構想アジア

世紀を跨いで、アジアは興隆と繁栄の時代になりつつある。歴史を鏡としながら、現在のアジアはどうあるべきか、50年または100年後のアジアをどのように構想し、構築していくべきか。それに向けての諸課題をグローバルな視点に立って探求します。
  • 2015.11.24

    レポート第73号「アジア経済のダイナミズム」

    SGRAレポート73号(本文1) SGRAレポート73号(本文2) SGRAレポート73号(表紙)   第14回日韓アジア未来フォーラム 第48回SGRAフォーラム 「アジア経済のダイナミズム-物流を中心に」 2015年11月10日発行   <もくじ> はじめに 金 雄熙(仁荷大学国際通商学部教授)   【基調講演】「アジア経済のダイナミズム」榊原英資(さかきばら えいすけ:インド経済研究所理事長・青山学院大学教授)   【報 告 1】「北東アジアの多国間地域開発と物流協力」安 秉民(アン・ビョンミン:韓国交通研究院北韓・東北亜交通研究室長)   【報 告 2】「GMS(グレーター・メコン・サブリージョン)における物流ネットワークの現状と課題」ド・マン・ホーン (桜美林大学経済・経営学系准教授)   【 ミニ報告】「アジア・ハイウェイの現状と課題について」 李鋼哲(リ・コウテツ、北陸大学未来創造学部教授)   進行及び総括:金雄煕(キム・ウンヒ、仁荷大学国際通商学部教授) 討論者:上記発表者、指定討論者(渥美財団SGRA及び未来人力研究院の関連研究者)、一般参加者  
  • 2015.01.08

    第14 回日韓アジア未来フォーラム/第48回SGRAフォーラム「アジア経済のダイナミズム」へのお誘い

    下記の通り第14回日韓アジア未来フォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。 日時:2015年2月7日(土)午後1時30分~午後4時30分 会場:国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟 国際会議室 申込み・問合せ:SGRA事務局http://www.aisf.or.jp/sgra/電話:03-3943-7612Email:sgra-office@aisf.or.jp ● フォーラムの趣旨 渥美国際交流財団関口グローバル研究会と未来人力研究院が共同で、2001年より毎年、日韓相互に開催するフォーラム。14回目は第48回SGRAフォーラムも兼ねて東京で開催する。日本は、交通・物流システム、自然災害への対策、経済発展と省エネルギーの両立、少子高齢化への対処など、多くの分野において経験や技術を蓄積しており、圧縮成長を成し遂げてきた韓国の経験やノウハウと共に、東アジア地域における将来の発展や地域協力の在り方に貴重な手掛かりを提供している。アジア地域は経済的に実質的な統合に向かっており、インド、中国、ASEAN、そして北東アジアの経済がダイナミックに連動しながら発展を成し遂げている。本フォーラムでは、日韓の交通・物流システムにおける先駆的な経験が、アジアの持続可能な成長と域内協力にどのように貢献するかという問題意識に立ち、アジア地域で物流ネットワークが形成されつつある実態を探り出し、その意味合いを社会的にアピールすることを目的とする。日韓同時通訳付き。 <プログラム> 総合司会: 平川 均(ひらかわ・ひとし:国士舘大学21世紀アジア学部教授、名古屋大学名誉教授)開会の辞: 李 鎮奎(リ ジンギュ:未来人力研究院 理事長、高麗大学経営学部教授) 【基調講演】「アジア経済のダイナミズム」榊原英資(さかきばら えいすけ:インド経済研究所理事長・青山学院大学教授) 【報 告 1】「北東アジアの多国間地域開発と物流協力」安 秉民(アン・ビョンミン:韓国交通研究院北韓・東北亜交通研究室長) 【報 告 2】「GMS(グレーター・メコン・サブリージョン)における物流ネットワークの現状と課題」ド・マン・ホーン (桜美林大学経済・経営学系准教授) 【休  憩】 【自由討論】進行及び総括:金雄煕(キム・ウンヒ、仁荷大学国際通商学部教授) ● ミニ報告:「アジア・ハイウェイの現状と課題について」   李鋼哲(リ・コウテツ、北陸大学未来創造学部教授) 討論者:上記発表者、指定討論者(渥美財団SGRA及び未来人力研究院の関連研究者)、一般参加者 閉会の辞:今西淳子(いまにし じゅんこ:渥美国際交流財団常務理事) 詳細は、下記リンクをご覧ください。 ちらし    プログラム  
  • 2013.09.29

