SGRAレポートの紹介

  • 2008.04.11

    レポート第43号 「鹿島守之助とパン・アジア主義」

    レポート第43号   渥美奨学生の集い講演録 平川 均 「鹿島守之助とパン・アジア主義」 2008年3月1日発行   鹿島守之助博士は、今日、鹿島建設元社長として昭和期を代表する卓越した実業家であると同時に、政治家、外交史研究者でもあった人物として知られている。日本の外交研究とそれに関する活動にも多大な貢献を果した。しかし、彼が1920年代後半以降、生涯を通じて、独特なアジア主義者として「アジア連盟」あるいは「アジア共同体」の理想を追求した人物であったことを知る人は少ない。彼が73年に、かつての生家・永富家の一角に「わが最大の希願は、いつの日にか パンアジアの実現を見ることである」と刻んだ碑を建立していたことを知れば、意外に思う人がほとんどであろう。実際、彼の国際政治や外交に関する膨大な著作や政治活動の軌跡を辿るならば、彼は確かに「汎(ハン)アジア」「パン・アジア」を悲願としており、大戦後の多彩な社会活動も彼の思想と深く関っている。   彼のアジア主義はどのような思想であり、その思想に駆り立てたものは何か、彼の思想が「大東亜共栄圏」によって象徴される日本のアジア侵略の試練とどう関り、その試練をどう潜り抜けてきたか、彼の構想が戦後むしろ省みられないできたのは何故かなどである。   東アジア共同体への関心が21世紀に入って急速に高まっている現在、鹿島博士のパン・アジア論に改めて光を当てることによって、今日の東アジア共同体に資する何かを発見できるのではないか。報告ではほぼ時代に沿って鹿島のパン・アジア論の生成と変遷をみた後、その思想と論理の特徴を確認したい。そのことによって上述の疑問の幾つかに回答を試みたい。  
  • 2008.03.20

    レポート第42号「黄土高原緑化協力の15年」

    SGRAレポート42号(日本語版) SGRAレポート42号(中国語版)   講演録:高見邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長) 「黄土高原緑化協力の15年:無理解と失敗から相互理解と信頼へ」 2008年1月30日発行   緑の地球ネットワークは1992年以来、山西省大同市の農村で緑化協力を継続している。大同市は北京の西300kmほどのところにあり、北京の水源、風砂の吹き出し口でもある。そこで深刻な沙漠化と水危機が進行している。「ゼロからの出発」とよくいうが、歴史問題をかかえた大同ではマイナスからのスタートだった。初期は失敗つづきだったが、その後、日本側の専門家や中国のベテラン技術者の参加をえて、だんだんと軌道に乗ってきた。協力の双方も失敗と苦労を通じ、お互いを理解し、信頼しあうようになってきた。いまでは「国際協力の貴重な成功例」とまで評価されるようになっている。その経験と教訓を話したい。  
  • 2008.03.15

    レポート第41号「いのちの尊厳と宗教の役割」

    レポート第41号   第28回SGRAフォーラム in 軽井沢講演録 (2008年3月15日発行)   <もくじ>   【基調講演】島薗 進(東京大学文学部宗教学宗教史学科教授)                     「いのちの尊厳と日本の宗教文化」   【発表1】秋葉 悦子(富山大学経営法学科教授)                     「カトリック<人格主義>生命倫理学の日本における受容可能性」   【発表2】井上ウィマラ(高野山大学文学部スピリチュアルケア学科助教授)                     「悲しむ力と育む力:本当の自分に出会える環境づくり」   【発表3】大谷いづみ(立命館大学産業社会学部教授)                     「『尊厳ある死』という思想の生成と『いのちの教育』」   【パネルディスカッション】                      進行:ランジャナ・ムコパディヤーヤ (名古屋市立大学大学院人間文化研究科助教授、SGRA研究員)  
  • 2008.02.20

    レポート第40号 「アジアの外来種問題」

    SGRAレポート第40号   第27回SGRAフォーラムin 秋葉原 講演録 「アジアの外来種問題:ひとの生活との関わりを考える」 (2008年5月30日発行)     もくじ   【基調講演】「外来生物とどう付き合うか:アジアの淡水魚を中心に」                            多紀 保彦(自然環境研究センター理事長、長尾自然環境財団理事長、東京水産大学名誉教授)   【発表1】「外来生物問題への取り組み:いま日本の水辺で起きていること」                        加納 光樹(自然環境研究センター研究員)   【発表2】「インドシナの外来種問題:魚類を中心として、フィールドからの報告」                       プラチヤー・ムシカシントーン(カセサート大学水産学部講師、SGRA研究員)   【パネルディスカッション】 「アジアの外来種問題:ひとの生活との関わりを考える」                         進行:今西淳子(SGRA代表)
  • 2007.11.30

    レポート第39号「東アジアにおける日本思想史」

    SGRAレポート第39号    第26回SGRAフォーラム 講演録「東アジアにおける日本思想史:私たちの出会いと将来」 2007年11月30日発行     【基調講演】黒住 真(東京大学大学院総合文化研究科教授)           「日本思想史の『空白』を越えて」   【発表1】韓 東育(東北師範大学歴史文化学院院長)         「東アジアにおける絡み合う思想史とその発見」   【発表2】趙 寛子(中部大学人文学部准教授)                   「『もののあわれ』を通じてみた『朝鮮』」   【発表3】林 少陽(東京大学大学院総合文化研究科特任助教授、SGRA研究員)                     「越境の意味:私と日本思想史との出会いを手がかりに」   【パネルディスカッション】                      進行:孫 軍悦(東京大学大学院総合文化研究科博士課程、SGRA研究員)                      パネリスト:上記講演者  
  • 2007.08.31

