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  • Invitation to SGRA Forum #67

    *********************************************** SGRAかわらばん886号(2021年9月3日) 【1】第67回SGRAフォーラムへのお誘い(9月23日、オンライン) 「誰一人取り残さない:如何にパンデミックを乗り越えSDGs実現に向かうか」 【2】催事紹介:国際ソーシャルワーク研究会(9月18日、オンライン) 「世界と日本の移民政策:日本社会の現在と今後の多文化共生に向けた課題」 【3】第6回日本・中国・韓国における国史対話の可能性へのお誘い(再送) 「人の移動と境界・権力・民族」(9月11日、オンライン) *********************************************** 【1】第67回SGRAフォーラム「誰一人取り残さない」へのお誘い 下記の通り、第67回SGRAフォーラムをオンラインで開催します。一般視聴者はカメラもマイクもオフのZoomウェビナー形式ですので、お気軽にご参加ください。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「誰一人取り残さない:如何にパンデミックを乗り越えSDGs実現に向かうか―世界各地からの現状報告―」 日時:2021年9月23 日(木・祝)午後2時~4時30分 方法: オンライン(Zoomウェビナー)開催 言語:日本語 申込:下記リンクよりお申し込みください https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_yju-0tGIRpygadlGG6YAKg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612) ■フォーラムの趣旨 SDGs(Sustainable_Development_Goals持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで、国連加盟193カ国が採択した、2016年から30年までの15年間で持続可能で、より良い世界を目指すために掲げた目標。国連ではSDGsを通じて、貧困に終止符を打ち、地球を保護してすべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけている。具体的には、17のゴール(なりたい姿)・169のターゲット(具体的な達成基準)から構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave_no_one_behind)」ことを誓っている。SDGsに取り組むのは、国連加盟国の各国政府だけではなく、企業、NPO、NGOなどの各種団体、地方自治体、教育機関、市民社会、そして個人などすべての主体がそれぞれの立場から取り組んでいくことが求められている。 2020年はSDGsの5年目になる年であったが、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界を席巻し、世界各国の経済や社会生活に多大な打撃を与え、世界大戦に匹敵する死傷者を出す悲惨な状況になってしまった。世界では先進国を中心にワクチン開発・供給などで取り組んで来ているが、多くの発展途上国は、資本主義の生存競争のなかで、パンデミックの対応に困難を極める状況に置かれているのが現状である。本フォーラムは、SDGsの基本理念と目標について理解するとともに、いくつかの国をケーススタディとしてとりあげ、パンデミックを如何に克服して「誰一人取り残さない」SDGsの実現に対応すべきかについて議論を交わすことを通じて、「地球市民」を目指す市民の意識を高め、一人一人がSDGsに主体的に取り組むアクションを起こすきっかけを提供することを目的とする。 ◇プログラム: 総合司会:ロスティカ・ミヤ(大東文化大学/SGRA) 【第1部】基調報告(14:10~14:40): 佐渡友哲(さどとも・てつ:日本大学/INAF) テーマ「SDGs時代における私たちの意識改革」 (参考図書:『SDGs時代の平和学』法律文化社、2019.12) 【第2部】世界各地からの現状報告(14:40~15:30): 報告1:フィリピンにおけるSDGs:フェルディナンド・マキト(フィリピン大学ロスバニョス校/SGRA) 報告2:ハンガリーにおけるSDGs:杜セキン(INAF研究員) 報告3:中東・北アフリカ地域におけるSDGs:ホサム・ダルウィッシュ(アジア研究所/SGRA) 報告4:北朝鮮におけるSDGs:朴在勲(㈱コリア・メディア/INAF) 報告5:スーダンにおけるSDGs:モハメド・オマル・アブディン(参天製薬㈱/SGRA) 【第3部】自由討論・総括(15:40~16:30): モーデレーター:李鋼哲(北陸大学/SGRA/INAF) パネリスト:報告者全員 +羽場久美子(神奈川大学)、三村光弘(ERINA/北東アジア学会)その他数名 総括:平川均(名古屋大学名誉教授/SGRA/INAF) 下記リンクよりプログラムをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/09/SGRAForum67Program.pdf -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】催事紹介 SGRA会員のヴィラーグ ヴィクトルさんから、研究会のお知らせをいただきましたのでご紹介します。SGRAで3回お話しいただいた宮島喬先生のご講演です。参加ご希望の方は直接お申込みください。 ----------------------------------- 第8回国際ソーシャルワーク研究会 「世界と日本の移民政策:日本社会の現在と今後の多文化共生に向けた課題」 日時:2021年9月18日(土)13:30-15:30 オンライン(Zoom)開催 第1部:報告「グローバルアジェンダについて」 報告者:木村真理子,Ph.D (IFSWアジア太平洋地域前会長) 第2部:講演「世界と日本の移民政策:日本社会の現在と今後の多文化共生に向けた課題」 講師:宮島喬(お茶の水女子大学名誉教授) 参加申込:国際ソーシャルワーク研究会事務局 [email protected] 申込締切:9月11日 チラシ https://drive.google.com/file/d/1Zdj4rJrNx6SHfhFxde4UIA_pgrx3oQV_/view?usp=sharing 研究会ウェブページ https://sites.google.com/site/asisw2016/ci-hui-yan-jiu-hui -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【3】第66回SGRA-Vフォーラム/第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性「人の移動と境界・権力・民族」へのお誘い(再送) 下記の通り第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性をオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。一般聴講者はカメラもマイクもオフのWebinar形式で開催しますので、お気軽にご参加ください。 テーマ:「人の移動と境界・権力・民族」 日 時:2021年9月11日(土)午前10時~午後4時20分(日本時間) 方 法: Zoomウェビナーによる 言 語:日中韓3言語同時通訳付き 主 催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) *参加申込(下記リンクから登録してください) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_6j-ioNjbR86btwmocwljKg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612) ■開催の趣旨 本「国史たちの対話」企画は、自国の歴史を専門とする各国の研究者たちの対話・交流を目的として2016年に始まり、これまで全5回を開催した。国境を越えて多くの参加者が集い、各国の国史の現状と課題や、個別の実証研究をめぐって、議論と交流を深めてきた。第5回は新型コロナ流行下でも対話を継続すべく、初のオンライン開催を試み、多くの参加者から興味深い発言が得られたが、討論時間が短く、やや消化不良の印象を残した。今回はやや実験的に、自由な討論に十分な時間を割くことを主眼に、思い切った大きなテーマを掲げた。問題提起と若干のコメントを皮切りに、国や地域、時代を超えて議論を豊かに展開し、これまで広がってきた参加者の輪の連帯を一層深めたい。 なお、円滑な対話を進めるため、日本語⇔中国語、日本語⇔韓国語、中国語⇔韓国語の同時通訳をつける。フォーラム終了後は講演録(SGRAレポート)を作成し、参加者によるエッセイ等をメールマガジン等で広く社会に発信する。 ■問題提起 ◇塩出浩之(京都大学)「人の移動からみる近代日本:国境・国籍・民族」 国や地域をまたいで移動する人々は、過去から今日まで普遍的に存在してきた。しかし歴史が国家を単位とし、かつ国民の歴史として書かれるとき、彼らの経験は歴史から抜け落ちる。逆にいえば、歴史をめぐる対話において、人の移動はもっとも好適な話題の一つになりうるといえよう。 「人の移動と境界・権力・民族」というテーマについて、この問題提起では近代日本の経験を素材として論点を提示する。まず導入として、アメリカ合衆国の沖縄系コミュニティに関する報告者のフィールドワークをもとに、現代世界における民族集団(ethnic_group)について概観する。 第一の問題提起として、近現代における人の移動を左右してきた国境と国籍に焦点をあて、具体的な事例として、20世紀前半における日本統治下の沖縄・朝鮮や、戦後アメリカ統治下の沖縄からの移民について紹介する。国境や国籍が、近現代の主権国家体制や国際政治構造(帝国主義や冷戦)と密接に関わることを指摘したい。 第二の問題提起として、人の移動が政治・社会秩序にあたえたインパクトとして、国家や地域をまたぐ民族集団の形成、そして国家間関係とは異なる民族間関係の形成に焦点をあてる。具体的な事例としては、20世紀前半のハワイにおける日系住民と中国系住民の複雑な関係についてとりあげる。 以上を踏まえて、近現代における人の移動は前近代とどのような異同があり、また国を単位として比較した場合には何がいえるのか、議論を喚起したい。 *プログラム・会議資料の詳細は、下記リンクをご参照ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/08/J_Kokushi6_ProjectPlan.pdf ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************  
  • Laurence Newbery-Payton “Types of Comedy”

    *********************************************** SGRAかわらばん885号(2021年8月27日) 【1】エッセイ:ニューベリーペイトン・ローレンス「お笑いの形」 【2】国史対話エッセイ:劉傑「『国史たちの対話』の先にあるもの」ご紹介 【3】第6回日本・中国・韓国における国史対話の可能性へのお誘い(再送) 「人の移動と境界・権力・民族」(9月11日、オンライン) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#679 ◆ニューベリーペイトン・ローレンス「お笑いの形」 嫌なことしかニュースにならないというが、2020年度は国内外を問わず、新型コロナウイルスの蔓延を始めとしてうっとうしいニュースばかりだった。2016年には国宝とされていた有名人が何人も亡くなったことで、英国では冗談半分で「史上最悪の1年」と呼ばれたりした。今振り返ると、よくその程度で騒いでいたなとつくづく考える。2021年8月現在、英国だけでも13万人以上がコロナで亡くなっている。また、欧州連合からの離脱により英国経済が甚大な打撃を受けている。そのような状況の中で、あえて楽しい(軽い?)ネタについて書いてみたい。研究分野でもなんでもないが、一人の留学生として感じた、日本のお笑いの特徴について述べる。 日本のお笑いはいくつかの点で欧米のコメディーの主流と大きく違う。1つ目は「意外性」の役割だ。欧米のコメディーでは原則として、予想外の展開を見せることで観客を笑わせる。同じギャグを繰り返すと意外性がなくなるから、話題を変えて次から次へと新しい冗談を言い続ける。日本のお笑いではむしろ反復が期待される。だからこそ、お笑い芸人が特定の言葉や動作と連想されるし、「あの有名なネタを久しぶりに見られてよかった」や「あのコントを生で見られてうれしい」といったコメントが成り立つ。 日本のお笑いは1つのネタの中でも、反復がよく使われる。私は今になっても、特に漫才では内容をもれなく聞き取れることが少ない。しかし、前半のせりふが後半に再び出るときや、その芸人特有のキャッチフレーズがあると、楽しく聞くことができる。サビだけよく知っていてつい口ずさむ歌のようだ。ただ、最初から半分ネタばらしなので、意外な展開にげらげら笑うことはない。 お笑いとコメディーの形態も違う。欧米ではコメディアンが一人でステージに立って観客に語りかけるのが一般的だが、お笑いでは多くの場合、2人で進行する。しかも、漫才では「ボケ」と「ツッコミ」という役割分担がほとんど鉄則になっている。「ツッコミ」の役割は多くの場合、「面白いところ」を観客に知らせる、あるいは「笑ってね」という合図をするガイドのような存在に見える。これもまた親切だが、「面白いところへの気づきこそが楽しい」という欧米の考え方からすると少し残念とも思える。