簡単に確認する。その上で、2010年代以降を民間人の歴史認識を事例として取り上げ、歴史認識の形成における変化と特徴を抽出してみる。次に、非政府組織(Nongovernmental Organization)における信頼構築の事例(ユネスコ第8代事務局長・松浦晃一郎=ユネスコ事務局長補・唐虔、行財政改革の実現)から、和解の可能性を展望したい。最後に、今後に向けての提言を行う。   ◇フロアからの質問   16:50  総括・閉会挨拶 劉 傑(早稲田大学社会科学総合学術院教授)   ※詳細は、下記リンクをご参照ください。 ・プログラム(日本語) ・中国語ウェブサイト   皆さまのご参加をお待ちしております。
  • 2025.04.03

    第76回SGRAフォーラム「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本」へのお誘い

    下記の通り第76回SGRAフォーラム 「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テーマ:「中近東・東南アジアからみる日本と暮らす日本:それぞれの視点で考える」 日 時:2025年5月 2 日(金)10:00~15:00(トルコ時間)/16:00~21:00(日本時間) 方 法: 会場参加とオンライン参加(Zoom ウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:チャナッカレ・オンセキ・マルト大学(COMU)アナファルタラル・キャンパス        教育学部4階セミナーホール(地図) 言 語:日本語   参 加:参加(事前参加申込は不要です) お問い合わせ:SGRA事務局([email protected])       ■フォーラムの趣旨 中近東や東南アジアでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーへの関心が急上昇している。日本語学習のきっかけとなることも多い。トルコ語に翻訳された日本のアニメや漫画が飛躍的に増えているように、日本ポップカルチャーはブームだ。日本研究においても、これらの地域でなぜ日本文化の受容が広がっているのか、なぜ若者が日本語に特別な関心を持つようになったのかをもっと議論すべきであろう。   一方、日本には中近東や東南アジアの国々から来た多くのイスラム教の移住者がいるが、日本語や文化、教育の環境に順応しようとしながら生活する中で、さまざまな困難に直面している。まずは言語の壁や文化的な違いによる摩擦が大きな課題だ。また、日本で生まれ育った子どもたちにとっては、自らのルーツに基づくアイデンティティーや宗教教育に関する問題も浮上している。   フォーラムでは、こうした課題に焦点を当て、第1部では中近東の日本語教育と日本研究を考える。第2部では、日本文化の受容と日本語教育を内側から議論をするために日本社会と共生する外国人コミュニティー、特に、イスラム文化圏から来た移民が直面する問題を深く掘り下げ、具体的な努力や解決策を模索する場としたい。   中近東や東南アジア地域における日本文化の需要を外側と内側からとらえることにより、今日の世界における日本のソフトパワーの位置づけが可能になるだろう。     ■プログラム 総合司会:Irmak Kılkesen (COMU)・Arif Çelebi Metin (COMU)   10:00-10:10  開会挨拶 Eiichi TSUNODA(渥美国際交流財団) Tolga ÖZŞEN (COMU)   10:10-11:30 第1部:中近東の若者にとっての日本語学習と日本文化 司会:Kazuma IWATA(東京外国語大学) オンラインQ&A:Aqil CHEDDADI(慶應義塾大学)   10:10-10:30「トルコに於ける日本語教育と学習者の最初の混乱:カタカナ」        Levent TOKSÖZ(Tekirdağ Namık Kemal University・NKU) 10:30-10:50「トルコの若者のアニメとマンガ関心:現実逃避、別世界とアイデンティティー」        Melek ÇELİK (COMU) 10:50-11:10「イランの若者と日本語・日本文化:メディア、教育、就職、そして未来展望」        Ayat HOSSEINI (University of Tehran) 11:10-11:30【討論】「中近東の日本語・日本文化イメージを再考察する」        Jianjun SUN (北京大学)        Miyuki ICHIMURA (COMU)        Shorina DARIYAGUL(筑波大学)   11:30-13:30 休憩・ランチ   13:30-15:00 第2部:日本におけるイスラムコミュニティーの日本文化受容と日本語教育 司会:Aqil CHEDDADI(慶應義塾大学) オンラインQ&A:Kazuma IWATA(東京外国語大学)   13:30-13:50「在日の中東出身者における日本語習得過程の変容と影響要因に関する考察」        Akbari HOURIEH(神田外国語大学) 13:50-14:10「在日インドネシアコミュニティーと多文化共生:イスラム教育を中心に」        Mya Dwi ROSTIKA(大東文化大学) 14:10-14:40 【討論】「日本の国際化の中の外国人コミュニティーを再考察する」        Zeynep GENÇER BALOĞLU(Pamukkale University・PAU)        Murat ÇAKIR (関西外国語大学)   14:40-14:50       総括 14:50-15:00       閉会挨拶&記念写真撮影     ※詳細は、下記リンクをご参照ください。 ・プログラム   皆さまのご参加をお待ちしております。
