SGRAチャイナフォーラム

  • 2013.05.22

    第7回SGRAチャイナ・フォーラム「ボランティア概論」ご案内

    昨年9月にはキャンセルになってしまいましたが、7回めのSGRAチャイナフォーラムを下記の通り北京で開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしています。   ★講演: 宮崎幸雄 「ボランティア概論」   日 時:2013 年5月22 日(水)午後4時~6時 会 場:北京外国語大学日本学研究センター多目的室   主催: 渥美国際交流奨学財団関口グローバル研究会(SGRA) 後援: 国際交流基金北京日本文化センター   フォーラムの趣旨:   SGRAチャイナ・フォーラムは、日本の民間人による公益活動を紹介するフォーラムを、北京をはじめとする中国各地の大学等で毎年開催しています。7回目の今回は公益財団法人日本YMCA同盟の宮崎幸雄氏を迎え、長年の体験に基づいたボランティア活動の意義ついてご講演いただきます。 日中通訳付き。   講演要旨:   1)私のボランティア原体験 <ベトナム戦争とボランティア> ①自分で手を挙げて(挫折からの逃走)②こちらのNeeds (体育) とあちらのInterests(養豚)   ③信頼なくして“いのち”なし(地雷原の村) ④解放農民の学校(自立・自助) ⑥プロ・ボランティアとして国際社会へ 2)ボランティア元年と云われてー神戸・淡路大震災によって広まるボランティア(観) 3)ボランティア活動の社会的効果(地域への愛着・仲間・達成感・充実感、・希望) 4)大災害被災地のボランティア活動と援助漬け被災者   中国人が見た東日本大震災救援活動と日本人が見た四川大震災救援活動 5)3 ・11若者の自意識と価値観の変化 国際社会の支援と同情・共感・一体感と死生観・共生観と人と人との絆   講師略歴:   現職:(公財)日本YMCA同盟名誉主事、学校法人アジア学院評議員、学校法人恵泉学園委員(公財)公益法人協会評議員、(社)青少年海外協力隊を育てる会顧問、(社)CISV理事、在日本救世軍本営監事   略歴:1933年大阪に生まれる。関西大学英文科専攻后米国に留学、青少年教育を学び日本YMCAに就職。1969年、世界YMCA難民救済事業ベトナム担当ディレクターとしてサイゴンに7年間在住し、ベトナム難民の定住と難民青少年の教育に当たる。8年間、スイス・ジュネーブにある世界YMCA同盟本部の難民事業の統括責任者として国連難民弁務官事務所(UNHCR)との連絡担当、米国民間団体との交渉業務を担当する。1985年帰国後日本YMCA同盟常務理事・総主事1998年3月定年退職。1998年よりロータリー米山記念奨学会事務局長/専務理事、アジア青少年団体協議会会長、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊・技術専門委員/青年海外協力隊を育てる会副会長・顧問として現在に至る。  
  • 2012.07.11

    第7回SGRAチャイナ・フォーラム「ボランティア概論」ご案内(延期)

