SGRAフォーラム
レポート第113号「東アジア地域市民の対話 国境を超える地方自治体・ 地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」
第75 回SGRAフォーラム/第45 回持続的な共有型成長セミナー
「東アジア地域市民の対話
国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の可能性を探る」
2025年11月19日発行
<フォーラムの趣旨>
地理学的にいえば、「東アジア」は、北東アジア(日本、中国、韓国)と東南アジア(ASEAN 加盟国)の双方から構成され、「多様性の中の調和」原則の現出ともいえる「東アジア統合」というASEAN+3 のビジョンを共有している。東アジアはこのビジョンに向けて大きな前進を遂げたが、近年中国が関わる出来事がこのビジョンに向けた地域の進歩を頓挫させていることも否定できない。
国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(Local-to-Local Across Border Schemes、以下LLABS)は、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)経営開発学部(CPAf )のさまざまなコラボレーションとして、フェルディナンド C. マキト博士が主導する「持続可能な共有成長セミナー」を通じて生まれた。UPLB チームは、フィリピン内務省の地方政府アカデミーと地方自治省のために LLABS 研究プロジェクトを実施した。
本フォーラムでは、桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群とSGRA の協力によって、従来主にフィリピンで検討されてきた LLABS構想について、北東アジアの研究者と一緒に議論し、その実現の可能性について探ることを目的とした。
会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、共催のフィリピン大学オープンユニバーシティを通じて広くオンライン参加者を募った。
<もくじ>
【開会挨拶】 李 恩民(桜美林大学)
【基調講演】 国境を超える地方自治体・地域コミュニティ連携構想(LLABS)の概要と意義
フェルディナンド C. マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
【討論1】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性コミュニティ連携
─成長のトライアングルと移民(中華街・カレー移民)に見る教訓─
佐藤考一(桜美林大学)
【討論2】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性
東北アジア地域における越境開発協力および地域自治体協力枠組み─中国を事例に─
李 鋼哲(東北亞未来構想研究所(INAF))
【討論3】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性
国際レジーム形成における韓国地方政府の取り組み─日中韓地方政府交流会議を事例として─
南 基正(ソウル大学日本研究所)
【討論4】 ASEAN+3と日本。LLABSの可能性
政治的制約を超える台湾と東南アジア「非政府間」の強い結びつき
林 泉忠(東京大学東洋文化研究所)
【市民の意見】
フィリピン市民の意見─LLABSとフィリピンの視点─
ジョアン V. セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
インドネシア市民の意見─LLABSとインドネシアの視点─
ジャクファル・イドルス(国士舘大学)
タイ市民の意見─LLABSとタイの視点─
モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学)
【自由討論】
総合司会: ブレンダ・テネグラ(アクセンチュア)
進 行: フェルディナンド C. マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
発 言 者:(発言順):
南 基正(ソウル大学日本研究所)
林 泉忠(東京大学東洋文化研究所)
佐藤考一(桜美林大学)
李 鋼哲(東北亞未来構想研究所(INAF))
ジョアン V. セラノ(フィリピン大学オープンユニバーシティ)
ジャクファル・イドルス(国士舘大学)
モトキ・ラクスミワタナ(早稲田大学)
【総括にかえて】 平川 均(名古屋大学名誉教授)
【閉会挨拶】 今西淳子(渥美国際交流財団)
登壇者略歴
あとがきにかえて
─フェルディナンド C. マキト(フィリピン大学オープンユニバーシティ)




