2016年度渥美奨学生研究報告会




「ありがとうございました。」
「お疲れ様でした。」
 そして、
「いい経験でした。」

まず、この言葉を渥美国際交流財団のみなさん、および第22期(2016年度)渥美奨学生の仲間たちに伝えたい。2017年3月4日(土)午後に、渥美財団ホールで開催された研究報告会を通じて、同期の奨学生がお互いの研究についてより詳しく知ることができたと思う。また、自分の専門以外の分野と接することで視野がより広くなったと思う。ラムサル・ビカスさんの指導教授の足利工業大学の松本直文教授がおっしゃったように、また、2017年2月11日に行ったSGRAフォーラム「人を幸せにするロボット」でも話題になったように、1つの課題に多様な観点から接近することはとても大事である。そうするためには、常に他分野の研究者と交流し、自分の考えを広げる必要があると思う。そう考えると、今回の研究報告会は、デザイン学、政治学、歴史学、言語学、先端技術科学などの多様な分野の話を聞くことができた、めったにない有益な時間であったと思う。

今回発表した私たちの研究活動は始まったばかりであり、人類社会に役立つ成果物を世に出すためには、今回のような機会をうまく利用する必要がある。渥美奨学生のOBのシム・チュンキャットさんが言われたように、私たちは人間という身分だけではなく、「狸」(=渥美財団同窓生)というもう1つの身分を持っているのだから、この大切な狸ネットワークに積極的に参加すれば、自然に視野が広くなると思う。私もそのネットワークへ積極的に参加するつもりだ。

一方、松本先生がおっしゃったように、失敗学の観点から自分の研究について語ることも面白いのではないかと思った。当然、渥美奨学生は、自分の研究においてさまざまな失敗があり、それを乗り越えて、「実」が得られてきたと思う。しかし、私を含め、ほとんどの発表者は、主に研究成果を語ることに注力した。そのため、「実」を獲得するためにどのような努力や経験をしたのかは伝わらなかった。私と同じような研究で、失敗した時にどのように克服すればよいかが分からなくて悩んでいる人にとっては、失敗談は非常に役に立つと思う。また、研究から得られた結果だけではなく、研究の過程(失敗談)も今後の研究における重要なヒントになるかもしれない。

今回の研究報告会には第23期(2017年度)の渥美奨学生も参加したので、報告会終了後の親睦会でいろいろと話すことができた。彼らも私たちと同様に、2017年4月から1年間、渥美国際交流財団に所属しながら、いろいろな経験をするだろう。きっと、来年の研究報告会はその経験談が聞ける場になると思う。それを考えるとわくわくする。その日を楽しみにして、自分の生活を充実させていきたいと思う。

最後に、貴重な場を作ってくださった渥美国際交流財団のみなさんと、面白い話を聞かせてくださった同期の渥美奨学生のみなさんに感謝の気持ちを伝えたい。そして、これから狸としての人生を共に歩むだろう次期渥美奨学生の皆様にも先に感謝の気持ちを伝えたい。


当日の写真


(文責:李志炯)