    残念ながら、今年のチャイナフォーラムは、中国当局から開催大学への勧告により中止になりました。   関連エッセイ   -----------------------------------------   下記の通りフフホト北京で開催いたしますのでご案内します。参加ご希望の方は、SGRA事務局までご連絡ください。   ★講演: 宮崎幸雄 「ボランティア概論」   【フフホトフォーラム】 日 時:2012 年9月17 日(月)午後4時半~6時半 *時間が変更になりましたのでご注意ください。 会 場:内モンゴル大学南校区教学主楼XF0201   【北京フォーラム】 日 時:2012 年9月19 日(金)午後4時~6時 会 場:北京外国語大学日本学研究センター多目的室   ◆主催: 渥美国際交流奨学財団関口グローバル研究会(SGRA) 協力: 内モンゴル大学モンゴル学研究センター 北京外国語大学日本語学科 後援: 国際交流基金北京日本文化センター   ◆フォーラムの趣旨:   SGRAチャイナ・フォーラムは、日本の民間人による公益活動を紹介するフォーラムを、北京をはじめとする中国各地の大学等で毎年開催しています。7回目の今回は公益財団法人日本YMCA同盟の宮崎幸雄氏を迎え、長年の体験に基づいたボランティア活動の意義ついてご講演いただきます。日中通訳付き。   ◆講演要旨:   1)私のボランティア原体験 <ベトナム戦争とボランティア> ①自分で手を挙げて(挫折からの逃走)②こちらのNeeds (体育) とあちらのInterests(養豚)   ③信頼なくして“いのち”なし(地雷原の村) ④解放農民の学校(自立・自助) ⑥プロ・ボランティアとして国際社会へ 2)ボランティア元年と云われてー神戸・淡路大震災によって広まるボランティア(観) 3)ボランティア活動の社会的効果(地域への愛着・仲間・達成感・充実感、・希望) 4)大災害被災地のボランティア活動と援助漬け被災者 中国人が見た東日本大震災救援活動と日本人が見た四川大震災救援活動 5)3 ・11若者の自意識と価値観の変化 国際社会の支援と同情・共感・一体感と死生観・共生観と人と人との絆   ◆講師略歴:   現職:(公財)日本YMCA同盟名誉主事、学校法人アジア学院評議員、学校法人恵泉学園委員(公財)公益法人協会評議員、(社)青少年海外協力隊を育てる会顧問、(社)CISV理事、在日本救世軍本営監事   略歴:1933年大阪に生まれる。関西大学英文科専攻后米国に留学、青少年教育を学び日本YMCAに就職。1969年、世界YMCA難民救済事業ベトナム担当ディレクターとしてサイゴンに7年間在住し、ベトナム難民の定住と難民青少年の教育に当たる。8年間、スイス・ジュネーブにある世界YMCA同盟本部の難民事業の統括責任者として国連難民弁務官事務所(UNHCR)との連絡担当、米国民間団体との交渉業務を担当する。1985年帰国後日本YMCA同盟常務理事・総主事1998年3月定年退職。1998年よりロータリー米山記念奨学会事務局長/専務理事、アジア青少年団体協議会会長、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊・技術専門委員/青年海外協力隊を育てる会副会長・顧問として現在に至る。   プログラムは下記よりダウンロードしていただけます。 日本語 中国語    
  • 2012.06.15

    レポート第62号「Sound Economy ~私がミナマタから学んだこと~」

    レポート62号本文 レポート62号表紙   第6 回日SGRAチャイナフォーラム講演録 「Sound Economy ~私がミナマタから学んだこと~」 2012年6月15日発行   <もくじ・要旨>   【講演】Sound Economy (健全な経済と社会)~私がミナマタから学んだこと~                     柳田耕一(財団法人水俣病センター相思社初代事務局長)   水俣病は20世紀半ばに発生した世界で知られる環境問題の一つです。それは日本の南部の漁村で発生しました。当初、被害者は劇症型の病像を呈していたため「奇病」として恐れられ、隔離されるなどの酷い仕打ちを受けました。折から日本は戦後の復興期の入り口にあり、僻遠の地に救済の手が差し伸べられるまでには長い時間がかかりました。 公式発見から半世紀経った現在でも、抜本的な治療法は無く、被害の全体像の解明は進まず、地域経済は疲弊したままです。一方で水銀による環境汚染は世界中に広がり、酷似した症状をもつ人々も出現し、Minamata Diseaseは世界共通語となっています。現在では微量水銀の長期摂取による健康影響に世界の関心は向かっています。 もう一つの側面として関心がもたれているのは、社会経済的分野です。開発重視、科学重視、利益重視、人権無視の経済運営は、生活の基盤である環境を歪め傷つけ最後には地域社会そのものを持続不可能にしてしまいますが、その象徴として水俣病事件を捉えることもできます。   【報告】内モンゴル草原の生態系 ~鉱山採掘がもたらしている生態系破壊と環境汚染問題について~                      郭 偉(内モンゴル大学環境資源学院副教授)  
  • 2011.07.27

