工事現場見学会(11月例会)報告


2025年11月26日(水)、穏やかな小春日和の中、2025年度渥美奨学生たちは鹿島建設が施工中のトンネル工事現場を見学するため、神奈川県横浜市に集まりました。

当日は14時半に元町・中華街駅に集合し、現場が用意されたマイクロバスで工事事務所に向かいました。見学に先立ち、渥美直紀理事長よりご挨拶と土木工事に関する簡潔なご説明がありました。続いて、現場責任者の小野塚所長より横浜高速鉄道株式会社が発注した「みなとみらい線 車両留置場建設工事」の概要についてご説明いただきました。本工事にあたって設立されたジョイントベンチャーの仕組みや、トンネル施工方法、そして現在開発・導入が進められている自動化システムなどについて、専門知識のない私でも理解できるように非常に丁寧かつ明快なご説明でした。

説明と質疑応答が終わった後、私たちはヘルメットやインカムなどの装備を身につけ、再びマイクロバスに乗って港が見える丘公園近くの工事現場へと移動しました。深さ約20メートルの地下で、自動化されたコンクリート吹付機を始めとする様々な設備が並ぶ工事中のトンネルを見学しました。佐藤次長による親切なご説明を伺いながら進んだ先にあった、掘削の最前線である切羽の光景を目の当たりにし、自然の雄大さとそれに挑む人間の技術力に強く心を打たれました。インフラ整備がいかに社会の根幹を支えているかを再認識する、得難い経験となりました。また、現在進行中の現場とは思えないほど清潔に保たれた作業環境や、近隣住民への影響を最小限に抑えるための防音・振動・日照対策に尽力されていることにも深い感銘を受けました。

見学の後には、近所のトルコ料理店にて鹿島建設の社員の方々も交えて懇親会が開かれました。おいしい料理とともに、皆さまのおかげでとても有意義な時間を過ごすことができました。なかでも特に印象的だったのは、どのような質問に対しても的確にご対応くださった小野塚所長の豊富な知識と巧みな語り口でした。それだけでなく、現場責任者としての使命感や信念、そしてリーダーに求められる資質についてのお話も大変貴重な学びとなりました。

今回の見学会は、普段目にすることのない世界に触れ、当たり前だと思っていた日常がいかに多くの技術と努力に支えられているかを考えさせられる、かけがえのない機会となりました。ご多忙の中、貴重なお時間を割いてくださった渥美理事長をはじめ、鹿島建設の関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。今年で5年目を迎える本工事は、2030年度の完成を予定しているとのことですが、無事故・無災害で竣工されることを心よりお祈り申し上げます。

文責:李 在昶(2025年度奨学生)

当日の写真