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Invitation to SGRA China V Forum #14

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SGRAかわらばん840号(2020年10月8日)

【1】第14回SGRAチャイナVフォーラムへのお誘い(11月1日オンライン)
「東西思想の接触圏としての日本近代美術史再考」

【2】SGRAレポート紹介
レポート第76号「日中200年―文化史からの再検討」
レポート第88号「日中映画交流の可能性」
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【1】第14回SGRAチャイナVフォーラム「東西思想の接触圏としての日本近代美術史再考」へのお誘い

下記の通りSGRAチャイナVフォーラムをオンライン(Zoom)で開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。今回は、聴講者はご自分のカメラとマイクはオフのWebinar形式で開催しますので、お気軽にご参加ください

テーマ:「東西思想の接触圏としての日本近代美術史再考」
時間:2020年11月1日(日)午後3時~4時30分(北京時間)/午後4時~5時30分(東京時間)
方法:Zoomによる

主催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)
共催:清華東亜文化講座(予定)、北京大学日本文化研究所

※参加申込(下記URLより登録してください)
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_bAKs7Yo7QYu1Kj9DBaQqMQ

お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)

■フォーラムの趣旨
江戸時代後期以降、日本には西洋の諸理論が流入し、絵画においても、それまで規範であった中国美術の受容とそれを展開していく過程に西洋理論が影響を及ぼすようになっていった。一方、絵画における東洋的な伝統や理念が西洋の画家たちに影響を与え、さらにそれが日本や中国で再評価されるという動きも起こった。本フォーラムでは、その複雑な影響関係を具体的に明らかにすることで、日本近代美術史を東洋と西洋の思想が交錯する場として捉え直し、東アジアの多様な文化的影響関係を議論したい。日中同時通訳付き。

■プログラム
総合司会:孫建軍(北京大学外国語学院日本言語文化系)
開会挨拶:今西淳子(渥美国際交流財団)

【講演】稲賀繁美(国際日本文化研究センター)
「中国古典と西欧絵画との理論的邂合―東西思想の接触圏としての日本近代美術史再考」

【討論】塚本麿充(東京大学東洋文化研究所)、林少陽(香港城市大学中文及歴史学科)他

閉会挨拶:董炳月(中国社会科学院文学研究所)(予定)

※プログラムの詳細は、下記URLをご参照ください。

日本語プログラム
http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2020/10/J_SGRAChinaVForum14.pdf

中国語プログラム
http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2020/10/C_SGRAChinaVForum14.pdf

■発表要旨
渡邊崋山から橋本関雪までの画人がいかに中国の美術理論を西洋理論と対峙するなかで咀嚼したかを検討する。とりわけ「気韻生動」の概念がいかに西洋の美学理論に影響を与えたかをホイスラーからアーサ・ダウに至る系譜に確認するとともに、それが大正期の表現主義の流行のなかで、いかに日本近代で再評価され、「感情移入」美学と融合をとげ、更にそれが、豊子愷らによって中国近代に伝播したかを鳥瞰する。この文脈でセザンヌを中国美学に照らして評価する風潮が成長し、またそれと呼応するように、石濤が西欧のキリスト教神秘主義と混線し、東洋研究者のあいだで評価されるに至った経緯も明らかにする。

※なお、本フォーラムでは講演を契機とした活発な議論が展開されることを期待し、事前に講演内容に関連する以下の論文を紹介する。
◆「岡倉天心」関係:
稲賀繁美「天心・岡倉覚三と五浦―イギリス・ロマン主義特輯号の余白に―」
https://inagashigemi.jpn.org/uploads/pdf/170925hikaku.pdf
稲賀繁美「岡倉天心とインド―越境する近代国民意識と汎アジア・イデオロギーの帰趨」
https://inagashigemi.jpn.org/uploads/pdf/Okakura0411.pdf
◆橋本関雪の周辺:
稲賀繁美「表現主義と気韻生動―北清事変から大正年末に至る橋本関雪の軌跡と京都支那学の周辺―」
https://inagashigemi.jpn.org/uploads/pdf/150331nihonkenkyu.pdf
◆近代の南画復興と日中交流:
稲賀繁美著 王振平訳「論豊子愷《中国美術在現代芸術上勝利》与日訳作品在接受西方思想時的媒介作用」
https://inagashigemi.jpn.org/uploads/pdf/0910kawamotosensei.pdf
◆サン・ディエゴでの中日美術交流に関する会議の報告:
稲賀繁美「日本美術と中国美術の<あいだ>(上)石橋財団国際シンポジウム(2018年11月2-4日)に出席して」
https://inagashigemi.jpn.org/uploads/pdf/aida244.pdf
稲賀繁美「日本美術と中国美術の<あいだ>(下)石橋財団国際シンポジウム(2018年11月2-4日)に出席して」
https://inagashigemi.jpn.org/uploads/pdf/aida245.pdf