    第6回SGRAチャイナ・フォーラム「Sound Economy ~私がミナマタから学んだこと~」ご案内

    下記の通り北京とフフホトで開催いたしますのでご案内します。参加ご希望の方は、SGRA事務局までご連絡ください。   ★講演: 柳田耕一 「Sound Economy ~私がミナマタから学んだこと~」 【北京フォーラム】 日 時:2011 年9月23 日(金)午後7時 会 場:国際交流基金北京日本文化センター多目的室   【フフホトフォーラム】 日 時:2011 年9月26日(月)午後3時 会 場:内モンゴル大学学術会議センター第8会議室 主催: 渥美国際交流奨学財団関口グローバル研究会(SGRA) 協力: 国際交流基金北京日本文化センター 北京大学日本言語文化学部     内モンゴル大学モンゴル学研究センター フォーラムの趣旨:   SGRAチャイナ・フォーラムは、日本の民間人による公益活動を紹介するフォーラムを、北京をはじめとする中国各地の大学等で毎年開催しています。 昨年は認定NPO法人 緑の地球ネットワーク事務局長の高見邦雄氏に鉱山開発と北京の水問題について講演していただきました。6回目の今回は、元(財)水俣病センター相思社事務局長の柳田耕一氏を迎え、グローバルな視点から、水俣でおきた人類史的な事件の事実と意味についてご講演いただきます。フォーラムは日中逐次通訳付き。また、今回は北京大学で日本語を学ぶ学生を対象に、日本が経験した公害問題をテーマにしたワークショップを開催します。   講演要旨:   水俣病は20世紀半ばに発生した世界で知られる環境問題の一つです。それは日本の南部の漁村で発生しました。当初、被害者は劇症型の病像を呈していたため「奇病」として恐れられ、隔離されるなどの酷い仕打ちを受けました。折から日本は戦後の復興期の入り口にあり、僻遠の地に救済の手が差し伸べられるまでには長い時間がかかりました。   公式発見から半世紀経った現在でも、抜本的な治療法は無く、被害の全体像の解明は進まず、地域経済は疲弊したままです。一方で水銀による環境汚染は世界中に広がり、酷似した症状をもつ人々も出現し、Minamata Diseaseは世界共通語となっています、現在では微量水銀の長期摂取による健康影響に世界の関心は向かっています。   もう一つの側面として関心がもたれているのは、社会経済的分野です。開発重視、科学重視、利益重視、人権無視の経済運営は、生活の基盤である環境を歪め傷つけ最後には地域社会そのものを持続不可能にしてしまいますが、その象徴として水俣病事件を捉えることもできます。   講師略歴: 現職:特定非営利活動法人 地球緑化の会 副会長兼事務局長、モンゴル国ダルハン農業大学名誉教授、株式会社ティエラコム監査役 略歴:1950年熊本市生まれ。1973年東京農業大学中退。学生時代より水俣病被害者支援運動に参加。日本初の市民運動型財団・水俣病センター相思社の設立運動に参加し、1974年の設立と同時に初代の事務局長に就任。以来、水俣現地に於いて、水俣病発掘や裁判支援、様々な資料作成やイベントの企画などに関わる他、有機農法運動やフリースクール運動を立ち上げる。1989年相思社を退職し、その後いくつかの環境NGOに関わる。1996年より神戸に本社を置く民間企業の役員に就任する一方、環境NGO運動も継続し現在に至る。これまで100回以上に渡り、植林や環境問題調査目的で多くの国を訪問しNGOや市民と交流し、ミナマタの経験を伝える活動を行ってきた。水俣病問題や地球環境問題に関する著書あり。   プログラムは下記よりダウンロードしていただけます。 日本語版 中国語版 ポスターは下記よりダウンロードしていただけます。 北京フォーラムポスター フフホトフォーラムポスター
  • 2011.01.25

