SGRAイベントへのお誘い

第33回SGRAフォーラム「東アジアの経済統合が格差を縮めるか」ご案内

下記の通り第33回SGRAフォーラムを開催します。参加ご希望の方は、ファックスまたはemailでSGRA事務局宛ご連絡ください。当日参加も受付けますが、準備の都合上、できるだけ事前にお知らせくださいますようお願いします。よろしければ下段の申込欄をお使いください。SGRAフォーラムはどなたにも参加いただけますので、ご関心をお持ちの皆様にご宣伝いただきますようお願い申し上げます。

 

日時:2008年12月6日(土)  午後2時30分~5時30分 その後懇親会

 

会場: 東京国際フォーラム ガラス棟G402会議室

 

 

参加費:無料 (フォーラム後の懇親会は、賛助会員・特別会員1000円・非会員3000円)

 

申込み・問合せ:SGRA事務局

Email: [email protected]   TEL: 03-3943-7612,   FAX: 03-3943-1512

 

【フォーラムの趣旨】

 

WTOが進めている多国間自由貿易交渉が行き詰まり、2カ国間自由貿易協定(FTA)への政策転換の動きが本格化している。しかし、これらの協定が複雑に絡み合い自由化を妨げる、いわゆる「スパゲッティ・ボール現象」が懸念される。今後、FTAはどの方向に進むべきか、その課題と留意点を考察し、東アジアの発展を展望したい。

 

当フォーラムでは以下の議論を提起したい。SGRA独自の研究調査によると、東南アジア域内における産業構造が変わり、国家間の格差が広がっている。しかも、国家間の格差が国内格差にも連動するというダブル・パンチ現象が引き起こされている。この背景には日本(政府+企業)の東南アジア戦略も大きく関わっている。

 

1993年に発行された世界銀行の「東アジア奇跡」では日本を含む東アジア経済の目覚しい発展に注目した。当研究チームも、成長と分配が同時に進む発展モデルを「共有型成長」(SHARED GROWTH)と名づけた。いうまでもなく、この発展は20世紀後半の日本と東アジアの経験であり、その成長における日本の役割は極めて重要であった。経済協力を通じ成長と分配が共に促進される発展を東アジアで再現するために、何が必要か。

 

東アジア地域の経済統合は「共有型成長」を再現し、国際、国内における格差を縮めることができるのか。このフォーラムを通して、東アジアの経済統合への様々なビジョンを提示し、域内FTA戦略の形成に少しでも貢献できれば幸いである。

 

【プログラム】 詳細はここからご覧ください

 

● 基調講演:東 茂樹(西南学院大学経済学部教授) 「FTAで経済関係が深まる日本と東南アジア」

 

日本はここ数年、二国間あるいは地域の自由貿易協定(FTA)を推進する戦略をとっている。FTAの締結により海外から、熱帯果実や食肉、魚介類など農水産物の輸入が増加し、看護師や介護福祉士など日本で働く外国人も増えることになる。また日本から、電機や鉄鋼、自動車製品など工業製品の輸出が増加して、日本企業の海外投資もさらなる拡大に向かおう。FTA締結相手国との経済面における相互依存関係は深まって、東アジア地域共同体構築への一歩となるかもしれない。 FTAは締結にともない、必ず利害関係者を生じさせることに注意を払う必要がある。貿易の自由化により競争が進めば、比較優位のある産業は輸出を拡大する一方で、比較優位のない産業は淘汰あるいは事業転換に追い込まれる。また消費者にとって、良質な輸入品・サービスの価格低下は、生活に良い影響をもたらす。しかし発展途上国では、製薬特許などの知的財産権保護により、消費者の負担が増す場合もある。FTA実施により影響を被る関係者に対し政府は補償措置を導入して、格差の拡大を防ぐことが喫緊の課題となっている。

 

● コメント・パネルディスカッション

 

ド・マン・ホーン(桜美林大学経済経営学系講師)、ベトナム出身

フェルディナンド・C・マキト(SGRA研究チーフ)、フィリピン出身

平川 均(名古屋大学経済学研究科教授、SGRA顧問)