SGRAスケジュール

  • 第4回東アジア日本研究者協議会へのお誘い(SGRAパネル#3「日本における女性ムスリムの現状)

    東アジア日本研究者協議会は、東アジアの日本研究関連の学術と人的交流を目的として 2016年に発足されました。SGRAはその理念に賛同し今年も3チームが参加いたします。 各チームの発表内容を順次ご案内しますので、 これを機会に皆様のご参加やご関心をお寄せいただければ幸いです。 詳細はこちらでご覧いただけます。 ——————————————————————————————— 【東アジア日本研究者協議会の趣旨と歩み】 北米を中心としたAAS(アジア学会)、欧州を中心としたEAJS(欧州日本学会)が存在するのに対し、東アジア地域における日本研究者の集う場として2016年に発足された協議会。「東アジアにおける日本研究関連の学術と人的国際交流」を目的に毎年、東アジア各都市で国際学術大会が開催されている。   ◇協議会趣旨 一、日本研究の質的な向上。 一、地域の境界に閉ざされた日本研究から脱し、より多様な観点と立場からの日本研究を志向。 一、東アジアの安定と平和への寄与。   ◇国際学術大会の歩み 第1回は2016年韓国・仁川、第2回は2017年中国・天津、第3回は2018年日本・京都で開催。 第4回が本年11月に台湾・台北で開催される。   ——————————————————————————————— 第4回東アジア日本研究者協議会国際学術大会 in 台北 日 時: 2019年11月1日(金)~3日(日) 会 場: 福華国際文教会館、台湾大学 主 催: 第4回東アジア日本研究者協議会、台湾大学日本研究センター 概 要 :  全体プログラム その他: 協催、助成、後援についてはこちらご覧ください。   ——————————————————————————————— SGRA参加パネル#3 「日本における女性ムスリムの現状・留学中に直面する課題と彼女らの挑戦」 ——————————————————————————————— 分科会H3(一般パネル) 11月2日(土)14:15-15:45 於 台湾大学普通教学館304号室 ———————————————————————————————   パネル趣旨: 最新の推計結果(2013年)によると日本におけるムスリム人口は約18万5千人、日本人口の 0.1%を占めており、外国人人口の増加とともに今後も増える見込みである。そこで在日ムスリムの現状を把握することを目的に調査が実施され、信仰活動や仕事・交友関係などの生活状況が明らかにされたのだが、その対象は男性のみであった(店田 2006,2013)。他にもムスリム留学生へのインタビュー調査などが行われているが、どれも男性を対象にしているものが多く、日本に在留する女性ムスリムは依然としてヴェールに包まれているといっても過言ではない。しかしながら、ムスリム女性は、意図せずして、彼女らの宗教や文化の象徴的な存在として昨今の国際社会におけるディスコースの中心となっている。そこで本研究は、日本に留学するムスリム女性に着目し、彼女たちの「可視性が日常生活に及ぼす影響」と異文化しかも非ムスリム的環境における「ムスリム女性としてのアイデンティティ構築に結びつく内なる葛藤」を明らかにすることを試みた。 本パネルでは、5人の在日ムスリム女性へのインタビュー調査結果の報告を踏まえ、討論者らの女性ムスリム留学生としての実体験を交えながら、現在の日本社会が抱える異文化共生の問題を議論し、今後の多文化共生社会のあり方を模索する。 (参考文献:「在日ムスリム調査 関東大都市圏調査 第一次報告書」2006年、店田廣文「世界と日本のムスリム人口 2011年」2013年)   パネリスト: 司会者  張桂娥(東呉大学) 発表者1 沈雨香(早稲田大学) 発表者2 アキバリ・フーリエ(白百合女子大学) 討論者3 ショリナ ダリヤグル(明渓日本語学校) 討論者4 ミヤ・ドゥイ・ロスティカ(大東文化大学)   発表要旨: 【発表1】沈雨香(早稲田大学) 「在日ムスリム女性の困難ー彼女らの可視性から」   文化庁の2015年の報告書によると日本における包括宗教法人の数は390程で、信者数の総数は1億人を上回る 。しかしながら、我々は日常生活で個々人の宗教・信仰を意識することはあまりない。それは、ほとんどの場合、信仰は「目に見えない」からである。例えば教会でお祈りをしたり、神社で参拝する姿でも見ない限り日常生活の中で個々人がどの宗教を信仰しているかを知ることは難しい。ただし、ムスリム女性は例外である。 ヒジャブ(スカーフ)は女性が髪や顔を覆うもので、その素材や色、覆う方法などは様々であるが、ムスリム女性は宗教的慣習や文化に基づき日常的にヒジャブを着用している。つまり、ヒジャブはムスリム女性の宗教への信仰を「可視化」しているのである。その宗教的可視性の故、ムスリムの女性は他から存在的にそして認識的に区別されており、彼女らならではの生活世界を経験していると考えられる。しかも、非ムスリム文化圏であればより顕著であるだろう。 そこで本研究では、ムスリム女性が持つ可視性に着目し、日本に滞在するヒジャブを着用する女性と非着用の女性計5人を対象にした半構造化インタビューを通して、その可視性がもたらす影響を明らかにすることを試みた。その結果、ヒジャブ着用者と非着用者の間で交友関係や日常生活における経験に差があることはもちろん、属するコミュニティも異なっていることが明らかになった。また、ヒジャブが持つ宗教の可視性は彼女らの生活のあらゆる場面における経験を決定する一つの要因であるとともに、彼女らの意識や行動規範を示す一つの明確な指標として機能していることも示唆された。これらの知見を踏まえ、近年ムスリム人口が増加する日本における異文化共生や、今後の多文化共生社会のあり方を模索する。   【報告2】アキバリ・フーリエ(白百合女子大学) 「在日ムスリム女性留学生の内なる葛藤」   80年代以降、留学や就労働目的で来日するムスリムが増加している。「宗務時報No119」では、2010年末の滞日ムスリム人口は約11万人としている。着実に日本社会でも「ムスリム・コミュニティ」が根付きつつあると指摘できる。大学においても、中近東諸国からの政府派遣受け入れに伴い、ムスリム留学生の在籍数が増加している。