SGRAメールマガジン バックナンバー
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Li Kotetsu “Mistery of the Name ‘Sun Zhongsan'”
2016年4月28日 14:09:24
************************************************************************** SGRAかわらばん617号(2016年4月28日) 【1】エッセイ:李鋼哲「『孫中山』の名前の不思議」 【2】第5回ふくしまスタディツアーへのお誘い(5月13~15日飯舘村)(最終案内) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」 【3】第6回日台アジア未来フォーラムへのお誘い(5月21日高雄)(再送) 「東アジアにおける知の交流:越境・記憶・共生」 ************************************************************************** 【1】SGRAエッセイ#489 ◆李鋼哲「『孫中山』の名前の不思議」 孫文といえば、中国でも日本でもまた東アジアや世界でもよく知られている歴史上の人物である。しかし、その名前(呼称)は面白くて不思議である。 先週、台湾の高雄市にある文藻外語大学でワンアジア財団の講義を依頼され、久しぶりに台湾旅行を堪能した。石川県の小松空港から台北桃源空港まで直行便が週に5便あり、とても便利である。金沢や北陸地方は台湾の観光客に人気で旅行者が多い。ちなみに石川県は保守的な風土があり、嫌中親台の傾向も強いので、大陸より台湾訪問者の方が多い。 ところで、ここで私が読者に伝えたいのは、「中華民国の国父」と言われる孫文の名前についてである。台北や高雄に行くと、「中山公園」、「中山路」、「中山大学」など、「中山」(Zhongsan)という名前の付いた地名が多くみられる。中国大陸にも同じように「中山」という名前の大学、施設や道路などがたくさんある。大陸では孫文を「国父」とまでは言わないが、「近代革命の先駆者」として特別な扱いをし、共産党中国は孫文の未亡人である宋慶齢女史を「国家副主席」にまで格上げし、死の直前には「中華人民共和国名誉主席」の称号まで与えた。孫文は、中国を清朝満州族の手から約270年ぶりに漢民族の手に取り戻し、「中華民国」を作り上げたので、国民党も共産党も孫文を「国父」や「先駆者」と崇めるのは当然のことであろう。 しかし、その名前の呼び方が「孫中山」となっていることは不思議だ。台湾や中国の皆さんは聞き慣れているからなんとも思わないだろうが、日本や外国では一般的に「孫文」または「孫逸仙」、英語では「Sun_Wen」または「Sun_Yat_Sen」と呼ぶ。 ウィキペディアでは次のように紹介している。「孫文:譜名は徳明、字は載之、号は日新、逸仙(Yixian)または中山、幼名は帝象。他に中山樵(なかやま_きこり)、高野長雄(たかの_ながお)がある。中国や台湾では孫中山として、欧米では孫逸仙の広東語のローマ字表記であるSun_Yat-senとして知られる」。「号の由来:孫文が日本亡命時代に東京の日比谷公園付近に住んでいた時期があった。公園の界隈に「中山」という邸宅があったが、孫文はその門の表札の字が気に入り、自身を孫中山と号すようになった。日本滞在中は「中山_樵(なかやま_きこり)」を名乗っていた。なお、その邸宅の主人は貴族院議員の中山忠能である」。 つまり、「中山」は紛れもない孫文の日本名「ナカヤマ」である。一般の人が、自分が好きな名前を付けたりするのは特に問題にならないし、それには何の不思議もないが、「国父」、「先駆者」という特別な扱いをされ崇められる人物に「中山」(ナカヤマ)という外国の号を公式名称として使うことについて「不思議」に思うのは私だけだろうか? 大陸でも台湾でも、大学や施設や道路に「中山」を使って来ているが、なぜか「孫文大学」や「孫文路」などは見当たらない。それは日本に親しみを持っているからなのか、それとも別の理由があるのだろうか、私は孫文研究の専門家ではないので、その理由がわからない。 日本に親しみを持っているのであれば、国民党からも共産党からも「親日派」として批判されても不思議ではない。かつて孫文は日本を中国革命の根拠地として頻繁に出入りし、日本人の友人や支援者が多く、大月薫という日本人女性と駆け落ち結婚もして、子孫まで残しているという。彼の後を継いだ蒋介石も2度も日本に留学し、日本の高田砲兵隊に2年間勤務したので、「親日派」と言っても不思議ではないだろう。 また、中華人民共和国の創設者である毛沢東は日本留学の経験はなかったが、かつて1950年代に日本の社会党代表団が訪中し、毛沢東に会見した時、「日本は中国を侵略し多大な迷惑をかけた」とお詫びしたら、毛は冗談半分で「何をおっしゃっているのですか?我々は日本軍に感謝しています」と答えたという。「日本の侵略戦争があったから、中華民国の国民党の手から政権を奪うことができた」という意味で、日本に感謝するとまで言ったという。毛沢東の右腕であった周恩来首相も日本留学経験者であるのは周知の事実である。毛沢東や周恩来の時代には反日キャンペーンなどなかったのである。その後の鄧小平の時代もほとんど同じであった。 確かに、近代日中関係はいろいろ複雑な側面はあると思うが、台湾では比較的「親日的」(哈日)な傾向があるのは間違いなく、また、大陸でも1972年の日中国交正常化以降から1980年代まではかなり「親日的」であった。こういうことを今の中国人や日本人は忘れているように感じる。特に若者はそうである。北陸大学には中国からの留学生が多く、講義の時に「かつて80年代、私が大学生の頃は、親日ムードが凄かったよ!」というと、「え?そんな時期もあったんですか?」と中国人や日本人の学生たちはびっくりする。それも不思議ではない。彼らが世間を知り始めてから現在までは「日中関係は悪い」、「中国人は反日」という印象しかないのだから。 私が中国で世間を知り始めた10歳のころ、朝鮮族の有名な画家(かつて日本留学者)のご家族7人が「文化大革命」のために村に下放されて来たが、その画家の奥さんが日本人であった。末子は私の同級生だったので、その一家と仲良くしていたが、ちょうど日中国交正常化の時期ということもあったからか、村の誰一人も「日本人」だからと言って憎んだり虐めたりすることなく、親しく付き合っていた。私の日本語の勉強は、その同級生のお母さんに教えてもらったのがきっかけであった。 それから1980年代末ころまでは、日中関係は基本的に友好的なムードであったことは疑いのない事実である。大学生の時代にはキャンパス・コンサートでも日本の歌を熱唱し、多くの若者が日本のドラマと映画に夢中になっていたのである。また大勢の若者が日本に留学に来たのである。つまり、中国には「親日的」(または「日中友好」)な要素がたくさんあるし、日中関係の未来にそれを生かすことができると信じている。また、それを今の若者に伝えるのは我々の責務であり使命でもあると思われる。 「孫中山」が「ソン・ナカヤマ」だったということも世の中に、特に若者に伝えることは中国人の日本理解を深め、対日観を変えていくためにはとても大事なことである。 --------------------------------- <李 鋼哲(り・こうてつ)Li Kotetsu> 1985年中央民族学院(中国)哲学科卒業。91年来日、立教大学経済学部博士課程修了。北東アジア地域経済を専門に政策研究に従事し、東京財団、名古屋大学などで研究、総合研究開発機構(NIRA)主任研究員を経て、現在、北陸大学教授。日中韓3カ国を舞台に国際的な研究交流活動の架け橋の役割を果たしている。SGRA研究員。著書に『東アジア共同体に向けて――新しいアジア人意識の確立』(2005日本講演)、その他論文やコラム多数。 --------------------------------- 【2】第5回ふくしまスタディツアーへのお誘い(最終案内) 関口グローバル研究会(SGRA)では2012年から毎年、福島第一原発事故の被災地である福島県飯舘村でのスタディツアーを行ってきました。その体験や考察をもとにしてSGRAワークショップ、SGRAフォーラム、SGRAカフェなど、さまざまな催しを展開してきました。今年は初夏に第5回目の「SGRAふくしまスタディツアー」を行います。参加ご希望の方は、SGRA事務局へご連絡ください。 第5回ふくしまスタディツアー ◆「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」 日 程:2016年5月13日(金)、14日(土)、15日(日) 人 数:10人程度 宿 泊:「ふくしま再生の会-霊山(りょうぜん)センター」 参加費:一般参加者は新幹線往復費用+1万2千円 (ラクーン会会員には補助あり) 申込み締切:2016年4月30日(土) 申込み・問合せ:SGRA事務局 角田 E-mail: [email protected] Tel: 03-3943-7612 【3】第6回日台アジア未来フォーラムへのお誘い(再送) ☆文藻外語大学日本語学科から標記フォーラムの案内状が届きましたので転送します。 【一般参加申込み開始】 ◆「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」国際シンポジュウム このたび、「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」国際シンポジュウムは、日本公益財団法人渥美国際交流財団、文藻外語大学日本語学科、台湾大学日本語文学学科、台湾大学日本研究センターの共同主催により、2016年5月21日(土)に、文藻外語大学の至善楼15階國璽會議廳にて開催いたします。奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます。 申込みHP:http://c025.wzu.edu.tw/front/bin/form.phtml?Nbr=60 申込み締切:2016/5/6(金)まで ※但し、定員【70名】に達し次第、受付を終了させていただきます。 また、講演者、パネリストや論文発表者に、同伴者がいらっしゃる場合も、上記一般参加申し込みHPへのご記入をお願い申し上げます。一般参加者の食事の費用は自己負担となります。興味のある方に、ぜひお知らせくださいませ。 なお、本国際シンポジュウムに関する情報は、随時文藻外語大学日本語学科のホームページにてお知らせいたしますので、よろしくご確認の程、お願い申しあげます。 http://c025.wzu.edu.tw/front/bin/ptdetail.phtml?Part=hotnews101&Rcg=17 文藻外語大学日本語学科 第六回日台アジア未来フォーラム執行委員会 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2016/6461/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2016/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
SGRA Cafe #9 Report
