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2004.08.27
テーマ:共有された成長を目指せ(フィリピン経済特区日系企業を通して効率性と平等性の向上を探る)
セミナー案内書(2004年4月27日現在)
日時:2004年8月27日(金)午後1時半から5時まで
会場:アジア太平洋大学(UA&P)PLDT会議室 Pearl Drive, Ortigas Center, Pasig City
プログラム
午後1:00 to 1:30:受付
午後1:30 to 1:40: 開会挨拶 (フィリピンに関する日本の観点) 今西淳子関口グローバル研究会(SGRA)代表、渥美国際奨学金財団常務理事
午後1:40 to 2:10: 経済特区分析の報告、 Dr. Ferdinand C. Maquito (フェルディナンド・C・マキト博士)アジア太平洋大学研究助教授、SGRA「日本の独自性」研究チームチーフ
午後2:10 to 2:40: 産業分析の報告、 Dr. Peter Lee U(ピター・リー・ユウ博士)アジア太平洋大学 産業経済プログラム ディレクター
午後2:40 to 3:00: 休憩
午後3:00 to 3:30:マクロ経済分析の報告、Dr. Bernardo M. Villegas (ベルナルド・M・ヴィレガス博士)アジア太平洋大学、副総長
午後3:30 to 4:00:国際リスク分析の報告、Prof.Victor Abola (ヴィクター・アヴォラ教授)アジア太平洋大学 戦略ビジスネス経済プログラム ディレクター
午後4:00 to 5:00: オプーン・フォー ラム
参加費: 3,000 ペソ
英語と日本語のスライドや配布資料を用意いたします
問い合わせ
Peter Lee U(ピター・リー・ユウ):
[email protected] (英語)
Max Maquito (マックス・マキト):
[email protected] (英語・日本語)
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2004.08.25
SGRAレポート第23号(PDF)
第13回フォーラム講演録
「日本はどう外国人を受け入れるべきか」
宮島 喬、イコ・プラムディオノ
日本語版
2004年3月
---もくじ-----------------
開会挨拶 今西淳子(SGRA代表)
【ゲスト講演】「移民国日本へ?ヨーロッパとの比較の中で考える」
宮島 喬(立教大学社会学部教授)
【活動報告】「研修生制度の現状と問題点ーインドネシア研修生を事例として」
イコ・プラムディオノ(SGRA研究員・東京大学工学部博士課程)
【講演者と参加者による自由討論】
進行:角田英一(アジア21世紀奨学財団常務理事)
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2004.07.24
第16回SGRAフォーラム in 軽井沢
「東アジア軍事同盟の過去・現在・未来」
下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。参加ご希望の方は、7月16日(金)までにSGRA事務局(
[email protected])へお申込みください。会場の都合上、参加は原則としてSGRA会員に限らせていただきます。
■主 催: 関口グローバル研究会(SGRA)
■協 賛: 鹿島学術振興財団、韓国未来人力研究院、渥美国際交流奨学財団
■後 援: 朝日新聞アジアネットワーク(AAN)
■日 時: 2004年7月24日(土)午後2時~6時、7時半~9時
■場 所:鹿島建設軽井沢研修センター会議室
長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢1323-310 ℡ 0267-42-4000
(ご希望の方には地図をお送りします)
(軽井沢駅からタクシーで10分、1100円程度です)
■会 費: 無料 (夕食を含む)
■フォーラムの意義
SGRA「東アジアの安全保障と世界平和」研究チームが担当するフォーラム。韓国・日本(沖縄)・フィリピン・台湾と米国との二国間同盟条約体制の形成の経緯を明らかにし、その問題点を現状の中で把握したあと、これを越える多国間(地域)安全保障システムの可能性について考えてみたい。その際には、東アジアに散らばる米軍基地の問題も併せて考えてみたい。したがって、「軍事基地と市民」、「市民の安全保障」、「市民連帯の運動」などもテーマとして含まれることになる。
