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禹守根「頑張ろうよ、日本!」 

SGRA会員ではないのですが、日本留学後、現在アメリカの大学院で研究している韓国の方から、下記の文章が送られてきたのでご紹介します。彼は、日韓の学生が共同でカンボジアに小学校を作るNPOの創始者でもあります。

 

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「頑張ろうよ、日本!」 禹守根

 

1970~80年代の国際社会を驚かした”従属理論(dependency theory)”の創始者であるアンドレ・フランク(Andre Frank)は最近、”リオリエン(Reorient)”という名の本を出版した。この本から、著者の問題意識はタイトルの通り”Reorient”であることが伺える。”新たな方向を提示する”というこの言葉は、同時に”東洋の復興”という意味を含んでいるのだ。

 

「グローバルな経済体制は、はるか昔から形成されていた。その中で優位な立場にあったのはヨーロッパではなく、アジアであった。」そんな彼の主張の背後にあるメッセージは明らかである。「世界の歴史を創り上げた中心はヨーロッパではない。そして、アジアが後れを取り始めたのは近来のことであり、昨今のアジアの再浮上は、世界の中心がこの地域に再び移ってきている」ということの表れである。

 

これまでアジアからみてきた日本。そして、今、アメリカで見られる日本。なんと、大きな格差があることだろう。複雑な気持ちは交差するものの、連帯感と同質感の強いアジアの中の日本は、ここアメリカにおいては、何も言わなくても自らアメリカの下にくっついてくれるアメリカの言いなりの存在にしか映し出されないようである。嗚呼、無念・・・。

 

だから今、Yale大学の歴史学者のポールケネディカネが、ある雑誌に”小さくなる一方の日本”というコラムを書けたのであろう。そこで彼は改めて強い懸念を抱いていた。「いつも西欧の目を気にし、堂々たる姿勢を見せない日本の政治家たち。そんな彼らに主体的な青写真を期待する日本の国民はいない。こんな日本において最も深刻なのは、深まるばかりの自信の喪失なのである」

 

自信感の喪失。

 

そんな政治家がいることは事実だが、”人を責める”前に冷静に考えてはいかがだろう。この悪循環の原因、その改善のために、はたして我々は何をしてきたのかということを。

 

NGOの大父と呼ばれるゼレミリフキン(Jeremy Rifkin)博士。「他人の役に立てられるということで、自分にも自信が沸いてくる。」そんな言葉を残した。そして、先のアンドレ・フランク。「アジアは、ヨーロッパや西欧のモデルばかり追従する必要もなく、そうしてもならない」と話している。

 

アジアには我々の助けを必要とする人々が少なくない。彼らには、“こんな私に・・・”と思えるかもしれない、市民一人でも出来ることがたくさんあるのだ。
失った自信の回復、そしてリオリエントのためにも、いま、我々に求められているのは自らの一行。もはや「百聞は一見に如かず」ではなく、「百見は一行に如かず」。

 

さあ、気を取り直して頑張ろうよ、日本のみなさん!
まだ遅くありません。ずっと応援していますよ!!

 

We Love Asia, Asia Loves Japan!!