コメディアンはどちらかというとさりげなくボケて、それを観客に気付かせる。エネルギッシュな漫才に比べゆっくりした流れが一般的だ。 日本のお笑いを批判していると思われるかもしれない。そうではなく、人類共通の「笑う」という現象が国や文化によってこんなに違うこと自体が面白いのだ。もちろん共通点もあり「ピコ太郎」の海外進出からわかるように、日本のお笑いは海外でも受ける。お笑いコンビの「サンドウィッチマン」も、近年はスペインで講演している。今後、国内外のお笑いの合流によって新型お笑いのさらなる発展を期待している。 次に、言語を研究している者として、日本語の特徴から生まれるお笑いの可能性について触れておきたい。日本語はいわゆるSOV(主語―目的語―動詞)型言語で、動詞が文の最後に来る。動詞が文の中心的な意味を表すことが多いので、最後まで聞かないと意味が確定しない。その動詞でさえ、「行きまー」と言って聞き手を待たせることが簡単だ。もちろん、それまでの内容から予想できるが、文末は予想を覆す最適のチャンスを与える。これは、英日や日英の同時通訳における難点でもあるが、お笑いの武器にもなれる。実際、「パンクブーブー」の2人のように、日本語の構造を生かして観客の予想を裏切る漫才もある。意外性が十分に生まれ、個人的にはとても面白い漫才ができあがる。 最後に、お笑いのネタにしてもよさそうな日本の日常的なエピソードを2点紹介したい。留学生であれば、どちらか疑問に思ったことはあるのではないだろうか。 1.天気予報:天気予報士が気温、気圧、湿度、紫外線、花粉などについてまくしたて、となりに立たされている女子アナウンサーはやがて堪忍袋が切れて「そうなんですね、では、明日の天気はどうでしょうか」と突っ込む。 2.商店街で外国人を取材:和食を試食した外国人が生半可なコメントをしても、日本語の吹き替え(なぜかアニメのような音質)では絶賛の声が後を絶たない。納豆を試食した1人が微妙な表情を浮かべるが、すぐにテロップで顔を隠される。 以上のエピソードを面白いと感じるかどうかはわからないが、暗い世界情勢からちょっとした面白さを見つけ出す喜びを日々感じるようにしたい。 <ニューベリーペイトン・ローレンス Newbery-Payton,_Laurence> 2020年度渥美国際交流財団奨学生。英国出身。東京外国語大学非常勤講師、国士舘大学非常勤講師。リーズ大学現代言語文化学部学士。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程修了。国費外国人留学生(2013~2019)。研究分野は対照言語学、第二言語習得、外国語教育。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】国史対話エッセイのご紹介 ◆劉傑「『国史たちの対話』の先にあるもの」 歴史認識問題は東アジアの難題である。「歴史」が国家間対立を引き起こすメカニズムは複雑だが、各国の歴史家が閉鎖的な「国史」を書き続けてきたことを理由の1つに挙げることに、異議を唱える人はいないだろう。太平洋戦争後の「国史」は、独立を獲得した国々にとって栄光と誇りを取り戻すための有効な武器であった。一方、戦争や植民地支配の加害国にとって「国史」は長期にわたって「自省」のツールとして活用された。歴史家が外国の「国史」に格別な関心を示さなかったため、「自負」と「自省」の歴史は、概ね一国内で完結し、外国から認知されることはなかった。しかし、80年代に入り、各国が門戸を大きく開いて外国の空気を取り入れるようになった結果、「自省」以外の歴史の語り方も国境を越えて伝わるようになった。他国の「国史」に衝撃を受けた人びとは、他国の歴史の語り方に違和感を覚え、反発した。いわゆる歴史認識問題の発生である。 続きは下記リンクからお読みください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kokushi/J_Kokushi2021LiuJieEssay.pdf ※SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。国史メルマガは毎月1回配信しています。SGRAかわらばんとは別にお送りしますので、ご興味のある方は下記より登録してください。3言語対応ですので、中国語、韓国語の方々にもご宣伝いただけますと幸いです。 ◇国史メルマガのバックナンバーおよび購読登録は下記リンクをご覧ください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【3】第66回SGRA-Vフォーラム/第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性「人の移動と境界・権力・民族」へのお誘い(再送) 下記の通り第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性をオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。一般聴講者はカメラもマイクもオフのWebinar形式で開催しますので、お気軽にご参加ください。 テーマ:「人の移動と境界・権力・民族」 日 時:2021年9月11日(土)午前10時~午後4時20分(日本時間) 方 法: Zoomウェビナーによる 言 語:日中韓3言語同時通訳付き 主 催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) *参加申込(下記リンクから登録してください) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_6j-ioNjbR86btwmocwljKg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612) ■開催の趣旨 本「国史たちの対話」企画は、自国の歴史を専門とする各国の研究者たちの対話・交流を目的として2016年に始まり、これまで全5回を開催した。国境を越えて多くの参加者が集い、各国の国史の現状と課題や、個別の実証研究をめぐって、議論と交流を深めてきた。第5回は新型コロナ流行下でも対話を継続すべく、初のオンライン開催を試み、多くの参加者から興味深い発言が得られたが、討論時間が短く、やや消化不良の印象を残した。今回はやや実験的に、自由な討論に十分な時間を割くことを主眼に、思い切った大きなテーマを掲げた。問題提起と若干のコメントを皮切りに、国や地域、時代を超えて議論を豊かに展開し、これまで広がってきた参加者の輪の連帯を一層深めたい。 なお、円滑な対話を進めるため、日本語⇔中国語、日本語⇔韓国語、中国語⇔韓国語の同時通訳をつける。フォーラム終了後は講演録(SGRAレポート)を作成し、参加者によるエッセイ等をメールマガジン等で広く社会に発信する。 ■問題提起 ◇塩出浩之(京都大学)「人の移動からみる近代日本:国境・国籍・民族」 国や地域をまたいで移動する人々は、過去から今日まで普遍的に存在してきた。しかし歴史が国家を単位とし、かつ国民の歴史として書かれるとき、彼らの経験は歴史から抜け落ちる。逆にいえば、歴史をめぐる対話において、人の移動はもっとも好適な話題の一つになりうるといえよう。 「人の移動と境界・権力・民族」というテーマについて、この問題提起では近代日本の経験を素材として論点を提示する。まず導入として、アメリカ合衆国の沖縄系コミュニティに関する報告者のフィールドワークをもとに、現代世界における民族集団(ethnic_group)について概観する。 第一の問題提起として、近現代における人の移動を左右してきた国境と国籍に焦点をあて、具体的な事例として、20世紀前半における日本統治下の沖縄・朝鮮や、戦後アメリカ統治下の沖縄からの移民について紹介する。国境や国籍が、近現代の主権国家体制や国際政治構造(帝国主義や冷戦)と密接に関わることを指摘したい。 第二の問題提起として、人の移動が政治・社会秩序にあたえたインパクトとして、国家や地域をまたぐ民族集団の形成、そして国家間関係とは異なる民族間関係の形成に焦点をあてる。具体的な事例としては、20世紀前半のハワイにおける日系住民と中国系住民の複雑な関係についてとりあげる。 以上を踏まえて、近現代における人の移動は前近代とどのような異同があり、また国を単位として比較した場合には何がいえるのか、議論を喚起したい。 *プログラム・会議資料の詳細は、下記リンクをご参照ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/08/J_Kokushi6_ProjectPlan.pdf ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • Borjigin Husel “What will Tokyo 2020 Leave in the World?”

    *********************************************** SGRAかわらばん884号(2021年8月20日) 【1】エッセイ:ボルジギン・フスレ「東京五輪:世界に何を残すか」 【2】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(最終) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」(8月26日、オンライン) 【3】第6回日本・中国・韓国における国史対話の可能性へのお誘い(再送) 「人の移動と境界・権力・民族」(9月11日、オンライン) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#678 ◆ボルジギン・フスレ「東京五輪:世界に何を残すか」 世界が注目するなか、新型コロナウイルス流行により1年延期となった第32回オリンピック競技大会(東京2020、以下「東京五輪」と略す)が2021年7月23日に東京で開幕し、17日間の熾烈で、輝かしい、感動的競技をへて8月8日に幕をおろした。 東京五輪の意義などについては、橋本聖子東京五輪・パラリンピック組織委員会会長とトーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長の開会及び閉会のスピーチで述べられているので繰り返さない。一方、開会にいたるまで、そして、開催中、さらに閉会後、今日までも今回の五輪に対する批判の声が止まらない。「涙」「復興」「躍動」「努力」「挑戦」「感動」「最高」「偉業」「魅力」「希望」「感謝」「重圧」「逆境」「簡素」「地味」「困難」「過酷」「異例」「不安」「混乱」「励まし」「暑すぎ」「無観客」「手抜き」「嘘つき」「利己的」「難民選手」「前代未聞」「お金目当て」…など、賛成と反対の声が入り混じっていることが物語るように、東京五輪はさまざまな課題を抱え、葛藤とチャレンジに満ちた大会となった。 海外の報道をみると、東京五輪の背景・開催状況・日本国内の批判の声を紹介するものもあるが、称賛も非常に多い。しかし、不思議なことに日本のマスコミが海外報道を紹介する時、なぜか懸命に「マイナス評価」のみを探し出し、それを大いに紹介し、あらゆる手段をつかって東京五輪を批判する傾向がある。日本はどうしてこれほど自虐的に自己否定になったのだろうか。 五輪開催中の8月6日の午後4時すぎ、私はオリンピックスタジアム(国立競技場)を訪れた。風が穏やかで日ざしが明るく、うららかな日であった。偶然にもこの日は広島平和記念日(原爆の日)でもあった。スタジアム周辺には、たくさんの警察がいて、パトカーもあちこちで走っていた。その中には広島県警のパトカーや警察官の姿も見えた。オリンピックという祭典の雰囲気はあまりなく、何か「事件」が起きたような感じだった。 日本オリンピックミュージアムの前に設置されている五輪モニュメントを見学しようと思ったが、スタジアムとミュージアムの間の道路が閉鎖されていた。「出入口」となるところには多くの警察官が立ち並んで「本日16:00より、この先の入場はできません」という看板があった。なぜ入場できないかと警察官に確認したら、「デモがあるので」という答えだった。結局、五輪モニュメントは見学できなかった。なんのデモだろうと、私はスタジアム周辺を回って見たが、デモの様子はなかなか見えなかった。 午後6時になって、「やっと」デモが始まった。僅か十数人いるかという規模だ。一つの髑髏(どくろ)のような「人形」を高く掲げ、鍋と椀のようなものを打ち鳴らし、叫び始めた。スピーカーが数台あったので、その叫び声が響きわたる。何に抗議しているかと聞いてみた。東京五輪に対する「批判」であった。いや、批判というより日本政府、東京五輪実行委員会、IOC、参加選手、メダリストを罵り散らしている。ネットでも東京五輪を罵倒する乱暴な書き込みが話題になっているが、その書き込みを見る限り、論理どころか教養も何も感じられない。何より参加選手やメダリストを誹謗、中傷、侮辱する行為は理解できないどころか許せない。 この「デモ」は確かに効果があった。十数人のために、数百人もの警察官や十数台のパトカーが動員された。複数の道路が閉鎖され、日本オリンピックミュージアムや五輪モニュメントの見学が中止になった。さらに、複数の国内外の新聞社、テレビ局がこの「抗議」を取材し、報道した。現場を訪れていない者が、マスコミの「デモ」に対する報道だけをみたら、まるで「日本全体」が東京五輪を反対しているように「見えて」しまう。また、かれらは1時間以上も密の状態をつくり、1時間以上も続く騒音がスタジアムとミュージアム周辺の街にこだました。 「より速く(Faster)、より高く(Higher)、より強く(Stronger)」というオリンピックのモットーに、東京五輪では「一緒に(Together)」が加わった。残念ながら、多くの人がこのモットーを忘れたのかもしれない。東京五輪の賛成者であれ、反対者であれ、無視する者であれ、このモットーのもとで対話や議論ができないのだろうか。 今回の東京五輪組織委員会は受難の委員会であり、東京五輪は受難のオリンピックであったように見える。日本政府と東京五輪組織委員会、IOCがやたらに罵られるに止まらず、選手、メダリストも罵声などを浴びせられた。