2016年4月21日 16:13:47
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短い時間でしたが、ご講演では1979年に始まった活動が、現在に至るまでどのように展開されてきたかについて、設立当初と今の時代とを比較しながら紹介していただきました。例えば、インドシナ危機が発生した当時は、多くの日本の若者が直接支援のために現地に行きたいという風潮でしたが、30年以上たった現在は、シリア危機の解決に向けて日本から自ら出向こうという人は少なくなっています。また、国内活動においても、当時の民間セクターには、日本が国連難民条約を批准するように圧力をかけるほどの活気があったそうです。その反面、設立当初、IT化や口座振込がまだ進んでいない時代における市民活動の実態、とりわけ非常に手間暇のかかる電話や電報、手紙による通信方法、そして大量の現金書留による募金の描写がとても印象的でした。 最近の情報として、日本の難民受け入れの動向と、シリア内戦により大量に発生している難民及び避難民を助けるための取り組みについても教えていただきました。参加者は、日本で行われている難民認定の丁寧なプロセスにおいて使用されている、人をはじめとした様々な資源の多さと、本制度の限界・問題点についても説明を受けることができました。 また、シリア問題を受けて、「難民を助ける会」がトルコ国境で進めている取り組みについてもお話を聞けました。その中で、団体の英語名(Association_for_Aid_and_Relief,_Japan、略してAAR_Japan)に「refugee(難民)」という語が含まれていない理由を、支援対象地域の政府との政治的な問題を回避するための配慮と説明していただいた時は、「目から鱗」でした(「我が国には難民問題なんて発生していない」という政府のスタンスへの事前対策です)。 質疑応答の中で、海外活動については、例えば現地派遣スタッフの安全管理及びそれに欠かせない教育・研修、他の国際及び現地NGOとの連携のとり方に関する参加者の疑問に対して丁寧に答えていただきました。また、国内の難民受け入れについては、そもそも難民と移民の違い、実際に迫害を受けてきた難民と難民性の低い庇護希望者(日本でいう難民認定申請者)の見分け方、更に言語教育などを含む経済的な自立に向けた社会的な統合の問題についても話し合いました。 今回のカフェを通して、国内の文化的なマイノリティを対象としているソーシャルワークに関心をもつ報告者にとっては、特に次の3点が参考になり、考えさせられました。1)世論に膨大な影響を及ぼすマスコミとの付き合い方、つまり「難民」に対してどのような社会的なイメージを、どのように作り、またどうすれば啓発活動を通じて全体的な意識の向上を目指せるか。2)難民を「可哀そうな」弱者として見ない、即ち既にもっている学歴などの人的資本を最大限に活かすための自立支援とは何か。3)他の社会的な課題と同様に、難民の受け入れと社会的な統合において、なぜ「官」ではなく、「民」が主導権をとった方が望ましいのか、そしてどのようにすればそれができるか。 非常に有意義な2時間半でした。 当日の写真は下記よりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/photo-gallery/2016/6571/ <ヴィラーグ・ヴィクトル Virag_Viktor> 2003年文部科学省学部留学生として来日。東京外国語大学にて日本語学習を経て、2008年東京大学文学部行動文科学科社会学専修課程卒業(文学学士[社会学])。2010年日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科前期課程卒業(社会福祉学修士)。同大学社会事業研究所研究員、東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター・フェロー、日本学術振興会特別研究員を経験。2013年度渥美奨学生。2016年日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科後期課程卒業(社会福祉学博士)。上智福祉専門学校、昭和女子大学、法政大学、上智大学、首都大学東京非常勤講師。日本社会福祉教育学校連盟事務局国際担当。国際ソーシャルワーカー連盟アジア太平洋地域会長補佐(社会福祉専門職団体[日本社会福祉士会]内)。主要な専門分野は現代日本社会における文化等の多様性に対応したソーシャルワーク実践のための理論及びその教育。 【2】第5回ふくしまスタディツアーへのお誘い(再送) 関口グローバル研究会(SGRA)では2012年から毎年、福島第一原発事故の被災地である福島県飯舘村でのスタディツアーを行ってきました。その体験や考察をもとにしてSGRAワークショップ、SGRAフォーラム、SGRAカフェなど、さまざまな催しを展開してきました。今年は初夏に第5回目の「SGRAふくしまスタディツアー」を行います。参加ご希望の方は、SGRA事務局へご連絡ください。 第5回ふくしまスタディツアー ◆「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」 日 程:2016年5月13日(金)、14日(土)、15日(日) 人 数:10人程度 宿 泊:ふくしま再生の会-霊山(りょうぜん)センター 参加費:一般参加者は新幹線往復費用+1万2千円 (ラクーン会会員には補助あり) 申込み締切:2016年4月30日(土) 申込み・問合せ:SGRA事務局 角田 E-mail: [email protected] Tel: 03-3943-7612 【3】第6回日台アジア未来フォーラムへのお誘い(再送) 下記の通り第6回日台アジア未来フォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。 第6回日台アジア未来フォーラム ◆「東アジアにおける知の交流:越境・記憶・共生」 主催:公益財団法人渥美国際交流財団、文藻外語大学日本語学科、台湾大学日本語文学学科、台湾大学日本研究センター 開催日:2016年5月21日(土)午前9時~午後5時 会場:文藻外語大学(台湾高雄市) 國璽会議ホール/至善楼会議室 お申込み・問合せ:SGRA事務局 電話:03-3943-7612 Email:[email protected] 〇フォーラムの趣旨: 帝国主義と植民地主義の下で進められた東アジアにおける近代化の流れは、それまでの中国を中心とした朝貢システムを崩壊させ、国民国家を中心とした国際関係を東アジアにおいて成立させてきた。西欧的国家モデルをいち早く志向して近代国家の成立に成功した日本は、20世紀の東アジアにおける知の交流を語る際に常に重要な役割を果たしてきた。 しかし、近年のグローバル化の急速な進展によって、国民国家制度の恣意性が明らかになり、また様々な分野の活動にみられる多くの越境者たちの存在や、異なる共同体における記憶の構築、多文化主義に見られる共生の実践など、多種多様な交流の形態はこれまでのような国家単位における知の交流の形を大きく変えてきている。今日においてこうした議論は大変有意義であると思われる。本シンポジウムでは、こうした東アジアにおける知の交流の変容を、参加者たちの多様な立場とアプローチによって読み解いていきたいと考えている。 〇プログラム 【開会式】周守民(文藻外語大学校長)、今西淳子(渥美財団常務理事) 【基調講演】 基調講演1:西成彦(立命館大学教授)「元日本兵の帰郷」 基調講演2:東山彰良(作家)「台湾で生まれ、日本で書く」 【研究フォーラム】 テーマ:「越境・記憶・共生に向ける知の交流」 パネリスト:西成彦(立命館大学教授)、土屋勝彦(名古屋学院大学教授)、フェイ・阮・クリーマン(コロラド大学教授)、呉光輝(廈門大學日語系主任) 【論文発表】午後は40本の論文発表と、8本の実務報告 プログラムの詳細はは下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2016/03/TaiwanProgram_2016.pdf 文藻外語大学日本語文系によるホームページは下記リンクよりご覧ください。 http://project.wzu.edu.tw/ntamirai/index.html 〇日台アジア未来フォーラムとは: 第1回(2011年)の「国際日本学研究の最前線に向けて:流行・ことば・物語の力」では「哈日族」現象に代表される日本の流行文化について議論した。第2回(2012年)の「東アジア企業法制の現状とグローバル化の影響」では法律的な視点から議論を行った。第3回(2013年)の「近代日本政治思想の展開と東アジアのナショナリズム」では、近代日本政治思想が植民地において受容、変容されていた情況を検討した。第4回(2014年)は「東アジアにおけるトランスナショナルな文化の伝播・交流―文学・思想・言語」をテーマに、メディアが国境を越えていく現象について議論を深めた。第5回(2015年)の「日本研究から見た日台交流120年」では、日台交流について回顧及び今後の方向性を示すことが出来た。今回のシンポジウム「東アジアにおける知の交流:越境、記憶、共生」の開催に至る。 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2016/6461/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2016/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Kim_Yusung “What is Asia?”