一方で、21世紀のムスリム諸国においても、ムスリム女性の社会進出が目立つようになった。これまでのムスリム女性に対する、控えめで従順なステレオタイプのイメージとは一線を画して、キャリア重視の女性が増加している。その変化に伴い、日本においても女性ムスリム留学生が近頃見られるようになった。確かに日本は、アジアの国々と友好な関係であることと、安全な国であることから、女性ムスリムの留学先の優先国として適している。 そこで、在日ムスリムの宗教的価値観の違いによるストレスや、異文化葛藤の問題も考慮すべき課題となる。本発表では、在日ムスリム女性としてのアイデンティティの構築と日本社会の一員として、多文化社会においてどのような内なる葛藤があるのかに焦点を当てた。日本で留学経験がある5人のムスリム女性を対象に半構造化インタビューを通して、彼女らの内なる葛藤を観察した。葛藤の要因は、日本社会からのみではなく、同じ一神教のイスラム教徒であるムスリム・コミュニティの中からも発生していることが明らかとなった。それは、従来の女性像を基準に両者からの評価と判断の対象となっていることに起因している。社会が彼女らへ期待するムスリムとしての在り方の偏りがアイデンティティの揺らぎを含めた内なる葛藤へと結びついている。今後日本が多様性を包摂する多文化共生社会に移行するためには、ムスリムアイデンティティも含め、個々人の多様なアイデンティティを受け入れる姿勢が求められる。  
  • 第4回東アジア日本研究者協議会へのお誘い(SGRAパネル#2「ODAとアジア」)

    東アジア日本研究者協議会は、東アジアの日本研究関連の学術と人的交流を目的として 2016年に発足されました。SGRAはその理念に賛同し今年も3チームが参加いたします。 各チームの発表内容を順次ご案内しますので、 これを機会に皆様のご参加やご関心をお寄せいただければ幸いです。 詳細はこちらでご覧いただけます。   ——————————————————————————————— 【東アジア日本研究者協議会の趣旨と歩み】 北米を中心としたAAS(アジア学会)、欧州を中心としたEAJS(欧州日本学会)が存在するのに対し、東アジア地域における日本研究者の集う場として2016年に発足された協議会。「東アジアにおける日本研究関連の学術と人的国際交流」を目的に毎年、東アジア各都市で国際学術大会が開催されている。   ◇協議会趣旨 一、日本研究の質的な向上。 一、地域の境界に閉ざされた日本研究から脱し、より多様な観点と立場からの日本研究を志向。 一、東アジアの安定と平和への寄与。   ◇国際学術大会の歩み 第1回は2016年韓国・仁川、第2回は2017年中国・天津、第3回は2018年日本・京都で開催。 第4回が本年11月に台湾・台北で開催される。   ——————————————————————————————— 第4回東アジア日本研究者協議会国際学術大会 in 台北 日 時: 2019年11月1日(金)~3日(日) 会 場: 福華国際文教会館、台湾大学 主 催: 第4回東アジア日本研究者協議会、台湾大学日本研究センター 概 要 :  全体プログラム その他: 協催、助成、後援についてはこちらご覧ください。   ——————————————————————————————— SGRA参加パネル 「ODAとアジア:再評価の試み」 ——————————————————————————————— 分科会N3(一般パネル)11月2日(土)14:15-15:45 於 台湾大学 普通教学館404号室 ———————————————————————————————   パネル趣旨: 1950~60年代に始まった日本のODAは、1989年には米国を抜きODA拠出額では世界第1位となった。しかし、その過程で様々な批判または評価の高まりを受け、日本政府は予算の縮小を決断した。2015年、ODA大綱は「開発協力大綱」と名称を変更し、より一層強く「国益」の確保への姿勢を打ち出した。一方、政治的な要因で対台湾のODAは中止、経済的な要因で対韓国のODAは終了、急速に経済発展を遂げた中国へのODAも2018年度をもって終了した。複雑な問題が世界的に様々な影響を拡大させているなかで、「ODAを主体とする開発協力は日本の重要な政策ツールのひとつ」と位置づけられているが、これに関して総合的にレビューする必要もある。今まで日本の政策決定のプロセスや戦略意図についての論考が多かったが、本パネルは日本の対アジア主要国ODAのレビューに重点を置きたい。   パネリスト: 討論者兼総括 黄 自進(中央研究院近代史研究所研究員) 報告者 1  深川 由起子(早稲田大学) 報告者 2  金 雄煕(仁荷大学) 報告者 3  李 恩民(桜美林大学) 報告者 4兼討論 フェルディナンド・シー・マキト(フィリピン大学)   発表要旨: 【報告1】 深川 由起子(早稲田大学) 「日本の開発援助政策改革~韓国との比較から」   日本の政府開発援助(ODA)をめぐっては1990年代にその規模がピークに達すると、欧米から自国利益を拡大するための「商業主義」であるという批判を受けた。しかしながらその後、多くの研究によって誤解が解かれると共に、結果としてアジア各国が優れた経済発展を遂げることで、むしろ「商業的」なODAが民間企業の誘致や技術の波及に役立ったとする肯定的な評価が台頭した。アジアではODAには自国の発展経験の移転といった側面が強い。中国の「一帯一路」がさらに商業性を強めた「経済協力」として展開されるようになって以来、日本のODAもより経済権益に直結するインフラ輸出など「経済協力」として再編されつつある。これに対し、韓国はセマウル運動の移植や人材育成などより古典的なODAを展開している。北東アジアでは政治的障壁からドナー間の協力や対話が進んでいないが、潜在的には様々な補完性もあり、アフリカ支援協力などで具体的な協力を模索する時期に来ている。   【報告2】 金 雄煕(仁荷大学) 「日本の対韓国ODAの諸問題」   日本の対韓経済協力に対する研究は、その重要性にもかかわらず、いくつかの理由から客観的な分析が困難な状況である。1965年の日韓国交正常化を皮切りに実施された多くの協力案件は半世紀以上の歳月が経過してしまい、韓国経済において日本による資金協力や技術協力の痕跡を見出すことが容易ではない。