メダリストとその家族たちは喜びを控えさせられている。 スタジアムの周辺には、多くのボランティアの姿が見られた。よく知られているように、今回の東京五輪には多くの医療従事者やボランティアが参加した。教え子の一人も参加した。このような教え子がいることを、私は誇りに思う。 日本のマスコミは、よく「今回の東京五輪は日本に何を残すか」と問う。しかし、オリンピズムが目指しているのは、人間の尊厳の尊重、人類の調和的な成長であり、オリンピックは世界の平和の祭典である。 東京五輪を正しく評価するには時間がかかるだろう。世界は新型コロナウイルス感染拡大という不測の事態に見舞われ、世界を席捲したこのパンデミックが終息していないという状況のなか、東京五輪の開催はチャレンジであった。そして、無事に開催して世界に大きく貢献した。数年後には、みんながその貢献を理解し、東京五輪は栄光に輝くだろう。 <ボルジギン・フスレ Borjigin_Husel> 昭和女子大学国際学部教授。北京大学哲学部卒。1998年来日。2006年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科・日本学術振興会外国人特別研究員、ケンブリッジ大学モンゴル・内陸アジア研究所招聘研究者、昭和女子大学人間文化学部准教授などをへて、現職。主な著書に『中国共産党・国民党の対内モンゴル政策(1945~49年)――民族主義運動と国家建設との相克』(風響社、2011年)、『モンゴル・ロシア・中国の新史料から読み解くハルハ河・ノモンハン戦争』(三元社、2020年)、編著『国際的視野のなかのハルハ河・ノモンハン戦争』(三元社、2016年)、『日本人のモンゴル抑留とその背景』(三元社、2017年)、『ユーラシア草原を生きるモンゴル英雄叙事詩』(三元社、2019年)他。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(最終) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 新型コロナウイルスのパンデミックにより、第6回アジア未来会議(AFC#6)は延期され、2022年8月に台北市で開催することになりました。今年はプレカンファランスを下記の通りオンラインで開催します。日本語への同時通訳があり、一般視聴者はカメラもマイクもオフのZoomウェビナー形式ですので、どなたでもお気軽にご参加ください。 日時:2021年8月26日(木)11:00~17:30(日本時間) 開催方式:オンライン(Zoomウェビナー) 使用言語:中国語・英語(基調講演とシンポジウムは中⇒英、中⇒日の同時通訳あり) ◆参加申込: https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_7Kz66tJdTn2__57Pn5GUeQ 基調講演とシンポジウムに参加ご希望の方は、上記リンクから参加登録をお願いします。 午後の優秀論文発表は事前の参加登録不要です。 ◆プログラム(日本時間) ◇開会式(11:00~11:10) ◇基調講演(11:10~12:00) 講師:呉玉山 中央研究院院士(国際関係、政治学) 「アジアはどこに向かうのか?――疾病管理が政治に巻き込まれた時」 ◇シンポジウム(12:00~13:00) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 モデレーター:徐興慶(中国文化大学学長) パネリスト: 松田康博(東京大学東洋文化研究所教授) 李明(政治大学国際事務学院兼任教授) Kevin_Villanueva(フィリピン大学准教授/中興大学特任副研究員) 徐遵慈(中華経済研究院台湾東南アジア国家協会研究センター副研究員兼主任) 呉玉山(中央研究院院士) ◇AFC優秀論文・台湾特別優秀論文の授与式と発表(14:00~17:20) ◇閉会式(17:20~17:30) ◆プログラムの詳細は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/07/J_AFC-Preconference_Program.pdf お問合せ:AFC事務局 [email protected] テクニカルサポートが必要な場合にもご連絡ください。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【3】第66回SGRA-Vフォーラム/第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性「人の移動と境界・権力・民族」へのお誘い(再送) 下記の通り第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性をオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。一般聴講者はカメラもマイクもオフのWebinar形式で開催しますので、お気軽にご参加ください。 テーマ:「人の移動と境界・権力・民族」 日 時:2021年9月11日(土)午前10時~午後4時20分(日本時間) 方 法: Zoomウェビナーによる 言 語:日中韓3言語同時通訳付き 主 催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) *参加申込(下記リンクから登録してください) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_6j-ioNjbR86btwmocwljKg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612) ■開催の趣旨 本「国史たちの対話」企画は、自国の歴史を専門とする各国の研究者たちの対話・交流を目的として2016年に始まり、これまで全5回を開催した。国境を越えて多くの参加者が集い、各国の国史の現状と課題や、個別の実証研究をめぐって、議論と交流を深めてきた。第5回は新型コロナ流行下でも対話を継続すべく、初のオンライン開催を試み、多くの参加者から興味深い発言が得られたが、討論時間が短く、やや消化不良の印象を残した。今回はやや実験的に、自由な討論に十分な時間を割くことを主眼に、思い切った大きなテーマを掲げた。問題提起と若干のコメントを皮切りに、国や地域、時代を超えて議論を豊かに展開し、これまで広がってきた参加者の輪の連帯を一層深めたい。 なお、円滑な対話を進めるため、日本語⇔中国語、日本語⇔韓国語、中国語⇔韓国語の同時通訳をつける。フォーラム終了後は講演録(SGRAレポート)を作成し、参加者によるエッセイ等をメールマガジン等で広く社会に発信する。 ■問題提起 ◇塩出浩之(京都大学)「人の移動からみる近代日本:国境・国籍・民族」 国や地域をまたいで移動する人々は、過去から今日まで普遍的に存在してきた。しかし歴史が国家を単位とし、かつ国民の歴史として書かれるとき、彼らの経験は歴史から抜け落ちる。逆にいえば、歴史をめぐる対話において、人の移動はもっとも好適な話題の一つになりうるといえよう。 「人の移動と境界・権力・民族」というテーマについて、この問題提起では近代日本の経験を素材として論点を提示する。まず導入として、アメリカ合衆国の沖縄系コミュニティに関する報告者のフィールドワークをもとに、現代世界における民族集団(ethnic_group)について概観する。 第一の問題提起として、近現代における人の移動を左右してきた国境と国籍に焦点をあて、具体的な事例として、20世紀前半における日本統治下の沖縄・朝鮮や、戦後アメリカ統治下の沖縄からの移民について紹介する。国境や国籍が、近現代の主権国家体制や国際政治構造(帝国主義や冷戦)と密接に関わることを指摘したい。 第二の問題提起として、人の移動が政治・社会秩序にあたえたインパクトとして、国家や地域をまたぐ民族集団の形成、そして国家間関係とは異なる民族間関係の形成に焦点をあてる。具体的な事例としては、20世紀前半のハワイにおける日系住民と中国系住民の複雑な関係についてとりあげる。 以上を踏まえて、近現代における人の移動は前近代とどのような異同があり、また国を単位として比較した場合には何がいえるのか、議論を喚起したい。 *プログラム・会議資料の詳細は、下記リンクをご参照ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/08/J_Kokushi6_ProjectPlan.pdf ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • Invitation to Kokushi Dialogue #6

    *********************************************** SGRAかわらばん883号(2021年8月13日) 【1】第6回日本・中国・韓国における国史対話の可能性へのお誘い 「人の移動と境界・権力・民族」(9月11日、オンライン) 【2】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(再送) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」(8月26日、オンライン) *********************************************** 【1】第66回SGRA-Vフォーラム/第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性「人の移動と境界・権力・民族」へのお誘い 下記の通り第6回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性をオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。一般聴講者はカメラもマイクもオフのWebinar形式で開催しますので、お気軽にご参加ください。 テーマ:「人の移動と境界・権力・民族」 日 時:2021年9月11日(土)午前10時~午後4時20分(日本時間) 方 法: Zoomウェビナーによる 言 語:日中韓3言語同時通訳付き 主 催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA) *参加申込(下記リンクから登録してください) https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_6j-ioNjbR86btwmocwljKg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612) ■開催の趣旨 本「国史たちの対話」企画は、自国の歴史を専門とする各国の研究者たちの対話・交流を目的として2016年に始まり、これまで全5回を開催した。国境を越えて多くの参加者が集い、各国の国史の現状と課題や、個別の実証研究をめぐって、議論と交流を深めてきた。第5回は新型コロナ流行下でも対話を継続すべく、初のオンライン開催を試み、多くの参加者から興味深い発言が得られたが、討論時間が短く、やや消化不良の印象を残した。今回はやや実験的に、自由な討論に十分な時間を割くことを主眼に、思い切った大きなテーマを掲げた。問題提起と若干のコメントを皮切りに、国や地域、時代を超えて議論を豊かに展開し、これまで広がってきた参加者の輪の連帯を一層深めたい。 なお、円滑な対話を進めるため、日本語⇔中国語、日本語⇔韓国語、中国語⇔韓国語の同時通訳をつける。フォーラム終了後は講演録(SGRAレポート)を作成し、参加者によるエッセイ等をメールマガジン等で広く社会に発信する。 ■問題提起 ◇塩出浩之(京都大学)「人の移動からみる近代日本:国境・国籍・民族」 国や地域をまたいで移動する人々は、過去から今日まで普遍的に存在してきた。しかし歴史が国家を単位とし、かつ国民の歴史として書かれるとき、彼らの経験は歴史から抜け落ちる。逆にいえば、歴史をめぐる対話において、人の移動はもっとも好適な話題の一つになりうるといえよう。 「人の移動と境界・権力・民族」というテーマについて、この問題提起では近代日本の経験を素材として論点を提示する。まず導入として、アメリカ合衆国の沖縄系コミュニティに関する報告者のフィールドワークをもとに、現代世界における民族集団(ethnic_group)について概観する。 第一の問題提起として、近現代における人の移動を左右してきた国境と国籍に焦点をあて、具体的な事例として、20世紀前半における日本統治下の沖縄・朝鮮や、戦後アメリカ統治下の沖縄からの移民について紹介する。国境や国籍が、近現代の主権国家体制や国際政治構造(帝国主義や冷戦)と密接に関わることを指摘したい。 第二の問題提起として、人の移動が政治・社会秩序にあたえたインパクトとして、国家や地域をまたぐ民族集団の形成、そして国家間関係とは異なる民族間関係の形成に焦点をあてる。具体的な事例としては、20世紀前半のハワイにおける日系住民と中国系住民の複雑な関係についてとりあげる。 以上を踏まえて、近現代における人の移動は前近代とどのような異同があり、また国を単位として比較した場合には何がいえるのか、議論を喚起したい。 ■プログラム 第1セッション(10:00-11:25)総合司会:李 恩民(桜美林大学) 【開会の趣旨】村和明(東京大学) 【問題提起】塩出浩之(京都大学)「人の移動からみる近代日本:国境・国籍・民族」 【指定討論】 韓国:趙阮(釜山大学) 中国:張佳(復旦大学) 日本:榎本渉(国際日本文化研究センター) 第2セッション(11:30-12:45) 司会:南基正(ソウル大学) 【指定討論】 韓国:韓成敏(大田大学) 中国:秦方(首都師範大学) 日本:大久保健晴(慶應義塾大学) 【コメント】塩出浩之(京都大学) 【自由討論】講師と指定討論者 第3セッション(13:30-14:45)司会:彭浩(大阪市立大学)、鄭淳一(高麗大学) 【論点整理】劉傑(早稲田大学) 【自由討論】パネリスト(国史対話プロジェクト参加者) 第4セッション(14:50-16:20)司会:彭浩(大阪市立大学)、鄭淳一(高麗大学) 【自由討論】パネリスト(国史対話プロジェクト参加者) 【総括】宋志勇(南開大学)、三谷博(東京大学名誉教授) 【閉会挨拶】趙珖(高麗大学名誉教授) *同時通訳 韓国語⇔日本語:李ヘリ(韓国外国語大学)、安ヨンヒ(韓国外国語大学) 日本語⇔中国語:丁莉(北京大学)、宋剛(北京外国語大学) 中国語⇔韓国語:金丹実(フリーランス)、朴賢(京都大学) *プログラム・会議資料の詳細は、下記リンクをご参照ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/08/J_Kokushi6_ProjectPlan.pdf -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(再送) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 新型コロナウイルスのパンデミックにより、第6回アジア未来会議(AFC#6)は延期され、2022年8月に台北市で開催することになりました。今年はプレカンファランスを下記の通りオンラインで開催します。日本語への同時通訳があり、一般視聴者はカメラもマイクもオフのZoomウェビナー形式ですので、どなたでもお気軽にご参加ください。 日時:2021年8月26日(木)11:00~17:30(日本時間) 開催方式:オンライン(Zoomウェビナー) 使用言語:中国語・英語(基調講演とシンポジウムは中⇒英、中⇒日の同時通訳あり) ◆参加申込: https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_7Kz66tJdTn2__57Pn5GUeQ 基調講演とシンポジウムに参加ご希望の方は、上記リンクから参加登録をお願いします。 午後の優秀論文発表は事前の参加登録不要です。 ◆プログラム(日本時間) ◇開会式(11:00~11:10) ◇基調講演(11:10~12:00) 講師:呉玉山 中央研究院院士(国際関係、政治学) 「アジアはどこに向かうのか?――疾病管理が政治に巻き込まれた時」 ◇シンポジウム(12:00~13:00) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 モデレーター:徐興慶(中国文化大学学長) パネリスト: 松田康博(東京大学東洋文化研究所教授) 李明(政治大学国際事務学院兼任教授) Kevin_Villanueva(フィリピン大学准教授/中興大学特任副研究員) 徐遵慈(中華経済研究院台湾東南アジア国家協会研究センター副研究員兼主任) 呉玉山(中央研究院院士) ◇AFC優秀論文・台湾特別優秀論文の授与式と発表(14:00~17:20) ◇閉会式(17:20~17:30) ◆プログラムの詳細は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/07/J_AFC-Preconference_Program.pdf お問合せ:AFC事務局 [email protected] テクニカルサポートが必要な場合にもご連絡ください。 ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • Sonja Dale “SGRA Cafe #16 Report”

    *********************************************** SGRAかわらばん882号(2021年8月5日) 【1】ソンヤ・デール「第16回SGRAカフェ報告」 『安全であること―環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える―』 【2】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(再送) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」(8月26日、オンライン) *********************************************** 【1】ソンヤ・デール「第16回SGRAカフェ『安全であること―環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える―』報告」 2021年7月17日(土)、第16回SGRAカフェが開催された。今回のカフェはSGRA関西の初イベントで、会場(インパクトハブ京都)とZoomのハイブリッド形式で開催された。コロナ禍の中で「安全」についてのイベントをすることは少し皮肉に感じられたが、会場ではマスク着用、消毒、ソーシャル・ディスタンスや体温測定などを実施し、できるだけ安全な環境が提供できるよう努力した。Zoom配信のためにマイクやカメラの設置などもあり、ハイブリッド形式は普通のイベントの倍以上の準備が必要だと実感した。渥美財団とインパクトハブ京都のスタッフが、東京と京都で力強くサポートしてくださり、おかげさまで参加登録者は100名(会場:15名、オンライン:86名)を超えた。 イベントでは3名のパネリストからそれぞれの活動を短く紹介していただいた後、フリートークを行った。司会は私、ソンヤ・デール(2012年度渥美奨学生)、Q&Aサポート役はイザベル・ファスベンダー(2017年度渥美奨学生)。パネリストは中島幸子氏(NPO法人レジリエンス)、キナ・ジャクソン氏(BLM関西、Black_Women_in_Japan)とNPO法人いくの学園のスタッフのM氏だった。 NPO法人レジリエンスは性暴力やDV、虐待などの原因による心の傷やトラウマに焦点をあて、情報を広げる活動をし、支援者や被害者向けの研修や講演会を行っている。Black_Women_in_Japan(BWIJ)は日本在住3000人以上のアフリカ系女性のオンラインコミュニティで、メンバーは幅広くヨーロッパ、イギリス、北中南米、カリブ、アフリカと日本から集まっており、情報交換、ネットワーキング、異文化交流などを行っている。BLM関西(Black_Lives_Matter関西)は差別撤廃に対する意識向上を目的とした活動と反黒人差別に関する教育プログラムを提供しており、NPO法人いくの学園は暴力や虐待、性的搾取など生活上の困難を抱えた人への支援活動を行っている。女性やLGBTなど誰もが尊重され、安心して暮らせる社会の実現に寄与することが目的で、相談支援、非公開シェルターなども提供している。 今回のテーマのきっかけとなったのは、以前働いていた大学で企画した二つの講演会である。その一つの講師が今回のパネリストの中島幸子氏で、講演会でストレートに投げかけた質問は「あなたは安全ですか?安全というのはどういうことですか?」だった。それまでずっと安全だと思っていた自分が、本当はそうではないかもしれないと初めて実感した。もう一つの講師は、関東に住んでいる黒人系のアメリカ人の記者、ベイ・マクニール氏だった。氏は黒人として、米国と日本で経験している暴力について話した。米国の場合、暴力はわかりやすい形で感じる―実際に投げられたり、打たれたり、すぐ体で感じるものである。しかし、日本の場合は、毎日少しずつ体の違うところを紙で切られるような感覚で、最初はこれぐらいなら我慢できると思ってしまうが、少しずつ傷が溜まってきて、気づいたらなぜか精神的に壊れている、ボロボロになっているという「ずるい暴力」だそうだ。 その話から暴力と安全の多様な形について、いろいろ考えさせられ、このイベントを企画することになった。論理的に安全について話すのと、実践的に話すのとは違うと感じており、学者より、さまざまな現場で活動している方を招待し、トークイベントという形でこの話題について話す・考えることができればと思った。目的としては結論にいたるのではなく、安全について考え始める、安全という概念のさまざまな側面に気づく、さまざまな現実を知るということだった。 トークでは、以下の話題が取り上げられた。 ◇「安全」の概念について いくの学園のM氏が「安全」と「安心」の違いを指摘した。例えば安心を感じるために、自分が客観的に安全ではない行動をする、ということ。どのようなトラウマや経験があるのかを簡単に知ることはできないので、その人が行動する時にすぐ判断するのではなく、その行動が本人にとって必要なことであり、安心させることなのだという可能性を考える必要がある。中島氏によると「安全」と「安全感」は似ている事を指しているようだが、人が明らかに安全な環境にいるのに安全感がないという事例を挙げた。 ◇制度と社会的なバイアス 「安心」「安全感」は感情・精神的なことを指しているといえる。しかし、安全は身体的・社会的・法的な側面がある。ジャクソン氏がBWIJのメンバーの経験を紹介し、国籍によってビザの期間が異なる話をした。1年間のビザしか取得できない人はさまざまな社会的な問題を抱え、生活にも大きく影響する。外国人は法的にみんな一緒だと思っていた自分にとって、この情報は衝撃的だった。 警察と安全についてもふれた。警察は人の安全を守る役割であるはずだが、その役割を果たしていない場合もある。特に性暴力やストーカー事件に関して、担当者が研修を受けたかどうかによって対応が大きく変わる。被害者が警察に助けを求めたことで警察からの二次被害を受けることが多いという事実は残念ながらある。 ◇人に寄り添う社会をつくるため 多くの人は希望がない、と中島氏が指摘した。希望がないと生きる意味を感じるのが難しい。希望は人間にとって必須なものである。希望を見つける、与えることが重要だが、実は小さな行動から希望は少しでも与えることができる。その行動とは他人の存在に気づくことであり、他人とのつながりを少しでも作っていくことである。ジャクソン氏の提案は、人を素直にほめることだ。例えば、知り合いの靴がかわいいと思ったらその思いを言葉にし、「靴かわいいですね!」と本人に伝える。単純だと思われていることについて声をかけることで、相手の気持ちが少し明るくなるかもしれない。地域の人と交流し、周りにいる人たちとのつながりを作っていくことである。 安全でない環境にいる多くの場合、その理由を他人に伝達することは難しい。カナダにできたハンドサイン運動(あるしぐさをすることによって他人に「私は安全ではない」ということを伝える)や英国や米国にあるバーの注文暗号(ある飲み物を注文すると安全に感じていないとスタッフに伝わる)など、より安全な社会を作るための具体的な事例も紹介された。 一人の参加者からの質問は「被害に遭った人の力になりたい時、やりがちなミスや絶対にやめてほしいこと」だった。ジャクソン氏はその問題は自分の国・環境にはないと思わないでほしいと話した。「BLM運動は日本の問題ではない」ということをよく耳にするが、その意見を表している人は自分の周りをしっかり見ていないと指摘する。この問題はマイノリティに関してよくあり、例えばLGBTは周りにいないと思いがちの人もいる(絶対いるのに)。「人に寄り添う」ことは、人の存在を認めることでもある。なにかの理由で人や問題の存在を疑問視したい時、ひとまず自分の気持ちを探る必要があると思う。自分はなぜ人種差別は日本にないと思いたいのか、なぜLGBTは周りにいないと思いたいのか、と。素直に自分に向き合うことも大切である。 ◇終わりに 90分はあっという間に立ってしまい、話題の表面にしか触れずにイベントが終わってしまった。オンラインで参加した方からの質問について話し合う時間もなく、もっともっと話したいと思いながら閉会した。結論はなかったが、安全について考え、より安全な社会を作るために、小さな一歩を踏みだせたと感じている。 パネリストの話から、「安全」のカギは人に寄り添うことだと感じた。現在の社会は他人に無関心になりやりやすい。しかし、人に声をかけることによって、その人の気分も変わるかもしれない。自分が一人ではないと実感することがとても大切で、特に孤独感が強くなっているコロナ時代において、他人の存在を忘れない、大事にすることも必要だと考えている。 これからも安全についてもっと考えていきたい。課題は、マイノリティの可視化と男性の参加者を増やすことだと個人的には考えている。今回のイベントのアンケートで、「Xジェンダー・その他」と「男性」を選んだ回答者の数は同じだった。これからイベントでも、様々な人がいることを前提にし、様々な経験を共有しながら理解および共感を増やしていきたい。また、社会において権力をもつ立場にいる多くが男性であることが現実なのに、男性の参加者が非常に少ないことも残念に思っている。人に寄り添う社会は、やはりすべての人の協力が必要なので、男性もこの話題に関心を持つように、何ができるのか考えていきたい。 今回のイベントは本当に「始まり」として感じており、これからも皆さんと安全について、考えていきましょう! 当日の写真は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/08/Cafe16Photolight.pdf アンケート集計は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/08/Cafe16feedback.pdf <ソンヤ・デール Sonja_Dale> ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士を経て上智大学グローバル・スタディーズ 研究科にて博士号取得。一橋大学専任講師、上智大学・東海大学等非常勤講師を担当。ジェンダー・セクシュアリティ、クィア理論、社会的なマイノリティおよび社会的な排除のプロセスなどについて研究。2012年度渥美財団奨学生。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(再送) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 新型コロナウイルスのパンデミックにより、第6回アジア未来会議(AFC#6)は延期され、2022年8月に台北市で開催することになりました。今年はプレカンファランスを下記の通りオンラインで開催します。