    レポート第56 号「中国の環境問題と日中民間協力」

    レポート56号本文 レポート56号表紙   中国語版レポート56号本文 中国語版レポート56号表紙   第5回チャイナフォーラム講演録 「中国の環境問題と日中民間協力」 第一部(北京):北京の水問題を中心に 第二部(フフホト):地下資源開発を中心に 2011年5月10日発行   <もくじ> 【基調講演】「得ることと失うことと」 高見邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)   【発表1】「水:北京の未来発展への影響と制約」 汪 敏(苗東連合規画設計顧問有限公司高級工程師)   【発表2】「水を節約するために私たちができること」 張 昌玉(中国人民大学外国語学部副教授)   質疑応答(北京)   【発表3】「鉱工業開発と内モンゴル草原の環境問題に関する現状分析」 オンドロナ(内モンゴル大学民族学社会学学院副教授)   【発表4】「アルタン・オナガー(黄金の仔馬)は何処へ飛んでいったのか:資源開発と少数民族の生存について」 ブレンサイン(滋賀県立大学人間文化学部准教授)   質疑応答(フフホト)  
  • 2010.07.10

    第5回SGRAチャイナ・フォーラム in 北京 「中国の環境問題と日中民間協力~北京の水問題を中心に~」ご案内

    下記の通り開催いたしますのでご案内します。参加ご希望の方は、SGRA事務局までご連絡ください。   第5回SGRAチャイナ・フォーラム in 北京 「中国の環境問題と日中民間協力~北京の水問題を中心に~」   日時: 2010年9月15日(水)午後4時~6時 会場: 北京外国語大学 日本学研究センター多目的ホール   主催: 渥美国際交流奨学財団関口グローバル研究会(SGRA) 協力: 認定NPO法人 緑の地球ネットワーク(GEN) 北京外国語大学日本語学科 国際交流基金北京日本文化センター   【フォーラムの趣旨】 SGRAは、北京をはじめとする中国各地の大学等で、日本の民間人による公益活動を紹介するフォーラムを毎年開催しています。5年目の今回は日本の認定NPO法人緑の地球ネットワークの高見邦雄事務局長に再度お願いし、山西省大同における植林活動を通して見えてきた中国の環境問題について考えます。 北京フォーラムでは、北京の水源である山西省大同から見えてきた深刻な北京の水問題とその解決のための日中協力の可能性について検討します。NPO法人 緑の地球ネットワークの高見邦雄事務局長のご講演の後、パネルディスカッション形式で検討します。日中同時通訳。   【プログラム】 総合司会: 宋 剛(北京外国語大学日本語学部専任講師、SGRA研究員) ○ 基調講演: 「大同からみる北京の後ろ姿」 高見邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長) ○ パネルディスカッション: 司会進行: 朴 貞姫(北京語言大学日本語学部教授、SGRA会員) パネリスト: 高見邦雄 張 昌玉(中国人民大学外国語大学副教授) 汪 敏(苗東連合規画設計顧問有限公司高級工程師)   ★プログラムは下記よりダウンロードしていただけます。 日本語版 中国語版  
  • 2010.04.30

    レポート第53号「世界的課題に向けていま若者ができること~Table For Two~」

    SGRAレポート第53号本文 表紙   第4回 SGRAチャイナ・フォーラム講演録 *日本語版と中国語版を1冊にまとめてあります。   近藤正晃ジェームス 「世界的課題に向けていま若者ができること~Table For Two~」 第四届SGRA中国論壇「面対世界性課題、当代青年的可能性(中文版)」 2010年4月30日発行   【要旨】 世界には60億人以上の人々が暮らしていますが、10億人が飢餓、10億人が肥満などの生活習慣病で苦しんでいます。世界の死亡と病気の原因は、1 位が肥満、2位が飢餓です。戦争、事故、感染症を大きく上回る人類の課題です。この飢餓と肥満の同時解消に取り組もうと立ち上がったのがTABLE FOR TWO(TFT) です。TFT に参加する企業食堂、レストラン、ホテルなどで健康的な食事をとると、開発途上国で飢餓に苦しむ子供に学校給食が1食寄付されます。1人で食べていても、世界の誰かと2人で食べている。それでTFT という名前をつけました。日常の中で、世界とのつながりを感じられる。小さな一歩で、お互いに救われる。そんな運動です。    
  • 2009.10.28