2016年4月14日 15:53:19
******************************************************************************* SGRAかわらばん615号(2016年4月14日) 【1】エッセイ:金流星「アジアとは何か?」 【2】新刊紹介:李軍「日中漢字文化をいかした漢字・語彙指導法:「覚える」から「考える」へ」 【3】新刊紹介:張桂娥「夢野久作童話研究:物語の中の「仕掛け」をよむ」 ******************************************************************************* 【1】SGRAエッセイ#488 ◆金流星「アジアとは何か?」 国際的なサービスを提供している企業のウェブサイト(例えばマイクロソフトやヤフーなど)で会員登録をすると、度々国籍を聞かれる。大体は、プルダウンメニュー(押すと選択肢のリストが出るメニュー)をクリックして、長い国名リストが下に広がり、その中から一つ選ぶ形式だ。インターネットを使っている人ならだれもが一度は経験したことがあるだろう。 私の場合は、国の名前が、「Republic_of_Korea」、「S._Korea」、「Korea」など(時には、漢字だったり、ハングルだったり)と何通りもの表現がある。スクロールし、リストの最後に着いても自分の国の名前を見つけられない場合があるが、すると「どこで見逃したんだろう?」と、ちょっと気を配りながらまた探し始める。私にとって国選びは嫌いな項目なのだ。すべてを名前順にするのではなく、まず一度、地域ごとに分類してから表示するウェブも少なくない。幸い、こんな親切な(?)ウェブに遭遇するとちょっぴり嬉しい。 ところが、私の国が属している「アジアのリスト」には、どう考えても「アジアのイメージがない国々」があるのに気づく。主に西アジア(中東)や中央アジアだ。失礼な発言だったかもしれないので、ここでまず「アジアとして認めない」などの意図はないことを断わっておこう。 「一体アジアってなんだろう?」「国選びの空欄」埋めから素朴な疑問が湧いた。皆さんもどこかで「アジア」という文字に接したときに、このような経験があるのではないだろうか?きっと「アジア人」なら一度は思ったはずだ。そして、多くの人にとっては、各自が持っているアジアのイメージは、実際の概念(西アジアから東アジアにいたる幅広い概念)と一致しないのではなかろうか? こう言える理由を一つ上げてみよう。海外旅行会社のウェブで、海外旅行の航空券を選ぶ時を思い出してみよう。旅行会社のウェブのほとんどは、国々をグループごとに分類している。しかし、前述のウェブサイトの加入時の国別分類システムとは少し異なる。 一般的に、アジアの国々は、一つの大きなアジアグループに一緒に入っていない。日本のサイトの場合は、「アジア」という分類の中には、東アジア、東南アジア、南アジアのみであり、西アジアという用語はなく、中東として別に分類されている。韓国の旅行会社でも大体同じだ。旅行会社は利益を求める企業であることを考慮すると、客となる多くの一般人のイメージに合うような、より選びやすい分類システムを採用していると考えてもいいだろう。間接的ではあるが、一般の人にとっては、このような概念のミスマッチがあることは否定できないだろう。中国は国の名前がそのまま、別表記されているが、もちろん「中国はアジアではない」とだれも思っていない。ただ、中国への旅行客が多いことと中国国内の空港も多いので、あくまで便宜上の表現である。 では、一体、本当の「アジア」はなんだろう?「アジア」という言葉は、「東」を意味する「アス(asu)」とラテン語の接尾語「イア(ia)」がくっついてできたといわれている。ここでいう「東」とは、地中海の東、ヨーロッパの東のことだ。この説明のままでは、広すぎて、共同体を表す表現としてはあまり意味がないようにも見える。そもそも、文化的、人種的、民族的にも異なる「アジア」を、「非アジア」と区別するような共通項はあるのだろうか? 最近、知人にこんな話を持ち込んだら興味深い意見を聞くことができたので紹介したい。アジアは単純に「ヨーロッパの東」を指すのではなく、「非ヨーロッパ」の象徴ではなかったのかという意見だった。 つまり、アジアという言葉が広く使われるようになったころは、世の中はヨーロッパが主導する時代であった。アジアは、まだ経済力や技術力などの近代を支える力の少ない国、言い換えるならば、自分たちでない国(非ヨーロッパ)の意味があるのではないかということだ。 2006年に、スウェーデンのハンス・ロスリン教授は、いまでは最も有名な公開カンファレンス《TED》で、「自国の子どもたちを対象にした調査から、子どもたちは、世の中をWe(私たち)and_Them(あなたたち)で分類して、それぞれWestern_World(世界の西側/西洋)とThird_World(第三国)として認識している」と発表した。この事例を参考にすると、アジアという言葉には、「非先進国」という意味が含まれていると考えても極端な飛躍ではないかもしれない。 いままでは、ただ少し不思議な言葉だとしか思っていなかった「アジア」。調べるうちに、その不思議さを周りの知人の多くも感じていることが分かり、私たちはアジアという「言葉」自体に囚われていたのではと思うようになった。アジアという言葉は、大雑把な地理的な区分で始まったかもしれない、あるいはあまりよくわからない東の国々を指す言葉だったかもしれない。もしかしたら、発展途上国に対する優越感を表す言葉であったかもしれない。どれにしろ、それは世界がお互いをあまり知らなかった時代の産物である。ロスリン教授は、前述の事例で、先進国においても、変化する世界の事情を的確に教育に反映できていないことや、人々の認識が近代的な発想にとどまっていると指摘した。ロスリン教授の発表から10年後の今、私たちも同様に、今の世界には合わなくなったアジアという服を、未だに着ているのではないだろうか? アジアは、文化や民族など多様性に富んでいる上に、アジアの国それぞれ様々な形で発展・変化してきた。時代の変化とともに共同体の概念も現状に合わせ、そして、有効に機能するように変えるべきかもしれない。グローバル化が進むと同時にナショナリズムが台頭する中、共同体という概念は常に揺られている。アジアという言葉の枠組みにとらわれず、私たちの未来に相応しい共同体の再定義が必要な時だと思う。 <金流星(キム・ユソン)Kim_Yusung> 日韓政府の共同事業「日韓共同理工系学部留学生制度」により2001年10月に来日。筑波大学で生物学を学び、東京工業大学大学院で、生体分子の調節機構を研究し修士号および博士号を取得(2011年)。韓国のRegeron,_Inc.で専門研究要員として軍服務すると同時に、生体機能分子を利用した医薬品・化粧品原料の開発を率いた。2014年からROAD_International(株)に移り、中国と日本に住みながら、海外企業向けの日本産業研修を提供している。現在Regeron,_Inc.副所長、ROAD_International(株)管理本部長。 【2】新刊紹介 SGRA会員の李軍さんよりご著書を寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆李軍「日中漢字文化をいかした漢字・語彙指導法:「覚える」から「考える」へ」 携帯電話やパソコンなどの普及に伴って、漢字を手書きする機会が減っている今日、「漢字を書けない」「漢字やことばを考えない」生徒が増えている。にもかかわらず、教育現場では依然として漢字の読み書き指導に重点を置き、ドリル的な漢字指導や字形中心の指導が主流を占めている。ドリル的な漢字練習によって漢字に苦手意識をもつ生徒が多く生み出され、漢字嫌いや漢字離れに拍車をかけている。生徒に漢字やことばの面白さに気づかせるにはどうすればよいか。日中漢字文化の融合・発展過程で生じた様々な要素を生かし、生徒に漢字・語彙に興味・関心を喚起させるための6つの指導法を提案する。 著者:李 軍(り・じゅん) 発行:早稲田大学出版部 A5判_408ページ 本体価格:5,000円+税 2016年3月10日発売 ISBN:978-4-657-16703-3 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.waseda-up.co.jp/newpub/post-707.html 【3】新刊紹介 SGRA会員の張桂娥さんよりご著書を寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆張桂娥「夢野久作童話研究:物語の中の「仕掛け」をよむ」 異色な作家として、独自の文学世界を構築した夢野久作は、三大奇書「ドグラ・マグラ」と称される代表作のほか、書下ろし童話『白髪小僧』をはじめ、百篇を超えた童話を世に送りだした。≪「北」の賢治、「南」の久作≫と言われて久しい。未だに日本児童文学史的位置付けが困難な久作童話を、いま一度、先入観無しに見直すと、プレ夢野が織りなす久作童話ランドの本質・童話作家としてのモラトリアム性を浮き上がらせることができよう。珠玉作品に仕掛けられた物語装置を読み解く著者の試みは、童話作家夢野久作の立ち位置を再定義するためのはじめの一歩である。 著者:張桂娥 発行:致良出版社有限公司(台北市) A5判_184ページ 価格:380元(台湾ドル) 2015年7月発行 ISBN:978-957-786-839-8 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Xie Zhihai “Thinking about Japan-China Relation in Shanghai”
2016年4月8日 15:58:27
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Virag Viktor “Do I have to go back to my home country?”