    第45回SGRAフォーラム「紛争の海から平和の海へ」へのお誘い

    下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛 ご連絡ください。   テーマ:「紛争の海から平和の海へ-東アジア海洋秩序の現状と展望-」   日時:2013年9月29日(日)午後1時30分~5時30分 その後懇親会   会場:東京国際フォーラム ガラス棟 G409 号室      参加費:フォーラムは無料 懇親会は正会員1000円、メール会員2000円   お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局(sgra-office@aisf.or.jp, 03-3943-7612)   ◇フォーラムの趣旨   東アジアの海が荒れている。特に2012 年は日中・日韓の間で島々の領有をめぐり、激しい応酬が見られた。日本はロシアとの間でも4 つの島をめぐり領土問題を抱えている。このような現状で、東アジア共同体の構築に向けた議論はどこにいってしまうのか。果たして領土問題は東アジアの海に紛争の渦を湧き起こし、共同体議論は破綻してしまうのか。それとも領土問題は東アジアの人々に協力と平和の大切さを気づかせ、共同体議論を一歩前進させるきっかけとなりうるか。この地域は今、その岐路に立っている。一方、共同体議論と領土紛争はあまりにもかけ離れているため、そのどちらにしろ性急な結論に走ってしまうように思われる。したがって、その中間領域で、かつ長いタイム・スパンで、じっくり現実を見つめることが必要である。「(武力によって)強制できず、(対話によって)譲歩できず、したがって解決できず」の現実が物語るのは何であるのか。その現実を見つめると、そこに戦後の歴史のなかで紆余曲折を経ながら形成されてきた「秩序と規範」、即ち「東アジア型国際社会」の存在を確認することができるのではないだろうか。SGRA「東アジアの安全保障と世界平和」研究チームが担当する第6 回目のフォーラムは、こうした問題意識から「東アジア海洋秩序の現状と展望」を語ることで「紛争の海から平和の海へ」の可能性を模索したい。   ◇プログラム   詳細はこちらをご覧ください。   司会:李 恩民(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)   【基調講演】村瀬信也(上智大学法学部教授) 「東アジアの海と領土-国際法の視点から-」   【発表1】南 基正(ソウル大学日本研究所副教授) 「東アジア型国際社会の出現-日韓漁業協定(1965)への過程を振り返るー」   【発表2】李 成日(中国社会科学院研究員) 「東アジア国際システムの現状と展望-中国内の議論を中心に—」   【発表3】林 泉忠(台湾中央研究院副研究員) 「「琉球地位未定論」の再燃で尖閣紛争の解決に役立つのか-中国と台湾の議論を中心に-」   【発表4】福原裕二(島根県立大学准教授) 「竹島/独島をめぐる海の一断面」   【発表5】朴 栄濬(韓国国防大学校安全保障大学院教授) 「北極海の開放と韓国・日本・中国の海洋協力可能性」   【パネルディスカッション】 司会:李 恩民 総括:明石 康(国際文化会館理事長) 討論者:上記発表者
  • 2012.09.27

