SGRAイベントへのお誘い

第32回SGRAフォーラム in 軽井沢「オリンピックと東アジアの平和繁栄」

■日 時: 2008年7月20日(日)14時~18時、19時半~21時

 

■会 場: 鹿島建設軽井沢研修センター会議室

 

■フォーラムの趣旨: 

 

国家と国家の間で平和と安定が維持されるためには何が必要となるのか。この問題に関して国際政治学の世界では、様々な研究がなされてきた。その一つとして、経済や文化、あるいはスポーツの交流が国家間関係の安定と地域秩序の平和に重要な機能を果たすという理論がある。いわゆる機能主義的な平和理論である。その理論は冷戦時代に米ソ関係、米中関係、そして東西ドイツ間の関係に適用され一定の成果をあげることができた。実際にこれらの関係においては、文化やスポーツの活発な交流が体制の安定に寄与したといわれている。激しい戦争なしに冷戦構造を溶かすことができたのは、両陣営の間で推進されてきた文化やスポーツ交流の影響もあったのではないだろうか。

 

東北アジアは、歴史や領土問題をめぐる葛藤などによって、世界的にも不安定な要因が多数残されている地域の一つとして指摘されてきた。韓半島での南北対立は依然変わらない状況である。日本と中国の間でも、歴史問題をはじめ、ガス田開発競争など葛藤の火種が伏されている。しかしこの地域でも、文化とスポーツの交流は互いの誤解と葛藤を溶かす鍵になるのではないだろうか。

 

注目すべき点は、1964年には日本が、1988年には韓国がオリンピックを開催した経験を持ち、今年は北京オリンピックを控え、東北アジアの主要な国家が世界的なスポーツ交流の場を提供し、また提供しようとする事実である。ほぼ20年ごとにこの地域で開かれる世界のスポーツ祭典・オリンピックは、果たしてこの地域に何をもたらしたのか。そして今、開かれようとする北京オリンピックは何をめざすべきなのか。その目標はいかに達成できるのか。
 <東アジアの安全保障と世界平和>研究チームでは、日中韓の研究者を招いて、上記のような問題を共に議論していきたい。この地域で開かれたオリンピックが、各国家の発展のみならず、地域秩序の変化に及ぼした影響を検討し、文化やスポーツ交流のあるべき姿を探る機会にしたい。

 

■プログラム

 

【基調講演】清水 諭(筑波大学体育専門学群教授)
「オリンピック・スタディーズと東アジア」

 

【講 演1】池田慎太郎(広島市立大学国際学部准教授)
「日本からみたオリンピック-東京オリンピックと1960年代の東アジア」

 

【講 演2】朴 榮濬(韓国国防大学校副教授、 SGRA研究員)
「韓国からみたオリンピック-ソウル・オリンピックと冷戦」

 

【講 演3】劉 傑(早稲田大学社会科学総合学術院教授)
「中国からみるオリンピック-北京オリンピックと東北アジアの未来
v

 

【パネルディスカッション】進行:南基正
(韓国国民大学国際学部副教授、SGRA研究員)