SGRAイベントへのお誘い
第21回SGRAカフェ「日本社会における二重国籍の実態」へのお誘い
下記の通り第21回SGRAカフェを会場及びオンラインのハイブリット方式開催いたします。参加をご希望の方は、会場、オンラインの参加方法に関わらず事前に参加登録をお願いします。
テーマ:「日本社会における二重国籍の実態 複数国籍保持者に対するスティグマ付与と当事者らの実践」
日 時: 2024年2月17日(土)14:00~16:30
方 法: 会場及びZoomミーティング
言 語: 日本語
主 催: (公財)渥美国際交流財団関口グローバル研究会 [SGRA]
申 込: こちらよりお申し込みください
お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)
■ フォーラムの趣旨
政治家やスポーツ選手等の「二重国籍問題」が炎上しやすい日本社会。日本国籍だけを保有する人々だけが「国民」なのだろうか。「外国人」と「国民」の境界線に居ながら日本社会で生きている多くの人たちは、どのような葛藤を抱え「二重国籍」と向き合っているのか。今回のSGRAカフェでは、このような問いをみんなで考えていきたい。
日本の国籍法は、国籍唯一の原則を取り入れているが、それは複数国籍保持の禁止又は違法性を意味するのだろうか。国籍法をめぐる様々な誤解を解いた上で、国籍唯一の原則が導入された背景を考察する。また、国際的動向に逆らって、日本では複数国籍容認への動きが全く見られないだけではなく、むしろ過去15年間、行政による複数国籍防止対策が以前より徹底されているようにさえ窺える。この動きの背景は何か。
最後に、複数国籍保持者の当事者らはどのような問題に直面し、どのような実践を繰り広げているのか。国際結婚によって生まれた人たち、帰化を経て日本国籍を取得した人たち、外国籍を取得した海外居住中の元日本国籍保持者の事例から、国籍選択制度や国籍喪失/はく奪条項等をめぐる各個人の実践と、近年の動きを検討していく。
■ プログラム
14:00~ イントロダクション
「多くの誤解を生んでいる日本の国籍法」
コーベル・アメリ(獨協大学特任講師)
日本政府は二重国籍の防止・解消に本当に積極的と言えるのか。その議論の前提として二重国籍が発生する主なケースを紹介しながら、その解消を目指す諸制度と限界を解説する。
14:10~ 基調講演
「日本社会における複数国籍の実態―放置主義から摘発強化への政策転換」
武田 里子(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員)
国連加盟国中、複数国籍非寛容国は23%(2020年)にとどまり、日本はこのグループに区分されている。一方で日本における複数国籍者はすでに100万人を超えた。日本政府は2000年代に入り、なぜ、重国籍放置主義から摘発強化に政策転換したのか。本報告では、はじめに国籍法の変遷を整理し、次に調査から得られた当事者が抱える国籍問題と、国籍法11条1項* 違憲訴訟における被告(国)の主張、”国籍唯一の原則と重国籍削減の合理性”を重ね合わせることで、実態と国籍法制の矛盾を浮かび上がらせる。結論として、国籍問題も「失われた30年」の要因のひとつになっていることを示し、後半の議論につなぎたい。
*「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」
14:45~ 話題提供
話題提供1
「日本における国籍と社会福祉及びソーシャルワーク」
ヴィラーグ・ヴィクトル(日本社会事業大学准教授)
国籍は様々な社会サービスの受給資格を通して日々の生活に影響を及ぼしている。前半は日本の公的な福祉制度と国籍の関係について整理する。後半はソーシャルワーク専門職の視点から国籍唯一の原則や複数国籍防止対策について考察し、問題提起する。
話題提供2
「国際-国家、そして家族史における国籍」
金 崇培(国立釜慶大学助教授)
依然として国際関係や国家が持つ権力の構造は「個人」に影響を及ぼしている。本発表は発表者の家族史やパーソナル・ヒストリーによって国籍問題の一側面を紹介しようとする試みである。
話題提供3
「日本と中国の間で起きている国籍問題」
高 偉俊(北九州市立大学国際環境工学部教授)
グローバルな移動に便利な日本のパスポートか、家族が同じ国籍(中国籍)であるというアイデンティティか。日本に帰化する中国人も多い中、その狭間で考えた日本と中国の国籍問題について自身を含む様々な事例を紹介する。
15:25~ <休 憩 5分>
15:30~ グループディスカッション
16:05~ ディスカッション結果の共有
司会/モデレーター: コーベル・アメリ
16:25~ 閉会挨拶
16:30 閉会
※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。