    第1回スタディ・ツアーin福島へのお誘い

    SGRAでは下記の通り、福島県飯館村へスタディーツアーを行います。 参加ご希望の方は、SGRA事務局(sgra-office@aisf.or.jp)へご連絡ください。   スタディーツアー「福島県飯館村へ行ってみよう」参加者募集!   日時:2012年10月19日(金)~21日(日) 集合:池袋駅あるいは福島駅 参加費:15000円(宿泊費と食費を含む) 定員:先着15名<SGRA会員限定> 申し込み・問い合わせ:SGRA事務局(sgra-office@aisf.or.jp、03-3943-7612)   主催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA:セグラ) 協力:特定非営利活動法人「ふくしま再生の会」   フォーラムの趣旨:   SGRA「構想アジア」研究チーム担当。今回のフォーラムは、スタディーツアーです。 今年の3月にソウルの高麗大学で開催した第11回日韓アジア未来フォーラムでご講演いただいた田尾陽一様のお取計らいで、「ふくしま再生の会」のご協力を得て、福島県飯館村を訪問します。「ふくしま再生の会」は東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故によって破壊されてしまった被災地域の生活と産業の再生を目指すボランティア団体です。2011年6月以来、飯舘村に活動の拠点を設け、被災者の方々とともに知恵を出し合いながら再生へ向けた各種のプロジェクトを推進しています。 今回のツアーでは、飯館村を訪問してプロジェクトを見学し、地元の方や関係者と懇談し、福島の再生について一緒に考えます。   ○プログラム   10月19 日(金) 東京あるいは福島駅集合。貸切マイクロバスで相馬市へ(14:00頃到着)。 地元の方と懇談。16:00115号線で伊達市花水ふるさと体験スクール着(18:00頃)。   10月20 日(土) 7:30朝食、9:00ふるさと体験スクール発。10:00飯舘村佐須・菅野宗夫さん宅着。宗夫さんと懇談、周辺の「ふくしま再生の会」実験場所見学、お弁当。13:00宗夫さん宅発村内見学(山津見神社、東北大学惑星観測所、村役場周辺、比曽地区、長泥地区バリケードなど)17:00霊山(りょうぜん)紅彩館着。紅葉最盛期。食事は、全員で紅彩館ホテルのレストランで。食事後全員で総括ミーティング。   10月21日(日) マイクロバスで福島駅あるいは東京へ。
  • 2011.02.15

    レポート第58号 「鹿島守之助とパン・アジア論への一試論」

    SGRAレポート58号本文 SGRAレポート58号表紙   投稿論文(日本語・英語合冊版) 平川 均 「鹿島守之助とパン・アジア論への一試論」 Dr. Morinosuke Kajima and Pan-Asianism 2011年2月15日発行   <はじめに> 今日、鹿島守之助は、鹿島建設元社長として昭和期を代表する卓越した実業家であると同時に政治家、学者でもあった人物として知られている。彼の経歴は極めて多彩であり、経営者であると同時に戦後18年間にわたり自民党の国会議員であった。また、外交研究者でもありほぼ生涯にわたって執筆を続け、大戦後は自らの著作を含めて日本外交に直接間接に関わる膨大な出版活動を行った。彼は日本外交の公的研究機関である国際問題研究所の開設で主要な役割を果たし、自らも平和研究のための鹿島平和研究所を創設して、戦後における日本外交と外交研究に多大な足跡を残した。   しかし、彼が1920年代後半以降生涯を通じて、独特なアジア主義者として「アジア連盟」あるいは「アジア共同体」の理想を追求した人物であったことを知る人は少ない。彼が73年に、フランスの元首相エドワード・エリオ(Edouard Herriot)による25年1月の議会演説に準えて、かつての生家・永富家の一角に「わが最大の希願は、いつの日にかパンアジアの実現を見ることである」と刻んだ碑を建立していたことを知れば、意外に思う人がほとんどであろう。実際、彼の国際政治や外交に関する膨大な著作や政治活動の軌跡を辿るならば、彼は確かに「汎アジア」「パン・アジア」を悲願としており、大戦後の多彩な社会活動も彼の思想と深く関っている。 こうしてそのことは、われわれに多くの関心を呼び起こす。   彼のアジア主義はどのような思想であり、彼をその思想に駆り立てたものは何か、彼の思想が「大東亜共栄圏」によって象徴される日本のアジア侵略の試練とどう関り、その試練をどう潜り抜けてきたか、彼の構想が戦後むしろ省みられないできたのは何故か、などである。 東アジア共同体への関心が21世紀に入って急速に高まっている現在、鹿島守之助のパン・アジア論に光を当てることによって、今日の東アジア共同体に資する何かを発見できるのではないか。以下ではほぼ時代に沿って鹿島のパン・アジア論の生成と変遷をみた後、その論理の特徴を確認したい。そのことによって上述の疑問の幾つかに回答を試みたい。
  • 2008.04.11