■:プログラム
コーディネーター:南 基正(東北大学法学研究科教授、SGRA研究員)
【総 論】竹田いさみ(獨協大学外国語学部教授)
【日米同盟】
講演者:ロバート・エルドリッヂ(大阪大学国際公共政策研究科助教授)
質問者:林 泉忠(琉球大学法文学部助教授、SGRA研究員)
【韓米同盟】
講演者:朴 栄濬(韓国国防大学校安全保障大学院助教授、SGRA研究員)
質問者:(検討中)
【台米同盟】
講演者:林 成蔚(台湾総統府国家安全会議)予定
質問者:李 恩民(桜美林大学国際学部助教授、SGRA研究員)
【比米同盟】
講演者:伊藤裕子(亜細亜大学国際関係学科助教授)
質問者:(検討中)
【パネルディスカッション】 講演者全員
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2004.07.20
SGRAレポート第22号
渥美奨学生の集い講演録
「民族紛争:どうして起こるのか、どう解決するか」
明石 康(スリランカ問題担当日本政府代表・日本紛争予防センター会長)
---講演報告--------------
2003年11月11日(火)午後6時より、渥美財団評議員で日本紛争予防センター会長の明石康氏をお迎えして「渥美奨学生の集い」が開催されました。明石氏は、今後国際協調のために留学生の役割がますます大切になることを提起された後、元国連事務次長時代にカンボジアと旧ユーゴスラビアで地域紛争の平和調停を務め、現在は日本政府代表としてスリランカ調停にあたられているご自身の体験に基づき「民族紛争―どうして起こるか、どう解決するか」というお話をしてくださいました。「民族」とは主観的なものである。カンボジア、旧ユーゴスラビア、ソマリア、ルワンダなどの事例から原因はさまざまであるが、貧しいことだけでは紛争は起こらず、格差がある場合に問題が起こる。解決へ向ける方法もたくさんあり、スリランカでは経験豊富なノルウェイの専門家と一緒に、いろいろなことを試してみている。国連は当該国の協力がある場合に効果的な問題解決ができる。そして、現在は、紛争が起きる前に対処するためにODAが使えるようにしようとしていること等を教えていただきました。また、今後の懸念としてメディアをとりあげ「正しく報道されるのは2割くらい」と指摘されました。その後の質疑応答では、紛争の原因としては経済格差と同時にいじめや恨みも考えなければならないこと、国連の地位をあげるために安全保障理事会の改革が検討されていること、ODAを各国政府に与えるとますます格差が増すので現 在はNGOへの支援が進んでいることなど、丁寧にお答えいただきました。
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2004.06.30
SGRAレポート第21号(PDF)
*PDFファイルですが、かなり重いのでダウンロードに時間がかかります
第3回日韓アジア未来フォーラム講演録
「アジア共同体構築に向けての日本および韓国の役割について」
---目次-------------
基調講演:「アジア共同体構築に向けての日本と韓国」
平川 均(日本/名古屋大学)
報告1:「東北アジアという地域と韓国:韓国は地域主義をどうすべきか」
孫 洌(韓国/中央大学)
報告2:「日・中・韓IT協力の政治経済」
金雄熙(韓国/仁荷大学)
報告3:「アジア開発銀行の独自性研究:その概観」
F.マキト(日本/名古屋大学)
報告4:「韓国外交のダイナミズムと日韓関係:公共材としての日韓関係の構築に向けて」
木宮正史(日本/東京大学)
報告5:「北東アジア共同体の構築と北朝鮮問題」
李元徳(韓国/国民大学)
質疑応答
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2004.03.26
Aiming for Shared Growth
共有された成長を目指せ
Enhancing Efficiency and Equity through Japanese Companies in Special Economic Zones
フィリピン経済特区日系企業を通して効率性と平等性の向上を探る
■日時:2004年3月26日(金)午後1時半から5時まで
■会場:アジア太平洋大学(UA&P)PLDT会議室