    第4回SGRAチャイナフォーラム「TABLE FOR TWO~世界的課題に向けていま若者ができること~」報告

    【北京】   第4回チャイナフォーラム(北京)は体の丈夫そうな宋剛君の強力かつ情熱的な勧めで、9月16日に北京外国語大学の日本学研究センタAー三階の多目的ホールにて開催された。2006年に北京大学で開催したパネルディスカッション「若者の未来と日本語」、2007年に北京大学と新疆大学で開催した緑の地球ネットワーク高見邦雄事務局長の講演「黄土高原緑化協力の15年:無理解と失敗から相互理解と信頼へ」、2008年に北京大学と延辺大学で開催したアジア学生文化協会工藤正司常務理事の講演「一燈やがて万燈となる如く~アジアの留学生と生活を共にした協会の50年~」に引き続き第4回目であった。今回のテーマは「TABLE FOR TWO~世界的課題に向けていま若者ができること~」で、講演者は特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalの近藤正晃ジェームス共同代表理事だった。   9月16日午後4時、フォーラムは定刻どおり開始し、SGRA代表の今西淳子さんと国際交流基金北京日本文化センターの小島寛之副所長の開会挨拶の後、司会の孫健軍さん(北京大学/SGRA)は、フロアにいる70名近くの入場者に近藤正晃ジェームスさんを紹介した。近藤さんは、世界の死亡・病気の原因のトップ2は肥満と飢餓だと説明し、その同時解消に取り組もうというTABLE FOR TWO(TFT)の創立趣旨を紹介し、近年の活動成果および数多くの興味深い事例を生々しく語った。   具体的には、2007年2月に日本で始まったTFT活動は、2009年6月時点では鹿島建設を含む130の企業、衆参両議院をはじめとする多くの官公庁や、地方自治体、大学、病院など200以上の事業所における実施協力を得たという。活動の内容は、日本などの先進国において、実施団体に所属する人々の一食分のカロリーを減らすと約20円程度が節約でき、それをTFT事務局を通してアフリカなどの発展途上国の学校に寄付し、子供たちの給食にするというシステムだそうだ。さらに、事例としては、ウガンダ、ルワンダ、マラウィの三カ国における実施を通じて、子供たちの「栄養状態は改善、健康増進につながる」、「給食導入後の半年から一年で生徒数が2倍近くに増加」、「最終学年の50人のうち、42人が高等教育への進学試験に合格」といった成果を収め、これまでの累計支援定食数は104万食を超えているという。さらに、レストラン、宅配、コンビニなど業界への活動拡大も着々と進めており、地球範囲での実施を今後の課題として視野に入れていると近藤さんは抱負を語った。   近藤さんの目を見張らせる志とTFT活動の成果の一つであるその健康ぶりと若さに驚いた参加者から、「カロリーオフのメニュー」、「TFT活動の運営システムと監督規制」、「中国企業との連携可能性」など、多岐に渡って数多くの質問が出され、会場ではインターアクションのムードが高まり、予定を延長して6時15分、李恩民さん(桜美林大学/SGRA)の閉会挨拶で第4回チャイナフォーラムは幕を下ろした。懇親会は北外賓館のレストランで行い、自由参加で学生さんを中心に40人程度が集まった。宴会中、今回のフォーラムの北京担当の宋剛君は熱で耳鳴りがしていたが、「近藤さんは行動的だ、援助金でご馳走してくれたね、早く北京で活動拡大してほしい」という参加者の声が聞こえた。今後の北京の立場と今夜の宴会の勘定者を間違えられたが、とりあえずTFTという活動を中国で初めて知ってもらえたことで、宋君の熱がだいぶ下がったようだった。   (文責:北京外国語大学/SGRA 宋 剛)   【上海】   9月17日夕方、SGRA上海フォーラムは上海財経大学にて開催された。テーマは「TableFor Two」で、前日北京フォーラムと同じ内容であった。