2022年新年会報告


2022年1月15日、年に一度の新年会が渥美財団のホールで開催されました。奨学生と財団スタッフ、そしてラクーンの皆さんで力を合わせて餃子とお餅を作りました。その後、伊都子前理事長の誕生日祝いも行われました。2021年度の奨学生たちは伊都子前理事長に花束やケーキ、そしてプレゼントを渡しました。新型コロナウィルス蔓延のため新年会は前年度に引き続き、2021年度と2020年度の奨学生と財団スタッフの一部の小規模で開催されました。

今年の新年会は東アジアの文化を背景に、国境を超えた会になりました。新年といえば、韓国や日本ではやはり「お餅」、中国、とりわけ北中国ではやはり「餃子」を作って食べることが欠かせません。そして、東アジアの新年といえば、やはり家族が集まる一大イベントです。中国語には「年味」という言葉があります。家族が集まって一緒に餃子を作って食べる時の賑やかな雰囲気を描写する言葉です。しかし、近年、別の都市で働く人や、仕事で新年に家に帰れない人が増えているだけではなく、新型コロナウィルスで家に帰ることを控えている方も多くいます。中国では近年どんどん「年味」が薄れていると広く認識されていいます。中国出身の私にとっては、財団で皆さんと一緒に餃子とお餅を作って、食べて、お話しすることでこの失われつつある「年味」を感じたのです。そして、この「年味」を私にくれたのは、さまざまな国から集まってきた渥美財団のファミリーでした。

私は今年の新年会で東アジアの伝統を体験しながら、何か新しいものも感じたのです。新年の食事を作るということは、とりわけ東アジアの社会ではとてもジェンダー規範が強いものです。中国では、家族の女性メンバーたちが厨房に集まって餃子を作ること、日本では力仕事ができると思われる男性たちがお餅をつくことがまるで「自然」のように分業されています。しかし、今年の新年会では、ジェンダーに関係なく、皆さんで一緒に餃子を作って、お餅をついて、この何千年も継続されてきた東アジアのジェンダー規範が、ささやかではありますが変化してきていると感じました。

餃子とお餅の後に、伊都子前理事長の誕生日祝いが行われました。司会の奨学生の陳希さんの合図を受け、奨学生の曹有敬さんの素敵なピアノの音で、同じ奨学生の陳藝捷さんと胡石さんがケーキを持って財団ホールに入り、2021年度と2020年度の奨学生たちが伊都子前理事長にバースデーソングを歌いました。その後、陳藝捷さんがケーキの紹介をしました。それは有名なフレンチのパティシエのお店のもので、綺麗な赤色が人を魅了するほどでした。ケーキに続き、蒋薫誼さんが花束を伊都子前理事長に渡し、花束について紹介しました。最後に、李典さんが自作の伊津子前理事長の似顔絵を渡しました。今西さんから「こっそり」いただいた伊津子前理事長の写真を元に、李典さんは大好きな紫色の洋服を着ている伊津子前理事長を描きました。そして、その伊津子前理事長の肩にはラクーンたちを表す狸も描かれています。伊津子前理事長と渥美財団の大切な仕事の上に私たちが立っているという私たち自身への励ましでもあります。

そして、コロナで財団に来られなかった方たちはZoomを通して、伊津子前理事長にお誕生日のお祝いをしました。イタリアから、朝5時に新年会に参加してくださったラクーンもおり、コロナで実際に会えないことは寂しいのですが、技術を通して、空間だけではなく、時間を超えることもできました。それぞれの時間と空間にいる世界中のラクーンを繋ぐことで、渥美財団のこの新年会のホールはまさに「国際的な空間」になりました。

当日の写真

(文責:郭立夫)