SGRAイベントへのお誘い

第9回SGRAチャイナ・フォーラム「日中200年―文化史からの再検討」へのお誘い

下記の通り、第9回SGRAチャイナ・フォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にSGRA事務局( [email protected] )へご連絡ください。

 

【1】 フフホトフォーラム

日 時:2015 年11月20日(金)15時~17時

会 場:内蒙古大学蒙古学学院2楼大会議室

 

【2】 北京フォーラム

日 時:2015 年11月22日(日)15時~17時

会 場:北京大学外国語学院新楼501会議室

 

 

主 催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)

共 催:清華東亜文化講座

助 成:国際交流基金北京日本文化センター

協 力:北京大学日本言語文化学部(北京フォーラム)

    内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部(フフホトフォーラム)

 

フォーラムの趣旨:

 

 「日中200年―文化史からの再検討」

 

従来、東アジアの歴史を語る時、ほとんどの識者が古代の交流史と対比して、近代の抗争史を強調し、両者の間に一つの断絶を見出そうとしてきた。たしかに政治、外交だけに目を向ければ、日中、日韓などの間に戦争も含む数多くの対抗や対立が頻発し、ほとんど正常な隣国関係を築くことができなかった。しかし、もしこの間の三国間の文化的交流、往来の足跡を精査すれば、そこには近代以前とは比べられないほど多彩多様な事実、事象が存在していることに気付くだろう。そしてその多くはいずれも西洋という強烈な「他者」を相手に、互いの成果、経験、また教訓を利用しながら、その文化、文明的諸要素の吸収、受容に励む努力の跡にほかならない。その意味で、東アジア、とりわけ日中韓三国はまぎれもなく古来の文化圏と違う形で西洋受容を中心とする一つの近代文化圏を形成していたのである。

 

また、従来、日本にせよ、中国にせよ、その歩んできた歴史を振り返る際に、往々にして周辺との関係を軽視し、あたかも単独で自らのすべてを作り出したかのような傾向も存在している。これはあきらかに近代以降のいわゆる国民国家という枠組みの中で成立したナショナリズムに由来する一国主義のもたらした影響である。ところが、多くの古代、近代の史実が示したように、純粋な国風文化はそもそも「神話」に過ぎず、われわれはつねに他者との関係の中で「自分」そして「自分」の文化を形作ってきたのである。近代日本にとって、この他者は、むろんまず西洋という存在になるが、ともにその受容の道程を歩んだもう一つの他者――中国や韓国も当然無視すべきではないだろう。

 

そして、昨今、とりわけ日中の間にさまざまな摩擦が生じる時に、よく両国の「文化」の違いが強調され、その文化の差異に相互の「不理解」の原因を探ろうとする動向も見られる。しかし、これもきわめて単純な思考と言わざるを得ない。文化にはたしかに変わらない一部の古層があるが、つねに歴史性を持ち、時代に応じて流動的に変化する側面も存在する。したがって共通する大事な歴史的体験を無視し、文化の差異ばかりを強調するのはいささかも生産的ではなく、結局は自らを袋小路に追い込むことにしかならない。

 

以上に鑑み、本フォーラムでは、いわば在来の一国主義史観、文化相互不理解論などの弊害を修正し、過去の近代東アジア文化圏、文化共同体の存在を振り返りながら、その経験と教訓を未来にむけていかに生かすべきかについて検討し、皆さんとともにその可能性を探ってみたい。(参考文献:劉 建輝著『増補・魔都上海――日本知識人の「近代」体験』2010年、同『日中二百年――支え合う近代』2012年)

 

プログラム

 

【1】 フフホトフォーラム(講演)

 

総合司会:宝音德力根(内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部)

講 演:劉 建輝(国際日本文化研究センター)

討論者:王 中忱(清華大学中国文学科)

    周 太平(内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部)

    蘇德毕力格(内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部)

 

【2】 北京フォーラム(パネルディスカッション) *日中同時通訳付き

 

総合司会:孫 建軍(北京大学日本言語文化学部)

問題提起:劉 建輝(国際日本文化研究センター)

モデレーター:王 中忱(清華大学中国文学科)

討論者:王  京(北京大学日本言語文化学部)

    劉  暁峰(清華大学歴史学科)

    王  成(清華大学日本言語文学研究科)

 

日本語プログラム

中国語プログラム

ポスター