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Invitation for the SGRA China Forum #12

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SGRAかわらばん747号(2018年11月1日)

【1】SGRAチャイナ・フォーラムへのお誘い
「日中映画交流の可能性」(11月24日、北京)

【2】新刊書紹介:「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」
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【1】第12回SGRAチャイナ・フォーラム「日中映画交流の可能性」へのお誘い

下記の通りSGRAチャイナ・フォーラムを北京で開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。
※お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected],03-3943-7612)

テーマ:「日中映画交流の可能性」
日 時:2018年11月24日(土)午後2時~5時
会 場:中国人民大学逸夫会堂第二報告庁
(北京市海淀区中関村大街59号中国人民大学校内(明志路))

主 催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)
共 催:中国人民大学文学院、清華東亜文化講座
助 成:国際交流基金北京日本文化センター

■フォーラムの趣旨

日中友好の基礎は民間交流に在り、お互いをより幅広く、正しく知るためには、相手の「心象風景」を知ることが、民間交流の基礎を固める上で重要である。映画は、その大事な手段であり、この40年にわたり、大きな役割を果たしてきた。
1977年と78年に、日本と中国でそれぞれ最初の映画祭が開かれた。中国では日本映画ブームが起こり、日本でも中国への関心から多くの観客が訪れた。このときの高倉健の影響力は衰えることなく、2014年の同氏の逝去に際し外交部スポークスマンが追悼の発言を行ったことは知られている。
日本映画の上映は、その後の「Love_Letter」や「おくりびと」、「君の名は。」にいたるまで、中国に日本人の細やかな感情を伝え、等身大の日本人に親しみを感じさせてきた。そして、日本にロケした中国映画は、北海道ブームをもたらすなど、現在の日本旅行ブームの原動力にもなっている。また、中国映画の上映は、「芙蓉鎮」や「さらばわが愛、覇王別姫」が波乱の現代史に生きる中国人の姿を伝え、「ヒーロー」や「レッドクリフ」が歴史スペクタクルの楽しさを教えてくれた。
日中の国同士の関係に摩擦が生じたときも、映画交流はさらに発展を続け、映画祭の開催や劇場公開、合作映画の制作やインディペンデント映画の紹介、さらには回顧展の開催など、多様化が見られ、お互いに影響を与え合ってきた。近年はSNSによる発信など、中国の若者の日本への関心が増加しているが、日本でも賈樟珂や婁燁の作品が上映され、今年は「空海――美しき王妃の謎」がヒットし、「中国電影2018」で最新作が紹介されるなど、新たな動きが起こっている。4月の合作映画の撮影に関する日中政府間協議の締結も、重要な一歩である。
いまや中国は世界第1位のスクリーン数と第二の映画製作本数を誇る映画の一大市場であり、日本も世界第4位の映画製作本数を維持している。世界の映画産業のひとつの中心は、まさに東アジアにあると言ってもよいだろう。本フォーラムでは、この映画大国である日本と中国の40年にわたる映画交流を、日本と中国の側からそれぞれ総括を行い、意見交換を行い、今後の展望を検討することを目的としている。
刈間文俊氏は、1977年の中国映画祭から字幕翻訳に携わり、これまで100本に近い中国映画の字幕を翻訳し、中国映画回顧展のプロデュースを行うなど、日本での中国映画の紹介に携わってきた。王衆一氏は、日本映画に精通し、『人民中国』編集長として多くの日本の映画人と交友を持ち、『日本映画の110年』を翻訳し北京で出版している。日中の映画交流の歩みを現場で知る二人の発表をもとに、日中双方の識者による討論を行う。日中同時通訳付き。

■プログラム
総合司会:孫 郁(中国人民大学文学院)
【講演1】刈間文俊(東京大学名誉教授)
【講演2】王衆一(『人民中国』編集長)
【総合討論】
討論者:李道新(北京大学)、秦嵐(中国社会科学院)、周閲(北京語言大学)、陳言(北京市社会科学院)、林少陽(東京大学)
司会者:顔淑蘭(中国社会科学院)

〇同時通訳(日本語⇔中国語):文俊(北京語言大学)、宋剛(北京外国語大学)

※プログラムの詳細は、下記URLをご参照ください。
日本語  https://goo.gl/fnQsva
中国語  https://goo.gl/VZG6JV

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【2】新刊書紹介

台湾文藻外語大学の林淑丹先生より編著書をお送りいただきましたのでご紹介します。この本は、2016年5月21日に、SGRAが文藻外語大学日本語文系、台湾大学日本語文学系、台湾大学日本研究センターと共同で主催した第6回日台アジア未来フォーラム「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」にもとづく論文集です。

◆林淑丹・陳明姿篇「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」(日本学研究叢書27)

近代以後の世界において、資本は移動する範囲を徐々に拡大し、情報化やグローバル化以後はその加速度をますます強めつつある。それは人間たちの移動と定住の布置関係に影響を及ぼし、文化変容のダイナミズムに地殻変動をもたらしている。東アジアにおけるさまざまな文化事象を考える際にも、地域やジャンルを横断する思考が求められている。個々の地域に固有の出来事と見える場合でも、それらはエスニックな想像やテクノロジー、経済、メディアを介して流布する言説などによって、重層的かつ乖離的に織り合わされている。こうした状況のもと、東アジア圏のさまざまな共同体において分有されてきた記憶が、人々の越境を通じて再編成されていくありようを考察することが、学問的に重要な課題となる。また、国家や文化の境界をめぐる摩擦や論争は今日でもなお頻繁に起きているが、そうした境界がむしろ混じりあう地点に注意を払いつつ、ともに生きるという意味での「共生」を実現していく可能性を探る必要がある。本書は、このような視点から、東アジアにおける知の交流の変容を論究したものである。
(本書「まえがき」より)。

目次
1 西成彦「元日本兵の帰郷」
2 呉光輝「越境、記憶、共存の根底における「東洋」という概念―近代中日の知識人を中心にー」
3 林淑丹「生命と共同体の記憶―『楢山節考』の世界―」
4 石川隆男「張文環文学にみる保存的記憶―『山茶花』を例としてー」
5 謝恵貞「越境するノスタルジアー東山彰良『流』におけるアウトロー像を通してー」
6 曾齡儀「宇治茶と台湾烏龍茶―三好徳三郎と日台間における茶の交流」
7 番匠健一「日本統治期台湾における「植民論」と「植民地的近代」―後藤新平と高岡熊雄の関係に着目してー」
8 陳建源「東アジア大衆観光における多元的な文化実践―台湾の士林官邸と蒋宋家族の逸話を例にー」

出版單位: 國立臺灣大學出版中心
叢書系列: 日本學研究叢書 27
ISBN: 978-986-35-0274-6
GPN: 1010700354
定價: 560 元
http://www.press.ntu.edu.tw/index.php?act=book&refer=ntup_book01020

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★☆★SGRAカレンダー
◇第12回SGRAチャイナ・フォーラム「日中映画交流の可能性」
(2018年11月24日、北京)<参加者募集中>
◇第5回アジア未来会議「持続的な共有型成長:みんなの故郷みんなの幸福」
(2020年1月9日~13日、マニラ近郊)<論文(発表要旨)募集中>
http://www.aisf.or.jp/AFC/2020/
☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。

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