SGRAイベントへのお誘い

第57回SGRAフォーラム「第2回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性:蒙古襲来と13世紀モンゴル帝国のグローバル化」へのお誘い

下記の通りSGRAフォーラムを北九州市で開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。

 

テーマ:第2回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性
    「蒙古襲来と13世紀モンゴル帝国のグローバル化」

 

会 期: 2017 年 8 月 7 日(月)~9 日(水)
    8月7日(月)16:00~17:00 基調講演
    8月8日(火)9:00~12:40 14:00~18:00 論文発表
    8月9日(水)9:00~12:00  全体討議・総括

 

会 場: 北九州国際会議場国際会議室

 

主 催:(公財)渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)
助 成:(公財)鹿島学術振興財団
協 賛:北九州市/(公財)北九州観光コンベンション協会

 

参加費:無料(一般参加者の食事と宿泊は自己手配)
使用言語:日・中・韓同時通訳付き
お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected], Tel:03-3943-7612)

 

◇フォーラムの趣旨
 東アジアにおいては「歴史和解」の問題は依然大きな課題として残されている。講和条約や共同声明によって国家間の和解が法的に成立しても、国民レベルの和解が進まないため、真の国家間の和解は覚束ない。歴史家は歴史和解にどのような貢献ができるのだろうか。
 渥美国際交流財団は2015 年7月に第 49 回 SGRA(関口グローバル研究会)フォーラムを開催し、「東アジアの公共財」及び「東アジア市民社会」の可能性について議論した。そのなかで、先ず東アジアに「知の共有空間」あるいは「知のプラットフォーム」を構築し、そこから和解につながる智恵を東アジアに供給することの意義を確認した。このプラットフォームに「国史たちの対話」のコーナーを設置したのは2016年9月のアジア未来会議の機会に開催された第1回「国史たちの対話」であった。いままで3カ国の研究者の間ではさまざまな対話が行われてきたが、各国の歴史認識を左右する「国史研究者」同士の対話はまだ深められていない、という意識から、先ず東アジアにおける歴史対話を可能にする条件を探った。具体的には、三谷博先生(東京大学名誉教授)、葛兆光先生(復旦大学教授)、趙珖先生(高麗大学名誉教授)の講演により、3カ国のそれぞれの「国史」の中でアジアの出来事がどのように扱われているかを検討した。
 第2回対話は自国史と他国史との関係をより構造的に理解するために、「蒙古襲来と13世紀モンゴル帝国のグローバル化」というテーマを設定した。13世紀前半の「蒙古襲来」を各国の「国史」の中で議論する場合、日本では日本文化の独立の視点が強調され、中国では蒙古(元朝)を「自国史」と見なしながら、蒙古襲来は、蒙古と日本と高麗という中国の外部で起こった出来事として扱われる。しかし、東アジア全体の視野で見れば、蒙元の高麗・日本の侵略は、文化的には各国の自我意識を喚起し、政治的には中国中心の華夷秩序の変調を象徴する出来事であった。「国史」と東アジア国際関係史の接点に今まで意識されてこなかった新たな歴史像があるのではないかと期待される。
 もちろん、本会議は立場によってさまざまな歴史があることを確認することが目的であり、「対話」によって何等かの合意を得ることが目的ではない。
 なお、円滑な対話を進めるため、日本語⇔中国語、日本語⇔韓国語、中国語⇔韓国語の同時通訳をつける。円卓会議の講演録は、SGRAレポートして3カ国語で発行する。

 

◇プログラム

 

〇8月7日(月)16:00~17:00 開会と基調講演
【趣旨説明】三谷博(跡見大学)
【基調講演】葛兆光(復旦大学)「『ポストモンゴル時代』?―14~15世紀の東アジア史を見直す」

 

〇8月8日(火)全日円卓会議(9:00~12:40 14:00~18:00)
【問題提起】劉傑(早稲田大学)
【研究発表】
(1)四日市康博(昭和女子大学)「モンゴル・インパクトの一環としての『モンゴル襲来』」
(2)チョグト(内蒙古大学)「アミルアルホンと彼がホラーサーンなどの地域において行った2回の戸籍調査について」
(3)橋本雄(北海道大学)「蒙古襲来絵詞を読みとく」
(4)エルデニバートル(内蒙古大学)「モンゴル帝国時代のモンゴル人の命名習慣に関する一考察」
(5)向正樹(同志社大学)「モンゴル帝国と火薬兵器」
(6)孫衛国(南開大学)「朝鮮王朝が編纂した高麗史書にみえる元の日本侵攻に関する叙述」
(7)金甫桄(嘉泉大学)「日本遠征をめぐる高麗忠烈王の政治的狙い」
(8)李命美(ソウル大学)「対蒙戦争-講和の過程と高麗の政権をめぐる環境の変化」
(9)チェリンドルジ(モンゴル社会科学院歴史研究所)「北元と高麗との関係に対する考察―禑王時代の関係を中心に」
(10)趙阮(漢陽大学)「14世紀におけるモンゴル帝国の食文化の高麗への流入と変化」
(11)張佳(復旦大学)「『深簷胡帽』考:蒙元とその後の時代における女真族帽子の盛衰史」

 

〇8月9日(水) 午前:総合セッション(総括と自由討論)
司会進行:劉傑(早稲田大学)
【論点整理】趙珖(韓国国史編纂委員会)
【討論】(日中韓モから各1名が発問、その後自由討論)
【総括】三谷博(跡見大学)

 

関係資料はここからご覧いただけます。