SGRAレポート紹介

  • レポート第3号「技術の創造」畑村洋太郎

    SGRAレポート第3号(PDF) 渥美国際交流奨学財団奨学生の集い講演録 畑村洋太郎「技術の創造」 2001.3.15発行 ---要旨-------------------- 今年は、渥美財団選考委員長で東京大学工学部の畑村洋太郎教授に「技術の創造」 というお話をしていただきました。「失敗に学ぶ」ことがいかに大切かということ、 効率や便利さばかり追い求めるために教訓を忘れてしまっていること、効率の低い枝 葉の部分を切り落としてきたために、ひとつのルートがつまると他へ迂回できなくな っていること、作業がマニュアル化され全体がわかっている人が居なくなっているこ と、それゆえ事故があっても適切な判断ができないこと、技術の成長周期は30年な ので、半導体を初めとする多くの産業の最盛期が終わりつつあること、現在次々に起こる事故はこのような状況から説明できること、まだまだ日本では危機感が少なく、今後10年はこのような嫌な事故が起きるだろうということ、などなど「恐ろしい 話」をたっぷり伺いました。その後、「科学の 進歩は人類にとって必要か」(科学は人類を幸せにするものではないが、人間の好奇 心が科学を発展させる)「人間の心は科学的に説明できるのか」(好きになる等の人間の心も、今では物質の移動で説明される)など、参加者からのたくさんの質問にも丁寧にお答えいただきました。
  • レポート第2号「グローバル化への挑戦:多様性の中に調和を求めて」

    SGRAレポート第2号(PDF) CISV国際シンポジウム講演録 「グローバル化への挑戦:多様性の中に調和を求めて」 今西淳子、高偉俊、F.マキト、金雄熙、李來賛 2001.1.15発行 -------要旨----------- 本稿で、私たちは「多様性の中の調和」という概念に取り組みます。しかし、多様性の中の調 和が必要であるということは認めながらも、発表者からまとまったひとつの方策が提案されてい るわけではありません。各々が自分の専門分野からひきだされた原則に従って論じているのです から、相違は当然のことともいえますが、ここでは、様々なグローバル化の側面を紹介していま す。 グローバル化における様々な地域性(今西)、都市環境問題の様々な解決策としてのクラスタ ー化(高偉俊)、様々なネットワークの構成方法(李來賛)、様々なITの普及方法(金雄熙)、 そして、様々な市場形態(マキト)。今西は、留学生と支援組織が様々なレベルの地域の中で協 力しあうことが大事だと指摘します。高は、都市の中で環境と調和して共生していくために、自 然の力を利用することを提案します。李は、様々なネットワークを繋ぐ上位のネットワークが必 要とされ、現代のネットワークを繋いでいくのは組織にとらわれない自由な目的探索的インター フェースであることを説明します。金は、IT革命におけるデジタル・ディバイドの進行を指摘 し①IT先進国と途上国が共通認識をもつこと②途上国の支援をすること③共同研究を進める ことを提案します。最後に、マキトはグローバル化とグローバル・スタンダード化の違いを明ら かにし、違ったシステムの良いところを認めあうことが大切であると喚起します。 それぞれの側面で、大きな課題が内包されており、発表者は今後さらに研究を続けていく所存 です。私達が本日提案した様々な問題を、激動の世の中でグローバル化に対応していく際の一助 としていただければ幸いです。 ---------------------
  • レポート第1号「21世紀の日本とアジア」船橋洋一

    SGRAレポート第1号(PDF)   設立記念講演録 船橋洋一「21世紀の日本とアジア」 2001.1.30発行   ---要旨------------------------   関口グローバル研究会(Sekiguchi Global Research Association 略称SGRA)設立記念講演会が、 2000年7月26日、慶應義塾大学三田キャンパス北新館2階ホールにおいて行なわれた。 本稿は、その設立記念講演会において、朝日新聞コラムニスト船橋洋一氏がゲスト講師として「21 世紀の日本とアジア」のテーマで特別講演したものである。   (1)沖縄サミットの本意は中国・インド・インドネシア・韓国の首脳を招いた上でアジアの声を反 映させることにあったが、実際はアジアの問題をあまり取り上げていないし、アジア諸国の声も反映で きなかった。   (2)同サミットにおいて基地問題についての解決の糸口さえも示していないから、日米間の不均衡 な関係は引き続き維持されていく。この問題を解決しない限り、日本の「不沈空母」という役割は終わ らないだろう。   (3)日本は地理的にアジアにあり、上海などに近いが、21世紀には心も近づかなければならない。 そのために「隣交」――近隣諸国との関係の飛躍的発展・強化――という外交を積極的進めるべきであ ると提言する。   (4)以前の日本の大企業家は一国に依拠しながらも世界への発信を構想していたが、情報社会にも かかわらず、現代の日本の起業家は逆に国内ビジネスだけで手一杯で、世界への発信がなかなかできな い。   (5)アジア諸国は目覚しい経済変化と社会進歩を遂げつつある。経済面において日本がリードする アジアはすでに変わり、IT革命の領域においてシンガポール、台湾、香港、韓国等はめざましく発展 しているし、インド・中国の技術者が世界中で活躍している。このような情勢の中で「隣交」外交がい っそう必要となる。 上記のほかに、船橋氏はまたハイテクの進展と戦争の解決問題、国際関係とテロ対策問題、朝鮮半島 の情勢、北朝鮮のテポドン発射と日米安全保障、日韓間歴史問題の区切りなどについても熱く語った。   明治維新以来、多くの日本人の心は欧米にあったが、地理的にはアジアにあり(In Asia)引っ越すこ とはできない。世界の人々にもっとアジアを知ってもらうには日本はアジア諸国と連携して、その一員 として発信しなければならない(Of Asia)。それを実現させるためには、「隣交」――目覚しい経済変化を遂げつつある近隣諸国との協力・発展を積極的に推進しなければならない。日本だけのことを考えて いればよかった、いわば「一国平和主義」の時代はすでに終わった。   設立記念講演に先立って行われた、研究会設立の趣旨、事業計画概要、研究プロジェクトの事例紹介 を併せて掲載させていただく。  
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