理事長講演会と真夏のBBQパーティ(8月例会)
2024年7月20日、晴れ渡った真夏の日、渥美財団ファミリーが関口の渥美財団ホールに集まり、2つのイベントで盛り上がった。1つ目は、渥美直紀理事長が「鹿島の歴史と技術」をテーマに対面とオンラインの両方で魅力的な講演をされたことであり、もう1つは、楽しいBBQである。日本時間の午後4時ちょうど、渥美理事長の講演会が開始された。2024年度奨学生やラクーンの愛称で親しまれている先輩奨学生など、さまざまな参加者が集まった。多くの参加者が家族と一緒に参加し、渥美財団の温かく、包括的な雰囲気の中で一日を過ごすことができた。
講演会で渥美理事長は、鹿島の創業家の系譜を語ることからお話を始められた。参加者、特に2024年度奨学生に対する説明によると、鹿島建設は日本の発展に大きな役割を果たしてきた歴史ある建設会社のひとつである。1840年、鹿島岩吉が江戸・中橋正木町で創業したのが始まりとされている。そして1860年、鹿島は横浜に「英一番館」と「アメリカ一番館」を建設し、洋館建築のパイオニアとなった。
鹿島は、第2代鹿島岩蔵の指揮の下、敦賀線(現・北陸本線)の建設を皮切りに、日本全国の鉄道建設に参画した。やがて鹿島は、台湾や韓国での鉄道建設をはじめ、海外にも事業を拡大した。その後も、日本初の超高層ビルやダム、水力発電所、橋梁、トンネル、歴史的建造物の修復、原子力発電所など、国内外でさまざまなプロジェクトを手がけてきた。
最後に、理事長は、既に稼働している自動化・無人化施工技術に留まらず、宇宙での拠点建設を実現させる遠隔施工システムをJAXAと共同研究している鹿島にとって「次の現場は宇宙である」との説明で講演会を締めくくられた。
鹿島のたゆまぬ発展と革新は、「全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する」という鹿島の経営理念に沿ったものである。理事長の講演会には、「私たちは常に革新を続け、社会の発展と福祉に貢献しなければならない」というメッセージが込められていた。
午後5時からは楽しいBBQに移った。焼肉の味に舌鼓を打ちながら、参加者全員が交流を深め、家族のような温かな雰囲気に包まれた。この和やかな雰囲気の中、先輩の奨学生たちは、学業を修了し、就職活動に臨む2024年度奨学生たちに貴重な指針を与えてくれた。日本語が共通語となり、参加者全員が心をひとつにし、BBQの雰囲気を盛り上げた。また、食事制限のある人たちのためにシーフードのグリルも用意され、寛容、包括性、相互尊重の文化が反映された。この心遣いが一体感を醸成し、参加者一人一人が渥美財団の家族の一員として心から受け入れられていることを実感させた。
魅力的な講演会や賑やかなBBQの思い出は、奨学生が学業を終えて社会人になり、母国に帰っても、いつまでも心に残ることだろう。渥美財団は、現在と未来の奨学生をつなぐ、時を超えた重要な架け橋である。
文責:イドゥルス(2024年度奨学生)
当日の写真