また、請求権資金がもつ特殊性、すなわち、戦後処理的・賠償的性格と経済協力としての性格を併せ持つことから生じる複雑性がある。さらに最悪の日韓関係のなかで、日本が韓国に対し資金協力や技術協力を行ったことを公に議論することはかなりセンシティブでリスキーなことになっていることが上げられる。韓国で請求権資金の性格や役割に対する評価は、一般的に日韓国交正常化に対する評価と密接につながっている。安保論理と経済論理が日韓の過去の歴史清算を圧倒する形で日韓国交正常化が進められ、肯定的な評価と否定的な評価が大きく分かれてしまった。請求権資金についても同じく評価が分かれているが、構造的な韓国の対日貿易不均衡などいくつかの問題はおこしたものの、請求権資金が韓国経済の初期発展過程で重要な役割を果たしたことは否定できないというのが一般論であるように思われる。本報告では、請求権資金を中心に日本の対韓経済協力についての相異なる評価や様々な論点を紹介する。日本の外務省が「日本の援助による繁栄」の象徴的事業としているソウル首都圏地下鉄事業と浦項製鉄所(現在のPOSCO)の建設事業についての異なる評価も取り上げつつ、より客観的に日本の対韓経済協力へのレビューを試みることにする。   【報告3】 李恩民(桜美林大学) 「日本の対中ODAの30年」   1979年、鄧小平が推進した改革開放政策は、経済発展を最優先にする新時代の幕明けであった。まさにこの年に、中国政府は日本の財界人の助言を受け、これまでの対外金融政策を改め、日本からODA(Official development Aid)を受け入れ、主要インフレと文化施設の建設に集中した。以来40年間、政府から民間まで日本側は円借款、無償資金提供、技術協力などを通して中国の経済発展・人材育成・格差の是正、環境保全等分野に大きく貢献してきた。中国側は日本のODAをどう活用し、どのような成果をもたらしたのか、一般の民衆はこれに対してどう認識・評価しているのか、本報告はフィールドワークお成果をもとにその詳細について考察してみたい。   【報告4】 フェルディナンド・シー・マキト(フィリピン大学) 「日本の共有型成長とそのODA:再考察」   日本のODAを次の観点から簡単に見直す。1)西洋のODAと比較し、その違いを強調しながら共有型成長に貢献しているかどうか、検討する。2)中国のODAと比較し、その類似性を強調しながら、ODA理念を検討する。    
  • 第4回東アジア日本研究者協議会へのお誘い(SGRAパネル#1「明治期の小説と口絵・挿絵」)

    東アジア日本研究者協議会は、東アジアの日本研究関連の学術と人的交流を目的として2016年に発足されました。SGRAはその理念に賛同し今年も3チームが参加いたします。 各チームの発表内容を順次ご案内しますので、これを機会に皆様のご参加やご関心をお寄せいただければ幸いです。 詳細はこちらでご覧いただけます。   ——————————————————————————————— 【東アジア日本研究者協議会の趣旨と歩み】 北米を中心としたAAS(アジア学会)、欧州を中心としたEAJS(欧州日本学会)が存在するのに対し、東アジア地域における日本研究者の集う場として2016年に発足された協議会。「東アジアにおける日本研究関連の学術と人的国際交流」を目的に毎年、東アジア各都市で国際学術大会が開催されている。   ◇協議会趣旨 一、日本研究の質的な向上。 一、地域の境界に閉ざされた日本研究から脱し、より多様な観点と立場からの日本研究を志向。 一、東アジアの安定と平和への寄与。   ◇国際学術大会の歩み 第1回は2016年韓国・仁川、第2回は2017年中国・天津、第3回は2018年日本・京都で開催。 第4回が本年11月に台湾・台北で開催される。   ——————————————————————————————— 第4回東アジア日本研究者協議会国際学術大会 in 台北 日 時: 2019年11月1日(金)~3日(日) 会 場: 福華国際文教会館、台湾大学 主 催: 第4回東アジア日本研究者協議会、台湾大学日本研究センター 概 要 :  全体プログラム その他: 協催、助成、後援についてはこちらご覧ください。   ——————————————————————————————— SGRA参加パネル 「明治期の小説と口絵・挿絵―絵の役割―」 ——————————————————————————————— 分科会C(一般パネル) 11月2日(土)10:20-11:50 於 台湾大学 普通教学館406号室 ———————————————————————————————   パネル趣旨: 江戸時代から明治時代になって、新しい印刷技術、また雑誌や新聞などの新たなメディアが出現した。それによって、江戸時代の作品がさまざまな形態で次から次へ再出版された。小説の再刊に際しては、本文の内容は変わらないままで、口絵や挿絵が新たに描き直されるということがよくあった。そのため、挿絵から作品の成立背景、ひいては作品の本質を窺い知ることができる。ところが、文学研究では、挿絵は小説の付属品だと思われがちであり、本文と挿絵との関係についての研究は少ない。本パネルでは、口絵・挿絵と小説との相互関係について議論する予定である。本パネルの発表を通して、小説と挿絵に関する研究が重視され、前進することを期待する。   パネリスト: 司 会 者 張 桂娥 (東呉大学) 発表者 1 出口 智之(東京大学) 発表者 2 梁 蘊嫻 (元智大学) 討論者 1 延広 真治(東京大学) 討論者 2 藍 弘岳 (交通大学)   発表要旨: 【発表1】 出口 智之(東京大学) 「明治期絵入り新聞小説と単行本の挿絵戦略        ―尾崎紅葉「多情多恨」に即して―」   あまり知られていないことだが、明治中期以降の近代文学の時代に入ってもなお、小説作者たちは江戸期の戯作と同様、口絵や挿絵の下絵を描いて画工に指示することが求められていた。そうした彼らにとっての自作とは、本文だけでなく口絵や挿絵もその範疇に入っていたはずであり、時として本文で記述しない過去の重要な出来事や物語の結末を絵で示すなど、積極的に活用することもあった。