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Invitation to the 10th Nittai Asia Future Forum in Shimane

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SGRAかわらばん976号(2023年7月6日)

【1】第10回日台アジア未来フォーラムへのお誘い
「日台の酒造りと文化:日本酒と紹興酒」(10月21日、島根県松江市)

【2】催事紹介:第16回INAF研究会(6月27日、オンライン)
「近現代における中国トップ・リーダーの対日観と対日政策」
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【1】第10回日台アジア未来フォーラム@島根へのお誘い

日台アジア未来フォーラムは、台湾出身のSGRAメンバーが中心となって企画し、2011年より毎年1回台湾の大学と共同で実施しています。コロナ禍で3年の空白期間がありましたが、今年は例外的に日本の島根県で開催することになりました。皆さんのご参加をお待ちしています。諸準備のため参加ご希望の方は早めにお申し込みいただけますと幸いです。

テーマ:「日台の酒造りと文化:日本酒と紹興酒」

日 時:2023年10月21日(土)14時~17時10分

会 場:JR松江駅前ビル・テルサ4階大会議室(島根県松江市朝日町478―18)
https://goo.gl/maps/2GB6p1bUwVAAkaiG8

言 語:日本語・中国語(同時通訳)

※参加申込(クリックして登録してください)
http://bit.ly/JTAFF10

お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)

◆フォーラムの趣旨

東アジアの主食である米を発酵させた醸造酒は、各地でそれぞれ歴史を経て洗練されたが、原料が同じなだけに共通点も多い。代表的な醸造酒に日本では清酒(日本酒)、中国では黄酒(紹興酒)がある。島根は日本酒発祥の地とされ、日本最古の歴史書『古事記』にも登場する。一方、台湾では第二次世界大戦後に中国から来た紹興酒職人が、それまで清酒が作られていた埔里酒廠で紹興酒を開発し量産に成功した。台湾で酒の輸入が自由化されるまでは、国内でもっとも飲まれる醸造酒であった。中国の諺に「異中求同」(異なるものに共通点を見出す)があるが、今回は醸造酒をテーマに相互理解を深めたい。フォーラムでは島根の酒にまつわる漢詩を紹介していただいた後、日本と台湾の専門家からそれぞれの醸造技術と酒文化について、分かりやすく解説していただく。日中同時通訳付き。

◆プログラム

講演1:「近代山陰の酒と漢詩」 要木純一(島根大学法文学部教授)

講演2:「島根県の日本酒について」 土佐典照(島根県産業技術センター)

講演3:「台湾紹興酒のお話」 江銘峻(台湾エン酒株式会社)

全体質疑応答

◆懇親会:会議室でケータリング、日本酒と紹興酒の試飲
参加費3000円(フォーラム受付時にお支払いいただきます)

◆発表要旨と講師略歴

【講演1】「近代山陰の酒と漢詩」 要木純一(島根大学法文学部教授)

要旨:江戸時代から、山陰特に松江は漢詩創作が盛んな土地であった。また、米も水もよいので、日本酒もおいしく、酒に強い人が多いところである。かくして、明治時代より、遠来の人士を招いて詩と酒を楽しむ詩会がしばしば催された。その様子が詳しく記された資料があるので紹介したい。松江出身で、二度首相になった若槻礼次郎も、激務の合間に酒と漢詩を楽しむ文人政治家であった。詩会などを通じて、故郷の人との交流を楽しんだ。単に楽しみと言うだけでなく地方における政治活動・選挙活動につなげていくという面もあった。彼の詩も多数残っており、飲酒・宴会の楽しみを詠った作品とその背景について、考察する。

略歴:京都大学文学部文学科卒業。京都大学文学研究科文学修士。1990年より島根大学勤務、現在は島根大学人文社会科学系教授。専門分野は日本中国学、中国文学。

【講演2】「島根県の日本酒について」 土佐典照(島根県産業技術センター)

