SGRAレポートの紹介
レポート第87号「日本の高等教育のグローバル化!?」
第61回SGRAフォーラム講演録
「日本の高等教育のグローバル化!?」
2019年3月26日発行
<フォーラムの趣旨>
2012年に日本再生戦略の中で若者の海外留学の促進とグローバル人材育成が謳われ、5年が経過した。現在の諸政策は外国語能力の向上と異文化理解の体得を推進するに留まっている。例えば、TOEFL・TOEICを利用した英語習得及び評価や英語での授業展開を中心としたものや、海外留学の推奨など日本から海外に出る方向に集中していることが挙げられる。また、その対象が日本人に限られている点など、現時点におけるグローバル人材育成の方針は一方面かつローカルな視点から進められているようにとれる。
一方、教育の受け手であり、育成される対象である若者がこのような現状をどのように受け止め行動しているのかはあまり議論されず取り残されたままである。そこで本フォーラムでは、高等教育のグローバル化をめぐる大学と学生の実態を明らかにし、同様の施策をとる他国との比較を通して同政策の意義を再検討する。
<もくじ>
【問題提起】
「スーパーグローバル大学(SGU)の現状と若者の受け止め方:早稲田大学を例として」
沈 雨香(Sim Woohyang)早稲田大学助手
【講演1】
「日本の高等教育のグローバル化、その現状と今後の方向について」
吉田 文(Aya Yoshida)早稲田大学教授
【講演2】
「韓国人大学生の海外留学の現状とその原因の分析」
シン・ジョンチョル (SHIN Jung Cheol) ソウル大学教授
【事例報告1】
「内向き志向なのか――地方小規模私立大学における《留学》」
関沢 和泉 (Izumi Sekizawa) 東日本国際大学准教授
【事例報告2】
「関西外国語大学におけるグローバル人材育成の現状」
ムラット・チャクル(Murat Cakir)関西外国語大学講師
【事例報告3】
「関西外国語大学におけるグローバル人材育成の現状」
金 範洙(Kim Bumsu)東京学芸大学特命教授
【フリーディスカッション】
-討論者を交えたディスカッションとフロアとの質疑応答-
総合司会:張 建(Zhang Jian)東京電機大学特別専任教授
モデレーター:シム・チュンキャット(Sim Choon Kiat)昭和女子大学准教授