SGRAイベントへのお誘い
第9回日台アジア未来フォーラム「帝国日本の知識とその植民地」へのお誘い
下記の通り第9回日台アジア未来フォーラムを台北市で開催します。参加ご希望の方は、下記よりご登録ください。
テーマ:「帝国日本の知識とその植民地:台湾と朝鮮」
日時:2019年5月31日(金)8:50~17:10
参加申し込み:会議ホームページより直接登録してください。
詳細は会議ホームページをご覧ください。
〇フォーラムの趣旨
台湾と朝鮮はともに漢文圏に属し、日本帝国の植民地を経験した。こうした過去の歴史は現在の台湾と朝鮮半島の政治と文学に重要な影響を与えている。周知のように、近代日本は漢文など東アジア諸国共有の伝統知識を踏まえながら、西洋文明を吸収して、日清・日露戦争を経て、台湾と朝鮮などの植民地を保有する帝国主義国家を築いた。帝国日本はどのように近代西洋の知識を吸収したのか。帝国日本の政治と知識の欲望において、台湾と朝鮮はいかに認識されていたのか。帝国日本における知識の在り方はどのように植民地における知識の形成と連結していたのか。そして、日本帝国と諸植民地の間にはどのような人間的な交流があったのか。本フォーラムでは、こうした問題意識に基づき、グローバルな視野で、台湾と朝鮮をめぐって、思想史と文学史の視点から、近代日本帝国における知識の在り方と台湾、朝鮮との関連、また日本帝国の諸植民地における人間の移動と交流を探究する。
次のようなテーマを検討する。(1)帝国日本の知識と台湾A:思想史。(2)帝国日本の知識と台湾B:歴史と文学。(3)帝国日本の知識と朝鮮。
〇プログラム
【基調講演】
山室信一(京都大学名誉教授)
「日本の帝国形成における学知と心性」
【第1セッション】
藍弘岳(国立交通大学教授)
「明治日本の自由主義と台湾統治論:福沢諭吉から竹越与三郎まで」
河野有理(首都大学東京教授)
「田口卯吉と植民地」
陳偉智(国立台湾大学博士課程)
「観察、風俗の測量と比較の政治:坪井正五郎、田代安定と伊能嘉矩の風俗測量学」
【第2セッション】
塩出浩之(京都大学准教授)
「近代初期の東アジアにおける新聞ネットワークと国際紛争」
田世民(国立台湾大学准教授)
「近代日本における葬式儀礼の変化と植民地台湾との交渉」
柳書琴(国立清華大学教授)
「祖国に留学する:左翼文化廊下における台湾の文学青年(1920-1937)」
【第3セッション】
月脚達彦(東京大学教授)
「朝鮮の民族主義の形成と日本」
趙寛子(ソウル大学准教授)
「東アジア体制変革において日清・日露戦争をどう見るか:「思想課題」としての歴史認識」
許怡齡(文化大学准教授)
「近代知識人朴殷植の儒教改革論と日本陽明学」
【総括】
林立萍(台湾大学日本研究センター主任)
山室信一(京都大学名誉教授)
〇日台アジア未来フォーラムとは
日台アジア未来フォーラムは、台湾在住のSGRAメンバーが中心となって企画し、2011年より毎年1回台湾の大学と共同で実施している。過去のフォーラムは下記の通り。
第1回「国際日本学研究の最前線に向けて:流行・ことば・物語の力」
2011年5月27日 於:国立台湾大学文学部講堂
第2回「東アジア企業法制の現状とグローバル化の影響」
2012年5月19日 於:国立台湾大学法律学院霖澤館
第3回「近代日本政治思想の展開と東アジアのナショナリズム」
2013年5月31日 於:国立台湾大学法律学院霖澤館
第4回「東アジアにおけるトランスナショナルな文化の伝播・交流―文学・思想・言語」
2014年6月13日~14日 於:国立台湾大学文学部講堂および元智大学
第5回「日本研究から見た日台交流120 年」
2015年5月8日 於:国立台湾大学文学部講堂
第6回「東アジアにおける知の交流―越境、記憶、共生―」
2016年5月21日 於:文藻外語大学至善楼
第7回「台・日・韓における重要法制度の比較─憲法と民法を中心として」
2017年5月20日 於:国立台北大学台北キャンパス
第8回「グローバルなマンガ・アニメ研究のダイナミズムと新たな可能性
―コミュニケーションツール として共有・共感する映像文化論から
学際的なメディアコンテンツ学の構築に向けてー」
2018年5月26日~27日 於:東呉大学外双渓キャンパス
第9回「帝国日本の知識とその植民地―台湾と朝鮮」
2019年5月31日 於:国立台湾大学凝態センター国際会議ホール