本発表ではこうした観点から、尾崎紅葉「多情多恨」について、初出時(『読売新聞』明治29年)と単行本(春陽堂、明治30年)に用いられた挿絵の違いを検討してみたい。特に、『読売』連載時の挿絵が他紙には見られない独特の様式であること、単行本の挿絵制作に際して画工に与えた指示画二葉が残っていることなどを手がかりとし、媒体にあわせて変化する紅葉の戦略を考察する予定である。       【発表2】 梁 蘊嫻 (元智大学) 「明治時代に出版された『絵本通俗三国志』         ―青柳国松版を中心に―」   『絵本通俗三国志』(池田東籬作・二世葛飾北斎画)天保7(1836)年から天保12年に出版された絵本読本である。本作は挿絵が400図も超え、江戸時代の「三国志物」の中で数量が最も多い作品である。明治時代になると、『絵本通俗三国志』は30種以上のバージョンが刊行された。数多くの出版物の中で、二世北斎の絵を模写したものもあれば、斬新な挿絵を読者に提供しようとするものもある。明治20年に青柳国松によって出版された『絵本通俗三国志』は後者である。本書は、明治15年に、清水市次郎出版したものを継承したものと思われるが、清水市次郎版と大きい違いが見られる。青柳国松は清水市次郎版の前半、すなわち小林年参の挿絵をすべて削除し、水野年方による挿絵を取り替えたのである。このことから、古典としての『絵本通俗三国志』を区別し、独自性を出そうとする出版社の意図が窺われる。本発表では、青柳国松版『絵本通俗三国志』の独自性を分析する。
  • 第13回SGRAチャイナ・フォーラム「国際日本学としてのアニメ研究」へのお誘い

    下記の通りSGRAチャイナ・フォーラムを北京で開催いたします。参加ご希望の方は、直接会場へお越しください。   テーマ:「国際日本学としてのアニメ研究:メディアミックスとキャラクター共有の歴史的展開」 日 時: 2019年10月19日(土)午後2時~5時 会 場: 北京外国語大学北京日本学研究センター多目的室 ※お問い合わせ:SGRA事務局(sgra-office@aisf.or.jp, 03-3943-7612)   主 催: 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) 共 催: 北京外国語大学日本語学院、清華東亜文化講座 後 援: 国際交流基金北京日本文化センター     第13回SGRAチャイナフォーラムちらし   ■フォーラムの趣旨 企業が主導して、複数の作家が同一のキャラクターや世界観(背景世界)を共有して創作物を同時多発的に生み出し、さらにそこにファンが二次創作やコスプレの形で創造的に参加する「メディアミックス」は、日本のアニメーションを中心とするコンテンツ産業の特徴的手法とされ、Marc Steinberg 『Anime's media mix: Franchising toys and characters in Japan』(2012)以降、アニメの学術研究の新しい領域として注目を集めている。本フォーラムではSteinbergの議論では不十分であったメディアミックスの東アジアでの歴史的な起源について中・日双方から検証したい。   ■プログラム   総合司会:孫建軍(北京大学准教授) 開会挨拶:董炳月(清華東亜文化講座、社会科学院文学研究所教授) 徐 滔(北京外国語大学日語学院院長)   【講演1】大塚英志(国際日本文化研究センター教授) 「『翼賛一家』とメディアミックスの日本ファシズム起源」   【講演2】秦 剛(北京日本学研究センター教授) 「日本アニメにおける『西遊記』のアダプテーション:変異するキャラクター」   【総合討論】「メディアミックスとキャラクター共有の歴史的展開」 モデレータ: 顔淑蘭(社会科学院文学研究所研究員) 討論者:古市雅子(北京大学マンガ図書館館長准教授) 陳 龑(東京大学総合文化研究科博士課程)   閉会挨拶:今西淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会代表)   ※プログラムの詳細は、下記URLをご参照ください。 日本語  中国語   ■講演要旨   【講演1】大塚英志(国際日本文化研究センター教授) 「『翼賛一家』とメディアミックスの日本ファシズム起源」   戦後のアニメーションビジネスなどの新しいメディア戦略と無批判に信じられていた、統一的な「版権」の管理のもとで世界観とキャラクターを共有し、多メディアで複数の作り手により同時多発的にコンテンツを展開する「メディアミックス」が、実は戦時下の日本に於いて大政翼賛会によって設計されたことを歴史的に検証する。この大政翼賛会のメディアミックス「翼賛一家」に、長谷川町子や手塚治虫ら戦後の日本アニメに原作を提供する代表的作者が無名時代に参加したことの背景と意味、また、「朝日新聞」を中心に「翼賛一家」の読者投稿が推進され、戦後の日本の同人誌文化の特色と言える「二次創作」という参加型文化が日本ファシズム期に形成されたことも資料に基づき考察する。 さらに、この大政翼賛会のメディアミックスが旧満州、上海、台湾などでも展開された「大東亜共栄圏」構築のプロパガンダのツールであったことも資料から概観し、東アジアまんがアニメーション研究に戦時下歴史研究が不可避であることを示す。 略歴 まんが原作者。国際日本文化研究センター教授。創作と研究の双方を行う。角川書店の黎明期のメディアミックスに深く関わる。   【講演2】秦 剛(北京日本学研究センター教授) 「日本アニメにおける『西遊記』のアダプテーション:変異するキャラクター」   中国アニメ最大のIP(知的財産)と見なされる孫悟空は、日本のアニメにおいても長らく共有されてきたキャラクターのひとつである。“西遊記もの”アニメの創作において、中国と日本は相互に刺激し合いながらもまったく異なる道を歩んできた。それによってまず考えつくのは、なぜ東アジア地域において『西遊記』アニメによるアダプテーションが作られ続けてきたのか、天竺への旅を描いた長大な物語とアニメーションというジャンルとの本質的な結びつきは何だったのか、といった問題だ。本講座では手塚治虫が制作に関わった作品を中心に、日本の“西遊記もの”アニメの創作の流れを要約的に振りかえってみたい。それはサブカルチャーに現れる「日本的想像力」の特質とその背後にある社会的、歴史的文脈を理解するための恰好な手がかりになるであろうが、そこで忘れてならないのは、アニメと漫画やテレビドラマなど隣接するメディアとの密接な関連性である。たとえば、日本ではテレビドラマの三蔵法師役を人気女優が演じるのが通例だが、これは『西遊記』をめぐる日本のサブカルチャーの特殊な現象であり、理解しがたい謎である。このような現象を生み出した文化的要因はテレビドラマでではなく、むしろアニメの中で育まれてきたものだと筆者は見ている。 略歴 北京外国語大学日本学研究センター教授、東京大学大学院人文社会系研究科日本文学専攻博士。専門は日本近代文学。  