日本語への同時通訳があり、一般視聴者はカメラもマイクもオフのZoomウェビナー形式ですので、どなたでもお気軽にご参加ください。 日時:2021年8月26日(木)11:00~17:30(日本時間) 開催方式:オンライン(Zoomウェビナー) 使用言語:中国語・英語(基調講演とシンポジウムは中⇒英、中⇒日の同時通訳あり) ◆参加申込: https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_7Kz66tJdTn2__57Pn5GUeQ 基調講演とシンポジウムに参加ご希望の方は、上記リンクから参加登録をお願いします。 午後の優秀論文発表は事前の参加登録不要です。 ◆プログラム(日本時間) ◇開会式(11:00~11:10) ◇基調講演(11:10~12:00) 講師:呉玉山 中央研究院院士(国際関係、政治学) 「アジアはどこに向かうのか?――疾病管理が政治に巻き込まれた時」 ◇シンポジウム(12:00~13:00) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 モデレーター:徐興慶(中国文化大学学長) パネリスト: 松田康博(東京大学東洋文化研究所教授) 李明(政治大学国際事務学院兼任教授) Kevin_Villanueva(フィリピン大学准教授/中興大学特任副研究員) 徐遵慈(中華経済研究院台湾東南アジア国家協会研究センター副研究員兼主任) 呉玉山(中央研究院院士) ◇AFC優秀論文・台湾特別優秀論文の授与式と発表(14:00~17:20) ◇閉会式(17:20~17:30) ◆プログラムの詳細は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/07/J_AFC-Preconference_Program.pdf お問合せ:AFC事務局 [email protected] テクニカルサポートが必要な場合にもご連絡ください。 ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • Koo Hye-won “Ozu Tour”

    *********************************************** SGRAかわらばん881号(2021年7月29日) 【1】エッセイ:具慧原「小津めぐり」 【2】国史対話エッセイ「向正樹『疫病とナショナリズム』」のご紹介 【3】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(再送) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」(8月26日、オンライン) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#677 ◆具慧原「小津めぐり」 数年前の夏、清澄白河にある、ずっと行ってみたかったカフェに向かう途中だった。ビルに書いてある住所をちらっと見た私はびっくりした。深川、と書いてあったためである。深川は私の研究対象である小津安二郎監督が生まれ、幼少期を過ごしたところである。彼の映画に現れる下町情緒の起源とも言える深川に偶然足を踏み入れたことは、私を非常に興奮させた。まだ東京の地理に詳しくなかった私の頭のなかでは、清澄白川と深川は全く異なる島のように浮かんでいたため、これは思わぬ発見だった。猛暑も忘れてすぐに地図アプリを開き、「小津安二郎誕生の地」に行ってみた。道路ができ、大きなマンションが立ち並んでいる風景は、小津の眼に映ったものとは随分違うはずなのにもかかわらず、夏の陽を照り返すアスファルトに立ってその風景を眺めていると、小津が歴史の中の人物というより、まるで私の身近な人であるかのような不思議な感じがした。そして私の研究も、根本的にはこの地から始まったんだ、という実感が湧いた。予期しなかった小津との出会いが、私を小津の方へ一歩近寄らせたのである。 それ以来、いわゆる小津めぐりは留学生活における一つの課題となった。上野公園の西郷隆盛銅像、鎌倉の大仏、京都の龍安寺、尾道の鉄道などから小津の足跡をたどった。ドイツの世界的な監督であるヴィム・ヴェンダース(Wim_Wenders)はドキュメンタリー映画『東京画』(1985)にて、東京にはもはや『東京物語』(1953)の様相がない、とがっかりしていた。しかし私は、すでに変わったもののなかで変わっていないものを見つける度に、つかの間ながら小津とつながっているような気がした。その時だけは、戦争を挟む歴史的な屈曲のなかで捉えていた白黒の小津が、私のなかで総天然色に染まった。だが、その直後にはいつも小津の不在が惻々として心を打った。『東京物語』から変わっていない尾道の穏やかな海は、いつかここに存在していた小津の眼差しを私に共有させると同時に、あっという間に過ぎ去った彼の生涯を浮き彫りにしたのである。 長谷正人は、小津の遺作『秋刀魚の味』(1962)で、娘が嫁に行った後に映される空になった2階の娘の部屋や階段のショットが、娘と父親が「ともに過ごした時間があっという間に過ぎ去ってしまった」ことを観客に感じさせると指摘する。長谷の言う「あっという間に過ぎ去った」時間感覚は、他の小津映画のみならず、私の小津めぐりにも当てはまる。この感覚は、小津映画のなかでは肝心な場面の意図的な省略によって強調されており、小津めぐりにおいては、今の私には知りようがない、小津の生涯におけるところどころの空白によって生じるのだろう。切ないとか、空しいとかでは表すことのできない複雑で奇妙な時間感覚が、尾道の煌(きら)めく波と共に私に絶えず流れ込んだ。小津めぐりは、小津との出会いと別れの繰り返しだった。 振り返れば、小津映画の謎に対する好奇心が研究の世界へ私を導き、その謎を自分なりに解いていくなかで目した小津の揺るがぬ強さが研究の指標になってくれた。そして小津めぐりは、留学生活の活力源として精神的な支えになった。研究で疲れた時にも、挫折した時にも、日本のどこかに残っている小津の軌跡を辿ることは、常に彼の存在/不在を生々しく喚起し、乱れた心を引き締めることができた。作品を見る経験と、監督の足跡を追う経験との共鳴は、私の小津像をカラフルに彩り、視野を拡張した。これは日本に留学したからこそ得られた貴重な経験だった。今考えてみると、研究だけでなく、足掛け8年の日本での生活それ自体が小津に導かれたようである。あっという間に過ぎ去る時間のなかで、私の見た小津の眼差しをどう継承していくべきか、未解決の、おそらく一生の課題となるこの問題を心に刻みつけ、その答えに少しでも近づける方向へと、次の一歩を踏み出したい。 <具慧原(グ・ヘウォン)Koo Hye-won> 2020年度渥美国際交流財団奨学生。韓国出身。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻(美学芸術学)。国立釜山大学芸術文化映像学科学士。東京大学大学院博士前期課程修了。大使館推薦による国費外国人留学生(2014~2019)。研究テーマは「小津安二郎の受容史・言説史」「1920~1960年代の日本映画史」。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】国史対話エッセイのご紹介 7月21日に配信した国史対話メールマガジン第32号のエッセイをご紹介します。 ◆向正樹(同志社大学)「疫病とナショナリズム」 本投稿では疫病と社会、とりわけナショナリズムとの間の不思議な関係について考えてみたい。 COVID-19(新型コロナウイルス)は人類史上最大規模のパンデミックをもたらした。先進国の医療体制をも麻痺させ、都市がロックダウンに追い込まれ、その影響が経済・政治・教育・都市生活・芸術文化などあらゆる方面に波及した。このウイルスの影響力は、通常の疾病が及ぼす範囲をはるかに超えている。それは社会的なアクターでもあるのだ。 2021年1月9日(土)、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行のなか行われた第5回日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性「19世紀東アジアにおける感染症の流行と社会的対応」では、19世紀の東アジアのコレラ流行のなかでの各国の対応が紹介された。そのなかで、かつて東アジア共通の経験となった流行病であったコレラもまた社会的なアクターとなった事実が浮かびあがってきた。 続きは下記リンクからお読みください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kokushi/J_Kokushi2021MukaiMasakiEssay.pdf ※SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。国史メルマガは毎月1回配信しています。SGRAかわらばんとは別にお送りしますので、ご興味のある方は下記より登録してください。3言語対応ですので、中国語、韓国語の方々にもご宣伝いただけますと幸いです。 ◇国史メルマガのバックナンバーおよび購読登録は下記リンクをご覧ください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【3】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(再送) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 新型コロナウイルスのパンデミックにより、第6回アジア未来会議(AFC#6)は延期され、2022年8月に台北市で開催することになりました。今年はプレカンファランスを下記の通りオンラインで開催します。日本語への同時通訳があり、一般視聴者はカメラもマイクもオフのZoomウェビナー形式ですので、どなたでもお気軽にご参加ください。 日時:2021年8月26日(木)11:00~17:30(日本時間) 開催方式:オンライン(Zoomウェビナー) 使用言語:中国語・英語(基調講演とシンポジウムは中⇒英、中⇒日の同時通訳あり) ◆参加申込: https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_7Kz66tJdTn2__57Pn5GUeQ 基調講演とシンポジウムに参加ご希望の方は、上記リンクから参加登録をお願いします。 午後の優秀論文発表は事前の参加登録不要です。 ◆プログラム(日本時間) ◇開会式(11:00~11:10) ◇基調講演(11:10~12:00) 講師:呉玉山 中央研究院院士(国際関係、政治学) 「アジアはどこに向かうのか?――疾病管理が政治に巻き込まれた時」 ◇シンポジウム(12:00~13:00) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 モデレーター:徐興慶(中国文化大学学長) パネリスト: 松田康博(東京大学東洋文化研究所教授) 李明(政治大学国際事務学院兼任教授) Kevin_Villanueva(フィリピン大学准教授/中興大学特任副研究員) 徐遵慈(中華経済研究院台湾東南アジア国家協会研究センター副研究員兼主任) 呉玉山(中央研究院院士) ◇AFC優秀論文・台湾特別優秀論文の授与式と発表(14:00~17:20) ◇閉会式(17:20~17:30) ◆プログラムの詳細は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/07/J_AFC-Preconference_Program.pdf お問合せ:AFC事務局 [email protected] テクニカルサポートが必要な場合にもご連絡ください。 ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • Invitation to the 6th Asia Future Conference Pre-Conference