Pearl Drive, Ortigas Center, Pasig City
■プログラムは別紙参照ください。このセミナーでは、経済特区の日系企業の評価だけでなく、UA&Pのエコノミストが、フィリピン経済の展望や中国ファクターの評価についても発表いたします
■参加費:3000ペソ(受付でお支払いください)
■参加申込み・お問い合わせ:
Ms. Arlene Idquival 637-0912 to 26 ext. 362(英語)
Dr. Peter Lee U
[email protected] (英語)
Dr. Ferdinand Maquito
[email protected] (英語・日本語)
■プログラム
1時 (受付開始)
1時30分 開会挨拶 今西淳子
関口グローバル研究会(SGRA)代表、渥美国際奨学金財団常務理事
1時40分 「2004年のフィリピン経済展望」
Dr. Bernardo M. Villegas (ベルナルド・M・ヴィレガス博士)
アジア太平洋大学、副総長
2時10分 「フィリピンにおける経済特区の評価」
Dr. Ferdinand C. Maquito (フェルディナンド・C・マキト博士)
アジア太平洋大学研究助教授・SGRA「日本の独自性」研究チームチーフ
2時40分 「2つの産業の物語:フィリピンにおける電子と自動車産業」
Dr. Peter Lee U(ピター・リー・ユウ博士)
アジア太平洋大学 産業経済プログラム ディレクター
3時10分 「中国に関する脅威と機会」
Dr. George Manzano (ジョージ・マンザノ博士)
アジア太平洋大学 応用ビジスネス経済プログラム ディレクター
Dr. Victor Abola (ヴィクター・アヴォラ博士)
アジア太平洋大学 戦略ビジスネス経済プログラム ディレクター
3時40分(休憩)
4時 研究内容と将来の研究課題についてのオープン・フォーラム
5時(閉会予定)
■SGRAの「グローバル化における日本の独自性」研究チームの活動の一環として、マキトによる下記の記事をご参照ください。
「日本の尊い非軍事技術」2002年12月6日の朝日新聞朝刊に掲載
(オンライン版は次のURLをご参照ください)
http://www.asahi.com/international/aan/column/021206.html
「『古い日本』の良さに学ぶ 」2002年8月2日の朝日新聞朝刊に掲載
(オンライン版はつぎのURLをご参照ください)
http://www.asahi.com/international/aan/column/020802.html
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2004.03.26
昨年のフィリピン・アジア太平洋大学(UA&P)とSGRAの共同研究(日比自由貿易協定の準備調査-フィリピン政府宛の内部報告)に続いて、最初の一般公開の共同事業となった経済セミナーが、2004年3月26日(金)午後1時半から5時まで、マニラ中心部にあるUA&PのPLDT会議室で開催された。テーマは「共有された成長を目指せ:フィリピン経済特区日系企業を通して効率性と平等性の向上を探る」。SGRA側は今西淳子代表とF.マキト研究員とSGRAフィリピンのボランティアスタッフが5名参加した。
開会挨拶で今西代表がSGRAやマキト研究員や渥美財団を紹介してから、在日フィリピン人についてのデータを紹介した。日本にはフィリピン人が大勢居るのに留学生は少ない。英語ができるしアメリカ文化にも親しみをもっているので留学先がほとんど英米になるであろう。セミナーの前、UA&Pのラウンジでのランチで「日本への留学したいフィリピンの若者はいるが、どうやっていけばいいかわからない」という指摘があったが、それが十分な理由かどうか、いまだに疑問に思う。
その後、4名のエコノミストが30分間ずつ発表した。最初に、SGRAとの調整役を果たしてくれた、UA&P産業研究科のディレクター、ピーター・ユー博士がフィリピンの電子産業と自動車産業について発表した。電子産業より自動車産業のほうが待遇的政策の対象になっているにもかかわらず、電子産業のほうが輸出によって外貨を多く稼いでいるという問題提起をした。
次に、マキト博士がセミナーのテーマ中心でもあるフィリピン経済特区について発表した。特区はフィリピンの二つのダイナミックスが収斂していると指摘してから22ヶ所の特区を比較した。予備調査によれば、トヨタに任せている特区は一番効率的であることが判明したという。最後に、富の配分の平等化がフィリピンの地方に広がっていることがわかるが、これは成長とともに自動的に発生したものではないことを指摘した。