2016年3月31日 03:41:32
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まず、留学生の卒業後の定住化による日本の多様化を否定的に考える排他性、難しくいえば排外主義がしぶとく根付いているように感じる。2020年のオリンピックと最近の流行語に照らし合わせてみよう。あくまでも一時的な「お客さん」として「おもてなし」には全力を尽くす反面、基本的に「他者」として捉えがちである。この他者化の枠から踏み出せていない人が多い。これでは、相手はいつまでも「輪の外の人」のままである。「輪の外の人」は、日本人ではないため、またハーモニーを乱すため、複数の意味で当然「和の外の人」としてみられる。文字通りに「外人」になってしまう。要するに、対等な立場で同じ土俵に立たせてもらえないわけである。その上、文化的な多様化と治安悪化を必然的に結び付ける言説では、この「外人」があたかも「害人」であるように語られる極端な傾向まである。 しかしながら、留学生の帰国を好む風潮に影響を及ぼす潜在的な意識の方がより深刻なように思う。一言でいえば、相当数の人は悪気がなくとも優越感をもっている。即ち、「せっかく<進んでいる>日本で勉強させてもらったことを有効活用して、<遅れている>母国のために努めなさい」という暗示が背景に読み取れる。このような知識及び技術移転という海外援助や国際貢献の延長線上での留学生受け入れの位置づけは、特に非欧米圏出身者に対して強いようにみえる。人種主義に走った日本人論や、至上主義的な側面をもつナショナリズム、あるいは一元的に物事をみてしまう自民族中心主義(エスノセントリズム)のような単純なものだけではない。むしろ、植民地主義の系統も引き継いでいる先進国の新興国に対する傲慢さとパターナリズムを想起させる。アジア太平洋諸国からの学生なら、まさしく大東亜共栄圏思想を連想しかねない。 もちろん、深く考えず「留学生は帰国するもの」と決めつける人も大勢いるはずだ。ところが、このような想像力の乏しさというか、無知も、上述のような各種イデオロギーの影響を無意識のうちに受けていることを忘れてはならない。留学生の卒業後の帰国を前提とした態度の背景には根深いものが潜んでいそうである。 そして、鈍感な接し方と態度は、行動として偏見に満ちた扱い方に転じやすいことも事実である。例えば、奨学金申請時の先述した帰国要項は最も露骨な制度化された差別の現れの一つである。他に、論文執筆における研究指導の例を挙げても良い。筆者の経験からして、せっかく日本にいながらも母国の研究を勧める指導教官は、社会科学の分野では残念ながら稀ではない。日本国内では、この類の研究調査のための環境がもちろん十分に整っておらず、留学した意味が曖昧になってしまう。しかも、東アジア出身の学生なら、日本植民地ないしは占領時代の研究が好まれる傾向がある。仮に周囲の多くが望む通りに、中国や韓国の学生が母国に帰ったとしよう。論点の整理の仕方と最終的な主張のまとめ方にもよるが、日本統治時代に関する卒業論文の出身国における評価は極めて難しいところがあることはいうまでもない。日本留学中に取り組んだ研究について安心して履歴書に書けないリスクさえ伴う可能性がある。 シンプルな声かけについてあまりにも深読みして考え過ぎているかもしれない。しかし、日本に留学する学生が帰国を前提とした質問の嵐に日々耐えなければならない環境は、グローバル化時代の大学教育には相応しくなかろう。ともかく、「留学はいいが、就労や定住する者としてはあまりウェルカムではないよ」というメッセージが、意図されたものではないとしても、はっきりと発信されている。 倫理的な観点に加え、ここで考えなければならないのは日本にとっての損失である。先進国の共通課題である少子高齢化により、国際的な労働市場は既にグローバル人材のための奪い合いが始まっている。今後、国々の競争は激しくなっていく一方である。嫌でも少子高齢化の世界的な動向の先頭を走っている日本では、人材確保の課題はあらゆる分野で急務になってきている。国内就労と日本定住をより肯定的に認めるキャンパス風土の構築は、人材、いや「人」が集まる国になるために必要である。また、日本の多民族化・多文化化は、誰しも住みやすい国づくりと、誰しも生活しやすい社会づくりのための絶対条件の一つである。したがって、卒業後の進路についてもっとオープンな姿勢を意識した大学の国際化はたいへん有意義な取り組みであり、期待と責任も大きい。 ----------------------- <ヴィラーグ ヴィクトル Virag_Viktor> 2003年文部科学省学部留学生として来日。東京外国語大学にて日本語学習を経て、2008年東京大学文学部行動文科学科社会学専修課程卒業(文学学士[社会学])。2010年日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科前期課程卒業(社会福祉学修士)。同大学社会事業研究所研究員、東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター・フェロー、日本学術振興会特別研究員を経験。2013年度渥美奨学生。2016年日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科後期課程卒業(社会福祉学博士)。上智福祉専門学校、昭和女子大学、法政大学、上智大学、首都大学東京非常勤講師。日本社会福祉教育学校連盟事務局国際担当。国際ソーシャルワーカー連盟アジア太平等地域会長補佐(社会福祉専門職団体[日本社会福祉士会]にて)。主要な専門分野は現代日本社会における文化等の多様性に対応したソーシャルワーク実践のための理論及びその教育。 ----------------------- 【2】第9回SGRAカフェへのお誘い(最終)<当日参加も受け付けます> SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。 日本においても、難民・移民問題が注目されていますが、今回は民間の立場から難民を助け、また法務省難民審査参与員としても難民問題に携わり、双方の立場を経験されている「難民を助ける会」の柳瀬房子様に、これまでのご活動や日本と難民支援の歴史、そしてこれからの難民支援についてお話しいただきます。 参加ご希望の方は、事前にSGRA事務局へお申し込みください。 第9回SGRAカフェ ◆柳瀬房子氏講演「難民を助ける:民と官を経験して」 〇日時:2016年4月2日(土)14:30~17:00 〇会場:渥美国際交流財団/鹿島新館ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 〇会費:無料 〇申込み・問合せ:SGRA事務局 ([email protected]) *参加ご希望の方は、お名前、ご所属、緊急連絡先をお知らせください。 〇メッセージ: 「インドシナ難民を助ける会」として発足(相馬雪香会長)したAARJapan難民を助ける会は、37年目の活動に入りました。政治、宗教、思想に偏らず、活動を続けております。私自身、人生の一番の働き盛りの、30代、40代、50代そして今、67歳、日本の難民支援のための初めての市民団体を、けん引する役割ができたことは、本当にありがたいことと感謝の日々です。多くの方々が、この活動を支えてくださっております。音楽を楽しみながら、日本への難民支援だけでなく、国際協力活動や、東日本大震災後の支援活動などもご報告するチャリティーコンサートを100回以上開催したり、皆様からの募金がこのように生かされているということを、常に発信しながら、ご一緒に活動の輪に加わっていただければと、日々知恵を働かせています。37年間に経験した、官と民、公と私、日本人と世界の人々、難民とは、NGOとは、などを軸に、皆さんとお話ができましたら嬉しいと思います。 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京) 「難民を助ける~民と官を経験して~」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6365/ ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Invitation to NITTAI Asia Future Forum #6
2016年3月24日 16:01:08
************************************************************************** SGRAかわらばん612号(2016年3月24日) 【1】第6回日台アジア未来フォーラムへのお誘い(5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流:越境・記憶・共生」 【2】第9回SGRAカフェへのお誘い(4月2日東京)(再送) 「難民を助ける:民と官を経験して」 【3】第5回ふくしまスタディツアーへのお誘い(5月13~15日飯舘村)(再送) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」 ************************************************************************** 【1】第6回日台アジア未来フォーラムへのお誘い 下記の通り第6回日台アジア未来フォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。 第6回日台アジア未来フォーラム ◆「東アジアにおける知の交流:越境・記憶・共生」 主催:公益財団法人渥美国際交流財団、文藻外語大学日本語学科、台湾大学日本語文学学科、台湾大学日本研究センター 開催日:2016年5月21日(土)午前9時~午後5時 会場:文藻外語大学(台湾高雄市) 國璽会議ホール/至善楼会議室 お申込み・問合せ:SGRA事務局 電話:03-3943-7612 Email:[email protected] 〇フォーラムの趣旨: 帝国主義と植民地主義の下で進められた東アジアにおける近代化の流れは、それまでの中国を中心とした朝貢システムを崩壊させ、国民国家を中心とした国際関係を東アジアにおいて成立させてきた。西欧的国家モデルをいち早く志向して近代国家の成立に成功した日本は、20世紀の東アジアにおける知の交流を語る際に常に重要な役割を果たしてきた。しかし、近年のグローバル化の急速な進展によって、国民国家制度の恣意性が明らかになり、また様々な分野の活動にみられる多くの越境者たちの存在や、異なる共同体における記憶の構築、多文化主義に見られる共生の実践など、多種多様な交流の形態はこれまでのような国家単位における知の交流の形を大きく変えてきている。