Sekiguchi, Tokyo Time
Thu May 17, 2012 14:53
Global Standard Time
Thu May 17, 2012 05:53
         
         

 

 

 

 
 
SGRAレポート#14:「グローバル化の中の新しい東アジア」第8回フォーラム報告書
開催趣旨 第8回SGRAフォーラムin 軽井沢は、「グローバル化の中の日本の独自性」研究チーム担当のフォーラムです。昨年2月の第2回SGRAフォーラム「グローバル化のなかの新しい東アジア:経済協力をどう考えるべきか」では、東南アジアを中心に、通貨危機以後の芽生えてきた東アジアの新しい経済協力体制について検討しました。今回は、アジア通貨危機5周年を迎えて、前回の議論をふまえ、その後の世界情勢の変化も鑑みながら、東アジア地域での新しい経済協力体制について考えたいと思います。 1997年7月に東アジア金融危機が勃発しましたが、日本は様々なイニシアチィブをとり、東アジア地域ができるだけ早く危機を乗り越えるように努力しました。アジア通貨基金(AMF)の提案については各方面からの抵抗がありましたが、日本は粘り強い交渉を続け、新宮沢構想などが実施されました。「危機」を東アジアの協力体制を整備する「機会」に転換した日本の努力は、決して軽視されるべきではないでしょう。改めて、当時のビジョンやプロセスを検証し、その後の発展、そして自由貿易圏や共通通貨など、未来へのビジョンを検討します。
SGRAレポート#13:経済特区(フィリピンの視点から)
小泉政権の骨太方針の第2弾〔正式には「経済財政運営と構造改革の基本方針2002」〕が、6月25日に発表された。その中に「経済改革特区」の設立が盛り込まれている。周知のように、経済特区というのは、発展途上国において開発手段として利用されてきた。フィリピンもその一国である。基本的な方法としては、日本の経済特区もフィリピンの経済特区と変わらない。指定された地域を対象に特別優遇政策(税金免除、補助金、充実したインフラ設備)によって経済活性化を図る。経済特区の中で活動している企業は、まるで現地の経済と「一国二制度」議論を引き起こすほど違うのである。 しかし、理念的には日本とフィリピンにおける経済特区は異なっている。日本の場合は従来の日本的な方法から脱却するために行うという意味合いが強いが、フィリピンの場合はどちらかというと、日本が経験した「共有された成長」をフィリピンで実現するために行っているのである。 本稿ではフィリピンの特区に焦点を絞り、そこで期待される日本の役割を検証してみたい。これにより、経済特区がどのようなものであるか、日本の皆さんへ、海外とりわけフィリピンからの一つの視点を提供できればと思う。
SGRAレポート#11:中国はなぜWTOに加盟したのか
全体的に見れば、中国のWTO加盟はチャンスと挑戦が同時に存在する「諸刃の剣」である。それにもかかわらず、中国はなぜWTOに加盟したのか。その原因をめぐって、現在いろいろな説があるのはいうまでもない。本レポートでは、そのようなさまざまな原因を1つの分析枠組みによって解明することを試みている。すなわち、中国のWTO加盟の要因を、外からの拘束要因と内からの国内要因がWTO加盟に連動する、いわゆる国際要因と国内要因が連繋する2つのレベルから検討している。この課題を立証するため、相互に関連する6つの問題を取上げている。 @WTOと何かA中国はなぜWTO加盟を申請したのかB中国のWTO加盟をめぐる米中交渉はなぜ妥結したのかCWTO加盟によって中国社会構造はどう変わるのかD中国がWTO加盟を決定した要因は一体何かE中国がWTO加盟したあとはどうなるのか。 方法論と実証分析に基づいて主要な要因を分析し、次の2つの結論を考察している。 第1点は、世界経済との相互依存の進化による中国国内経済の変化である。中国経済は、市場を媒介としながら世界経済と相互浸透し、その結果、中国の単一計画経済が分化され、国有企業、民間企業、外資企業、農業といったいろいろな経済セクターが出現した。各経済セクターは自らの政策選好を表出するが、その共通な部分を掬い上げると、市場経済の確立と公平な競争環境の整備による資源配分のメカニズムの導入である。しかし、社会政策選好と中央指導部の政策選択の間には、伝統的な政治構造と地域構造が介在しているため、社会政策選好が必ずしも国家政策に還元されるわけではない。したがって、3大改革を中心とする国内改革の一層の推進による市場経済体制の確立は、中国のWTO加盟におけるカギとなる。 第2点は、WTO加盟は構造的に中国を強く拘束する点である。WTOは、中国の市場開放と国際ルールの遵守、国家の自律性と制度上の改革を要求する。これに対し、中国中央指導部は加盟による便益とコストを合理的に計算し、外圧の効果を利用して社会主義経済体制の構築を目指している。そのため、「3つの代表論」を提起するなど、多元的な価値観を受入れ得る党のイデオロギーを新しく解釈しなければならない。このように、中国のWTO加盟は、経済システムへの適応、国内利益への調整という循環を繰り返す過程でもある。 今後の課題として、中国の世界通商体制の行方に与える影響と、WTOルールの適応による国内制度の変革と社会構造の変動をあげている。
SGRAレポート#5:グローバル化のなかの新しい東アジア(経済協力をどう考えるべきか)