その次に、UA&Pの副総長のベルナルド・ビリエガス博士はフィリピンの今後の5年間の展望について語った。今年の5月の大統領選挙で誰が大統領になっても、いつものようにフィリピンの政治は無視すれば良い、という楽観的な見方を明らかにした。企業がリスク管理をきちんと行えば、自分の強みと弱みを認識して置かれた環境の脅威と機会に巧みに対応できるはずだ。(フィリピンの難しい環境でも、トヨタは効率的なビジネスができることが比較分析でわかったように。)将来性のあるフィリピン産業を取り上げながら、
ASEANと中国の経済関係が今後さらに強くなることを予想した。
15分間の休憩の後、UA&Pのビック・アボラ教授が中国ファクターについて発表した。ビリエガス博士同様、中国はフィリピンにとって脅威よりは機会であることを強調した。対中国のフィリピンの輸出と対フィリピンの中国の輸出の品目を詳細に分析した結果、フィリピンと中国とが競争する品目があまりないことが判明した。この品目データの時系列的な変化をみても、同じ結果が得られるという。
最後に、オープン・フォーラムでセミナーの参加者との質疑応答があった。経済特区に入っている日系企業の日本人とフィリピン人から、それぞれの見方を分かち合ってもらって、今後の研究への貴重な示唆をいただいた。フィリピンの経済特区管理局からの参加者(政策企画部)には、引き続きご協力いただくよう呼びかけてもらった。
参加者からのアンケートによると、セミナーについての好意的な反応が多く、次回のセミナーにも招いてもらいたいという回答が圧倒的に多かった。セミナーでの発表は英語で行われたが、それと同時に日本語のスライドと配布資料を使った。これが自分か自分の組織の日本人にとって役に立つという回答が得られた。この方法とこのテーマでUA&P-SGRA共同セミナーをまた開催しようという励みになった。
(文責:F.マキト)
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2004.03.20
Aiming for Shared Growth
共有された成長を目指せ
Enhancing Efficiency and Equity through Japanese Companies in Special Economic Zones
フィリピン経済特区日系企業を通して効率性と平等性の向上を探る
■日時:2004年3月26日(金)午後1時半から5時まで
■会場:アジア太平洋大学(UA&P)PLDT会議室
Pearl Drive, Ortigas Center, Pasig City
■プログラムは別紙参照ください。このセミナーでは、経済特区の日系企業の評価だけでなく、UA&Pのエコノミストが、フィリピン経済の展望や中国ファクターの評価についても発表いたします
■参加費:3000ペソ(受付でお支払いください)
■参加申込み・お問い合わせ:
Ms. Arlene Idquival 637-0912 to 26 ext. 362(英語)
Dr. Peter Lee U
[email protected] (英語)
Dr. Ferdinand Maquito
[email protected] (英語・日本語)
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■プログラム
1時 (受付開始)
1時30分 開会挨拶 今西淳子
関口グローバル研究会(SGRA)代表、渥美国際奨学金財団常務理事
1時40分 「2004年のフィリピン経済展望」
Dr. Bernardo M. Villegas (ベルナルド・M・ヴィレガス博士)
アジア太平洋大学、副総長
2時10分 「フィリピンにおける経済特区の評価」
Dr. Ferdinand C. Maquito (フェルディナンド・C・マキト博士)
アジア太平洋大学研究助教授・SGRA「日本の独自性」研究チームチーフ
2時40分 「2つの産業の物語:フィリピンにおける電子と自動車産業」
Dr. Peter Lee U(ピター・リー・ユウ博士)
アジア太平洋大学 産業経済プログラム ディレクター
3時10分 「中国に関する脅威と機会」
Dr. George Manzano (ジョージ・マンザノ博士)