今日においてこうした議論は大変有意義であると思われる。本シンポジウムでは、こうした東アジアにおける知の交流の変容を、参加者たちの多様な立場とアプローチによって読み解いていきたいと考えている。 〇プログラム 【開会式】周守民(文藻外語大学校長)、今西淳子(渥美財団常務理事) 【基調講演】 基調講演1:西成彦(立命館大学教授)「元日本兵の帰郷」 基調講演2:東山彰良(作家)「台湾で生まれ、日本で書く」 【研究フォーラム】 テーマ:「越境・記憶・共生に向ける知の交流」 パネリスト:西成彦(立命館大学教授)、土屋勝彦(名古屋学院大学教授)、フェイ・阮・クリーマン(コロラド大学教授)、呉光輝(廈門大學日語系主任) 【論文発表】午後は40本の論文発表と、8本の実務報告 プログラムの詳細はは下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2016/03/TaiwanProgram_2016.pdf 文藻外語大学日本語文系によるホームページは下記リンクよりご覧ください。 http://project.wzu.edu.tw/ntamirai/index.html 〇日台アジア未来フォーラムとは: 第1回(2011年)の「国際日本学研究の最前線に向けて:流行・ことば・物語の力」では「哈日族」現象に代表される日本の流行文化について議論した。第2回(2012年)の「東アジア企業法制の現状とグローバル化の影響」では法律的な視点から議論を行った。第3回(2013年)の「近代日本政治思想の展開と東アジアのナショナリズム」では、近代日本政治思想が植民地において受容、 変容されていた情況を検討した。第4回(2014年)は「東アジアにおけるトランスナショナルな文化の伝播・交流―文学・思想・言語」をテーマに、メディアが国境を越えていく現象について議論を深めた。第5回(2015年)の「日本研究から見た日台交流120 年」では、日台交流について回顧及び今後の方向性を示すことが出来た。今回のシンポジウム「東アジアにおける知の交流:越境、記憶、共生」の開催に至る。 【2】第9回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。 日本においても、難民・移民問題が注目されていますが、今回は民間の立場から難民を助け、また法務省難民審査参与員としても難民問題に携わり、双方の立場を経験されている「難民を助ける会」の柳瀬房子様に、これまでのご活動や日本と難民支援の歴史、そしてこれからの難民支援についてお話しいただきます。 参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。。 第9回SGRAカフェ ◆柳瀬房子氏講演「難民を助ける:民と官を経験して」 日時:2016年4月2日(土)14:30~17:00 会場:渥美国際交流財団/鹿島新館ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 会費:無料 申込み・問合せ:SGRA事務局 ([email protected]) 〇講師プロフィール:柳瀬房子(「難民を助ける会」会長) 1948年、東京都出身。フェリス女学院短大卒。1979年からAARJapan難民を助ける会で活動を始め、専務理事・事務局長を経て2000年11月から2008年6月まで理事長。2009年7月より会長。1996年より対人地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく花をください』を執筆し、同年、多年にわたる国際協力活動により、外務大臣表彰を受ける。1997年には、『地雷ではなく花をください』により日本絵本読者賞を受賞。法務省難民審査参与員。難民支援活動や地雷廃絶キャンペーンのため、国内での講演はもとより、海外でも活躍中。 〇メッセージ: 「インドシナ難民を助ける会」として発足(相馬雪香会長)したAARJapan難民を助ける会は、37年目の活動に入りました。政治、宗教、思想に偏らず、活動を続けております。私自身、人生の一番の働き盛りの、30代、40代、50代そして今、67歳、日本の難民支援のための初めての市民団体を、けん引する役割ができたことは、本当にありがたいことと感謝の日々です。多くの方々が、この活動を支えてくださっております。音楽を楽しみながら、日本への難民支援だけでなく、国際協力活動や、東日本大震災後の支援活動などもご報告するチャリティーコンサートを100回以上開催したり、皆様からの募金がこのように生かされているということを、常に発信しながら、ご一緒に活動の輪に加わっていただければと、日々知恵を働かせています。37年間に経験した、官と民、公と私、日本人と世界の人々、難民とは、NGOとは、などを軸に、皆さんとお話ができましたら嬉しいと思います。 【3】第5回ふくしまスタディツアーへのお誘い 関口グローバル研究会(SGRA)では2012年から毎年、福島第一原発事故の被災地である福島県飯舘村でのスタディツアーを行ってきました。その体験や考察をもとにしてSGRAワークショップ、SGRAフォーラム、SGRAカフェなど、さまざまな催しを展開してきました。今年は初夏に第5回目の「SGRAふくしまスタディツアー」を行います。参加ご希望の方は、SGRA事務局へご連絡ください。 第5回ふくしまスタディツアー ◆「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」 日 程:2016年5月13日(金)、14日(土)、15日(日) 人 数:10人程度 宿 泊:「ふくしま再生の会-霊山(りょうぜん)センター」 参加費:一般参加者は新幹線往復費用+1万2千円 (ラクーン会会員には補助あり) 申込み締切:2016年4月30日(土) 申込み・問合せ:SGRA事務局 角田 E-mail: [email protected] Tel: 03-3943-7612 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京) 「難民を助ける~民と官を経験して~」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6365/ ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email:[email protected] Homepage:http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Nikkan Asia Future Forum #15 Report
2016年3月17日 16:28:55
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深川由起子(ふかがわ・ゆきこ)早稲田大学政治経済学術院教授は、日本が、今後スマート・ドナーとして、国際社会における経済開発・貧困削減をリードし、援助の潮流を作り出す上では、東アジア型産業発展の経験を最も濃密に共有する韓国との協調は重要な鍵であり、韓国にとっても同様であると強調した。このような問題意識に鑑み、韓国の政府開発援助(ODA)にその開発体験がどう反映されようとしているかについて紹介した。そして、体験反映の事例として、セマウル運動と知識共有プログラム(Knowledge_Sharing_Program:_KSP)の2つを取り上げ、体験共有への志向が韓国のODA体制整備とどういう関係を持つのかを議論した。結論として、スマート・ドナーを目指す日本にとり、極めて似た工業化体験を有しつつ、他方では強味、弱味の補完性のある韓国のODAと協調することの便益は実は大いに期待できるはずであり、そのためには韓国の経済発展の経緯とODA供与国としての韓国の特徴を日本が十分に理解すると共に、他方で韓国が棲み分けと協調の便益を戦略的に捉えられるような対話が欠かせないと力説した。 コーヒー・ブレークを挟んで、円卓会議では、まず平川均(ひらかわ・ひとし)教授が「日本のODAを振り返る」という題で、討論のたたき台としてのミニ報告を行った。今世紀に入ってアジアの経済発展により「成功体験としてのジャパンODAモデル」の自己認識が強まっているが、伝統的に援助に携わった人々のミクロレベルでの実践の再評価を通じてバランスある援助論への移行が必要ではないかと振り返った。 また、被援助国(partner_country)の視点を踏まえ、マキト・フェルディナンド(Maquito_Ferdinand)テンプル大学ジャパン講師によりミニ報告も行われた。日本と欧米のODAは微妙に異なるが、その違いが生じる原因の一つは援助国自身が経て来た発展経験の相違であるとしたうえで、日本の発展経験を特徴づける「共有型成長」(shared_growth)のDNAの一つの特徴として、日本国内で行われた開発資金提供(developmental_financing)の独自性を上げた。そのような特徴を持つ経済発展モデルのODA政策への適用には、どのような意義あるいは課題があるのかをフィリピンの事例を通して紹介した。 その後、園部哲史(そのべ・てつし)政策研究大学院教授、広田幸紀(ひろた・こうき)JICAチーフエコノミスト、張ヒョン植(チャン・ヒョンシク)ソウル大学行政大学院招聘教授(前KOICA企画戦略理事)らによる熱のこもったディスカッションが続いた。日韓の比較にとどまらず、今後、日韓が協力し合いながら、共に進化し、ODAの「東アジアモデル」とでもいえるようなアーキテクチャを創り上げる可能性について、それぞれの立場や専門領域を踏まえた、そして自分の夢が込められた素晴らしい討論であった。 前回のフォーラム報告でも言及したが、これから「ポスト成長時代における日韓の課題と東アジア協力」について、実りのある日韓アジア未来フォーラムを進めていくためには、総論的な検討にとどまらず、今回のように具体的な課題において掘り下げた検討を重ねていかなければならない。今回から3年かけてODA問題を取り上げることになるが、次回のフォーラムの開催に当たっても、国際開発協力における中国のプレゼンスにも注目しつつ、着実に進めていきたい。最後に第15回目のフォーラムが成功裏に終わるようご支援を惜しまなかった今西淳子SGRA代表と李先生 、そしてスタッフの皆さんに感謝の意を表したい。 フォーラムの写真は下記リンクからご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/photo-gallery/2016/6295/ <金雄煕(キム・ウンヒ)Kim Woonghee> 89年ソウル大学外交学科卒業。