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2002.12.16
マキト運営委員のコラムが、本日の朝日新聞朝刊に掲載されましたので、お知らせいたします。
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「日本の尊い非軍事技術」
フィリピンのアキノ元上院議員の暗殺事件から19年たつ。事件解決の決定的な証拠の一つが、マニラに到着した飛行機から兵隊に連れ去られたアキノ氏の映像だった。長さわずか10秒で、アキノ氏の姿はほとんど映っていない。その音声の分析結果を、身の安全が保証されなかったにもかかわらず自らフィリピンの裁判所へ提供したのが、今話題の玩具、犬語翻訳機の開発の基となる研究を率いた音声学者の鈴木松美博士だったと知った。
全文は以下のAANホームページをご覧ください。
http://www.asahi.com/international/aan/column/021206.html
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2002.12.13
昨年12月10日~13日にベトナムのハノイで開催された「ヤング・リーダーズ・ワークショップ」で発表したマキト研究員の報告です。
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「グローバル化、デジタル・ディバイド、オープソース」F. マキト(SGRA「グローバル化と日本の独自性」研究チーフ)
大学の仕事の合間に、「良き地球市民」を目指す日本のNGO「関口グローバル研究会」(SGRA)の活動に参加している。昨年末、ハノイで開催されたヤング・リーダーズ・ワークショップに派遣された。シンガポール以外のアセアン9カ国の若者が参加した。ワークショップでは、若きリーダー達が、情報技術(IT)の推進するグローバル化とどう上手く付き合うべきか、ということがひとつの議論の中心となった。私は次のような意見を発表した。ITによるグローバル化においては、デジタル・ディバイドとオープン・ソースという二つの現象が取り上げられる。前者については、ITにアクセスがある者(先進国)と不自由な者(発展途上国)の格差がどんどん広がっており、グローバル化の脅威となっている。後者は、リナックスのように、プログラムを殆ど無料で一般公開する動きを指し、ITによって与えられる機会(チャンス)である。伝統的な市場主義経済学からすると、デジタル・ディバイドは当然起こり得る現象である。所得がある(ない)ものは良い(良くない)教育を受け、ITを容易に利用できる(できない)。一方、市場からの報奨がなくソフトを一般公開するプログラマーの行動は、伝統的な経済学者にとっては不思議な現象だとされている。このように考えていくと、アセアン諸国で情報技術革新を進めていく上で、次のような戦略が考えられる。まず、市場を補完する社会メカニズムを構築することと、そして、ローカルな情報をオープンにしてグローバルに分かち合い、利用し合うようにすること。具体的な案が2つある。まず、ベトナムはアセアンの若き加入国として、ITにおいては先入国より遅れているが、日本の「成果を共有される成長」をいかに導入するか、体系的な調査としては先駆的であろう。一橋大学の石川滋名誉教授が担当者として、海外援助が広い範囲でその効果を発揮させる現地の調査を実施したからである。このような経験を、他のアセアン諸国と分かち合うために、オンラインの情報バンクを構築すると良いであろう。このような事業は国境を越えるNGOによって推進することができるだろう。もう一つは、アメリカ型市場主義とは違う日本の経済システムの体系的分析を、オンライン授業で、将来のリーダーになるアセアン諸国の大学生達に紹介する試みである。実は、SGRAは、来年度、フィリピンと日本を結ぶプロジェクトを企画中である。
さらに詳しくは、下記をご覧ください。
http://www.aisf.or.jp/sgra/member/jstudies/index.shtml
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2002.12.13
「グローバル化と地球市民」研究チームチーフの薬会さんのコラムが、12月13日の朝日新聞朝刊に掲載されましたので、お知らせいたします。
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「中国の連ドラが面白い」
最近、メードイン中国の連続テレビドラマが面白い。時代劇やホームドラマ、青春ドラマ、トレンディーもの、公安劇(刑事もの)など多彩なジャンルで人々を楽しませている。
全文は下記をご覧ください。
http://www.asahi.com/international/aan/column/021213.html
