SGRAイベントへのお誘い

第16回SGRAチャイナフォーラム「モダンの衝撃とアジアの百年 ―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―」へのお誘い

下記の通りSGRAチャイナフォーラムをオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。聴講者はカメラもマイクもオフのWebinar形式で開催しますので、お気軽にご参加ください。

 

テーマ:「モダンの衝撃とアジアの百年 ―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―」

日時:2022年11月19日(土)午後3時~5時(北京時間)/午後4時~6時(東京時間)
方法:Zoom Webinarによる/日中同時通訳付き

共同主催:

渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)

北京大学日本文化研究所

清華東亜文化講座

後援:国際交流基金北京日本文化センター

協 賛:鹿島建設(中国)有限公司

 

参加申込(リンクをクリックして登録してください)
お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)

 


 

■フォーラムの趣旨

山室信一先生(京都大学名誉教授)の『アジアの思想史脈―空間思想学の試み』(人文書院、2017年。徐静波・訳『亚洲的思想史脉——空间思想学的尝试』上海交通大学出版社・近刊予定)と『モダン語の世界へ:流行語で探る近現代』(岩波新書、2021年)などを手がかりに行った昨年度のフォーラム「アジアはいかに作られ、モダンはいかなる変化を生んだのか?」の続編として、前回に提起した空間論・時間論・ジェンダー論における論的転回の具体的現れについて考える。そして、それらが生活世界にどのような衝撃を与え、現在の私たちの時空感覚や身体的感性や倫理規範などにいかに通底しているのかを検討する。

 

■プログラム

総合司会 孫 建軍(北京大学日本言語文化学部/SGRA)
【開会挨拶】今西淳子(渥美国際交流財団/SGRA)
【挨拶】野田昭彦(国際交流基金北京日本研究センター)
【講演】山室信一(京都大学名誉教授)
「モダンの衝撃とアジアの百年―異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション―」
【討論】
モデレーター:林 少陽(澳門大学歴史学科/SGRA/清華東亜文化講座)
討論者:

陳 言(北京市社会科学院)
高 華鑫(中国社会科学院外国文学研究所)
山室信一(京都大学名誉教授)
【閉会挨拶】劉 暁峰(清華東亜文化講座/清華大学歴史系)

〇同時通訳(日本語⇔中国語):丁 莉(北京大学)、宋 剛(北京外国語大学/SGRA)

 

■講師からのメッセージ

討議では、前回の続きとして「近代と現代の二つのモダン」がアジアという空間においていかなる衝撃を与え、それがどのような時間論的転回とジェンダー論的転回を生んだのかについて具体的な事例をあげて考えたいと思います。

 

そこでは現在の私たちにとって当たり前の通念となっていることが、決して当然のこととして受け容れられた訳では無く、日常生活における所作や装身や感性や倫理・規範など多層的な激変を伴うものであったことに着目する必要があるかと思います。

 

同時に、そこでは欧米への対応とともに中国・韓国・日本の相互の反発や啓発によって平準化・類同化・固有化という興味深い現象を引き起こしたことも見逃せません。

 

実は、そうした現象が現れること自体が、アジアという時空間に共属感覚を抱くようになる要因でもあったと言えます。

 

こうしたモダンの衝撃のなかでも、現在の私たちにとっても思想課題として立ちはだかっているのが男女の性差という問題でしょう。いや、私が「モダン語の世界」とみている百年前の時空間の中で最も大きな衝撃として噴き出したのが、性差や性愛や性美などをいかに捉え、それをどのように生活世界の中に取りいれるか、あるいは全く逆にそれらを異常や風俗壊乱などとして排除していくのかという問題でした。ただ、同時にまた近代において否定された異性装が、新たなモードとして人気を博したのも現代の特徴でした。

 

そこではモダンと反モダン、アバンギャルドとプリミティヴィズムなどの相反する尖端が共存するという事態が現れます。その混沌たる気運を生んだのが、同時期に普及したニュー・メディアである写真や映画やレコードなどの世界的流通でした。これらのニュー・メディアはモンタージュや速写や透視などの技法によって空間論的転回と時間論的転回の接合という人類史的視点からみても画期的事態を生み出します。

 

私たちの時間感覚と空間感覚そして性差感覚は、第一次世界大戦の戦争形態の変化を経て決定的に転換するのです。

 

このようにして生じた変化が現在の私たちの生活世界にいかに繫がっているのか否か、という議論を通して、アジアにとってモダンやグローバリゼーションさらにはアメリカニズムとは何だったのか、を百年というタイムスパンの下で検討したいと思います。

 

最後に時間が許せば、「思詞学」という視点のもつ意義について再考し、忌憚のない御批判を戴きたいと切望しています。

 

※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。

日本語版

中国語版