アジア太平洋大学 応用ビジスネス経済プログラム ディレクター
Dr. Victor Abola (ヴィクター・アヴォラ博士)
アジア太平洋大学 戦略ビジスネス経済プログラム ディレクター
3時40分(休憩)
4時 研究内容と将来の研究課題についてのオープン・フォーラム
5時(閉会予定)
■英語と日本語のスライドや配布資料を用意いたします。
■SGRAの「グローバル化における日本の独自性」研究チームの活動の一環として、マキトによる下記の記事をご参照ください。
「日本の尊い非軍事技術」2002年12月6日の朝日新聞朝刊に掲載
(オンライン版は次のURLをご参照ください)
http://www.asahi.com/international/aan/column/021206.html
「『古い日本』の良さに学ぶ 」2002年8月2日の朝日新聞朝刊に掲載
(オンライン版はつぎのURLをご参照ください)
http://www.asahi.com/international/aan/column/020802.html
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2004.03.10
SGRAレポート第20号(PDF)
*PDFファイルですが、かなり思いのでダウンロードに時間がかかります
第12回フォーラム講演録「環境問題と国際協力:COP3の目標は実現可能か」
外岡豊、李海峰、鄭成春、高偉俊
日本語版2004.4
---もくじ------
【ゲスト講演】「地球温暖化防止のための国際協力」外岡 豊(埼玉大学経済学部社会環境設計学科教授)
【研究報告1】「ビジュアルに見る東京ヒートアイランド」李 海峰(SGRA研究員・独立行政法人建築研究所環境研究グループ)
【研究報告2】「カリフォルニア州におけるRECLAIM制度の最近動向報告」鄭 成春(SGRA研究員・鳥取環境大学専任講師)
【研究報告3】「途上国からみたCOP3目標の実施」高 偉俊(SGRA研究員・北九州市立大学助教授)
【調査報告】アジア各国の現状
韓国(鄭 成春)
モンゴル(M.アリウンサイハン:一橋大学博士課程)
フィリピン(F.マキト:フィリピンアジア太平洋大学)
ベトナム(ブ.ティ.ミン.チー:ベトナム人間研究所)
【自由討論】
【総括】木村建一(SGRA顧問、国際人間環境研究所代表)
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2004.02.07
2004年2月7日(土)午後1時半から6時半まで、東京お台場の国際研究大学村東京国際交流館・プラザ平成3階メディアホールにて、第14回SGRAフォーラム「国境を越えるE-learning」が開催されました。今回のフォーラムは「ITと教育」研究チームの研究活動の一環として行われたものでした。会場には、非会員37名を含む60名の方々が、遠くは大阪や仙台からお集まりくださり、特に大学関係者の間でのこのテーマへの関心の高さが示されました。
まず、SGRA「ITと教育」研究チーム顧問の斎藤信男教授(慶應義塾常任理事)に、基調講演「Asia E-learning Networkと大学の国際戦略」をしていただきました。【要旨】アジア地域への日本の連携活動は、政府レベルでも大きな課題になっている。これからの政治、経済の中心はアジア地域になっていくことを考えると、今後ますます文化、社会、医療、教育などさまざまな分野での連携が重要になっていく。人材育成、基礎研究を担う日本の大学でもこのような国際情勢に合わせた将来構想とそれに基づく個々の活動の戦略が必須の課題として迫られている。現在、経済産業省が主導しているアジア諸国とのE-Learning Networkは、2年目を迎え、基盤、共通技術の開発に重点を置いて活動をしている。また、関連する連携活動は個々の大学などの努力により進められている。このような諸活動が真に有効なもの、有益なものに統合化されていき、大学の国際戦略の一つとして活かされていかなければならない。
