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レポート第2号「グローバル化への挑戦:多様性の中に調和を求めて」

SGRAレポート第2号(PDF)

CISV国際シンポジウム講演録
「グローバル化への挑戦:多様性の中に調和を求めて」
今西淳子、高偉俊、F.マキト、金雄熙、李來賛
2001.1.15発行

——-要旨———–

本稿で、私たちは「多様性の中の調和」という概念に取り組みます。しかし、多様性の中の調 和が必要であるということは認めながらも、発表者からまとまったひとつの方策が提案されてい るわけではありません。各々が自分の専門分野からひきだされた原則に従って論じているのです から、相違は当然のことともいえますが、ここでは、様々なグローバル化の側面を紹介していま す。

グローバル化における様々な地域性(今西)、都市環境問題の様々な解決策としてのクラスタ ー化(高偉俊)、様々なネットワークの構成方法(李來賛)、様々なITの普及方法(金雄熙)、 そして、様々な市場形態(マキト)。今西は、留学生と支援組織が様々なレベルの地域の中で協 力しあうことが大事だと指摘します。高は、都市の中で環境と調和して共生していくために、自 然の力を利用することを提案します。李は、様々なネットワークを繋ぐ上位のネットワークが必 要とされ、現代のネットワークを繋いでいくのは組織にとらわれない自由な目的探索的インター フェースであることを説明します。金は、IT革命におけるデジタル・ディバイドの進行を指摘 し①IT先進国と途上国が共通認識をもつこと②途上国の支援をすること③共同研究を進める ことを提案します。最後に、マキトはグローバル化とグローバル・スタンダード化の違いを明ら かにし、違ったシステムの良いところを認めあうことが大切であると喚起します。

それぞれの側面で、大きな課題が内包されており、発表者は今後さらに研究を続けていく所存 です。私達が本日提案した様々な問題を、激動の世の中でグローバル化に対応していく際の一助 としていただければ幸いです。

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