    レポート第43号 「鹿島守之助とパン・アジア主義」

    レポート第43号   渥美奨学生の集い講演録 平川 均 「鹿島守之助とパン・アジア主義」 2008年3月1日発行   鹿島守之助博士は、今日、鹿島建設元社長として昭和期を代表する卓越した実業家であると同時に、政治家、外交史研究者でもあった人物として知られている。日本の外交研究とそれに関する活動にも多大な貢献を果した。しかし、彼が1920年代後半以降、生涯を通じて、独特なアジア主義者として「アジア連盟」あるいは「アジア共同体」の理想を追求した人物であったことを知る人は少ない。彼が73年に、かつての生家・永富家の一角に「わが最大の希願は、いつの日にか パンアジアの実現を見ることである」と刻んだ碑を建立していたことを知れば、意外に思う人がほとんどであろう。実際、彼の国際政治や外交に関する膨大な著作や政治活動の軌跡を辿るならば、彼は確かに「汎(ハン)アジア」「パン・アジア」を悲願としており、大戦後の多彩な社会活動も彼の思想と深く関っている。   彼のアジア主義はどのような思想であり、その思想に駆り立てたものは何か、彼の思想が「大東亜共栄圏」によって象徴される日本のアジア侵略の試練とどう関り、その試練をどう潜り抜けてきたか、彼の構想が戦後むしろ省みられないできたのは何故かなどである。   東アジア共同体への関心が21世紀に入って急速に高まっている現在、鹿島博士のパン・アジア論に改めて光を当てることによって、今日の東アジア共同体に資する何かを発見できるのではないか。報告ではほぼ時代に沿って鹿島のパン・アジア論の生成と変遷をみた後、その思想と論理の特徴を確認したい。そのことによって上述の疑問の幾つかに回答を試みたい。  
  • 2006.02.20

    レポート第31号「東アジアの経済統合:雁はまだ飛んでいるか」

    SGRAレポート第31号   第20回SGRAフォーラムin軽井沢 「東アジアの経済統合:雁はまだ飛んでいるか」 講演録 2006年2月20日発行   【基調講演】渡辺利夫(拓殖大学学長)                        「東アジア共同体への期待と不安」   【ゲスト講演】トラン・ヴァン・トウ(早稲田大学教授)                          「東アジアの雁行型工業化とベトナム」   【研究報告1】範 建亭(上海財経大学国際工商管理学院助教授、SGRA研究員)                            「中国家電産業の雁行型発展と日中分業」   【研究報告2】白 寅秀(韓国産業資源部産業研究院副研究委員、SGRA研究員)                               「韓・中・日における分業構造の分析と展望―化学産業を中心としてー」   【研究報告3】エンクバヤル(環日本海経済研究所ERINA研究員)                                「モンゴルの経済発展と東北アジア諸国との経済関係」   【研究報告4】F.マキト(フィリピンアジア太平洋大学研究助教授、SGRA研究チーフ)                              「共有型成長を可能にする雁行形態ダイナミックス(フィリピンの事例)」   【パネルディスカッション】 進行: 李 鋼哲(北陸大学教授、SGRA研究員)     【総括】平川 均(名古屋大学大学院経済学研究科教授、SGRA顧問)
  • 2003.01.31