[講師略歴]
稲賀繁美(いなが・しげみ)
国際日本文化研究センター教授。1988年東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻博士課程単位取得退学、1988年パリ第七大学(新課程)博士課程修了。博士(文学)。東京大学教養学部助手、三重大学人文学部助教授を経て、1997年国際日本文化研究センター助教授、2004年より国際日本文化研究センター教授。専門は比較文学比較文化、文化交流史。
主な単著書に『絵画の臨界:近代東アジア美術史の桎梏と命運』、名古屋大学出版会、2014年1月、『絵画の東方 オリエンタリズムからジャポニスムへ』、名古屋大学出版会、480頁、1999年、『絵画の黄昏:エドゥアール・マネ没後の闘争』、名古屋大学出版会、467頁、1997年、共著書に(編著)『東洋意識:夢想と現実のあいだ 1894-1953』、ミネルヴァ書房、京都、2012年4月20日、『東洋美学と東洋的思惟を問う:植民地帝国下の葛藤するアジア像–国際シンポジウム 第38集–』国際研究集会報告書38、国際日本文化研究センター、京都、2011年3月31日(本文は英語)、(編著)『異文化理解の倫理にむけて』、名古屋大学出版会、名古屋、2000年がある。

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【2】SGRAレポート紹介

過去のチャイナ・フォーラムの講演録をSGRAレポートとして発行いたしましたのでお知らせします。PDF版は下記リンクからダウンロードしていただけます。冊子本についてはSGRA賛助会員と特別会員へ第76号は6月に送付済、第88号は11月に送付予定です。会員以外の方でも冊子本をご希望の方はSGRA事務局までご連絡ください。

◆レポート第76号「日中200年―文化史からの再検討」(日中合冊版)

レポート第76号「日中200年―文化史からの再検討」

劉建輝(国際日本文化研究センター教授)
第9回SGRAチャイナ・フォーラム「日中200年―文化史からの再検討」講演録
2020年6月18 日発行

従来、東アジアの歴史を語る時、ほとんどの識者が古代の交流史と対比して、近代の抗争史を強調し、両者の間に一つの断絶を見出そうとしてきた。たしかに政治、外交だけに目を向ければ、日中、日韓などの間に戦争も含む数多くの対抗や対立が頻発し、ほとんど正常な隣国関係を築くことができなかった。しかし、もしこの間の三国間の文化的交流、往来の足跡を精査すれば、そこには近代以前とは比べられないほど多彩多様な事実、事象が存在していることに気付くだろう。そしてその多くはいずれも西洋という強烈な「他者」を相手に、互いの成果、経験、また教訓を利用しながら、その文化、文明的諸要素の吸収、受容に励む努力の跡にほかならない。その意味で、東アジア、とりわけ日中韓三国はまぎれもなく古来の文化圏と違う形で西洋受容を中心とする一つの近代文化圏を形成していたのである。

◆レポート第88号「日中映画交流の可能性」

レポート第88号「日中映画交流の可能性」

第12回SGRAチャイナ・フォーラム「日中映画交流の可能性」講演録
2020年9月25日発行

いまや中国は世界第1位のスクリーン数と第2の映画製作本数を誇る映画の一大市場であり、日本も世界第4位の映画製作本数を維持している。世界の映画産業のひとつの中心は、まさに東アジアにあると言ってもよいだろう。本フォーラムでは、この映画大国である日本と中国の40年にわたる映画交流を、日本と中国の側からそれぞれ総括を行い、意見交換を行い、今後の展望を検討することを目的としている。
刈間文俊氏は、1977年の中国映画祭から字幕翻訳に携わり、これまで100本に近い中国映画の字幕を翻訳し、中国映画回顧展のプロデュースを行うなど、日本での中国映画の紹介に携わってきた。王衆一氏は、日本映画に精通し、「人民中国」編集長として多くの日本の映画人と交友を持ち、「日本映画の110年」を翻訳し北京で出版している。日中の映画交流の歩みを現場で知る二人の発表をもとに、日中双方の識者による討論を行う。

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