2020年度奨学生9月例会報告


 秋とは思えないような厳しい暑さであった9月11日(金)に渥美財団ホールで9月定例会が開催された。「財団の初期の活動やSGRA設立について知ろう!」というテーマで前回の蓼科ワークショップ@東京と同じく、対面式とZoomを併用する形で行われた。財団に来られる人は財団に出向き、来られない人はZoomで参加して、お互いに交流できたことは何よりだったと思う。今回、財団ではZoomの環境をよりよくするために、新たな映像機器を購入し、音響の専門家も招いた。財団参加者とZoom参加者の両方が楽しむことができたと考えられ、ポストコロナの時代に向かっているのではないかと思われる。

 今回の例会では、「博士号取得を目指し、これからグローバルに活躍してくみなさんと一緒に、渥美奨学金第1期生の大先輩である高偉俊さん、フェルディナンド・マキトさんから初期の財団の活動やSGRA設立の経緯についてお話を伺い、その後フリートーク形式でSGRAの活動の今後の可能性や、世界に広がる300名を超えるラクーンのネットワークをいかに活用していくことができるかについて考える」ということが目的・趣旨に掲げられた。

 まず、高先輩からアジア未来会議を紹介していただいた。アジア未来会議は、国際的かつ学際的なアプローチを基本として、グローバル化に伴う様々な問題を、科学技術の開発や経営分析だけでなく、環境、政治、教育、芸術、文化など、社会のあらゆる次元において多面的に検討する場を提供することを目指していることがわかった。アジア未来会議は、渥美国際交流財団の活動の一環として始められた。タイ・バンコクで開催された2013年第1回会議をはじめとして、今年で第5回になった。そして第6回アジア未来会議が、2021年8月27日(金)〜31日(火)に中国文化大学(台北市)で開催することも案内された。テーマは「アジアを創る、未来へ繋ぐ−みんなの問題、みんなで解決−」である。とても興味深いので、参加してみようと考えている。

 また、マキト先輩からSGRAの歴史を紹介していただいた。SGRAは、世界各国から渡日し長い留学生活を経て日本の大学院から博士号を取得した研究者が中心となって、個人や組織がグローバル化に立ち向かうための方針や戦略をたてる時に役立つような研究、問題解決の提言を行い、その成果をフォーラム、レポート、ホームページ等の方法で、広く社会に発信していることがわかった。SGRAは、ある一定の専門家ではなく、広く社会全般を対象に、幅広い研究領域を包括した国際的かつ学際的な活動を狙いとしている。渥美奨学金の奨学生は卒業したら自動にSGRAの会員になるので、とても楽しみしている。

 その後のフリートークでは、「狸(ラクーン)」の話が盛り上がっていた。高先輩から狸の由来を紹介していただいた。みんなは将来、自分も渥美財団の狸(ラクーン)として社会へ貢献していくことを決意した。また、今年度の奨学生がどうやって仲良くなれるかについて話し合った。今年はコロナの影響で、例年楽しんでいる食事会がやむを得ず中止され、奨学生全員の交流が少なくなっている。みんなが第1期生の高先輩とマキト先輩の友情に憧れを抱き、早く仲間と仲良くなりたいと思った。

 最後はみんなで美味しいお菓子をいただきながら解散した。次回の例会を心待ちにしている。コロナの影響でしばらく対面式とZoomを併用する形で行うことになりそうだ。ポストコロナ時代にどうなるかは今後の課題である。
(文責:元笑予)

当日の写真