SGRAイベントへのお誘い
第12回日台アジア未来フォーラム/東呉大学東アジア地域発展研究センターUSR国際シンポジウム「大学の社会的責任(USR)の現状と展望―マクロからミクロへ」へのお誘い
下記の通り第12回日台アジア未来フォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。皆様のご参加をお待ちしています。
開催日:2025年10月17日(金)9:30〜17:20
開催場所:台湾 東呉大学 外雙溪キャンパス 第1教学研究棟(台北市臨渓路70号) 及びオンライン
使用言語:中国語・日本語・英語
共同主催:公益財団法人 渥美国際交流財団関口グローバル研究会
東呉大学(校級)東アジア地域発展研究センター
協賛:東呉大学外国語文学部、英文学科、日本語文学科、ドイツ文化学科、
国際学士 課程、心理学科、中東欧教学研究センター
参加申込はこちらから
※オンライン参加の方には後日アクセス情報をお送りします
お問い合わせ SGRA事務局([email protected])
◆ 趣旨
日台未来フォーラムは、台湾在住のSGRAメンバーの発案により2011年に始まり、毎年台湾の大学と協力して開催されてきました。第12回となる今回は、東呉大学東アジア地域発展研究センターとの共催により「大学と地域社会の未来」を主題に掲げ、大学の社会的責任(USR)を多角的に考察します。基調講演では観光と地域づくりを切り口にUSRの新たな可能性を探り、招待講演では日台の大学協働の試みや、ヨーロッパにおけるCSR・USRの先進的事例を共有します。さらにパネル討論では台湾・士林北投地域と東呉大学の取り組みをもとに、地域創生における大学の具体的な役割を検討します。本フォーラムは、台湾・日本・ヨーロッパを結ぶ知的ネットワークを基盤に、大学がレジリエンスや包摂性、民主的価値を育む主体としていかに地域と関わり得るかを国際的かつ学際的に議論する場を提供し、人文社会科学を越えて幅広い研究者に新たな視座と刺激をもたらすことを目指します。
◆プログラム
【基調講演】
山川 和彦(麗澤大学大学院言語教育研究科教授)
「地域社会の持続と観光学2.0 ―共創するまちづくりに向けて」
日本の地方社会では人口減少が進み、地域経済の維持が大きな問題になりつつある。こうした中、観光は地域活性化の重要な産業として期待され、多くの自治体が観光振興に力を入れている。しかし、観光客、特に外国人旅行者の急増により一部地域ではオーバーツーリズムが深刻化し、自然環境の破壊や住民の生活への悪影響が顕在化している。 国連世界観光機関(UNWTO)は持続可能な観光を「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」と定義しており、観光地においてもこの理念に基づいた取り組みが求められている。この持続可能な観光は、観光が観光客と観光業者によって成り立つものではなく、地域生活者、地域産業、行政、教育など多様なステークホルダーが関与する社会的活動になったと言っても過言ではない。そのため、地域の多様な関係者をつなぎ、持続可能性を調整・推進する「サステナビリティ・コーディネーター」の役割が重要になってくる。同時に持続可能な観光は、その場所に関係する人やものごとのウエルビーイングを考える必要があるといえる。(講演は日本語、中国語へ逐次通訳)
【招待講演1】
楊名豪 (国立台湾海洋大学助理教授)
「国境を越える「関係人口」の創出:日台大学協働の試み」
「関係人口」とは、特定の地域と多様な関わりを持つ人々を指す言葉であり、近年、日本の地方創生において重要な概念となっています。本講演では、この「関係人口」という概念を、台湾と日本の大学間の国際協力に応用し、より柔軟で非伝統的な学術的・社会的な繋がりを構築する方法について考察します。共同研究や学生交流、地域活性化プロジェクトを通じて、両国の大学がどのように新たな「関係人口」を創出し、ひいては東アジア地域の持続可能な発展と異文化理解を促進できるかを分析します。実践例を共有し、今後の台日大学連携における新たなモデルを提示することを目的とします。(講演は英語)
【招待講演2】
Olga Khomenko 氏(オックスフォード大学グローバルエリアスタティーズ研究科)
「ヨーロッパにおける大学の社会的責任の現代的実践 ―ウクライナ、ドイツ、フランスイギリスの事例を用いた国際比較研究」
本プレゼンテーションでは、ヨーロッパの大学における地域社会との連携モデルを比較します。戦時下や平時における大学の役割の変化に注目し、サービスラーニング、パートナーシップ、参加型ガバナンス、ソーシャル・イノベーションなどの実践を紹介します。台湾に教訓になる事例を紹介しながら、大学がレジリエンス、包摂性、民主的価値を育むために果たせる役割について、国際的な視点から考察を行います。 (講演は英語)
【パネルディスカッション】
テーマ:
「USRの現況と展望 -マクロからミクロへ ― 台湾・士林北投地域・東呉大学の地域創生事例の検討と共有 ―」
司会:王世和 教授(東呉大学副学長)
登壇者:
汪曼穎 教授(東呉大学心理学科)
張綺容 准教授(英文学科・国際学士課程長)
李泓瑋 助理教授(日本語文学科)
施富盛 助理教授(社会学科)
(討論は英語、一部中国語⇔英語逐次通訳)
2025年9月19日配信