    レポート第14号「グローバル化の中の新しい東アジア」+宮澤喜元総理大臣をお迎えしてフリーディスカッション

    SGRAレポート第14号(PDF) SGRAレポート第14号 英語版(PDF) 第8回フォーラム講演録 「グローバル化の中の新しい東アジア」 ~宮澤喜一元総理大臣をお迎えしてフリーディスカッション~ 平川均、李鎮奎、ガト・アルヤ・プートゥラ、孟健軍、B.ヴィリエガス 日本語版2003.1.31発行、韓国語版2003.3.31 発行、中国語版2003.5.30発行、英語版2003.3.6発行 ---もくじ---------------------- 【宮澤喜一元総理大臣をお迎えしてフリーディスカッション】 【講演1】「通貨危機は東アジアに何をもたらしたか」 平川 均(名古屋大学大学院経済学研究科附属国際経済動態研究センター教授) 【講演2】「韓国IMF危機以後の企業と銀行の構造改革」 李 鎮奎 (高麗大学校経営大学経営学科教授・(財)未来人力研究センター理事) 【講演3】「経済危機と銀行部門における市場集中と効率性―インドネシアの経験―」 ガト・アルヤ・プートゥラ (インドネシア銀行構造改革庁主席アナリスト) 【講演4】「アジア経済統合の現状と展望」 孟 健軍(中国清華大学公共管理学院、中国科学院―清華大学国情研究中心教授、日本経済産業省経済産業研究所ファカルティフェロー) 【講演5】「中国との競争と協力」バーナード・ヴィレガス (フィリピンアジア太平洋大学経済学部教授) 【自由討論・フロアーからの質疑応答】 【総括】 -------------------------
  • 2002.07.08

    レポート第11号 「中国はなぜWTOに加盟したのか」金香海

    SGRAレポート第11号(PDF) 投稿 金香海 「中国はなぜWTOに加盟したのか」  2002.7.8発行 ---要旨--------------------- 全体的に見れば、中国のWTO加盟はチャンスと挑戦が同時に存在する「諸刃の剣」である。それにもかかわらず、中国はなぜWTOに加盟したのか。その原因をめぐって、現在いろいろな説があるのはいうまでもない。本レポートでは、そのようなさまざまな原因を1つの分析枠組みによって解明することを試みている。すなわち、中国のWTO加盟の要因を、外からの拘束要因と内からの国内要因がWTO加盟に連動する、いわゆる国際要因と国内要因が連繋する2つのレベルから検討している。この課題を立証するため、相互に関連する6つの問題を取上げている。 ①WTOと何か②中国はなぜWTO加盟を申請したのか③中国のWTO加盟をめぐる米中交渉はなぜ妥結したのか④WTO加盟によって中国社会構造はどう変わるのか⑤中国がWTO加盟を決定した要因は一体何か⑥中国がWTO加盟したあとはどうなるのか。 方法論と実証分析に基づいて主要な要因を分析し、次の2つの結論を考察している。 第1点は、世界経済との相互依存の進化による中国国内経済の変化である。中国経済は、市場を媒介としながら世界経済と相互浸透し、その結果、中国の単一計画経済が分化され、国有企業、民間企業、外資企業、農業といったいろいろな経済セクターが出現した。各経済セクターは自らの政策選好を表出するが、その共通な部分を掬い上げると、市場経済の確立と公平な競争環境の整備による資源配分のメカニズムの導入である。しかし、社会政策選好と中央指導部の政策選択の間には、伝統的な政治構造と地域構造が介在しているため、社会政策選好が必ずしも国家政策に還元されるわけではない。したがって、3大改革を中心とする国内改革の一層の推進による市場経済体制の確立は、中国のWTO加盟におけるカギとなる。 第2点は、WTO加盟は構造的に中国を強く拘束する点である。WTOは、中国の市場開放と国際ルールの遵守、国家の自律性と制度上の改革を要求する。これに対し、中国中央指導部は加盟による便益とコストを合理的に計算し、外圧の効果を利用して社会主義経済体制の構築を目指している。そのため、「3つの代表論」を提起するなど、多元的な価値観を受入れ得る党のイデオロギーを新しく解釈しなければならない。このように、中国のWTO加盟は、経済システムへの適応、国内利益への調整という循環を繰り返す過程でもある。 今後の課題として、中国の世界通商体制の行方に与える影響と、WTOルールの適応による国内制度の変革と社会構造の変動をあげている。 ------------------------