要旨:まず日本酒の製造方法について、次に島根県の日本酒造りの環境条件(気候、水、米)と酒質の特性を説明する。水は、日本酒の成分で約80%を占めることから原料として、また洗米などの原料処理や機器の洗浄など製造工程でも重要な要素である。古来、適度な成分を含む灘の宮水のように、銘醸地には名水が存在する。島根県の酒造りを行う会社では複数の井水(地下水)や水道水、他の地区の湧水などさまざまな水を利用している場合が多いが、「軟水」が多く、宮水のような「軽度の硬水」はまれである。島根県の酒造りの特徴は、昔から原料である「酒米」の使用が多いことが挙げられる。「酒米」は「さばけ(蒸米の状態がベトベト引っ付かず、バラバラになること)」が良いので麹作りに適していて、消化性も良いので資化率が高く、酒質は濃醇傾向となる。ここでは、島根県における酒米の品種や使用量の変遷など、歴史的な経緯について述べる。最後に島根の日本酒の酒質の特徴と時代の変化を述べ、食事、特に魚食との関係について触れる。酒質は全国平均と比較して、昭和には濃醇傾向だったのが、最近は淡麗になっている。また食事(魚食)はブリ、アジ、サバの消費が多く、郷土料理である大田の「へかやき」など、基本的に醤油味が多い傾向がある。今後、島根県の郷土料理・産物と日本酒のおいしさが世界に発信されることが期待される。

略歴:広島大学食品工業化学科卒業、鳥取大学大学院農学博士。1982年より島根県産業技術センター勤務。専門分野は酒造技術、食品加工技術。

【講演3】「台湾紹興酒のお話」 江銘峻 (台湾エン酒株式会社)

要旨:本講演では、まず台湾紹興酒の起承転結について、台湾紹興酒の生産起源、転換、そして現在について紹介します。続いて台湾紹興酒の特徴について、醸造方法から台湾の紹興酒、中国大陸の紹興酒、日本酒の同じ所と違う所を説明します。最後に台湾紹興酒の飲食文化について、その栄養価値、台湾での飲み方、食事での使い方について紹介します。

略歴:国立成功大学化学工程系卒業。2009年より台湾エン酒株式会社埔里酒廠勤務、埔里酒廠製造課課長。埔里紹興酒生産工場で十年以上の経験を有し、紹興酒の生産と品質管理と紹興酒再生産立上げで生産試験プロセスに携わる。台湾エン酒株式会社埔里酒廠在職中は内部教育研修講師として、社員への清酒と紹興酒の醸造プロセスを教える。

※プログラムの詳細は下記リンクをご覧ください。
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2023/06/JTAFF10Program.pdf

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【2】催事紹介:

SGRA会員で(一社)東北亜未来構想研究所(INAF)所長の李鋼哲さんから研究会のお知らせをいただきましたのでご紹介します。参加ご希望の方は直接お申込みください。

◆第16回INAF研究会のご案内

テーマ:「近現代における中国トップ・リーダーの対日観と対日政策」
趣旨:INAF研究所が2023年4月に立ち上げた「日中関係の150年:中国のトップ・リーダーの対日認識から見る」研究プロジェクトに関連する中国研究専門家による最近の研究成果報告を順次に行います。中国問題または日中関係に関心のある方は奮ってご参加ください。よろしくお願いします。

日時:2023年7月27日(木)19:00~21:00
方法:オンライン(Zoom)

発表者
1.白春岩(INAF理事/早稲田大学商学学術院講師)
テーマ:近代日中関係史の幕開け―「日清修好条規」と李鴻章
2.兪敏浩(INAF理事/名古屋商科大学国際学部教授)
テーマ:毛沢東の対日認識と日中関係(仮)
司会:陳柏宇(INAF理事/新潟県立大学国際学部准教授)

INAFメンバーではない方で参加ご希望の方は、3日前までにお名前、ご所属、連絡先メールアドレスを下記に送ってください。
参加申込:[email protected] 又は [email protected]

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