  • 2025.02.05

    第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナー 「東アジア地域市民の対話」へのお誘い

    下記の通り第75回SGRAフォーラム・第45回持続的な共有型成長セミナー 「東アジア地域市民の対話」を対面とオンラインのハイブリットで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。   テーマ:「東アジア地域市民の対話 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」 日 時:2025年4月12 日(土)午後2時~午後5時(日本時間) 方 法: 会場参加とオンライン参加(Zoom ウェビナーによる)のハイブリット開催 会 場:桜美林大学 新宿キャンパス創新館(南館)JS302号室(地図) 言 語:日本語・英語(同時通訳)   申 込:参加申込(参加には事前登録が必要です) お問い合わせ:SGRA事務局([email protected])       ■フォーラムの趣旨 地理学的にいえば、「東アジア」は、北東アジア(日本、中国、韓国)と東南アジア(ASEAN加盟国)の双方から構成され、「多様性の中の調和」原則の現出ともいえる「東アジア統合」というASEAN+3(日中韓)のビジョンを共有している。東アジアはこのビジョンに向けて大きな前進を遂げたが、近年中国が関わる出来事がビジョンに向けた地域の進歩を頓挫させていることも否定できない。 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(Local-to-Local-Across Border Schemes、以下LLABS)は、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)経営開発学部(CPAf)のさまざまなコラボレーションとして、フェルディナンド・C・マキト博士が主導する「持続可能な共有成長セミナー」を通じて生まれた。UPLBチームは、フィリピン内務省の地方政府アカデミーと地方自治省のために LLABS研究プロジェクトを実施した。 本フォーラムでは、桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群とSGRAの協力によって、これまで主にフィリピンで検討されてきた LLABS構想について、北東アジアの研究者と一緒に議論し、実現の可能性について探る。 会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、共催のフィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)を通じて広くオンライン参加者を募る。     ■プログラム   基調講演   「国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の概要と意義」 フェルディナンド・マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)講師) LLABS 構想の背景には、東アジア全体に広がる2大潮流がある。一つは東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(日中韓)に代表される”地域統合”の思想で、もう一つは政治的および財政的決定権を地方政府に委ねる”地方分権”の思想である。果たしてこれらの潮流は互いに代替し合うか、あるいは補完し合うかという疑問が本フォーラムの出発点である。 地域統合の戦略が状況次第で機能しないことは、西フィリピン海や南シナ海で紛争が続いていることなどからみても明らかだ。行き詰まりの状況を打開する策をLLABS構想が提供できると期待されている。またその他のケースでも、LLABS構想がこの2大潮流を前進させる補助的メカニズムとして機能し、地域統合と地方分権が補完的な関係になる可能性が示唆されている。事例研究として、フィリピン大学オープンユニバーシティ(UPOU)が神奈川県相模原市藤野とフィリピンのラグナ州バニョスで進めている2つの取り組みを紹介しながらLLABS構想の意義を考察する。     討論1「ASEAN+3と日本。LLABS の可能性」 コミュニティ連携:成長のトライアングル、中華街、「カレー移民」に見る教訓 佐藤 考一(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)   国境を超える地方自治体・地域コミュニティの連携構想(LLABS)というのは、夢のある話であるが、難しい話でもある。ASEANの成長のトライアングル構想については、成功の条件として、新興工業国・地域(NIES)のような先進地域と発展途上地域の垂直分業関係、良港の存在、近接性、インフラ整備の度合いと資金源、治安問題がないことなどが必要で、さらに世界的な供給連鎖管理(SCM)の流れに乗れることも必要である。現在までのところ、3つのトライアングルのうち、成功したとはっきり言えるのは南のトライアングルだけである。日本国内の小さなコミュニティー連携について言えば、中華街、「カレー移民」について成功例と失敗例がある。 