94年筑波大学大学院国際政治経済学研究科修士、98年博士。博士論文「同意調達の浸透性ネットワークとしての政府諮問機関に関する研究」。99年より韓国電子通信研究員専任研究員。00年より韓国仁荷大学国際通商学部専任講師、06年より副教授、11年より教授。SGRA研究員。代表著作に、『東アジアにおける政策の移転と拡散』共著、社会評論、2012年;『現代日本政治の理解』共著、韓国放送通信大学出版部、2013年;「新しい東アジア物流ルート開発のための日本の国家戦略」『日本研究論叢』第34号、2011年。最近は国際開発協力に興味をもっており、東アジアにおいて日韓が協力していかに国際公共財を提供するかについて研究を進めている。 【2】第9回SGRAカフェへのお誘い SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。 日本においても、難民・移民問題が注目されていますが、今回は民間の立場から難民を助け、また法務省難民審査参与員としても難民問題に携わり、双方の立場を経験されている「難民を助ける会」の柳瀬房子様に、これまでのご活動や日本と難民支援の歴史、そしてこれからの難民支援についてお話しいただきます。 参加ご希望の方は、事前にSGRA事務局へお申し込みください。 第9回SGRAカフェ ◆柳瀬房子氏講演「難民を助ける~民と官を経験して~」 〇日時:2016年4月2日(土)14:30~17:00 〇会場:渥美国際交流財団/鹿島新館ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 〇会費:無料 〇申込み・問合せ:SGRA事務局 [email protected] *参加ご希望の方は、お名前、ご所属、緊急連絡先をお知らせください。 〇プログラム: 14:30~15:30 講演 15:30~16:00 ティータイム(休憩) 16:00~17:00 質疑応答 〇講師プロフィール:柳瀬房子(「難民を助ける会」会長) 1948年、東京都出身。フェリス女学院短大卒。1979年からAARJapan難民を助ける会で活動を始め、専務理事・事務局長を経て2000年11月から2008年6月まで理事長。2009年7月より会長。1996年より対人地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく花をください』を執筆し、同年、多年にわたる国際協力活動により、外務大臣表彰を受ける。1997年には、『地雷ではなく花をください』により日本絵本読者賞を受賞。法務省難民審査参与員。難民支援活動や地雷廃絶キャンペーンのため、国内での講演はもとより、海外でも活躍中。 〇メッセージ: 「インドシナ難民を助ける会」として発足(相馬雪香会長)したAARJapan難民を助ける会は、37年目の活動に入りました。政治、宗教、思想に偏らず、活動を続けております。私自身、人生の一番の働き盛りの、30代、40代、50代そして今、67歳、日本の難民支援のための初めての市民団体を、けん引する役割ができたことは、本当にありがたいことと感謝の日々です。多くの方々が、この活動を支えてくださっております。音楽を楽しみながら、日本への難民支援だけでなく、国際協力活動や、東日本大震災後の支援活動などもご報告するチャリティーコンサートを100回以上開催したり、皆様からの募金がこのように生かされているということを、常に発信しながら、ご一緒に活動の輪に加わっていただければと、日々知恵を働かせています。37年間に経験した、官と民、公と私、日本人と世界の人々、難民とは、NGOとは、などを軸に、皆さんとお話ができましたら嬉しいと思います。 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京) 「難民を助ける~民と官を経験して~」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6365/ ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<ご予定ください> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Invitation to SGRA Fukushima Study Tour #5
2016年3月10日 15:17:46
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「土は土に、灰は灰に、塵は塵に」(earth_to_earth、ashes_to_ashes、dust_to_dust)という言葉を信者に思い出させる、カトリック教会の祝日である「灰の水曜日(Ash_Wednesday)」(2016年2月10日)に、SGRAの20回目の共有型成長セミナーが、マニラ市にあるカトリックの名門アテネオ・デ・マニラ大学で開催された。今回のセミナーは企画の段階から、実行委員たちの提案で、今まで以上に宗教色が増していた。それもそのはずである。昨年、カトリックの教皇様がフィリピンを訪問された後、回勅(encyclical)を出されたことが、委員たちの心を動かしたのである。灰の水曜日に開催されたのは偶然だったが、セミナーのテーマ「人間環境学と持続可能な共有型成長」(Human_Ecology_and_Sustainable_Shared_Growth)に相応しいと思った。 グローバル市場経済が世界を席巻する今日、東南アジア諸国、特に中所得の罠(Middle_Income_Trap)に落ちてしまったフィリピンは、経済発展をとげる一方で社会的格差が増大し、環境破壊も止めどなく進行し、人権侵害や地域・民族間の紛争も解決の糸口さえ見えない状態に陥っている。植民地支配のくびきから解放され、国民国家形成の過程で、多様な民族、宗教、文化の統合に苦慮してきた東南アジア各国では、グローバリゼーションのもとでの社会環境の変化に対して、宗教的な価値観、倫理観に基づく批判や反発が生まれてきている。 教皇様が発したのは、貧富の格差の拡大や環境破壊を厳しく批判し、社会的公正と倫理の回復を求める強いメッセージであった。公正と倫理の回復を求めるメッセージには、人間環境学(Human_Ecology)という概念が取り上げられているが、このセミナーを通してこの概念の意味や意義などを理解し、さらにはフィリピンのSGRAプロジェクトが追究している持続可能な共有型成長との関連性を考えることが、本セミナーの目的であった。 セミナーはフィリピンの国歌斉唱、アテネオ・デ・マニラ大学の経済学部長のクリスティナ・バウティスタ氏と今西淳子SGRA代表の開会挨拶から始まった。午前中は、下記の通り、フィリピン各地から集まった講師による発表が行われた。 発表1「スペインの哲学者レオナルド・ポロによる環境の概念や共存:持続可能性教育への含意」 発表者:Dr._Aliza_Racelis_(University_of_the_Philippines) 発表2「防災力(レジリエンス)と持続可能性のためのメトロ・マニラの都市計画」 発表者:Arch/EnP._Sylvia_Clemente_(University_of_Sto._Tomas) 発表3「パサイ市の旧干拓エリアにおける都市の衰退と貧困の指標との関係の評価」 発表者:Arch._Regina_Billiones 発表4「ベンゲット州(フィリピン)の主要民族部族のペドペド喫煙」 発表者:Ms._Girlie_Gayle_Toribio_(Benguet_State_University) 発表5「カガヤン・デ・オロ河川の流域の家庭における使用・非使用便益の仮想的市場評価手法による推定」 発表者:Dr._Rosalina_Palanca-Tan_(ADMU)、Ms._Marichu_Obedencio、_and_Ms._Caroline_Serenas_(Xavier_University_Ateneo_de_Cagayan) 発表6「生物濃縮:プラスチックのゴミの悲劇」 発表者:EnP._Grace_Sapuay_(Solid_Waste_Management_Association_of_the_Philippines) 発表7「気候変動を理解する」、「高潮」 発表者:Mr._Erik_Pinaroc_(University_of_Sto._Tomas)、Mr._Gerardo_Santiago_III_(University_of_Sto._Tomas) 発表8「スペインの植民地資本主義と福音伝道を超えて、フィリピンの教会遺産の評価へ」 発表者:Arch_Mynn_Alfonso_(University_of_Sto_Tomas) このセミナーには100人を超える参加者が集まった。アジアで最も古く、カトリック最大の大学とも言えるサント・トマス大学の学部生とその先生たちが大勢来てくださった。灰の水曜日に合わせるかのように、午前中の発表は、宗教的な課題(カトリックの哲学者について)から始まり、宗教的な課題(スペイン植民時代の教会について)で終わった。その日は本来断食の日でもあるので、軽いランチを挟んで、午後は発表者の円卓会議が行われ、発表とテーマとの関係の理解を深めようとした。そのまとめは下記のリンクからご覧ください。 「人間環境学」と「持続可能共有型成長」の視点から見た各発表のまとめ(英語) http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/network/2016/6429/ 共有型成長セミナーは、以前から専門分野や国籍の壁を超えて実施されてきたが、今回は、初めて世代の壁をも超え、実行委員から推薦された学部生の発表を3本も入れてみた。日比共有型セミナーは12年間に20回開催してきたが、今回も手伝ってくれた甥のアランは、セミナー後の懇親会で、感想を聞かせてくれた。「僕はマキト家の中で、このセミナーの出席率が一番いいと思う。何しろ最初は11歳だったのでちゃんと聞いていなかった。でも、今日は、僕と同世代の熱意ある発表を聞いて、やっとセミナーの意義がわかった」と。今後も「世代間の壁」を突破する試みを続けようと励まされた。 当日の写真は下記リンクよりご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/active/photo-gallery/2016/6375/ <マックス・マキト☆Max_Maquito> SGRA日比共有型成長セミナー担当研究員。SGRAフィリピン代表。