    *********************************************** SGRAかわらばん880号(2021年7月22日) 【1】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い(8月26日、オンライン) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 【2】第29回持続可能な共有型成長セミナー「地域通貨の探求」へのお誘い (7月27日、オンライン) *********************************************** 【1】第6回アジア未来会議プレカンファランスへのお誘い 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 新型コロナウイルスのパンデミックにより、第6回アジア未来会議(AFC#6)は延期され、2022年8月に台北市で開催することになりました。今年はプレカンファランスを下記の通りオンラインで開催します。日本語への同時通訳があり、一般視聴者はカメラもマイクもオフのZoomウェビナー形式ですので、どなたでもお気軽にご参加ください。 日時:2021年8月26日(木) ※下記は日本時間です 11:00~11:10:開会式 11:10~12:00:基調講演 12:00~13:00:シンポジウム 14:00~17:20:AFC優秀論文・台湾特別優秀論文の授与式と発表 17:20~17:30:閉会式 開催方式:オンライン(Zoomウェビナー) 使用言語:中国語・英語(基調講演とシンポジウムは中⇒英、中⇒日の同時通訳あり) ◇参加申込: 基調講演とシンポジウムに参加ご希望の方は、下記リンクから参加登録をお願いします。午後の優秀論文発表は事前の参加登録不要です。 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_7Kz66tJdTn2__57Pn5GUeQ ◇プログラム 【開会式】(日本時間11:00~11:10) 開会挨拶:明石康(アジア未来会議大会会長) 司会:林孟蓉(第6回アジア未来会議台湾実行委員長) 【第1部:基調講演】(日本時間11:10~12:00) 「アジアはどこに向かうのか?:疾病管理が政治に巻き込まれた時」 講師:呉玉山 中央研究院院士(国際関係、政治学) [発表要旨] COVID-19は、20世紀初頭のスペイン風邪以来、世界が遭遇した最も深刻な流行性疾病である。これを管理することは、あらゆる国家の利益であり、間違いなく「すべての者が安全になるまで誰も安全ではない」ということで、国際的な協力行動を刺激するはずだったと思われる。しかし、2020年初頭のパンデミック以来、我々は疾病の起源を巡る責任のなすり合いに加え、「ワクチン・ナショナリズム」や「ワクチン外交」などの一連の国際紛争を経験した。紛争によって協力関係が抑制される現象は、パンデミック前から存在した国際システムの中の新冷戦と関係している。新冷戦は国際間における大国の権力の移り変わりと経済危機に起因する右派ポピュリズムの台頭に根源がある。新冷戦の勢いは既に根深く、COVID-19のような共通の危機があっても、意見の相違を解決して協力をもたらすことができずに、紛争の渦に吸収されてしまっている。このような状況で、アジアがどこに向かうのか、ということを考えなければならないだろう。 【第2部:シンポジウム】(日本時間12:00~13:00) 「ポストコロナ時代における国際関係―台湾から見るアジア」 モデレーター:徐興慶(中国文化大学学長) パネリスト: 松田康博(東京大学東洋文化研究所教授) 李明(政治大学国際事務学院兼任教授) Kevin_Villanueva(フィリピン大学准教授/中興大学特任副研究員) 徐遵慈(中華経済研究院台湾東南アジア国家協会研究センター副研究員兼主任) 呉玉山(中央研究院院士) 【第3部:優秀論文発表】(日本時間14:00~17:20) 優秀論文賞授与式と論文発表(Zoom分科会形式) AFC#6A優秀論文(20編) http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/06/AFC6A-Best-Paper.pdf 台湾特別優秀論文(5編) http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/06/AFC6A-Taiwan-Best-Paper.pdf 【閉会式】 閉会挨拶:今西淳子(アジア未来会議実行委員長) 第6回アジア未来会議(2022年8月、台北)へのお誘い ※第3部と閉会式は事前の参加登録不要です。 当日13:30(日本時間)以後、以下のリンクより直接ご参加ください。 https://us02web.zoom.us/j/84126398635?pwd=bFVIdlJVUTRCWWcxN3A5WnhzMUN1QT09 プログラムの詳細は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2021/files/2021/07/J_AFC-Preconference_Program.pdf お問合せ:AFC事務局 [email protected] テクニカルサポートが必要な場合にもご連絡ください。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】第29回持続可能な共有型成長セミナーへのお誘い SGRAフィリピン代表でフィリピン大学ロスバニョス校准教授のマキトさんから、オンラインセミナーのご案内をいただきましたのでご紹介します。 ◆「地域通貨の探求」 In_Search_of_Community_Currencies 日時:2021年7月27日(火) 午前9~12時(フィリピン時間)/午前10~13時(日本時間) 方法:Zoomウェビナーによる 言語:英語 申し込み:https://qr.paps.jp/LmclT ポスター:http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/07/KKK29flyer-rev.png 第29回の持続可能的共有型成長セミナーは、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス(UPLB)公共政策大学院(CPAf)の共催により、オンラインで開催します。 最初の講演は「コミュニティ経済と地域通貨」の著者である栗田健一先生。その他の講演者は、地域通貨を紹介してくださった中西徹先生(東京大学)、UPLBの同僚であるホセフィナ・ディゾン先生と私です。地域通貨は持続可能な共有型成長のメカニズムであると認識して2018年から研究を続けていますが、未だにフィリピンでは事例が発見されていません。このセミナーを通して、地域通貨の可能性をより深く探ることができれば幸いです。言語は英語ですが奮ってご参加ください。 ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • WU Ching-wen “Life that has Encountered Japanese Literature”

    *********************************************** SGRAかわらばん879号(2021年7月15日) 【1】エッセイ:呉勤文「日本文学に出会ってしまった人生」 【2】第16回SGRAカフェへのお誘い(7月17日/京都&オンライン)(最終案内) 「安全であること:環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える」 【3】第29回持続可能な共有型成長セミナー「地域通貨の探求」へのお誘い (7月27日、オンライン) *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#676 ◆呉勤文「日本文学に出会ってしまった人生」 高校3年生の頃、国語の先生の薦めで遠藤周作の『深い河』を読み始めた。日本の文学作品の中国語訳が大量に本屋に並べられるようになったのは台湾の戒厳令が1987年に解除された後だった。『深い河』の世界で何かの意味をつかもうとしていた信仰のない私は、この歴史の長河で浮遊する一人の読者に過ぎなかった。 ある日、「国語」の模擬試験のために『紅樓夢』の注釈を探す同級生に付き合って本屋をまわっていたとき、夏目漱石の『吾輩は猫である』のタイトルが面白かったので、手に取って読み始めた。これがきっかけで、『こころ』を読んで日本語文学科の受験を決意。陽射しが暖かくて爽やかな風が吹く故郷を離れて、日本語が学べる台北の大学に進んだ。 漱石の生きていた立身出世と生存競争の明治時代を知れば知るほど、それが台湾の学歴社会にとても似ていると気付かずにはいられない。大都会の大学に進んだ若者たちは、明治時代の学生のように高い物価と悪い居住環境に加えて、人間関係の孤立と社会からの期待にストレスを感じる。特に台北の天候はいつもじめじめしているので、それに気付かずに心身失調になった子が少なくない。 『子どもはあなたの所有物じゃない』という社会批判のテレビドラマが最近、台湾で話題になった。もっと早めに制作されるべきであった良い作品だと思う。社会の地位などにこだわりがない両親のもとで育った自分は、子どもの頃から学校の教育体制に違和感を抱いてきた。特に、都会出身の若者と話す際に、期待に応えることを両親と先生の「愛」と結びつけるという社会の功利的な雰囲気で育てられていることについての認識がより深まった。「これに挑戦して楽しい」よりも、「何者かにならなければならない」という焦りが、若者の間に蔓延している。学歴を重んじる東アジアにおける共通の問題として、これから教育において思索され続けるべき課題だと考える。 博士課程に進学する少し前から、日米安保体制の推進に伴い、米国流の実用を重視する教育体制への調整が始まった。日本の文系排斥運動は台湾の教育圏にも影響を及ぼした。文系が崩壊し始めるこの時代の中で、日本近現代小説を翻訳していた同級生も「文学には何の効用がある?」と言い出すほど、自己内面の混乱を抱えていた。さらに少子化の問題、大学のポスト激減と雇用の不安定化が原因で、とても良い大学に進学する後輩も、博士号を取ってから社会にどう見られるか焦りを感じていた。博士課程の学生を増加させることで文系の需要と供給のアンバランスをもたらした政策の失敗、それに高学歴の無職者に対する社会の軽蔑、院生の自己アイデンティティの喪失が悲劇をもたらし続けるのである。 留学の前後は鬱々とした日々だった。同じ出身の先輩によるソーシャルメディアいじめに遭わされ続けた。ある学会に参加したいと言い出した時点で攻撃され、自分の悪口と噂も同じ分野の人の間に流された。フェイスブックで単純に生活のことをシェアしても嫌味を言われた。何もしていなかったのに、誰かの進路を邪魔しているような罪を着せられた。研究発表の際にもほかの先生を通じて言いつけにきた人がいる。専門分野における留学生の採用率が高くない日本や欧米での就職を勧められ、女性は嫁ぐのが当たり前という旧観念をもつ方から日本で結婚相手を探す男性を紹介されたこともある。他者の欲望を自分の欲望にし、欲しい物に手段を選ばず、利益の衝突があるとすぐ裏切るような人間と「共依存」の(特定の相手との依存関係を強いられる)関係に陥っていたのだと思う。 思い出せば、日本文学の世界に導いてくれた『深い河』の中で、主人公は人生の意味を探すためにインドへ長旅をした。長い間、信仰のない、窮屈な人間関係の中で生きてきた「わたし」も、何を信じるべきなのか、と問いたくなった。 ただ、日本における自分の実存の世界は、自然に恵まれた全く違う居場所である。昔に比べてだいぶ開発されたと聞いたが、受験の前夜もシーンとした大きな森に囲まれて、バス停でガス燈に照らされる綺麗な蜘蛛糸の網を不思議に眺めつつ、心穏やかだった。本屋でもほかの所にない「森と鳥の楽しい生活」コーナーが設けられている。晴れた休日には親子ともに野原を走り回り、魚や鴨に餌をやり、のんびりした生活を過ごす人が多い。同じ院生室の後輩が冗談半分に言っていたが、ここに来た留学生の中で優しくて親切な方が多いのは、大自然に浄化されたおかげかもしれない。 西行や芭蕉を読んで我々がほっこりするのは、おそらく同じような長旅を心の中でたどったからではないだろうか。そう言えば日本文学を知る前に、日本では失恋すると旅に出ると聞いて不思議に思った。失恋と言えば歌とお酒、というのが台湾の通俗文化の世界だった。自分が馴染んできた日本文化の世界が上品すぎて、父母兄弟との間にできた世代差を時々、面白くすら感じる。 <呉勤文(ご・きんぶん)WU_Ching-wen> 台湾大学日本語文学科・修士(2015年・修了)。台湾大学言語センター・日本語講師(非常勤2015~17年)。日本台湾交流協会奨学生(2017~19年度)、渥美国際交流財団奨学生(2020年度)。筑波大学人文社会科学研究科博士(国際日本研究)(2021年・修了)。筑波大学博士特別研究員(2021年度)。2021年8月より台湾大学日本語文学科・專案助理教授。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】第16回SGRAカフェへのお誘い(最終案内) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす皆さまに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺い議論をする<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は初めて京都を拠点とするハイブリッド形式で、第16回SGRAカフェを開催します。皆さまの積極的なご参加をお待ちしています。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「安全であること――環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える」 日時:2021年7月17 日(土)午後3時~4時30分 方法: 会場(定員20名)とオンライン(Zoom)開催 会場:Impact_Hub_Kyoto(京都市上京区) https://kyoto.impacthub.net/access/ 言語:日本語 参加申込:下記リンクよりお申し込みください https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_4VHnLNp6TU6FHQm01Bvnlg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] 03-3943-7612) ■フォーラムの趣旨 日本社会は「安全」だと言われているが、「安全」であるということは何を指しているのだろうか?本イベントでは、様々な立場や視点から「安全」の意味および基準を考え直し、社会的な構造・環境と、その構造が個人に及ぼす影響について対談する。コロナ時代となった現在は社会格差が広がり、弱い立場にいる人たちがより危険な状況に陥りやすくなっている。ジェンダーや人種、セクシュアリティなど、様々な視点と立場から安全および社会における差別・不平等について話し合う。できるだけ多くの人々にとってより安全な社会をつくるために、自分は何ができるのか?自分にとって安全な場所を見つけるために何をすればいいのか?身近な問題から社会的な構造まで、安全について考えてみよう。 性暴力被害者の支援をしている中島幸子氏やBLM活動をしているキナ・ジャクソン氏、シェルター運営者など、さまざまな視点から安全について話し合う。本イベントの目的は、日本にいる人々の経験を知り、「知る」ことから活動につなぐことである。「安全」という単純に思われている概念を考え直し、自分は本当に「安全」と感じているかということを、参加者に考えてもらいたい。自分のまわりを安全にするため、もっと安全な環境を見つけるためにはどうすればいいのか、という実践的な話にまでつなぎたい。 会場とオンライン方式の同時開催で、質問はトークの中で受け付ける。