SGRAメールマガジン バックナンバー

Xie Zhihai “Is Japanese Economy from Now All Up to India?”

**************************************************************************
SGRAかわらばん607号(2016年2月18日)

【1】エッセイ:謝志海「日本の景気の今後はインド次第?」

【2】新刊紹介:ボルジギン・フスレ編「日本・モンゴル関係の近現代を探る」

【3】催事紹介:第221回JIフォーラム(2月29日東京)渥美財団共催
   「紛争、テロ、難民、その本質を考える。
     そして、私たち、日本、がするべきこと。出来ることを考える」
**************************************************************************

【1】SGRAエッセイ#484

◆謝志海「日本の景気の今後はインド次第?」

テクノロジー、インターネットの急速な発展によってボーダレス化が進むが、それと矛盾するかのように国際社会の問題がより複雑化している。学者やアナリストであっても、2016年に経済や世界情勢がどのようになるかを予測するのは極めて難しい。

世界経済の目下の懸念は、昨年から続く原油安、中国経済の減速、EUの先行きの不透明さ、そして米国企業の伸び悩みであろう。その上、日本では1月末に日本銀行が初のマイナス金利を発表した。その後日経平均は乱高下から下落の一途をたどっている。先日、斜め読みした日本経済新聞のある証券アナリストの予測では「日経平均が上昇基調に転ずるには、インドの経済成長が加速するなど新たなテーマが必要になる」。アセアン(ASEAN)ではなくインド。今回はここに注目したい。

インドは今経済に限らず様々な事象で注目を浴びている。しかし日本に住んでいると、インドの情報が思いのほか入ってこない。日本人はカレーが大好きだというのに。そんな遠い国インドが日本人にとって身近になりつつある。ソフトバンクの孫正義社長が後継者に選んだのは、日本人ではなくインド人であった。このニュースはその後継者が得る巨額の役員報酬の額とも相まって、大々的に報道された。と同時に、孫社長がインド企業へ多額の投資をしている事も知られることになる。2014年にはモディ首相も来日し、日本人のインドへの関心はますます大きくなっている。

インドの経済成長は日経平均を押し上げる程のパワーを持っているのだろうか?インドそしてインド人について知れば知るほど、日本とインドとはなんと真逆の立場であろう。日本は世界に先駆け高齢化と人口の減少が止まらない。一方インドは国民の約半数が25歳以下、人口密度の高い国で、中国のような人口のコントロールも行っていない。人口は増え続けている。もうそれだけでも若くてエネルギッシュなイメージに圧倒される。

そして気付けばインドは優秀な経営者輩出国となっていた。世界的な大企業のCEOはインド人が名を連ねている。「インド人CEO、世界を制す」という特集を組んだ雑誌、日経ビジネス(2015年9月28日号)の「なぜインド人CEO?」のコラムに3つの理由が分析されていた。

1.英語やITスキルなど世界に通用する能力を持つ人材の層の厚さ、2.多様性を前提とした考え方や経営手法が多国籍企業にマッチ、3.厳しい環境で培われた我慢強さや創造性や変化対応能力である。これらが日本の経済に影響を与えるのは不思議ではない気がする。そしてこの3つの理由のいずれも今の日本人に不足しているのではないだろうか?孫社長もそれに気付いたがゆえに後継者を日本人から選ばなかったのだろうか?

何もインド人が最強で、日本人はそうではないと言っている訳ではない。インドには問題がたくさんある。根強いカースト制度、多様な宗教国ゆえの宗教間の対立、男性が支配的な社会。しかしその複雑な社会で粘り強く這い上がることが、グローバル世界に生きる術なのかもしれない。

私の出身地中国、今住んでいる国日本、そのどちらとも違うインドへの関心が冷めやらぬ今日この頃である。

<謝志海(しゃ・しかい)Xie_Zhihai>
共愛学園前橋国際大学専任講師。北京大学と早稲田大学のダブル・ディグリープログラムで2007年10月来日。2010年9月に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程単位取得退学、2011年7月に北京大学の博士号(国際関係論)取得。日本国際交流基金研究フェロー、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2013年4月より現職。ジャパンタイムズ、朝日新聞AJWフォーラムにも論説が掲載されている。

【2】新刊紹介:

SGRA会員のボルジギン・フスレさんより編書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。

◆「日本・モンゴル関係の近現代を探る:国際関係・文化交流・教育問題を中心に」

3回の「日本・モンゴル青年フォーラム」からフレッシュな論考を結集。複雑な北東アジアで、日本とモンゴルの関係はどのように構築され、今後どのように構築していくべきか、近代以降の日モ関係を中心に若手の研究成果をとりまとめた論文集である。

著者:ボルジギン・フスレ編
発行所:(株)風響社
シリーズ:アジア研究報告シリーズ
出版年月日:2015/08/20
ISBN:9784894898066
判型・ページ数:A5・204ページ
定価:本体2,000円+税

詳細は下記リンクをご覧ください。
http://www.fukyo.co.jp/book/b211059.html

【3】渥美財団共催 第221回JIフォーラムへのお誘い

渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)は構想日本と下記フォーラムを共催します。SGRA会員のアブディンさんもお話ししますので、奮ってご参加ください。参加ご希望の方は、下記リンクより構想日本へ直接お申込みください。

◆「紛争、テロ、難民、その本質を考える。そして、
        私たち、日本、がするべきこと。出来ることを考える。」

〇ゲスト
  アブディン・モハメド・オマル(東京外国語大学特任助教、スーダン出身)
  瀬谷ルミ子(NPO法人日本紛争予防センター理事長)
  ナジーブ・エルカシュ(ジャーナリスト、シリア出身)
〇モデレーター 
  加藤秀樹(構想日本代表)

〇日時:2016/02/29(月)18:30~20:30(18:00開場)
〇場所:日本財団ビル2階 大会議室 地図

参加費:一般2,000円/学生500円(構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
※ラクーン会会員には特別割引がありますのでSGRA事務局にもご連絡ください。

親睦会参加費 4,000円(参加希望の方のみ)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
 「頤和園(いわえん)溜池山王店」 
  港区赤坂1-1-12 TEL:03-3584-4531
※懇親会直前のキャンセルについてはキャンセル料を申し受けます。ご了解くださいますようお願いいたします。

〇参加申込みは下記リンクよりお願いします。
http://kosonippon.org/forum/index.php

**************************************************
★☆★SGRAカレンダー
◇第9回SGRAカフェ(2016年4月2日東京)
「難民を助ける」<ご予定ください>
◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄)
「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」<ご予定ください>
http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/
◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨・参加者募集中>
(2016年9月29日~10月3日、北九州市)
http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/
一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。
☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。

●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。
●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。

無料メール会員登録


●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。
●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。
●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。
●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。
http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11

関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局
〒112-0014
東京都文京区関口3-5-8
渥美国際交流財団事務局内
電話:03-3943-7612
FAX:03-3943-1512
Email: sgra-office@aisf.or.jp
Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/
**************************************************