外国人労働者が言語や宗教、文化の問題を乗り超えて日本社会に溶け込めるか、日本側が彼らの受け入れにどれだけ努力しているか、移民の子供の教育機会が充実しているかなどが問題になる。互いに歩み寄りながら、相互理解と共益を目指す事が必要である。なお、日本の中華街には、中国文化を売り込んで観光名所として成功するしたたかさもある。     討論2「ASEAN+3と中国。LLABS の可能性」 中国および東北アジア地域における越境開発協力と地方自治体国際協力の枠組み 李 鋼哲(INAF研究所代表理事・所長)   東北アジアにおける地域主義は1990年代前後から冷戦崩壊の頃、国境を超える地域開発の活性化とともに台頭する。様々な越境的地域開発のプロジェクトが立ち上がり、極地経済圏(サブ・リージョン・エコノミック・ゾーン)形成の動きが出現し、それがこの地域の経済成長の大きな原動力となった。 (1)環日本海国際経済圏構想(1980~90年代)。 (2)図們江地域開発構想と計画(TRADP)(1991年~)。 (3)環黄海・渤海経済圏構想(1990年代~)。 (4)両岸四地経済圏構想:中国の広東省・福建省と台湾、香港、マカオ(1990年代~)。 (5)メコン川流域経済圏構想GMS(1991年~、中国広西チワン族自治区と東南アジア5ヵ国)。 そのような流れの中で「北東アジア地域自治体連合」(国際機構)が1996年に成立、その他にも様々な地方間国際交流の枠組みが形成された。中国の地方政府(自治体)が、国境を越えた地方間の経済・文化交流のプラットフォームの活性化により地域経済成長と中国の高度経済成長を支えてきた軌跡を考察する。     討論3「ASEAN+3と韓国。LLABS の可能性」 韓国地方政府の国際レジーム形成の取り組み:日中韓地方政府交流会議を事例として 南 基正(ソウル大学日本研究所所長)   韓日中地方政府交流会議(以下、日本語での報告であることを考慮し「韓日中」は「日中韓」と表記)は韓国、日本、中国の地方政府が実質的な交流を進めることを目標に、大韓民国市道知事協議会、日本自治体国際化協会、中国人民対外友好協会など3つの機関が共同で開催する地方政府間協力の枠組みである。1999年にソウルで最初の会議が開催され、以来2024年に25回目の会議が韓国光州で開催されるまで、輪番制で毎年開催されている。ただ一度、20年に新型コロナウイルス感染症の影響で延期になったが、これも非政治的な理由での「延期」であり、中断したことはなかった。25年は中国・江蘇省塩城市での開催が決まっている。 報告では、日中韓地方政府交流会議に対する大韓民国市道知事協議会の取り組みを事例に、北東アジアにおいて地方政府が主導する国際レジームの特徴と意味を確認する。具体的には次の2点である。第1はASEAN+3との相関性の究明。日中韓地方政府交流会議が始まったのはASEAN+3発足2年後の1999年で、韓国がASEANとの連携を大きく意識し始めた時であった。そして金大中政権になりASEANへの接近も見られた。韓国の地方政府が地方外交を開始し、ASEAN方式に注目したのがこの頃であった。それが継続の力になっていたと考えられる。そこで、第2に試みるのは日中韓首脳会談との比較である。日中韓首脳会談は2008年の初開催以来、24年に9回目の会談が開催されたが、13年と14年、16年と17年、20年から23年まで、3度の中断があった。それぞれ政治的な状況が大きな影響を与えていた。一方で、日中韓地方政府交流会議はこの時期も継続され、背景にどのような努力があったのかを確認することは、この地域の平和共存のための知恵を与えてくれるだろう。     討論4「ASEAN+3と台湾。LLABSの可能性」 政治的制約を超える台湾と東南アジアの「非政府間」の強い結びつき 林 泉忠(東京大学東洋文化研究所特任研究員)   台湾とASEAN10カ国とは、正式の外交関係を有しておらず、また「ASEAN+3」にも入っていないが、両者の関係は実に微妙で密接な状況にある。戦後の台湾は、かつて東南アジア8カ国とそれぞれ国交を樹立したが、1970年代における両岸(中台)の国際地位の逆転で次々と断交していく。だが、やがて台湾は韓国、香港、シンガポールと共に「アジアNIES」の一員として経済発展を遂げ、東南アジアへの経済進出も目立つようになった。 2016年、蔡英文民進党政権は中国への経済依存を減らし、「新南向政策」を打ち出した。それによって、台湾と東南アジアの結びつきはさらに深まり、人的・経済的な国境を超えたつながりが強化されている。今後、特にデジタル経済・医療・教育・労働者受け入れの分野での協力が引き続き重要視されるだろう。他方、「星光計画」としてシンガポール軍が台湾で軍事訓練を実施したり、台湾は南沙諸島にある自然形成された陸地面積が最大の太平島を実効支配したりしている。 全体として、台湾とASEANの関係は中国の圧力や自由貿易協定(FTA)の未締結といった課題もあるが、政治的な制約を超えて実質的な相互依存関係を深めており、今後も国境を超えた交流が広がっていくと思われる。     自由討論 フィリピン市民の意見 … ジョアン・セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ教授) インドネシア市民の意見 … ジャクファル・イドルス(国士舘大学21世紀学部専任講師) タイ市民の意見 … モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学アジア太平洋研究科)   総括  平川 均(名古屋大学名誉教授)     ※詳細は、下記リンクをご参照ください。 ・プログラム 皆さまのご参加をお待ちしております。   English Page