フィリピン大学機械工学部学士、Center_for_Research_and_Communication(CRC:現アジア太平洋大学)産業経済学修士、東京大学経済学研究科博士、アジア太平洋大学にあるCRCの研究顧問。テンプル大学ジャパン講師。 【3】新刊紹介 SGRA会員のマキトさんより、共著書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆トラン・ヴァン・トゥ編著「ASEAN経済新時代と日本:各国経済と地域の新展開」 ASEAN経済共同体(AEC)創設、加盟各国が中所得以上に発展したASEAN新時代が到来。高所得国シンガポール、高位中所得国マレーシアとタイ、低位中所得国インドネシア、フィリピン、ベトナムとラオス、低位中所得国の仲間に入りつつあるカンボジアとミャンマーの現段階と持続的発展の条件を分析し、AEC、対中・対日関係、メコン河流域開発、平和環境の今後を展望。 編著者:トラン・ヴァン・トゥ 発行所:文眞堂 A5判:387頁 ISBN:978-4-8309-4897-8(4-8309-4897-3) 定価:3024円(本体 2800+税) 発行日:2016年2月 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.bunshin-do.co.jp/catalogue/book4897.html ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京) 「難民を助ける~民と官を経験して~」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6365/ ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6409/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<ご予定ください> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Sonja Dale “‘Internationalization’ to me”
2016年3月3日 19:02:42
******************************************************************************* SGRAかわらばん609号(2016年3月3日) 【1】エッセイ:デール・ソンヤ「私にとっての『国際化』」 【2】新刊紹介:李彦銘「日中関係と日本経済界:国交正常化から『政冷経熱』まで」 【3】第9回SGRAカフェ「難民を助ける」へのお誘い(4月2日東京)(再送) ******************************************************************************* 【1】SGRAエッセイ#485 ◆デール・ソンヤ「私にとっての『国際化』」 このコラムでは、大学の「国際化」について考えてみたい。そもそも、「国際化」というものは、どのようなことを指しているのだろう?本コラムは、文部科学省や大学に実際にある方針ではなく、単に自分が見たこと、経験したことを中心に「国際化」について考えていきたい。 「『国際化』=英語能力および外国人学生・研究者・教員の存在」であるという考え方が強いように思う。国際的な規模で研究を発信するため、英語能力は必須である。英語で学術的な論文を書くことと、英語で国際学会で発表することは、研究者としても、大学の代表としても重要なことである。また、外国人が存在することで学生や教員が「異文化」と触れ合う機会が自然と増えるだろう。英語の重要性については賛成しているし、大学に属する外国人の増加は、悪いことだと思わない。しかし、それだけで大学が「国際的」になるとは思っていない。そもそも、「国際化」とはどのようなものを目指しているか、「国際的」な大学というのはどういうものなのか、検討する必要がある。 国際的な規模で、他の大学と競争することは大学の国際化に必須である、という意見は多いだろう。しかし、私にとって大学の国際化に関する問題はもっと根本的で、大学に限られたものでもない。私にとっての国際化は、大学のランキングや英語能力や外国人の存在よりも、考え方と態度の変容である。 「いつも授業で、日本人は後ろに座って、われわれ『外人』が前に座っているな。私たちを怖がっているようにみえるね」。この会話は、日本の「グローバル30」の一つの大学で耳にした。この発言者は、アメリカ人の留学生で、同じ留学生の仲間と楽しくおしゃべりしていた。このような経験は、珍しいことではない。私も何回も授業で同じような風景を見たことがあり、留学生は積極的に授業に参加する一方、日本人の学生はあまり声を上げないことが講師の間でも当たり前のように語られている。また、違う大学で、二人の留学生とそれぞれの学生生活について話していた。大学で、日本人の友達を作ることはなかなか難しい、という話題になり、一人の学生が自分の経験について語った。数少ない日本人の友達の一人が、同じ日本人の友達に「なんでいつも外国人と一緒にいるの?」といわれたそうだ。国際関係という学部においても、「日本人」と「外国人」が分けられていることが残念ながら現実のようである。 日本人の学生はなぜ積極的に授業に参加しないと思われているのか、日本人の学生はなぜ外国人の学生に怯えているように見えるか、私にとってこの二つの質問は大学の「国際化」に根本的に繋がっている。そして、この二つの質問は大学の問題だけではなく、実は教育と「育ち」に関する全体的な問題である。 私は、日本で博士課程の教育を受ける側として現場を見たが、他の教育機関を経験する機会はなかった。しかし、話を聞くと生徒や学生が自分の意見を発信する機会はあまりないそうだ。例えば、歴史の問題では出来事を記憶することが優先されており、その出来事はなぜ歴史的に重要なのか、現在の社会においてどのような影響を与えたのか、などの質問に対する答えまでもあくまでも記憶すべき一問一答になっているようで、生徒が考える機会はない。また、学校で政治に関する議論をすることが奨励されていないようで、そのような意見を組み立てる経験もあまりできないように見える。他の人と違う意見を持ってもいい、しかもその異なる意見について話すこともいいことだよ、ということは、多くの人に身に付けられていないように思う。それは、日本人学生の消極的と思われる態度と繋がっていると思う。子どものころからこの態度と考え方に慣れていないため、いままでの習慣が大学に入ることでいきなり変わるわけではない。 これと関連する良くない習慣は、「外国人」は「日本人」と違うと考えることである。この前提として、「日本人」はみんな一緒という先入観がある。「日本人」はみんな一緒だから、ちょっと違う人は考え方が違うから仲良くできない、違うからきっとコミュニケーションするだけで面倒くさい、違うから怖い。このような意見は、実際に学生から聞いたものである。まず、「日本人」はみんな一緒という考え方が間違いである。単なる便利な神話であり、差別行動や民族主義を認めるために使われている。日本人の中でもさまざまな文化的な違いが存在しており、「日本人」という一体的な文化や人種があるというのは怪しいものである。しかし、そう信じている人は多い。社会的に、その神話を支えるための習慣や行動がたくさん存在している。そのため、帰化した在日韓国人が韓国語の名前を使わないようにしたり、「外国人」という理由で物件の賃貸を拒否されたりすることがある。 大学の国際化のために、大事なのは個人の違いを認めること、そして個人の意見の違いを受け止めることだと考えている。そうすれば、大学はもっと活発で、包括的な場になるだろう。国際化は大学の問題だけではない。小さいころから外の世界に目を向け、その世界に存在する多様性を受け止めることが一番大事なことではないだろうか。そうやって育つと、「国際化」が自然と来るのではないか。 <デール、ソンヤ Sonja Dale> 一橋大学社会学研究科特任講師。上智大学グローバル・スタディーズ研究科博士号取得。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士。2012年度渥美奨学生 *本稿は、2014年度Global Voiced From Japan (GVJ)のコラムコンテストで優秀賞を受賞したものですが、著者およびGVJ関係者のご承諾を得て、転載させていただきます。 【2】新刊紹介 SGRA会員の李彦銘さんからご著書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆李彦銘「日中関係と日本経済界:国交正常化から『政冷経熱』まで」 日本の経済界の中国に対する態度がどのように形成され、なぜ変化したのか、そして日中関係における経済界の具体的な役割はどのようなものか、日本政府の対中政策に影響を与える方法やルート、中国政府との交流チャンネルはどのようなものなのか。これらの問いかけに対し関係する資料・記録・統計データなどをもとに実証的な検討を行う。 著者:李彦銘著 発行所:勁草書房 ISBN:978-4-326-34907-4 出版年月:2016年2月 判型・ページ数:A5判・336ページ 定価:本体5,200円+税 *詳細は下記リンクをご参照ください。 http://www.keisoshobo.co.jp/book/b215004.html 【3】第9回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。参加ご希望の方は、事前にSGRA事務局へお名前、ご所属、連絡先をご連絡ください。 第9回SGRAカフェ ◆柳瀬房子氏講演「難民を助ける~民と官を経験して~」 〇日時:2016年4月2日(土)14:30~17:00 〇会場:渥美国際交流財団/鹿島新館ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 〇会費:無料 〇申込み・問合せ:SGRA事務局 ([email protected]) 〇プログラム: 14:30~15:30 講演 15:30~16:00 ティータイム(休憩) 16:00~17:00 質疑応答 〇講師プロフィール: 柳瀬房子(「難民を助ける会」会長) 1948年、東京都出身。フェリス女学院短大卒。1979年からAARで活動を始め、専務理事・事務局長を経て2000年11月から2008年6月までAAR理事長。2009年7月より会長。1996年より対人地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく花をください』を執筆し、同年、多年にわたる国際協力活動により、外務大臣表彰を受ける。