SGRAスケジュール

第13回SGRAチャイナ・フォーラム「国際日本学としてのアニメ研究」へのお誘い

下記の通りSGRAチャイナ・フォーラムを北京で開催いたします。参加ご希望の方は、直接会場へお越しください。

 

テーマ:「国際日本学としてのアニメ研究:メディアミックスとキャラクター共有の歴史的展開」
日 時: 2019年10月19日(土)午後2時~5時
会 場: 北京外国語大学北京日本学研究センター多目的室

※お問い合わせ:SGRA事務局(sgra-office@aisf.or.jp, 03-3943-7612)

 

主 催: 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)
共 催: 北京外国語大学日本語学院、清華東亜文化講座
後 援: 国際交流基金北京日本文化センター

 

 

第13回SGRAチャイナフォーラムちらし

 

■フォーラムの趣旨
企業が主導して、複数の作家が同一のキャラクターや世界観(背景世界)を共有して創作物を同時多発的に生み出し、さらにそこにファンが二次創作やコスプレの形で創造的に参加する「メディアミックス」は、日本のアニメーションを中心とするコンテンツ産業の特徴的手法とされ、Marc Steinberg 『Anime’s media mix: Franchising toys and characters in Japan』(2012)以降、アニメの学術研究の新しい領域として注目を集めている。本フォーラムではSteinbergの議論では不十分であったメディアミックスの東アジアでの歴史的な起源について中・日双方から検証したい。

 

■プログラム

 

総合司会:孫建軍(北京大学准教授)
開会挨拶:董炳月(清華東亜文化講座、社会科学院文学研究所教授)
徐 滔(北京外国語大学日語学院院長)

 

【講演1】大塚英志(国際日本文化研究センター教授)
「『翼賛一家』とメディアミックスの日本ファシズム起源」

 

【講演2】秦 剛(北京日本学研究センター教授)
「日本アニメにおける『西遊記』のアダプテーション:変異するキャラクター」

 

【総合討論】「メディアミックスとキャラクター共有の歴史的展開」
モデレータ: 顔淑蘭(社会科学院文学研究所研究員)
討論者:古市雅子(北京大学マンガ図書館館長准教授)
陳 龑(東京大学総合文化研究科博士課程)

 

閉会挨拶:今西淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会代表)

 

※プログラムの詳細は、下記URLをご参照ください。
日本語  中国語

 

■講演要旨

 

【講演1】大塚英志(国際日本文化研究センター教授)
「『翼賛一家』とメディアミックスの日本ファシズム起源」

 

戦後のアニメーションビジネスなどの新しいメディア戦略と無批判に信じられていた、統一的な「版権」の管理のもとで世界観とキャラクターを共有し、多メディアで複数の作り手により同時多発的にコンテンツを展開する「メディアミックス」が、実は戦時下の日本に於いて大政翼賛会によって設計されたことを歴史的に検証する。この大政翼賛会のメディアミックス「翼賛一家」に、長谷川町子や手塚治虫ら戦後の日本アニメに原作を提供する代表的作者が無名時代に参加したことの背景と意味、また、「朝日新聞」を中心に「翼賛一家」の読者投稿が推進され、戦後の日本の同人誌文化の特色と言える「二次創作」という参加型文化が日本ファシズム期に形成されたことも資料に基づき考察する。
さらに、この大政翼賛会のメディアミックスが旧満州、上海、台湾などでも展開された「大東亜共栄圏」構築のプロパガンダのツールであったことも資料から概観し、東アジアまんがアニメーション研究に戦時下歴史研究が不可避であることを示す。
略歴
まんが原作者。国際日本文化研究センター教授。創作と研究の双方を行う。角川書店の黎明期のメディアミックスに深く関わる。

 

【講演2】秦 剛(北京日本学研究センター教授)
「日本アニメにおける『西遊記』のアダプテーション:変異するキャラクター」

 

中国アニメ最大のIP(知的財産)と見なされる孫悟空は、日本のアニメにおいても長らく共有されてきたキャラクターのひとつである。“西遊記もの”アニメの創作において、中国と日本は相互に刺激し合いながらもまったく異なる道を歩んできた。それによってまず考えつくのは、なぜ東アジア地域において『西遊記』アニメによるアダプテーションが作られ続けてきたのか、天竺への旅を描いた長大な物語とアニメーションというジャンルとの本質的な結びつきは何だったのか、といった問題だ。本講座では手塚治虫が制作に関わった作品を中心に、日本の“西遊記もの”アニメの創作の流れを要約的に振りかえってみたい。それはサブカルチャーに現れる「日本的想像力」の特質とその背後にある社会的、歴史的文脈を理解するための恰好な手がかりになるであろうが、そこで忘れてならないのは、アニメと漫画やテレビドラマなど隣接するメディアとの密接な関連性である。たとえば、日本ではテレビドラマの三蔵法師役を人気女優が演じるのが通例だが、これは『西遊記』をめぐる日本のサブカルチャーの特殊な現象であり、理解しがたい謎である。このような現象を生み出した文化的要因はテレビドラマでではなく、むしろアニメの中で育まれてきたものだと筆者は見ている。
略歴
北京外国語大学日本学研究センター教授、東京大学大学院人文社会系研究科日本文学専攻博士。専門は日本近代文学。