SGRAフォーラム

レポート第101号「第7回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性 ―『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」

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第69回SGRAフォーラム講演録

第7回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性

 「『歴史大衆化』と東アジアの歴史学」

2023年3月22日発行

 

<フォーラムの趣旨>

新型コロナ感染症蔓延が続くなか、「国史たちの対話」ではオンラインでのシンポジウムを開催し、一定の成功を収めてきたと考える。イベントを開催する環境にはなお大きな改善が期待しづらいことを踏まえ、引き続き従来参加してきた人々のなかでの対話を深めることを重視した企画を立てた。

大きな狙いは、各国の歴史学の現状をめぐって国史研究者たちが抱えている悩みを語り合い、各国の現状についての理解を共有し、今後の対話に活かしてゆきたい、ということである。こうした悩みは多岐にわたる。今回はその中から、各国の社会情勢の変貌、さまざまなメディア、特にインターネットの急速な発達のもとで、新たな需要に応えて歴史に関係する語りが多様な形で増殖しているが、国史の専門家たちの声が歴史に関心を持つ多くの人々に届いておらず、かつ既存の歴史学がそれに対応し切れていない、という危機意識を、具体的な論題として設定した。

共通の背景はありつつも、各国における社会の変貌のあり方により、具体的な事情は多種多様であると考えられるので、ひとまずこうした現状認識を「歴史大衆化」という言葉でくくってみた上で、各国の現状を報告していただき、それぞれの研究者が抱えている悩みや打開策を率直に語り合う場とした。

 

<もくじ>

第1セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)]
はじめに 李 恩民(桜美林大学)
開会の趣旨 彭 浩(大阪公立大学)

【問題提起】 「 歴史大衆化」について一緒に考えてみましょう 
韓 成敏(高麗大学)
【指定討論1(中国)】 私が接触したパブリック・ヒストリー 
鄭 潔西(温州大学)
【指定討論2(日本)】 日本で起こっていること─「歴史学」専門家の立ち位置と境界─ 
村 和明(東京大学)
【指定討論3(韓国)】 韓国における「公共歴史学」の現況と課題 
沈 哲基(延世大学)
【コメント】 指定討論を受けて
韓 成敏(高麗大学)

 

第2 セッション [モデレーター:南 基正(ソウル大学)]
自由討論

論点整理:劉 傑(早稲田大学)
パネリスト:問題提起者、討論者、国史対話プロジェクト参加者

 

第3セッション [総合司会:李 恩民(桜美林大学)]
総括

三谷 博(東京大学名誉教授)
閉会挨拶
趙 珖(高麗大学名誉教授)

 

講師略歴 

 

あとがきにかえて
金キョンテ

 

参加者リスト