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2002.11.29
今年の5月のSGRAフォーラムで、内モンゴルの砂漠化について報告したブレンサイン研究員のコラムが、11月29日の朝日新聞朝刊に掲載されましたので、お知らせいたします。
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「チンギス・ハンは誰の英雄 」
今年はチンギス・ハン生誕840周年だ。モンゴルでは7月から8月にかけて国を挙げて 偉大な民族の英雄の誕生を祝った。公然とたたえることが出来なかった社会主義時代には 考えられない熱狂ぶりだった。 (2002/11/29)
http://www.asahi.com/international/aan/column/021129.html
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2002.11.20
李鋼哲研究員のコラム「日朝会談、中朝関係にも影響」が、10月26日の朝日新聞朝刊に掲載されましたので、お知らせいたします。
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9月の日朝首脳会談と平壌宣言は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と「友好関係」にあった中国に、対北朝鮮政策の戦略的な転換を迫ることになるだろう。 北朝鮮の予想外の譲歩と日朝の接近は、中国に困惑と懸念をもたらす。北朝鮮の不安定化は困るが、日本や米国に接近しすぎても別の不安定要因で困るのだ。
http://www.asahi.com/international/aan/column/021026.html
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2002.10.04
日中国交正常化30周年記念事業が行われ、連日新聞を賑わせていますが、SGRA会員の曽支農さんの活動が東京新聞の社説でとりあげられましたので、ご紹介いたします。
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東京新聞社説(9月29日)「交流に新しい風を 日中30周年に考える」より抜粋
中国側にもそれに似た考えを持つ人びとがいます。九二年に来日、東大で文学博士号を取り、現在は東大東洋文化研究所外国人研究員の曽支農さんもその一人です。日本に留学・就学を希望する中国の青年のためにことし七月、北京で「留学説明会」が開かれました。その開催実現に日中間のパイプ役をつとめたのが曽さんです。日本の大学に進学を希望する中国人は多いが十分な情報がなく、日本に来て問題を起こすケースが少なくありません。真剣に留学を考える人たちに正しい情報を提供したいというのが曽さんの考えです。一日だけの説明会に六千人以上が集まりました。説明会には日本から百二十の日本語学校などの関係者が参加しました。両国の関係者は若者の“情報飢餓”に驚いたそうです。曽さんは十一月から十二月にかけ、東京と大阪で中国の三十七大学の関係者を集め、留学を希望する日本人学生に情報を提供する「教育展」の準備に取り組んでいます。
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2002.10.04
7月末のSGRAフォーラムin軽井沢に来てくださった、フィリピンのアジア太平洋大学のBERNARDO M. VILLEGAS教授が関連記事をフィリピンの新聞に書いてくださいましたので、翻訳してお送りします。
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PROFITING FROM JAPANESE SENIOR CITIZENS (フィリピンの一般誌「Bulletin Today」2002年8月9日に掲載)
7月19日から21日まで、東京から電車でおよそ一時間かかる、美しい『軽井沢』という山のリゾートで50人ぐらいの日本人、韓国人、中国人などの国際的な学者の集まりに参加した。軽井沢は、フィリピンのバギオ市に相当し、東京が35-40度の猛暑で苦しんでいたのに、こちらは爽やかで涼しかった。
フォーラムは関口グローバル研究会(SGRA)の主催で、渥美国際奨学財団、鹿島学術振興財団、韓国未来人力研究所の協賛によって開催された。鹿島は日本で最大の建設会社の一つである。フォーラムは「グローバル化のなかの新しい東アジア」というテーマで開催され、宮澤喜一元総理大臣とのオープン・ディスカションがハイライトであった。
このフォーラムで、私は、90年代初めに起きた不動産と金融バブルが弾けた後、12年間も続いている日本の経済低迷について、より深い見解を得ることができた。東アジア近隣諸国は、日本が、かつて米国についで果たしていた、世界経済の第2のエンジンとして復活するのを待ち望んでいる。