SGRA会員の福田収一教授(都立科学技術大学工学部学部長)からは、先駆的な事例として、「ネットワークを介したGlobal Project Based Learning ―都立科学技術大学とスタンフォード大学の協調授業を事例として―」をご紹介いただきました。【要旨】東京都立科学技術大学は1998年からStanford大学の大学院の設計授業ME310にネットワークを介して参加している。この授業は、Project Based Learning方式で、企業が提供する現実の課題を学生が主導で解決し、実際に試作を行って案の妥当性を実証する。通常の講義形式のe-Learningとは異なり、日米の学生がチームを構成して、現実の課題に取り組む。そのため、最近話題の技術経営教育の実践に他ならず、単なる工学的な知識の応用だけではなく、法律、経済など幅広く問題を考え、文化の壁を乗り越える努力が必要となる。本活動は、国際的な活動であるとともに、きわめて効果的な産学連携でもある。
渡辺吉鎔教授(慶応大学総合政策学部)からは、やはり先駆的な事例として、「日中韓3大学のリアルタイム共同授業の可能性と課題 ―慶応・復旦・延世大学の国際化戦略とオンライン共同授業―」をご紹介いただきました。渡辺先生の「国際交流は技術を手段とした人間同士の情の交流である」という信念は参加者に強い共感を与えました。【要旨】慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は2002年度より中国の復旦大学、韓国の延世大学と一緒に「三者間リアルタイム共同授業」を推進してきた。具体的には大学院の2科目、学部・院共通の1科目を共同で提供・担当しながらその中で学生たちが日中韓の共通課題について共同研究を行うという仕組みが取られている。さらにこの三者間共同授業は、単なるリアルタイムのネット授業にとどまらず、学期の半ばでの「Pilgrim Workshop」の共同主催・共同参加、学期後の「グローバル・ガバナンス国際シンポジウム」という対面式の共同研究発表の場を提供し、教育・研究の国際化を推進するようにつとめてきた。
30分間の休憩の後、SGRA研究員からの報告として、 Ferdinand Maquito氏(フィリピンアジア太平洋大学研究助教授・SGRA研究員)は、「オンライン授業の可能性と課題~私の場合~―フィリピンアジア太平洋大学(UAP)-名古屋大学、及びテンプル大学ジャパン(TUJ)でのオンライン授業を事例として―」というタイトルで、この数年間、自分なりに実施したことを参考にしながら、オンライン授業についての考え方を整理して、これからの方向を検討しました。発表では、まず欧米を中心としたオンライン授業の現状を概観し、アメリカでの市場としての失敗とヨーロッパのEU市民の育成を目標としたE-learning計画を参考に、今後の日本とフィリピンの大学間のオンライン授業戦略を考えました。
最後に、金雄熙氏(韓国仁荷大学助教授・SGRA研究員)は、「韓国の大学における国際的E-learningの現状と課題」というタイトルで、政府主導の成長政策と先進国に比べても決して劣らない情報通信インフラなどのおかげで韓国のE-learningが急速な量的成長を成し遂げていることを発表しました。しかしながら、その総体的な発展が果たして望ましい方向に向かっているかについてはまだ疑問が残っているとして、韓国の大学におけるE-learning課題を指摘しました。また、国境を越える事例として、世界銀行のGDLN (Global Distance Learning Network)のアジアセンターの役割を担っている韓国開発院(KDI)大学院大学のE-learning(Blended Learning)を紹介しました。
その後、王溪氏(東京大学新領域創成科学研究科研究助手・SGRA研究員)の進行で進められたパネルディスカッションでは、サイバー教育の是非について活発な議論が行われました。回答者によって「E-learningが全てできるわけではない」ということが強調されましたが、同時に「講義を公開せざるを得ないことによって、現在あまり高くない講義の質を向上させることもできるのではないか」という消極的肯定論もありました。しかしながら、インターネットは手段にすぎず、人の交流が基本でなければならないという点では、全員の意見が一致しました。また、東アジア市民の育成のための国境を越えたLearningが英語で為されることについての質問がありましたが、3国間の授業では英語を共通語とするが、参加者に相互の言語を第一外国語として勉強することを義務づけたり、2国間授業では当事者の言語を使ったりするなど、様々な工夫がされていることが紹介されました。
土曜日の午後1時半から長時間にわたって開催された第14回フォーラムは、盛会の内、午後6時半に幕を閉じました。
(文責:J.スリスマンティオ、編集:今西淳子)