  • 第8回SGRAふくしまスタディツアーへのお誘い

    ~行って、見て、感じて、考える~   関口グローバル研究会(SGRA)では2012年から毎年、福島第一原発事故の被災地である福島県飯舘(いいたて)村でのスタディツアーを行ってきました。そして、スタディツアーでの体験や考察をもとにしてAFCワークショップ、SGRAフォーラム、SGRAカフェなど、さまざまな催しを展開してきました。 2017年に7年間の避難生活が解除され、住民も徐々に「ふるさと」に帰り始めていますが、昔のままの生活を取り戻すことはできません。飯舘村の住民たちは、新しいふるさと作りに向けて進み始めています。今回のツアーでは、新しいふるさとつくりのシンボルとしての「佐須の地域再生可能エネルギー事業」と北川フラム氏を中心に計画されている「飯舘村アートプロジェクト」に焦点を当てて、新しいふるさとつくりのヴィジョンと計画を共に考えます。   《「ふるさと」の再生》 日 程: 2019年9月21日(土)、22日(日)、23日(祝) 人 数: 10~15人程度 宿 泊: ふくしま再生の会体験宿泊施設 「風と土の家」 参加費: 一般参加者は新幹線往復料金+12000円 _______渥美奨学生・元奨学生(ラクーンメンバー)は参加費無料 申込み締切:9月10日(火) 申込み・問合せ:渥美財団 SGRA事務局 角田 E-mail: tsunodaaisf@gmail.com  Tel: 03-3943-7612   ちらし(PDF)  
  • 第12回SGRAカフェ「『混血』と『日本人』ハーフ・ダブル・ミックスの社会史」へのお誘い

    SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺い、議論をする<場>として、SGRAカフェを開催しています。下記の通り第12回SGRAカフェを開催しますので、参加ご希望の方はSGRA事務局へお名前、ご所属と連絡先をご連絡ください。   ◆「混血」と「日本人」ハーフ・ダブル・ミックスの社会史   日時:2019年7月27日(土)14時~16時 会場:渥美財団ホール 会費:無料 参加申込・問合せ:SGRA事務局 <sgra-office@aisf.or.jp>   ちらし(PDF版)   『「混血」と「日本人」——ハーフ・ダブル・ミックスの社会史』の著者、下地 ローレンス吉孝さんを招き、いわゆる「ハーフ」と呼ばれてきた人々に注目し、「日本人」という実は曖昧な言葉の境界について参加者とともに考えます。 「日本人」の境界線はどのように引かれているのか。その境界に生きる人々は、いかに生きているのか。時に侮蔑的な言葉を浴びせられ、時に差別され、あるいは羨望のまなざしで見つめられながら、「日本人」と「外国人」のはざまを生きてきた人びと。そんな彼らの戦後から現代までの生活史をたどることで、もうひとつの「日本」の輪郭線を浮かび上がらせます。   講師略歴:   発表者:下地ローレンス吉孝 1987年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門は社会学・国際社会学。現在、上智大学、国士舘大学、開智国際大学などで非常勤講師として勤務。著書に『「混血」と「日本人」:ハーフ・ダブル・ミックスの社会史』(青土社、2018年)がある。   コメンテーター:ソンヤ、デール 社会学者。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士を経て上智大学グローバル・スタディーズ研究科にて博士号取得。これまで一橋大学専任講師、上智大学・東海大学等非常勤講師を担当。ジェンダー・セクシュアリティ、クィア理論、社会的なマイノリティおよび社会的な排除のプロセスなどについて研究。2012年度渥美財団奨学生。   ファシリテーター:ファスベンダー、イザベル 東京外国語大学博士後期課程在籍中(2020年3月修了見込)。専門はジェンダー社会学。立命館大学にてドイツ語講師、同志社大学にて非常勤講師(Japanese Society and Culture, Ethnicity in Japan)を担当。現在の研究テーマは生殖をめぐるポリティクス、妊活言説。2017年度渥美財団奨学生。     2019年6月27日配信
  • 第9回日台アジア未来フォーラム「帝国日本の知識とその植民地」へのお誘い

    下記の通り第9回日台アジア未来フォーラムを台北市で開催します。参加ご希望の方は、下記よりご登録ください。   テーマ:「帝国日本の知識とその植民地:台湾と朝鮮」   日時:2019年5月31日(金)8:50~17:10   会場:国立台湾大学凝態センター国際会議ホール   参加申し込み:会議ホームページより直接登録してください。   詳細は会議ホームページをご覧ください。     〇フォーラムの趣旨   台湾と朝鮮はともに漢文圏に属し、日本帝国の植民地を経験した。こうした過去の歴史は現在の台湾と朝鮮半島の政治と文学に重要な影響を与えている。周知のように、近代日本は漢文など東アジア諸国共有の伝統知識を踏まえながら、西洋文明を吸収して、日清・日露戦争を経て、台湾と朝鮮などの植民地を保有する帝国主義国家を築いた。帝国日本はどのように近代西洋の知識を吸収したのか。帝国日本の政治と知識の欲望において、台湾と朝鮮はいかに認識されていたのか。帝国日本における知識の在り方はどのように植民地における知識の形成と連結していたのか。そして、日本帝国と諸植民地の間にはどのような人間的な交流があったのか。