    レポート第38号「親日・反日・克日:多様化する韓国の対日観」

    SGRAレポート第38号  第6回日韓アジア未来フォーラム in 葉山講演録 「親日・反日・克日:多様化する韓国の対日観」 2007年8月31日発行   総合司会: 金 雄熙(仁荷大学副教授、SGRA研究員)   【開会の辞】今西淳子(SGRA代表、渥美国際交流奨学財団常務理事)   【挨拶】李 鎮奎(未来人力研究院院長、高麗大学経営学部教授)   【発表1】金 範洙 キン・ボンス(東京学芸大学講師、SGRA研究員)                   「近代における韓国人の日本留学と人的ネットワークの形成」   【発表2】趙 寛子 チョウ・クァンジャ(中部大学人文学部助教授)                   「北朝鮮の戦時体制と韓国の歴史認識/論争」   【発表3】玄 大松 ヒョン・デソン(東京大学東洋文化研究所助教授)                   「独島/竹島と反日」   【発表4】小針 進 こはり・すすむ(静岡県立大学国際関係学部助教授)                   「韓流と日韓関係」   【フリーディスカッション】 進行:南 基正(国民大学助教授、SGRA研究員) フォーラム参加者全員(未来財団日本研究チーム、SGRA研究員、ゲスト等、約25名)  
  • 2007.06.10

    レポート第37号 「若者の未来と日本語」

    SGRAレポート第37号   SGRAフォーラム in 北京 パネルディスカッション講演録 「若者の未来と日本語」 2007年6月10日発行     総合司会:孫 建 軍(北京大学日本言語文化学部助教授、SGRA研究員)   【パネルディスカッション】   進行:朴 貞 姫(北京語言大学 助教授、SGRA研究員)   ■「ビジネス日本語とは」           池崎美代子(JRP専務理事、SGRA会員)   ■「グローバル企業が求める人材」           武田春仁(富士通(中国)有限公司副董事長(兼)総経理)   ■「日本文化と通訳の仕事」           張 潤北(三井化学北京事務所所長代理)   ■「『日本語』の壁を超える」           徐 向東(キャストコンサルティング代表取締役、SGRA研究チーフ)  
  • 2007.04.20

    レポート第36号 「ITは教育を強化できるのか」

    SGRAレポート第36号   第25回SGRAフォーラム講演録 「ITが教育を強化できるのか」 2007年4月20日発行   -----------もくじ------------   【基調講演】 「途上国へのE-learning技術支援とオープンソースソフトウェア教育強化~南太平洋大学におけるJICAプロジェクト活動を中心に~」                      高橋 冨士信(横浜国立大学大学院工学研究院教授)   【研究発表1】 「伝え合うことで学ぶ『交流学習』と支援のあり方」                     藤谷 哲(目白大学経営学部経営学科専任講師)   【研究発表2】 「Mobile-Learningが教育を変える?!」                     楊 接期(台湾国立中央大学情報工学部助教授、SGRA研究員)   【パネルディスカッション】                     進行:江蘇蘇(東芝セミコンダクター社、SGRA研究員)                    パネリスト:上記講演者      
  • 2007.02.10

    レポート第35号 「ごみ処理と国境を越える資源循環」

    SGRAレポート第35号   第24回フォーラム講演録 「ごみ処理と国境を越える資源循環:私が分別したゴミはどこへ行くの?」 2007年2月10日発行   ------- もくじ ---------------   【講演1】 「廃棄資源の国際間移動の現状と課題:アジアを中心として」                        鈴木 進一(㈱エックス都市研究所 取締役)   【講演2】 「EUの再生資源とリサイクル:ドイツを中心として」                        間宮 尚(鹿島建設㈱技術研究所上席研究員)   【講演3】 「アジアにおける家電リサイクル活動に関する調査報告」                        李 海峰(北九州市立大学、SGRA研究員)   【講演4】 「廃棄物問題と都市の貧困:マニラ貧困層のコミュニティ資源の活用」                        中西 徹(東京大学総合文化研究科教授)   【パネルディスカッション】 進行:高偉俊(北九州市立大学助教授、SGRA研究チーフ) パネリスト:   鈴木 進一(㈱エックス都市研究所 取締役)                                   間宮 尚(鹿島建設㈱技術研究所上席研究員)                                   李 海峰(北九州市立大学、SGRA研究員)                                   中西 徹(東京大学総合文化研究科教授)                                   外岡 豊(埼玉大学経済学部社会環境設計学科教授)    
  • 2006.11.10

    レポート第34号「日本人と宗教:宗教って何なの?」

    SGRAレポート第34号   第23回フォーラム講演録 「日本人と宗教:宗教って何なの?」 2006年11月10日発行   ---もくじ-----------------   【基調講演】「日本人にとっての『宗教』と『宗教のようなもの』」 島薗 進(しまぞの・すすむ)東京大学教授(宗教学専攻)   【パネリスト自己紹介】「日本と宗教と私」   ○日本と神道 ノルマン・ヘィヴンズ (國學院大學神道文化学部助教授)   ○日本人と仏教 ランジャナ・ムコパディヤーヤ (名古屋市立大学大学院人間文化研究科助教授、SGRA研究員)   ○日本人とキリスト教 ミラ・ゾンターク (富坂キリスト教センター研究主事、SGRA研究員)   ○日本人とイスラーム教 セリム・ユジェル・ギュレチ (イスラム文化センター事務総長)   【パネルディスカッション】「日本人と宗教」