1997年には、『地雷ではなく花をください』により日本絵本読者賞を受賞。法務省難民審査参与員。 難民支援活動や地雷廃絶キャンペーンのため、国内での講演はもとより、海外でも活躍中。 〇メッセージ: 「インドシナ難民を助ける会」として発足(相馬雪香会長)したAARJapan難民を助ける会は、 37年目の活動に入りました。政治、宗教、思想に偏らず、活動を続けております。私自身、人生の一番の働き盛りの、30代、40代、50代そして今、67歳、日本の難民支援のための初めての市民団体を、けん引する役割ができたことは、本当にありがたいことと感謝の日々です。多くの方々が、この活動を支えてくださっております。音楽を楽しみながら、日本への難民支援だけでなく、国際協力活動や、東日本大震災後の支援活動などもご報告するチャリティーコンサートを100回以上開催したり、皆様からの募金がこのように生かされているということを、常に発信しながら、ご一緒に活動の輪に加わっていただければと、日々知恵を働かせています。37年間に経験した、官と民、公と私、日本人と世界の人々、難民とは、NGOとは、などを軸に、皆さんとお話ができましたら嬉しいと思います。 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京) 「難民を助ける~民と官を経験して~」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6365/ ◇第5回SGRAふくしまスタディツアー(2016年5月13~15日) 「帰還に挑む:何ができるのか、何を目指すのか」<ご予定ください> ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<ご予定ください> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ <発表論文(要旨)の募集は締め切りました。参加登録受付中> ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Invitation to SGRA Cafe #9
2016年2月25日 18:22:01
************************************************************************** SGRAかわらばん608号(2016年2月25日) 【1】第9回SGRAカフェ「難民を助ける」へのお誘い(4月2日東京) 【2】第3回アジア未来会議「環境と共生」へのお誘い(9月29日~10月3日北九州) ★☆★発表要旨の投稿締め切りは2月29日です★☆★ 【3】催事紹介:第221回JIフォーラム(2月29日東京)渥美財団共催(再送) 「紛争、テロ、難民、その本質を考える。 そして、私たち、日本、がするべきこと。出来ることを考える」 ************************************************************************** 【1】第9回SGRAカフェへのお誘い SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。 2013年3月に開催した第3回SGRAカフェでは、SGRA会員のダルウィッシュ・ホサムさんに「『アラブの春』とシリアにおける人道危機」というお話をしていただき、大きな反響を呼びました。あれから3年、残念ながら情勢は悪化するばかりです。 日本においても、難民・移民問題が注目されていますが、今回は民間の立場から難民を助け、また法務省難民審査参与員としても難民問題に携わり、双方の立場を経験されている「難民を助ける会」の柳瀬房子様に、これまでのご活動や日本と難民支援の歴史、そしてこれからの難民支援についてお話しいただきます。 参加ご希望の方は、事前にSGRA事務局([email protected])へお名前、ご所属、連絡先をご連絡ください。 第9回SGRAカフェ ◆柳瀬房子氏講演「難民を助ける~民と官を経験して~」 〇日時:2016年 4月2日(土)14:30~17:00 〇会場:渥美国際交流財団/鹿島新館ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 〇会費:無料 〇申込み・問合せ:SGRA事務局 ([email protected]) 〇プログラム: 14:30~15:30 講演 15:30~16:00 ティータイム(休憩) 16:00~17:00 質疑応答 〇講師プロフィール:柳瀬房子(「難民を助ける会」会長) 1948年、東京都出身。フェリス女学院短大卒。1979年からAARJapan難民を助ける会で活動を始め、専務理事・事務局長を経て2000年11月から2008年6月まで理事長。2009年7月より会長。1996年より対人地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく花をください』を執筆し、同年、多年にわたる国際協力活動により、外務大臣表彰を受ける。1997年には、『地雷ではなく花をください』により日本絵本読者賞を受賞。法務省難民審査参与員。難民支援活動や地雷廃絶キャンペーンのため、国内での講演はもとより、海外でも活躍中。 〇メッセージ: 「インドシナ難民を助ける会」として発足(相馬雪香会長)したAARJapan難民を助ける会は、37年目の活動に入りました。政治、宗教、思想に偏らず、活動を続けております。私自身、人生の一番の働き盛りの、30代、40代、50代そして今、67歳、日本の難民支援のための初めての市民団体を、けん引する役割ができたことは、本当にありがたいことと感謝の日々です。多くの方々が、この活動を支えてくださっております。音楽を楽しみながら、日本への難民支援だけでなく、国際協力活動や、東日本大震災後の支援活動などもご報告するチャリティーコンサートを100回以上開催したり、皆様からの募金がこのように生かされているということを、常に発信しながら、ご一緒に活動の輪に加わっていただければと、日々知恵を働かせています。37年間に経験した、官と民、公と私、日本人と世界の人々、難民とは、NGOとは、などを軸に、皆さんとお話ができましたら嬉しいと思います。 【2】第3回アジア未来会議「環境と共生」へのお誘い ★☆★発表要旨の投稿締め切りは2月29日(月)です★☆★ 渥美国際交流財団関口グローバル研究会では、バンコク、バリ島に続き、北九州市にて第3回アジア未来会議を開催します。アジア未来会議は、日本で学んだ人、日本に関心をもつ人が一堂に集まり、アジアの未来について語る<場>を提供することを目的としています。毎回400名以上の参加者を得、200編以上の論文発表が行われます。国際的かつ学際的な議論の場を創るために、皆様の積極的なご参加をお待ちしています。オブザーバー参加も歓迎です。 〇日時:2016年9月29日(木)~10月3日(月)(到着日・出発日も含む) 〇会場:北九州国際会議場、北九州市立大学北方キャンパス 〇テーマ:環境と共生(国際的かつ学際的なアプローチを奨励します) 〇プログラム:論文発表の他、基調講演、シンポジウム、円卓会議、スタディツアー等。 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/conference-program/ 〇論文投稿については下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/call-for-papers/ 〇登録費等の一般情報は下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/information/ ★参加ご希望の方は、下記リンクより登録してください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/registration/ 【3】渥美財団共催 第221回JIフォーラムへのお誘い(再送) 渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は構想日本と下記フォーラムを共催します。SGRA会員のアブディンさんのお話もありますので、奮ってご参加ください。参加ご希望の方は、下記リンクより構想日本へ直接お申込みください。 第221回JIフォーラム ◆「紛争、テロ、難民、その本質を考える。そして、私たち、日本、がするべきこと。出来ることを考える。」 〇ゲスト アブディン・モハメド・オマル(東京外国語大学特任助教、スーダン出身) 瀬谷ルミ子(NPO法人日本紛争予防センター理事長) ナジーブ・エルカシュ(ジャーナリスト、シリア出身) 〇モデレーター 加藤秀樹(構想日本代表) 〇日時:2016/02/29(月) 18:30~20:30(18:00開場) 〇場所:日本財団ビル2階 大会議室 http://www.nippon-foundation.or.jp/who/about/access/ 参加費 一般 2,000円/学生 500円(構想日本会員は無料です) ※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。 ※ラクーン会会員には特別割引がありますのでSGRA事務局にもご連絡ください。 親睦会参加費 4,000円(参加希望の方のみ) ※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。 「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531 ※懇親会直前のキャンセルについてはキャンセル料を申し受けます。ご了解くださいますようお願いいたします。 〇参加申込みは下記リンクよりお願いします。 http://kosonippon.org/forum/index.php ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京) 「難民を助ける~民と官を経験して~」<参加者募集中> http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2016/6365/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<ご予定ください> http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨・参加者募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************