2001 年2 月9 日(金)午後6 時半〜9 時、東京国際フォーラムのガラス棟402 会議室 にて、SGRA 第2 回研究会が開催されました。SGRA の「グローバル化の中の日本の独自 性」研究チームが担当し、約40 名の参加者は、ODA を中心に、アジア通貨危機以後の東 アジアの経済協力はどうあるべきかということを考えました。

最初の講演は、名古屋大学経済学部付属国際経済動態研究センターの平川均教授の「グ ローバル化とリージョナリズム:東アジアの地域協力はなぜ必要か」。平川先生は、アジ ア通貨・経済危機について、その責任はアジアの内的要因に問題がないわけではないが、 責任はより大きく、市場の自由化を推奨した米国、IMF、世界銀行などの先進国側にある と主張しました。そして、無秩序なグローバル化の制御に向けた一つの対応策としての地 域協力が不可欠であり、リージョナリズムがアジアにおいて急速に展開されていると指 摘。今後の目標として、アジアを共生の地とする思想、互いの文化や伝統の尊重、時間の 観念を加えた構造転換を提言しました。

次にアジア21 世紀奨学財団の角田英一常務理事が、ASEAN中堅官僚研修プログラムを 担当している経験に基づき、アジア通貨危機のIMF 主導の解決策への反発から、日本型経 済発展モデルの研究熱が高まったことを指摘しながらも、汚職・癒着・縁故主義(インド ネシア語でKKN)がはびこる限り、経済は歪められ、阻害された国民の無力感、国家への 不信感を生み出している。このアジア的風土をどう改革するかが大きな課題であると強調 しました。

マキトSGRA 研究員は、最近の新聞記事のODA 削減に関する議論等を引用しながら、 「自助努力を支援する」という日本ODA の理念<要請主義・円借款・非干渉主義>につ いて検討し、数の議論に偏らないで、日本ODA の理念がせっかく持っている強いところ を生かし、「質」の改善を更に図るべきだと提言しました。

最後に、李鋼哲SGRA 研究員は、日中両国民の相手国に対する意識調査など、たくさん の資料を示しながら、ODA 削減議論を中心とした日中経済協力について説明し、中国経 済はテイクオフし、既に自立発展が可能な段階にあるので、ODA 削減は妥当であると結 論。更に、日中経済協力の今後の課題として、歴史問題に区切りをつけること、草の根 (NGO)・環境協力・貧困扶助を重視すること、経済協力は政府間から民間へシフトする こと、日中が両輪となって東アジアの経済発展を進めていくこと等を提言しました。 その後、短い時間でしたが、幾つかの質疑応答がなされ、第2 回研究会も無事、盛会の うちに終わりました。(文責今西)

 
 
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