東京の渥美財団ホールともオンラインでつなぎ、渥美奨学生有志がディスカッションに参加する。 下記リンクよりプログラムをご覧ください http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/06/SGRA-VCafe16Programfinal3.pdf -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【3】第29回持続可能な共有型成長セミナーへのお誘い SGRAフィリピン代表でフィリピン大学ロスバニョス校准教授のマキトさんから、オンラインセミナーのご案内をいただきましたのでご紹介します。 ◆「地域通貨の探求」 In_Search_of_Community_Currencies 日時:2021年7月27日(火) 午前9~12時(フィリピン時間)/午前10~13時(日本時間) 方法:Zoomウェビナーによる 言語:英語 申込:https://qr.paps.jp/LmclT ポスター:http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/07/KKK29flyer-rev.png 第29回の持続可能的共有型成長セミナーは、渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)とフィリピン大学ロスバニョス(UPLB)公共政策大学院(CPAf)の共催により、オンラインで開催します。 最初の講演は「コミュニティ経済と地域通貨」の著者である栗田健一先生。その他の講演者は、地域通貨を紹介してくださった中西徹先生(東京大学)、UPLBの同僚であるホセフィナ・ディゾン先生と私です。地域通貨は持続可能な共有型成長のメカニズムであると認識して2018年から研究を続けていますが、未だにフィリピンでは事例が発見されていません。このセミナーを通して、地域通貨の可能性をより深く探ることができれば幸いです。言語は英語ですが奮ってご参加ください。 ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • MIAO Fengke “The Moment I realized that there was no Loss to Become a Researcher”

    *********************************************** SGRAかわらばん878号(2021年7月8日) 【1】エッセイ:苗鳳科「研究生活を選んで、損はないことに気づいた瞬間」 【2】第16回SGRAカフェへのお誘い(7月17日/京都&オンライン)(再送) 「安全であること:環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える」 *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#675 ◆苗鳳科「研究生活を選んで、損はないことに気づいた瞬間」 「学問は 尻から抜ける ほたる哉」江戸の俳人、与謝蕪村の一句である。ちび坊や(8ヶ月)と暮らしていると、学業の時間は深夜になりがち。かれこれ半年以上寝不足が続いた近頃、この俳句をよく思い出す。あれほど懸命に覚えていた作家の数々、あれほど丹念に読んでいた論文の一本一本、いざ書こうとすると、みな尻から抜けたかと思うほど吹っ飛んでしまう。 孫康映雪、車胤聚蛍。人々は「蛍雪の功」を唱えるが、そんなことしたら風邪や近視にならん?と幼い頃首をかしげたけれど、今はその「功」まで疑ってしまった。学識を積み上げればあげるほど、下にあったものを忘れてゆく。まるで賽の河原だ。 それでも、やはり研究生活を選んでよかった、と思うところがあった。それを気づかせてくれたのは、我が家のちび坊やだった。 育児に一番苦労したのは何かと問うと、半分以上の親が「寝かしつけ」に一票を入れたというアンケートがある。そして、一回の寝かしつけは平均45分もかかるらしい。 こんな贅沢な時間、我が家は到底作れない。子供の世話を手伝う親戚が居ず、授業や博士論文で自分の面倒だけでも精一杯の状況下で、15分の抱っこ寝かしつけも、よくパンかじりながら論文読みながらやっていたくらいもったいなかった。産後すぐ、私はネントレ(赤ちゃんセルフねんねのトレーニング)の本を貪るように読み始めた。それでも、赤ちゃんのバッテリーの切れやすさにすぐ心が折れた(8ヶ月の今でも夜までねんね3回)。 大丈夫。ただの寝かしつけのために学業を怠けられるものか!そういう決心で、坊やの3ヶ月目から、お風呂→保湿→着替え→授乳→歯磨き→絵本読み→子守唄のねんねルーティンを日に日に地道に実践してきた。正しい生活リズムを作るために学校や買い物の途中でも月齢別の発育通り眠るべき時間帯で寝かしつけをしていた。3ヶ月の辛抱で、やっとおっぱい以外で寝たことのない坊やが、抱っこで寝るようになり、トントンで寝るようになり、最後は歌を聞くだけでスイスイ寝るようになってくれた。 君の睡眠に注いだ労力でママ論文2本も書けるよ!と内心こっそり凱歌を奏したその時の出来事だった。 日々ハイハイに興奮してきた坊やは、ベビーベッドにもつかまり立ちができるのに気づき、あまりの楽しさ?で寝なくなった。来る日も来る日も、彼はプロレス選手のようにベビーベッドの中を猪突猛進していた。あきれて大人のベッドに移すと、今度はガンガンはしゃいだ挙句私の頭の上に乗っかって寝るのだ(どこでそんな贅沢な寝方覚えたかよ)。 と同時に、彼はまた実に多種多彩な夜泣きを、毎晩連続で披露し始めた。自分のオナラにびっくりして起きた。父ちゃんのくしゃみに驚いて起きた。歯が生える痛みで起きた。公園で興奮した日は夢を見て起きた。それまでのセルフネントレの努力が一夜にして水の泡になり、私はすっかり狼狽した。 大丈夫。ただの寝かしつけのために学業を怠けられるものか!一週間以上重度の寝不足で白髪が前髪にまで出た。でもここは、ママの粘る根性を見せるところじゃないか。 気づけばネントレの本がまた8冊も棚に現れた。色鮮やかな付箋を挟み、細かいメモをコツコツ作り、新米ママは大学院試験準備並みの情熱を燃やした。夜泣きはまず60秒数えて待ち、温度湿度など生理的理由を辿る、段階を踏んだ寝かしつけをする、ブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科野菜は夜中オナラするので夕飯には禁物…おまけにメラトニンやらプルオフメソッド(授乳なしの寝かしつけ)やら使わない日本語ばかり覚えさせられ、乳幼児睡眠コンサルタントの資格でも取りたいほど無駄な自信が付いてしまった。 親の努力と反対に、坊やのねんねは一向によくならず、そればかりか、トラウマでも覚えたかのようにベッドに下ろされた瞬間ヒステリックに泣くようになった。私はどんなに心苦しくても動じず、「ゆらゆら寝かしつけ」をしなかった。すべてのネントレ本には、ここの難関さえ乗り越えれば「自分でスイスイ寝付く天使ベビーになる」と励ましの言葉があふれていたからだ。 いつものように、ママ行かないで!と泣き叫んでいるように私にしがみ付くある日だった。その必死さを見て思わず背中がゾクっとした。ひたすらマニュアルを思い浮かべながら頑張っていた私の目に、坊やの目線が初めてのように焼き付いた。文学研究をしているのに「文学は樹林よりも目の前にある1本1本の木を見る」という加藤周一の言葉をなぜ忘れた。セルフねんねに成功した赤ちゃんがいくらいるにせよ、坊やはこの世に唯一無二の小木だ。 そもそも、今主流の「ネントレ」学説、どこの何者が、いつどれくらい信憑性のある学術誌に発表したものだ?研究するならこれまでの権威を全て疑うほどの決心がないといけないと教授が言っていた。幸い大学院生活を送っているので答えを探るノウハウくらいは知っている。 数ヶ月ぶりに我が子をのんびりゆらゆらし(ネントレ中大禁物らしいのに)、いかにも「ママ、これ最高だぜ!」という顔で寝てくれた坊やを下ろし、先行研究を調べ始めた。 「信息(情報)繭房」という中国語がある。人は皆自分の周りの情報で織られた繭に縛られて、世界もそれぞれ違うように見えるという。調査をして正にこれが本当のことだとわかった。添い寝は危ないと聞かされてきた我々の世代には、いわゆる早期からの独り寝が子供の自立性育成に良いということで欧米から伝わったネントレが推奨されるが、60年代の日本はなんと「親子川の字寝率」が91%だった(ちなみに今禁止のうつぶせ寝も90年代には推奨されていた)。では欧米は皆ベビーベッドでネントレしているのかと思ったら、本当は英国、イタリア、米国など数カ国に限られており、フランスなどはアジアと変わらないくらい、ネントレどころか添い寝もしているようだ。 でも自立心の育成効果は期待できるじゃない?さらに調べたら、なんと、ネントレ大国米国から、寝方は自立心の育成とは関係せず、乳幼児期に一緒に寝たほうが知能が上がるという最新研究が現れた。 坊や、君と涙ボロボロで奮闘した数ヶ月はなんだったのか。赤ん坊にかけた高すぎる期待で散々泣かせたことが馬鹿らしかった。それよりも悔しいのは、それら権威学説の幾度にもわたる更迭は、論文を書く現場の自分によくわかるはずだった。絶対の学説は常に存在しない。時間が経てば新世代の研究者が新しい「権威」を持って現れる。不本意にも我が子がその観察対象として消費されただけの気がした。 哺乳類の赤ちゃんには「輸送反応(親に運ばれると泣き止む反応)」があるらしい。我が子も抱っこされて安心するものならなぜしてはいけないか。夜泣きも、夜中も親がそばにいることの確認だと理解するならば、2億年近い哺乳類の歴史の中で、赤ちゃんが生きるために必要不可欠な能力だと分かる。 坊やはその後に、後追いが始まり、ますます粘着テープのように親にしがみ付くようになり、寝る時も私によだれを塗りたくっていた。 ネントレを続けていたら、彼は今寝かしつけがいらない子になっていたかもしれない。しかし私は、続けなかったことに心が救われた。もう抱きしめるのを我慢しない。我が子が我を必要としている時は躊躇なく応えたい。研究はいつも新旧学説の戦争であり、育児にも正解はないのかもしれない。 以上が、とある新米ママの、研究生活を選んで損はないことに気づいた話だ。研究は中身を忘れるけれど、思考力が残っているだけでも良かった。錯綜する育児論の中でこれからも迷うだろうが、母親に全身全霊で頼っている坊やを抱え、小さい頃ベッド一つに家族4人缶詰で寝ていた楽しさを思い出しながら、今はただこの瞬間を楽しみたい。 <苗鳳科(みょう・ほうか)MIAO_Fengke> 2020年度渥美奨学生、中央大学文学研究科博士後期国文学専攻。研究テーマは「改革開放後の80年代中国における日本近現代小説の受容」。共著に「『女のいない男たち』ほか」(『村上春樹と二十一世紀』千田洋幸、宇佐美毅2016)、小説翻訳に「呼蘭河伝」(原作者蕭紅、『はなうた』2018年7月号より連載中)、論文に「80年代の中国における私小説の受容―田山花袋『蒲団』への読解から」(『JunCture超域的日本文化研究』2021)、「80年代の中国における日本社会派推理の受容について―『砂の器』と『人間の証明』から見えるもの」(『日本文学』2020)、「中国における日本近現代小説の受容研究:1979?1992年」(『大学院研究年報』2020)など。文学と言葉に興味がある。教員免許(日本語専攻、中国にて取得)や国際漢語教師資格を持ち、教師の経験あり。2017年度東京白門ライオンズ学術奨励賞受賞。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】第16回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす皆さまに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺い議論をする<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は初めて京都を拠点とするハイブリッド形式で、第16回SGRAカフェを開催します。皆さまの積極的なご参加をお待ちしています。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「安全であること――環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える」 日時:2021年7月17 日(土)午後3時~4時30分 方法: 会場(定員20名)とオンライン(Zoom)開催 会場:Impact_Hub_Kyoto(京都市上京区) https://kyoto.impacthub.net/access/ 言語:日本語 参加申込:下記リンクよりお申し込みください https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_4VHnLNp6TU6FHQm01Bvnlg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] 03-3943-7612) ■フォーラムの趣旨 日本社会は「安全」だと言われているが、「安全」であるということは何を指しているのだろうか?本イベントでは、様々な立場や視点から「安全」の意味および基準を考え直し、社会的な構造・環境と、その構造が個人に及ぼす影響について対談する。コロナ時代となった現在は社会格差が広がり、弱い立場にいる人たちがより危険な状況に陥りやすくなっている。ジェンダーや人種、セクシュアリティなど、様々な視点と立場から安全および社会における差別・不平等について話し合う。できるだけ多くの人々にとってより安全な社会をつくるために、自分は何ができるのか?自分にとって安全な場所を見つけるために何をすればいいのか?身近な問題から社会的な構造まで、安全について考えてみよう。 性暴力被害者の支援をしている中島幸子氏やBLM活動をしているキナ・ジャクソン氏、シェルター運営者など、さまざまな視点から安全について話し合う。本イベントの目的は、日本にいる人々の経験を知り、「知る」ことから活動につなぐことである。「安全」という単純に思われている概念を考え直し、自分は本当に「安全」と感じているかということを、参加者に考えてもらいたい。自分のまわりを安全にするため、もっと安全な環境を見つけるためにはどうすればいいのか、という実践的な話にまでつなぎたい。 会場とオンライン方式の同時開催で、質問はトークの中で受け付ける。東京の渥美財団ホールともオンラインでつなぎ、渥美奨学生有志がディスカッションに参加する。 下記リンクよりプログラムをご覧ください http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/06/SGRA-VCafe16Programfinal3.pdf ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/sgra/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ *********************************************
