SGRAフォーラム

レポート第97号「「誰一人取り残さない」 如何にパンデミックを乗り越え SDGs 実現に向かうか ―世界各地からの現状報告―」

SGRAレポート第97号

 

第67 回SGRA フォーラム

「誰一人取り残さない」
如何にパンデミックを乗り越えSDGs 実現に向かうか
―世界各地からの現状報告―

2022年2月10日発行

 

<フォーラムの趣旨>

SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)は、2015 年9月の国連サミットで、国連加盟193 カ国が採択した、2016 年から30 年までの15 年間で持続可能で、より良い世界を目指すために掲げた目標。国連ではSDGs を通じて、貧困に終止符を打ち、地球を保護してすべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけている。具体的には、17 のゴール(なりたい姿)・169 のターゲット(具体的な達成基準)から構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leaveno one behind)」ことを誓っている。SDGs に取り組むのは、国連加盟国の各国政府だけではなく、企業、NPO、NGO などの各種団体、地方自治体、教育機関、市民社会、そして個人などすべての主体がそれぞれの立場から取り組んでいくことが求められている。

 

2020 年はSDGs の5年目になる年であったが、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界を席巻し、世界各国の経済や社会生活に多大な打撃を与え、世界大戦に匹敵する死傷者を出す悲惨な状況になってしまった。世界では先進国を中心にワクチン開発・供給などで取り組んで来ているが、多くの発展途上国は、資本主義の生存競争のなかで、パンデミックの対応に困難を極める状況に置かれているのが現状である。

 

本フォーラムは、SDGs の基本理念と目標について理解するとともに、いくつかの国をケーススタディとしてとりあげ、パンデミックを如何に克服して「誰一人取り残さない」SDGs の実現に対応すべきかについて議論を交わすことを通じて、「地球市民」を目指す市民の意識を高め、一人一人がSDGs に主体的に取り組むアクションを起こすきっかけを提供することを目的とする。

 

 

<もくじ>

【第1 部】 基調報告
SDGs時代における私たちの意識改革
佐渡友 哲(日本大学、INAF)

 

【第2 部】 世界各地からの現状報告
【報告1】 フィリピンにおけるSDGs
フェルディナンド・C・マキト(フィリピン大学ロスバニョス校、SGRA)

【報告2】 ハンガリーにおけるSDGs
―水に関するハンガリー・中国の国際関係・協力を事例に―
杜 世鑫(INAF)

【報告3】 「 アラブ持続可能な開発レポート2020」から読み解く
中東・北アフリカ地域のSDGsに向けた課題
ダルウィッシュ ホサム(アジア経済研究所、SGRA)

【報告4】 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)における
SDGsの取り組みと評価
李 鋼哲(北陸大学、SGRA、INAF)

【報告5】 民主化プロセスとパンデミック
―歴史の運命のいたずらに翻弄されるスーダン暫定政府と国民―
モハメド・オマル・アブディン(参天製薬(株)、SGRA)

 

【第3 部】 討論・総括
モデレーター:李 鋼哲(北陸大学、SGRA、INAF)
指定討論者: 羽場 久美子(神奈川大学教授・青山学院大学名誉教授、INAF)、三村 光弘(環日本海経済研究所(ERINA)、INAF)
パネリスト:報告者全員

総   括:平川 均(名古屋大学名誉教授、SGRA、INAF)

 

あとがきにかえて
李 鋼哲(北陸大学、SGRA、INAF)

 

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