SGRAかわらばん

マキト「マニラ・レポート(2003年冬)」

今回は、フィリピンのアジア太平洋大学(UAP)とSGRAとの共同研究を中心とした滞在でした。

 

まず、UAPのPETER LEE U助教授と一緒に、ホンダフィリピンの下請け会社を調査して、今年から始まるフィリピンと日本とのFTA(自由貿易)交渉のための準備調査報告を執筆しました。

 

次に、フィリピン経済特区当局と交渉した結果、準備調査の補足的なデータとして、特区に入っている日系企業のデータへアクセスすることができました。企業の名前を公表せず、収集したデータのファイルのコピーを当局にも渡すという条件で許可されました。ほこりをかぶって忘れられ、最後には処分されたデータが救われたということです。SGRA実行委員会にご承認いただき、その研究費を使って、200日を越す計画で、データ保存作業が現在でも続いています。NHKの世界遺産をDIGITALで保存するプロジェクトのように、当局のデータをSCANしてDIGITAL化するこの作業によって、さらなる分析が進み、日比両側のためにお役にたてればと思っています。経済特区に入っている日系企業の本社は、日本の「共有された成長」に大きく貢献しました。この日系企業の特徴的な機能が、今後のフィリピンに発揮されるように努力していきたいと思っています。

 

第3に、UAPとSGRAの初めての一般公開プロジェクトとして、3月に、
「JAPANESE COMPANIES IN THE SPECIAL ECONOMIC ZONES: ENHANCING EFFICIENCY AND EQUITY(経済特区における日系企業:効率と所得分配の改善)」というようなテーマのWORKSHOPを企画しています。WORKSHOPでは、部分的に日本語の発表もいれるようにしようかと考えています。

 

フェルディナンド・マキト
SGRA「日本の独自性」研究チーフ
フィリピンアジア太平洋大学研究助教授
2004年1月24日投稿