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SGRA会員の新刊紹介

■佐藤東洋士・李 恩民編
「東アジア共同体の可能性:日中関係の再検討」
御茶の水書房
http://www.ochanomizushobo.co.jp/
2006年7月15日発行
ISBN4-275-00435-3

 

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○「近現代史における日中関係の再検討」国際シンポジウムの記録。アジアの双璧として地域統合に多大の貢献をなしうる力を備えている日本と中国は、負の遺産として残された「過去」をどのように克服していくか、東アジア共同体の構築の上での最も重要な課題に挑む。

 

○目次
第1部 日中関係の再検討:近代史の視点から
(黄自進、横山宏章、邢麗荃、服部龍二、聞黎明、植田渥雄)
第2部 日中関係の再検討:戦後史の視点から
(宋志勇、大澤武司、松金公正、Unryu Suganuma、大崎雄二)
第3部 日中関係の再検討:教育文化の視点から
(小崎眞、太田哲男、町田隆吉、光田明正、石之瑜)
第4部 日中関係と未来の東アジア共同体
(佐藤考一、天児慧、Quansheng Zhao、John N. Hawkins、Gilbert Rozman、Kent E. Calder、川西重忠)
第5部 キャリ外交官・実務経験者の回顧と分析
(白西紳一郎、王泰平、中江要介、田島高志、今西淳子)

 

○李 恩民 ( LI Enmin り・えんみん)
1983年中国山西師範大学歴史学系卒業。1996年南開大学にて歴史学博士号取得。1999年一橋大学にて博士(社会学)の学位取得。南開大学歴史学系専任講師・宇都宮大学国際学部外国人教師などを経て、現在桜美林大学国際学部助教授、SGRA研究員。著書に『中日民間経済外交』(北京:人民出版社1997年刊)、『転換期の中国・日本と台湾』(御茶の水書房、2001年刊、大平正芳記念賞受賞)、『「日中平和友好条約」交渉の政治過程』(御茶の水書房、2005年刊)など多数。現在、日本学術振興会科研費プロジェクト「戦後日台民間経済交渉」研究中。

 

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■徐 向東著
「中国で『売れる会社』は世界で売れる!日本企業はなぜ中国で勝てないのか」
徳間書店
http://www.tokuma.jp/
2006年8月31日発行
ISBN4-19-862207-8
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○サムスンの経営者は「これからの数年間、中国で勝たなければ世界で勝てない」と口癖のように言う。これこそがサムスンの中国戦略のベースになっている。(中略)現に、中国の携帯電話市場でトップ3のシェアをもつノキア、サムスン、モトローラは世界市場でも同様の地位にある。そして中国で売れない日本の携帯電話は、世界でも売れてないのだ。(中略)技術力だけでは世界市場で勝てないことをまず肝に銘じておくべきだろう。(「はじめに」より)

 

○目次
はじめに 日本企業はなぜ中国でサムスンに負けたのか
第一章 「新中間層」が牽引する巨大消費市場
第二章 「新中間層」を取り込むマーケティング戦略
第三章 「新中間層」の心をつかむブランディング戦略
第四章 「新中間層」が踊る都市経済圏

 

○書評(前野晴男):中国に進出した日本企業の中には思い通りの成果が上がらず苦戦している企業も多い。本書はこうした企業がいかに行動するべきかのポイントが記されており、現在独走中の韓国やヨーロッパの企業について解説されている。派手な広告とベタな人海戦術のマーケットにいかに進出してゆくか。その答えは一個百円から一箱数万円もする豪華月餅の行方に隠されている。(以下は下記URLをご覧ください)
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2437104/detail

 

○徐 向東(Xu Xiangdong /じょ・こうとう):中国大連生まれ。北京外国大学、北京日本学研究センター(修士課程)、北京外国語大学専任講師などを経て、1996年に立教大学博士課程に留学し、博士(社会学)学位取得。日本労働研究機構情報研究員、中央大学兼任講師、日経リサーチ主任研究員を経て、現在キャストコンサルティング代表取締役社長。専修大学兼任講師。SGRA「人的資源と技術移転」研究チームチーフ。日経リサーチ時代から、中国での市場調査やマーケティング戦略のコンサルティングに従事。2003年2月17日日経新聞経済教室に「中国<新中間層>の台頭」を発表。消費市場としての中国新中間層への注目を日本で初めて提起。