  • Max Maquito “Manila Report 2021 Summer”

    *********************************************** SGRAかわらばん877号(2021年7月1日) 【1】エッセイ:マックス・マキト「マニラ・レポート2021初夏」 【2】国史対話メルマガ#31「宋志勇『私と日本史の縁』」を配信 【3】第16回SGRAカフェへのお誘い(7月17日/京都&オンライン)(再送) 「安全であること:環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える」 *********************************************** 【1】SGRAエッセイ#674 ◆マックス・マキト「マニラ・レポート2021初夏」 ワイリー・オンライン図書館の『情報システム・ジャーナル』で、「私達は研究の社会的効果(ソーシャル・インパクト)を気にしているか」というタイトルの社説を見つけた。この社説は「H指数の独裁政治」、つまりジャーナル・インパクト・ファクターへの批判が高まっていることをはっきり指摘しただけではなく、V指数(Value-indices)、つまり僕がソーシャル・インパクト・ファクターと呼ぶものに明快に言及している。学術的研究と一般社会の関係者をどのように結びつければよいか――これはアカデミズム尊重の根強い伝統に対する正真正銘の反乱であり、僕は以前から考えていたポリシーブリーフの作成に努力しようという思いを改めて強く感じた。ポリシーブリーフとは、さまざまな政策案件に関して、政策研究のエビデンスに基づき、政策の選択肢について簡潔に解説を行うものである。自分自身はもちろんのこと、「戦略的計画の理論と方法」の授業を受けている僕の大学院生たちにも持続可能な共有型成長に関するポリシーブリーフを作成してもらうことにした。 この動きは、コロナのパンデミックのために1年間中止していた「持続可能な共有型成長セミナー」の復活となって実を結んだ。2021年5月31日、フィリピン大学ロスバニョス校公共政策開発大学院(CPAf)と渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)の共催で、第28回持続可能な共有型成長セミナー「持続可能な共有型成長へのポリシーブリーフ」が、初めての完全オンラインで開催された。 ロウェナ・バコンギス学院長と今西淳子SGRA代表の温かい開会挨拶の後、僕がセミナーの経緯と趣旨を説明し、最後に9人の大学院生が作成した5本のポリシーブリーフを発表した。9人は現役の教員や公務員で、ロックダウン中の最初の2学期間で僕が出したこの挑戦的な課題に真剣に応戦してくれた。 持続可能な共有型成長へのポリシーブリーフは次の通り。 1)ビバリー・デラクルス「農場から食卓(F2F)までのロス削減:持続可能な食料システムのための3つの良い解決策」。温室効果ガス排出の削減(SDG13)水(SDG14)と土(SDG15)の資源にかかる圧力の緩和、食料安全性と栄養による社会的状況の改善(SDG2)、責任ある消費と生産(SDG12)を通じた生産性と経済成長の向上(SDG8)をめざす。 2)マルク・イシップ、ダヤン・カベリョウ「強力な協同組合を通じたフィリピン国内の持続可能なハタ(魚類)の生産」。海洋資源の保全、高価値のある海洋生産物の業者間の公平分配や、漁業部門の生産性の向上のために強い共同組合を提案。 3)ヨルダ・アバンティ、ジョセフィン・レバト「イサログ山:共通の善か共通の対立か」。陸上の生物多様性の保全や中央・地方政府間の適切な権利分配やイサログ山コミュニティの活性化を促進する、適切な地方分権を提言。 4)フェ・アラザー、アイザ・スンパイ「公平な枠組みの構築:COVID-19時代に対応する採点方針」。学生達の多様な状況に配慮しながら、非正常でストレスが多いパンデミックの時代に合った採点システムを提言。 5)メルセル・クリマコサ、カテリン・アルガ「栄養と教育:国の将来の決定要因」。小学生とその親の世代間の関係に焦点を当て、子どもの栄養失調が国の未来に与える打撃を軽減するため、最近の栄養と教育の政策をサーベイ。 発表者たちのポリシーブリーフは、さまざまな完成段階にあったが、CPAfの教員であるメッリン・パウンラギ先生、ジン・レイェス先生、マイラ・ダビッド先生とアジア太平洋大学のジョヴィ・ダカナイ先生からの適切なコメントを頂いた。ダカナイ先生と私は、アジア太平洋大学の前身である「研究とコミュニケーション・センター(CRC)」時代の仲間である。当時はまだ大学院生であったが、今のポリシーブリーフに当たる「スタッフ・メモ」の定期的な執筆に動員され「火の洗礼」を受けた。あの時の熱気は、現在のアジア太平洋大学に立派に成長することになる魔法の種であった。あの時も今も、僕たちの関心は、誰かを置いてきぼりにするのではなく、全員を甲板に召集する事にある。これこそ、僕たちの社会が現在直面している最も深刻な問題を解決するために必要とされている。 当日の写真は下記リンクからご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/06/KKK-SGRA-Seminar-28-Gallery-light2.pdf 本セミナーの報告書(英語)は下記リンクからご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/english/2021/06/17/sgra-sustainable-shared-growth-seminar-28-report/ <フェルディナンド・マキト Ferdinand_C._Maquito> SGRAフィリピン代表。SGRA日比共有型成長セミナー担当研究員。フィリピン大学ロスバニョス校准教授。フィリピン大学機械工学部学士、Center_for_Research_and_Communication(CRC:現アジア太平洋大学)産業経済学修士、東京大学経済学研究科博士、テンプル大学ジャパン講師、アジア太平洋大学CRC研究顧問を経て現職。 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【2】「国史対話」メールマガジン第31号を配信しました。 ◆宋志勇(南開大学)「私と日本史の『縁』」 私は少年時代に色々な夢を持っていたが、歴史研究に従事することは考えもしなかった。小学・中学時代はちょうどあの荒唐で狂気に満ちた「無産階級文化大革命」の後期にあたり、学校で学んだ「歴史」は基本的に共産党の闘争史と農民一揆ばかりで、中国と外国の歴史を一通り勉強したことがない。中学卒業後、「亦工亦農」(鉱工業も農業も従事する)という形で労働に参加した。あの頃、大学入試(「高考」)が停止され、労働者・農民および革命家の家庭に生まれた少数の「優秀人物」だけが推薦で大学に入学できて、私は家庭の政治的出自がよくないとされたため、推薦入学の資格もなく、鬱陶しくなっていた。 幸い、1970年代末期に鄧小平の主導により「撥乱反正」が行われ、「改革開放」が実施され、大学入試制度も復活した。私のように大学での勉学を渇望していた若者に一条の光がさしてきた。 続きは下記リンクからお読みください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kokushi/J_Kokushi2021SongZhiyongEssay.pdf ※SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。国史メルマガは毎月1回配信しています。SGRAかわらばんとは別にお送りしますので、ご興味のある方は下記より登録してください。3言語対応ですので、中国語、韓国語の方々にもご宣伝いただけますと幸いです。 ◇国史メルマガのバックナンバーおよび購読登録は下記リンクをご覧ください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・- 【3】第16回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす皆さまに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺い議論をする<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は初めて京都を拠点とするハイブリッド形式で、第16回SGRAカフェを開催します。皆さまの積極的なご参加をお待ちしています。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。 テーマ:「安全であること――環境と感覚、ジェンダー、人種、セクシュアリティから考える」 日時:2021年7月17 日(土)午後3時~4時30分 方法: 会場(定員20名)とオンライン(Zoom)開催 会場:Impact_Hub_Kyoto(京都市上京区) https://kyoto.impacthub.net/access/ 言語:日本語 参加申込:下記リンクよりお申し込みください https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_4VHnLNp6TU6FHQm01Bvnlg お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] 03-3943-7612) ■フォーラムの趣旨 日本社会は「安全」だと言われているが、「安全」であるということは何を指しているのだろうか?本イベントでは、様々な立場や視点から「安全」の意味および基準を考え直し、社会的な構造・環境と、その構造が個人に及ぼす影響について対談する。コロナ時代となった現在は社会格差が広がり、弱い立場にいる人たちがより危険な状況に陥りやすくなっている。ジェンダーや人種、セクシュアリティなど、様々な視点と立場から安全および社会における差別・不平等について話し合う。できるだけ多くの人々にとってより安全な社会をつくるために、自分は何ができるのか?自分にとって安全な場所を見つけるために何をすればいいのか?身近な問題から社会的な構造まで、安全について考えてみよう。 性暴力被害者の支援をしている中島幸子氏やBLM活動をしているキナ・ジャクソン氏、シェルター運営者など、さまざまな視点から安全について話し合う。本イベントの目的は、日本にいる人々の経験を知り、「知る」ことから活動につなぐことである。「安全」という単純に思われている概念を考え直し、自分は本当に「安全」と感じているかということを、参加者に考えてもらいたい。自分のまわりを安全にするため、もっと安全な環境を見つけるためにはどうすればいいのか、という実践的な話にまでつなぎたい。 会場とオンライン方式の同時開催で、質問はトークの中で受け付ける。東京の渥美財団ホールともオンラインでつなぎ、渥美奨学生有志がディスカッションに参加する。 下記リンクよりプログラムをご覧ください http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2021/06/SGRA-VCafe16Programfinal3.pdf ********************************************* ★☆★お知らせ ◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応) SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、2019年より関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。毎月1回配信。SGRAかわらばんとは別に配信するため、ご関心のある方は下記より登録してください。 https://kokushinewsletter.tumblr.com/ ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/sgra/ ●SGRAは、渥美財団の基本財産運用益と法人・個人からの寄附金、諸機関から各プロジェクトへの助成金、その他の収入を運営資金とし、運営委員会、研究チーム、プロジェクトチーム、編集チームによって活動を推進しています。おかげさまで、SGRAの事業は発展しておりますが、今後も充実した活動を継続し、ネットワークをさらに広げていくために、皆様からのご支援をお願い申し上げます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/kifu/ 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 (公財)渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] 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