設立の趣旨
新しい世紀を迎えるにあたって、世界全体に変革の嵐が渦巻き、人々は新しい技術に大きな期待を抱く一方、社会構造の激しい変化にとまどっています。国際化・グローバル化が唱えられて久しいのに、世界中で共有できる新しい方向性を見出すことができず、混乱は増すばかりです。このような時代においては、物事を新しい視点から複合的に分析し判断していくことが必要になってきているのではないでしょうか。しっかりした理念を持ち、それを如何に実践していくか、一人一人の意識の改革と行動が今問われているのではないでしょうか。
企業や組織あるいは個人は、いろいろなコミュニティーの一構成員ですから、その社会の市民(Citizen)として存在しています。社会の構成員である市民は、個々の利益の追求と同時に、その周辺社会の利益も検討しなければなりません。問題を解決する時や、方針・戦略を立てる時、科学技術の開発や経営・経済学の分析だけでなく、環境、政治、教育、芸術、文化など、社会のあらゆる次元において多面的検討が必要であります。グローバル化が進む現代においては、自己のアイデンティティを失わずに、従来の社会の範囲をさらに広げ、地球全体(Global)の平和と人類全体の幸福を目指していくことが求められています。
関口グローバル研究会(Sekiguchi Global Research Association)は、任意の非営利組織として活動していきます。企業や公共機関、NPO・NGOなどの組織や個人が、グローバル化にたちむかうための方針や戦略を立てる時に役立つような研究、問題解決の提言を行い、その成果をシンポジウム・出版物・インターネット等の方法で広く社会に発信していきます。その活動を通して、良き地球市民(Global Citizen)の実現に貢献することが、当研究会の基本的な目標です。したがって、本研究会は、ある一定の専門家を対象とするのではなく、広く社会全般を対象に、幅広い研究領域を包括した国際的かつ学際的な活動を狙いとしています。
当研究会は、世界各国から渡日し、長い留学生活を経て博士号を取得した、多分野の外国人研究者が中心となって発足します。彼らは日本あるいは海外の大学、研究所や企業で働きながら、インターネットを主要なコミュニケーション手段としてこの研究会に意欲的に参加しており、国際的かつ学際的な観点からの検討を目指す本研究会の原動力となっています。研究テーマ毎に、多分野、多国籍の研究者がプロジェクトチームを編成し、広汎な知恵とネットワークを結集し、多面的なデータから分析・思考して研究を行います。チームメンバーには、これらの基幹研究員に加え、グローバル化に関心をもつ内外の支援者及び会員の皆様にも参加協力をいただきます。多くの皆さんと共に、輪を広げていく地道な活動をめざします。
良き地球市民の実現が、私たちの願いです。
(2000年7月7日)