北京の講演には70名の学生が参加したことを知って、本学ではどのぐらいの学生が集まるのかとても不安であった。というのは、上海財経大学は規模が小さく、経済や経営関連の分野を専攻している学生が大半であり、日本語学科の学生は一学年に一クラスしかないから、日本のことや社会貢献、ボランティアなどにどれほど興味を持つのか分からないからだ。さらに、その日はあいにく天気が悪く、朝から大雨が続いていたので、一層学生の出足を心配した。   ところが、講演の20分前までがらがらだった教室は、定刻の6時になると、学生さんが次々と入り、教室の大半を埋めた。結局、100人近くの学生が出席してくれた。翌日学生さんに確認したところ、参加者には学部2年生と3年生が多かったが、1年生と4年生もいる。また、修士課程の学生も何人かいた。日本語学科の学生は全体の三分の一に過ぎなかった。   スクリーンに映されたPPTは日本語のもので、講師の近藤さんも日本語でスピーチをしていたが、北京大学/SGRAの劉健さんの素晴らしい逐次通訳によって、講演はスムーズに進んでいた。質疑の時間に入ると、学生さんから沢山の質問が出された。中には、講師に日本語で直接質問した人も何人かいたが、その場合も通訳が必要なので、結構時間がかかった。講演終了後も近藤さんを囲んでさらに質問する学生もいた。その熱心ぶりに感服したが、終了時間は予定より1時間も延長された。   逐次通訳の講演は効率が落ちることを覚悟していたが、3時間ほどになるとは思わなかった。また、会場は普通の教室だったので、臨時に増加したマイクの調子も良くなかったなど、改善すべき点もいくつかあった。とはいえ、講演は概ね成功したといえる。経済学専攻の学生さんからは日本語専攻者とは違った質問が出たと近藤さんが言う。実際、今回のフォーラムが成功裏に終わった主な要因は、何より講師の近藤さんの素晴らしいスピーチである。その話し方はとても魅力的で、大学の先生よりも上手だなあと感心した。   回収されたフォーラムに対するアンケート調査を見ると、参加者のほとんどがフォーラムの主旨を理解し、収穫を得たと回答した。講演を通じて、日本発の民間人によるグローバルな社会貢献運動を中国人学生に伝え、彼らや彼女たちの視野を広げることができたと思う。これからは、貧困や環境汚染といった世界共通の問題を真剣に考え、TFTのような社会貢献運動に取組んでいくことを中国の若者に期待したい。   (文責:上海財経大学/SGRA 範 建亭)   ■ 初めての上海虹橋→東京羽田のシャトル便は極めてスムーズで、今回使った全ての便と同様、満席でした。東アジアの人の交流はますます盛んになってきていると旅行する度に感じます。そして、いつものように、中国の発展のパワーとエネルギーに圧倒されました。   フォーラム前の南開大学の国際シンポジウム「グローバル化時代における東アジアの制度変革」へのオブザーバー参加から、フォーラム後の上海万博の工事現場見学まで、とても充実した一週間でした。南開大学の楊棟梁先生、宋志勇先生、上海設計学院のPan Zhengwei先生をはじめ、ご支援ご協力いただきました皆さまに、心から御礼申し上げます。   宋剛さんと範建亭さんのご尽力のおかげで、北京と上海で開催した今年のチャイナフォーラムも無事盛会裡に終わりました。今年の講師の近藤さんは、参加者と年齢も近く、トピックも現代的で、聴く人を惹きつける力をもっていらしたので、両会場とも大変良い雰囲気で良い交流ができたと思います。上海財経大学では、社会起業ということ自体に関心のある学生さんが自分達の活動レポートを配布し、若者の間でグローバル化の潮流が伝わるスピードの早さに驚きました。SGRAチャイナフォーラムは、来年も9月に、今度は北京とフフホトで開催したいと思っています。みなさん是非ご予定ください。 (SGRA代表 今西淳子)   ■SGRAチャイナフォーラムの写真は下記よりご覧ください。 石井撮影     劉健撮影     李恩民撮影     2009年10月28日配信
  • 2009.07.29