本フォーラムでは、こうした問題意識に基づき、グローバルな視野で、台湾と朝鮮をめぐって、思想史と文学史の視点から、近代日本帝国における知識の在り方と台湾、朝鮮との関連、また日本帝国の諸植民地における人間の移動と交流を探究する。 次のようなテーマを検討する。(1)帝国日本の知識と台湾A:思想史。(2)帝国日本の知識と台湾B:歴史と文学。(3)帝国日本の知識と朝鮮。   〇プログラム   【基調講演】   山室信一(京都大学名誉教授) 「日本の帝国形成における学知と心性」   【第1セッション】   藍弘岳(国立交通大学教授) 「明治日本の自由主義と台湾統治論:福沢諭吉から竹越与三郎まで」   河野有理(首都大学東京教授) 「田口卯吉と植民地」   陳偉智(国立台湾大学博士課程) 「観察、風俗の測量と比較の政治:坪井正五郎、田代安定と伊能嘉矩の風俗測量学」   【第2セッション】   塩出浩之(京都大学准教授) 「近代初期の東アジアにおける新聞ネットワークと国際紛争」   田世民(国立台湾大学准教授) 「近代日本における葬式儀礼の変化と植民地台湾との交渉」   柳書琴(国立清華大学教授) 「祖国に留学する:左翼文化廊下における台湾の文学青年(1920-1937)」   【第3セッション】 月脚達彦(東京大学教授) 「朝鮮の民族主義の形成と日本」   趙寛子(ソウル大学准教授) 「東アジア体制変革において日清・日露戦争をどう見るか:「思想課題」としての歴史認識」   許怡齡(文化大学准教授) 「近代知識人朴殷植の儒教改革論と日本陽明学」   【総括】 林立萍(台湾大学日本研究センター主任) 山室信一(京都大学名誉教授)   〇日台アジア未来フォーラムとは   日台アジア未来フォーラムは、台湾在住のSGRAメンバーが中心となって企画し、2011年より毎年1回台湾の大学と共同で実施している。過去のフォーラムは下記の通り。   第1回「国際日本学研究の最前線に向けて:流行・ことば・物語の力」 2011年5月27日 於:国立台湾大学文学部講堂 第2回「東アジア企業法制の現状とグローバル化の影響」 2012年5月19日 於:国立台湾大学法律学院霖澤館 第3回「近代日本政治思想の展開と東アジアのナショナリズム」 2013年5月31日 於:国立台湾大学法律学院霖澤館 第4回「東アジアにおけるトランスナショナルな文化の伝播・交流―文学・思想・言語」 2014年6月13日~14日 於:国立台湾大学文学部講堂および元智大学 第5回「日本研究から見た日台交流120 年」 2015年5月8日 於:国立台湾大学文学部講堂 第6回「東アジアにおける知の交流―越境、記憶、共生―」 2016年5月21日 於:文藻外語大学至善楼 第7回「台・日・韓における重要法制度の比較─憲法と民法を中心として」 2017年5月20日 於:国立台北大学台北キャンパス 第8回「グローバルなマンガ・アニメ研究のダイナミズムと新たな可能性 ―コミュニケーションツール として共有・共感する映像文化論から 学際的なメディアコンテンツ学の構築に向けてー」 2018年5月26日~27日 於:東呉大学外双渓キャンパス 第9回「帝国日本の知識とその植民地―台湾と朝鮮」 2019年5月31日 於:国立台湾大学凝態センター国際会議ホール
  • 第4回「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議における発表論文の募集

    「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議では下記の要項にしたがって論文を募集します。   第4回「国史たちの対話の可能性」円卓会議は、2020年1月8日~12日に、フィリピンのマニラ市近郊で開催する第5回アジア未来会議に重ねて開催することになりました。テーマは「『東アジア』の誕生-19世紀における国際秩序の転換ー」です。 本会議では、下記の要項に従って発表論文を募集しています。対象は、博士号を取得した各国の「国史」研究者(日本人の日本史研究者、中国人の中国史研究者、韓国人の韓国史研究者)で、興味のある方には、発表要旨を2019年1月20日までに渥美財団事務局へ直接メールで送ってください。 応募いただいた発表要旨は実行委員会が審査し、「国史たちの対話」円卓会議で発表する9篇の論文のうち約半数と、アジア未来会議の分科会で発表する論文を、最大で日本語、中国語、韓国語、各3篇ずつ計9篇を選ぶ予定です。選出された発表要旨の執筆者は、期日までに論文を投稿し、フィリピンの会議に参加して発表していただきます。会議参加のための登録費、滞在費、交通費を渥美財団より全額補助します。   ■投稿方法 下記リンクより募集要項の「趣旨とテーマ」をお読みいただき、このテーマで発表・討論したい方は、およそ2000字で発表要旨をお寄せください。その中から国境を越えた対話にふさわしいものを選びます。ただし、論文の執筆にあたっては、外国の類似分野の研究者、あるいは自国の他分野の専門家に分るようにご配慮ください。同種の問題が隣国にも存在し、それゆえに対話が可能となること、同時に国家間の異同や解釈の相違が浮彫りとされること。それを通じて、参加者の間に知を共有する新たな場が生れ、将来の知的協業が生れることを期待しています。   募集要項(日本語) 募集要項(中国語) 募集要項(韓国語)   募集要項に従って下記の情報をメールにてお送りください。 ・氏名(漢字、ひらがな/ハングル、ローマ字)・所属・連絡先(Eメール) ・2000字の発表要旨 ・600字程度の略歴・主要論文リスト ・推薦者氏名・所属・連絡先(Eメール) 送付先・問合せ:kokushi@aisf.or.jp 締切:2019年1月20日(※締切変更しました)   この募集要項を関係者に転送し周知していただきますようお願い申し上げます。   2018年12月20日配信
  • 第62回SGRAフォーラム / APYLP x SGRAジョイント・セッションへのお誘い