現在の経済低迷の理由としては、いろいろと取り上げられているが、そのなかで最も深刻なのは少子高齢化問題であると思う。日本は国民の寿命を伸ばすのに著しく成功した。現在、日本人は65歳の定年後にも数十年間生き延びている。今後10~15年間には、人口の25%ぐらいは高齢者で構成される(84歳になれる宮澤さんのように)。宮澤さんが私の質問に答えてくださったように、この高齢者の多くがお金持ちで、優雅な生活を楽しむことができる。実は、軽井沢の豪華な別荘の殆どは、お金持ちの高齢者が所有しているとのことである。
しかし、食料、飲料、電気製品、携帯電話、パソコン、自動車などといった伝統的な企業が生産する消費材については、高齢者は利益を生む市場としてならない。彼らのニーズは限定的で、医療、観光などに集中している。高齢者の人口が大きいことは活気のある消費市場にかならずしも繋がらない。
状況を悪化させるのは高齢者による消費の低下を補うだけの若者の人口が増えていない。日本の出産率はつねに人口を維持できるための2.1%を下回っている。日本は1.4%ぐらいで、移民がなければ人口が年々減っているということを意味する。最も警戒すべきなのは、定年者を維持できる労働人口が減っていることである。
何人かの日本人と話してみて、定年後の保証が十分でないため、病気になった時に不安を感じて支出を控える高齢者が増えているという、私の観察を確認した。また、年金制度に不安をもつ若い日本人の消費が抑制され、不確実な未来に備えるよう貯蓄を進めている。
この故、政府がいくら利子率を下げて拡大政策をとっても、日本の国内市場は、なかなか回復しない。
日本の社会問題は特殊ではないことを、私はフォーラムで指摘した。シンガポール、スペイン、イタリーなどが同じような問題を抱えている。しかし、これらの国々は労働力不足の問題の解決策として発展途上国からの移民を大量に受け入れている。シンガポールの労働人口の25%あまりは外国人で構成されている。イタリーには20万人あまりのフィリピン人が出稼ぎに行っている。日本はこの社会的問題を克服したいのだったら、外国人労働者に対して、特にサービス部門において、より開放的にならないといけない。
日本に1,686,444人の外国人が登録されているが、その内フィリピン人は8.6%を占め、韓国人の37.7%、中国人の19.9%、ブラジル人の15.1%についで第4目の人口を占めている。しかしながら、日本の人口の1.3億人に比べると、これらの数字は大したことではない。
日本人の「国際化」には長い期間が必要であろう。そのあいだ、限られた年金を使って、医療、観光、高齢者用リゾートマンションなどで毎年数ヶ月間を過す、日本の高齢者をフィリピンに招く機会があるだろう。このようなサービスは日本語ができる、日本へ出稼ぎに行ったフィリピン人ができるだろう。このようなビジスネス・チャンスを考えると、私達はアロヨ大統領の「強い国家」戦略を支持すべきであることがわかるだろう。この戦略は誘拐などのテロ活動を防止するためであるから。
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2002.08.12
「グローバル化のなかの日本の独自性」研究チームチーフのF.マキト博士は、8月12日、SGRA派遣研究員としてマニラのアジア太平洋大学で、「The Japanese System: Its Peculiarities and Continued Relevance to the Philippines (日本のシステム:その独自性とフィリピンとの関連性)」という講義を行いました。この講義録をもとにした「Keiretsu for the Philippines?」という論文が、同大学の機関誌「STAFF MEM0」19号に掲載されましたので、原稿(英文)ご希望の方はSGRA事務局へご連絡ください。
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2002.08.03
7月29日付の朝日新聞インターネット版に、軽井沢フォーラム及び前日に行われました韓国21世紀日本研究グループの発表「揺れる日本の神話」に関する記事が掲載されましたので、お知らせいたします。
「成長神話崩壊の裏にメーンバンク制」 韓国研究者が報告
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2002.08.02
SGRA運営委員で「グローバル化のなかの日本の独自性」研究チームチーフのマックス・マキトさんのコラム「『古い日本』の良さに学ぶ 」が、8月2日の朝日新聞朝刊に掲載されましたのでご紹介いたします
http://www.asahi.com/international/aan/column/020802.html
マキトさんからは、同テーマのレポートも投稿いただき、現在編集中です。