    第4回チャイナフォーラム「TABLE FOR TWO ~世界的課題に向けていま若者ができること~」ご案内

    下記の通りSGRAチャイナフォーラムを開催します。参加ご希望の方は、SGRA事務局([email protected])までご連絡ください。また、北京と上海にお住いで、興味をもっていただけそうな方にご宣伝いただけますと幸いです。   【講演】 近藤正晃ジェームス 「TABLE FOR TWO ~世界的課題に向けていま若者ができること~」   ★プログラムは下記URLよりダウンロードしていただけます。 日本語版 中国語版   ■ 日時と会場   【北京】 2009年9月16日(水)午後4時~6時 北京外国語大学日本学研究中心三楼多功能庁   【上海】 2009年9月17日(木)午後6時~8時 上海財経大学梯一教室(国定路777号)   ■ フォーラムの趣旨 開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病に同時に取り組む、TABLE FOR TWOという日本発の社会貢献運動の創始者、近藤正晃ジェームスさんにご講演いただきます。TABLE FOR TWOとは、先進国の食卓に出される健康的な食事が、開発途上国の食卓の学校給食に生まれ変わることを意味します。2007年に始められた活動ですが、協力企業はどんどん増え、たくさんの日本のメディアにとりあげられています。日中同時通訳付き。SGRAは、民間人による公益活動を、北京をはじめとする中国各地の大学等で紹介するフォーラムを開催していきたいと思っています。   ■ 講演要旨 世界には60億人以上の人々が暮らしていますが、10億人が飢餓、10億人が肥満などの生活習慣病で苦しんでいます。世界の死亡と病気の原因は、1位が肥満、2位が飢餓です。戦争、事故、感染症を大きく上回る人類の課題です。この飢餓と肥満の同時解消に取り組もうと立ち上がったのがTABLE FOR TWO(TFT)です。TFTに参加する企業食堂、レストラン、ホテルなどで健康的な食事をとると、開発途上国で飢餓に苦しむ子供に学校給食が1食寄付されます。1人で食べていても、世界の誰かと2人で食べている。それでTFTという名前をつけました。日常の中で、世界とのつながりを感じられる。小さな一歩で、お互いに救われる。そんな運動です。社会起業家のキャリアに興味がある方、食や健康に興味がある方、TFTを中国で広げることに興味がある方。幅広い方々との議論を楽しみにしています。   ■ 講師紹介   近藤正晃ジェームス(こんどう まさあきらじぇーむす)   現職: 特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International 共同代表理事 特定非営利活動法人 日本医療政策機構 副代表理事 兼 事務局長 東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授   略歴: 1990年慶応義塾大学経済学部卒。1997年ハーバード・ビジネス・スクール修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにおいて、世界各国の支社で15年間、政府の経済政策および国際企業のグローバル戦略を立案。2003年より東京大学医療政策人材養成講座の設立・運営に関わる。2004年、特定非営利活動法人日本医療政策機構を共同設立。2005年ダボス会議ヤンググローバルリーダーに選出。各国のリーダー達と共にTABLE FOR TWOの構想を固め、2007年、特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalを設立。現在に至る。    
  • 2008.03.20

    レポート第42号「黄土高原緑化協力の15年」

    SGRAレポート42号(日本語版) SGRAレポート42号(中国語版)   講演録:高見邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長) 「黄土高原緑化協力の15年:無理解と失敗から相互理解と信頼へ」 2008年1月30日発行   緑の地球ネットワークは1992年以来、山西省大同市の農村で緑化協力を継続している。大同市は北京の西300kmほどのところにあり、北京の水源、風砂の吹き出し口でもある。そこで深刻な沙漠化と水危機が進行している。「ゼロからの出発」とよくいうが、歴史問題をかかえた大同ではマイナスからのスタートだった。初期は失敗つづきだったが、その後、日本側の専門家や中国のベテラン技術者の参加をえて、だんだんと軌道に乗ってきた。協力の双方も失敗と苦労を通じ、お互いを理解し、信頼しあうようになってきた。いまでは「国際協力の貴重な成功例」とまで評価されるようになっている。その経験と教訓を話したい。