    SGRAは本年から国際文化会館の主宰するアジア・パシフィック・ヤング・リーダーズ・プログラム(APYLP)に参画していますが、下記の通り、第62回SGRAフォーラム/ APYLP   x SGRAジョイント・セッションを国際文化会館と共催いたしますので、奮ってご参加ください。   今回のフォーラムでは「再生可能エネルギー社会実現の可能性」を、国際政治・経済、環境・科学技術(イノベーション)、そして「エネルギーとコミュニティー」の視点から総合的に考察します。元渥美奨学生に加え、ドイツやオーストラリア、福島県飯舘村からスピーカーが集まり、脱炭素化社会のこれからについて考察します。ドイツの脱原発政策を牽引してきた緑の党の連邦議員を務め、現在エナジー・ウォッチ・グループ代表のハンス=ヨゼフ・フェル氏や、震災で多大な原発被害を受けた飯舘村でエネルギー問題に取り組む若手リーダーの声を直接聞くまたとない機会です。講演の後には、気軽に意見・情報交換ができるワークショップ(各先着20名)も予定しております。締め切りは1月25日(金)ですが満席になり次第締め切ります(先着順)ので、お早目にお申込みください。   【第62回SGRAフォーラム/APYLPxSGRAジョイント・セッション】   ◆「再生可能エネルギーが世界を変えるとき・・・?―不都合な真実を越えて」   日時:2019年2月2日(土)10:30 am ~5:30 pm(開場:10:00 am) 会場:国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール 言語:日本語/英語(講演は同時通訳つき) 参加費:無料(要予約:定員120名、各ワークショップは先着20名) ※ご希望の方は昼食(500円)を申込時に予約していただけます。 ※国際文化会館案内ページ 一般申し込み ラクーン会員(渥美奨学生)申し込み   ◇プログラム(日本語)、プログラム(英語)   ◇チラシ     基調講演: ルウェリン・ヒューズ(オーストラリア国立大学 准教授) ハンス=ヨゼフ・フェル (エナジー・ウォッチ・グループ 代表)   登壇者: 朴 准儀(ジョージ・メイソン大学(韓国) 兼任教授) 高 偉俊(北九州市立大学 教授) 葉 文昌(島根大学 准教授) 佐藤 健太 (飯舘村議会議員) 近藤 恵 (飯舘電力株式会社 専務取締役)   司会:ソンヤ・デール(一橋大学 専任講師) ワークショップ・ファシリテーター: ロヴェ・シンドストラン(シカゴ大学博士課程、上智大学客員研究員)   ◇フォーラムの趣旨   今回のフォーラムでは「再生可能エネルギー社会実現の可能性」を、国際政治・経済、環境・科学技術(イノベーション)、そして「エネルギーとコミュニティー」の視点から総合的に考察する。   〇流れは変わった?!   19世紀以降の化石燃料によるエネルギー市場が大きく変わろうとしている。 UAEでは砂漠に300万枚の世界最大の太陽光発電基地を計画を設置し、原発1基分の発電を行う計画が進行している。その発電コストは日本の火力発電コストの1/5と言われる。 中国は2017年共産党大会で「エコ文明」のリーダー(環境大国)宣言し、CO2社会からの脱却を表明し、巨大な太陽光発電施設を各地に建設している。 また、トランプ政権はパリ協定を批判し脱退したにもかかわらず、アメリカではカリフォルニアを始めとする各州・都市、大企業等2500がパリ協定支持を表明し、国際金融市場でも環境ビジネスへの投資が急増している。   〇パリ協定締結以降、再生可能エネルギー社会への牽引役として「ビジネス」が躍り出た   こうした国際的な経済、社会のエネルギーをとりまく潮流の変化は「パリ協定以降、脱炭素社会(再生可能エネルギー社会)に向ける流れの牽引役が、気候変動に影響される国、環境NGOから国際ビジネスセクターに移行した」と言われるようになった。その背景には、気候変動による地球規模の災害への危機感だけでなく技術革新とコストダウンにより再生可能エネルギーへの投資が“Payする”ことが実証されつつある、という現実がある。   〇再生可能エネルギー社会実現に向けた模索、可能性そして課題   一方で「ほんとなのか?」という疑問も拭うことはできない。 地球温暖化の影響で顕在化する気候変動、資源の枯渇などを考えれば再生可能エネルギー社会(脱炭素エネルギー社会)への転換は、地球社会が避けて通ることができない喫緊の課題である。しかしながら、グローバルな大資本が参入し、化石燃料エネルギーから自然エネルギーに転換したとしても、地球環境問題は改善されるであろうが、大量消費文明を支える大規模エネルギーの電源が変るだけで、大量生産大量消費の文明の本質は変わらないのではないだろうか。   〇福島県飯舘村の「再生と自立」に向けた試み   こうした中で、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の教訓から、コミュニティー発電(Community Power)による、エネルギーの地産地消の試みを、地域の自立と新しいコミュニティーの創造に繋げようとする流れも生まれている。日本のコミュニティー発電は、ヨーロッパ各国に較べて大きく立ち遅れ、さまざまな規制や障害が多いが、それを乗り越えてコミュニティー発電をコミュニティーの自立と尊厳の回復のシンボルにしたいという福島県飯舘村の活動にも注目したい。  
  • 第12回SGRAチャイナ・フォーラム「日中映画交流の可能性」へのお誘い

    下記の通りSGRAチャイナ・フォーラムを北京で開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。   ※お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局(sgra-office@aisf.or.jp, 03-3943-7612)   テーマ:「日中映画交流の可能性」 日時: 2018年11月24日(土)午後2時~5時 会場: 人民大学逸夫会堂第二報告庁 北京市海淀区中関村大街59号中国人民大学校内(明志路)   主 催: 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) 共 催: 中国人民大学文学院、清華東亜文化講座 助 成: 国際交流基金北京日本文化センター   ポスター(PDF)   ■フォーラムの趣旨   日中友好の基礎は民間交流に在り、お互いをより幅広く、正しく知るためには、相手の「心象風景」を知ることが、民間交流の基礎を固める上で重要である。映画は、その大事な手段であり、この40年にわたり、大きな役割を果たしてきた。 1977年と78年に、日本と中国でそれぞれ最初の映画祭が開かれた。中国では日本映画ブームが起こり、日本でも中国への関心から多くの観客が訪れた。このときの高倉健の影響力は衰えることなく、2014年の同氏の逝去に際し外交部スポークスマンが追悼の発言を行ったことは知られている。 日本映画の上映は、その後の「Love Letter」や「おくりびと」、「君の名は。」にいたるまで、中国に日本人の細やかな感情を伝え、等身大の日本人に親しみを感じさせてきた。そして、日本にロケした中国映画は、北海道ブームをもたらすなど、現在の日本旅行ブームの原動力にもなっている。また、中国映画の上映は、「芙蓉鎮」や「さらばわが愛、覇王別姫」が波乱の現代史に生きる中国人の姿を伝え、「ヒーロー」や「レッドクリフ」が歴史スペクタクルの楽しさを教えてくれた。 日中の国同士の関係に摩擦が生じたときも、映画交流はさらに発展を続け、映画祭の開催や劇場公開、合作映画の制作やインディペンデント映画の紹介、さらには回顧展の開催など、多様化が見られ、お互いに影響を与え合ってきた。近年はSNSによる発信など、中国の若者の日本への関心が増加しているが、日本でも賈樟珂や婁燁の作品が上映され、今年は「空海――美しき王妃の謎」がヒットし、「中国電影2018」で最新作が紹介されるなど、新たな動きが起こっている。4月の合作映画の撮影に関する日中政府間協議の締結も、重要な一歩である。 いまや中国は世界第1位のスクリーン数と第二の映画製作本数を誇る映画の一大市場であり、日本も世界第4位の映画製作本数を維持している。世界の映画産業のひとつの中心は、まさに東アジアにあると言ってもよいだろう。本フォーラムでは、この映画大国である日本と中国の40年にわたる映画交流を、日本と中国の側からそれぞれ総括を行い、意見交換を行い、今後の展望を検討することを目的としている。 刈間文俊氏は、1977年の中国映画祭から字幕翻訳に携わり、これまで100本に近い中国映画の字幕を翻訳し、中国映画回顧展のプロデュースを行うなど、日本での中国映画の紹介に携わってきた。王衆一氏は、日本映画に精通し、「人民中国」編集長として多くの日本の映画人と交友を持ち、「日本映画の110年」を翻訳し北京で出版している。日中の映画交流の歩みを現場で知る二人の発表をもとに、日中双方の識者による討論を行う。   ■プログラム   総合司会:孫 郁(中国人民大学文学院) 【講演1】刈間文俊(東京大学名誉教授) 【講演2】王衆一(人民中国編集長) 【総合討論】 討論者:李道新(北京大学)、秦 嵐(中国社会科学院)、周 閲(北京語言大学) 陳 言(北京市社会科学院)、林少陽(東京大学) 司会者:顔淑蘭(中国社会科学院) 〇同時通訳(日本語⇔中国語):文 俊(北京語言大学)、宋 剛(北京外国語大学)   ※プログラムの詳細は、下記URLをご参照ください。 日本語  中国語   ■発表内容   【講演1】 ◆刈間文俊「中国映画は日本になにをもたらしたか――その過去・現在・未来」 [要旨] 1977年に始まる中国映画祭は、日本に中国映画を紹介する大きな役割を果たした。1986年の「黄色い大地」のロードショー公開は、ニューウェーブの衝撃をもたらし、1985年の中国映画回顧展は、中国映画史の豊かさを教えるものとなった。1990年代に入ると、中国映画は国際映画祭での受賞が相次ぎ、インディペンデントの映画製作も始まるなど、多様化が見られた。日本における中国映画は、中国を知るための窓から、陳凱歌や張藝謀、賈樟珂、婁燁という監督の名前で語られる芸術となり、さらに歴史スペクタクルを描くエンターティメントとなったが、いま中国で大ヒットしている「私は薬神ではない」は、新たな社会派エンターティメントの可能性を示すもので、日本でも驚きをもって受け入れられるだろう。 [略歴] 東京大学名誉教授、武蔵野大学講師、南京大学客員教授。NPO法人日中伝統芸術交流促進会副理事長。1952年生まれ。東京都出身。麻布高校卒、1977年東大文学部中国文学科卒、83年同大学院博士課程中退。駒澤大学講師、87年東大教養学部講師、助教授を経て96年教授。専門は中国現代文学、中国映画史。共著書に「上海キネマポート―甦る中国映画」(凱風社)1985年、「チャイナアート」(NTT出版)1999年、訳書に陳凱歌「私の紅衛兵時代-ある映画監督の青春」 (講談社) 1990年。これまで中国映画の字幕を百本近く翻訳してきた。『空海―美しき王妃の謎』も日本語版の監修・翻訳を担当。   【講演2】 ◆王衆一「今に問われる日本映画が中国に与えた影響――融合・参考・合作」 [要旨] 西洋から来た映画は日本経由で中国に伝わったのである。戦後日本映画はいくつかの段階で、それぞれ特色のある形で中国に入りましたが、決定的に中国で日本映画の存在を示したのは40年前『中日友好条約』が調印された時点からです。高倉健、栗原小巻、中野良子、倍賞千恵子などは幾世代の中国人の記憶に残っていて、国民間の好感度向上に一役を買っています。以来、日本映画は中国映画に与える影響はハリウッドとヨーロッパ、ロシア映画と違う形で今日まで続いています。中日友好や共同市場をめざす合作映画も中日映画交流の特徴のひとつです。昨年中国でヒットした『君の名は。』やこの夏中国で話題を呼ぶ『万引き家族』は、日本映画の新たなブームが始まったことを宣言すると同時に、同時代の日本人の「心象風景」は、映画を通して中国の若い世代に理解されることにつながるでしょう。政府間の映画合作協定の締結は、将来共同市場の形成に新たな可能性を与えています。 [略歴] 『人民中国』雑誌社総編集長。1963年生まれ。吉林大学で日本言語学を専攻、1989年に修士号取得。同年、人民中国に入社。1994年から東京大学で一年客員研究員。コミュニケーションや、翻訳学、大衆文化など多岐にわたる研究を行う。中華日本学会及び中日関係史学会常務理事、中日友好協会理事を務める。著書に『日本韓国国家のイメージ作り』、訳書に『日本映画のラディカルな意志(四方田犬彦著)』『日本映画史110年(四方田犬彦著)』などがある。第十三期全国政治協商会議委員。
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