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Sekiguchi,
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Thu May 17, 2012
14:36
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Thu May 17, 2012
05:36
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中国社会は、今、市場経済の導入によって個人の自立と自由が「単位」社会に取って代わり、社会主義計 画経済の下で維持してきた行政・命令・動員による人治社会秩序が次第に崩れつつある。そのために、今ま での人治社会に代わる法治社会の構築が求められるようになってきた。特に注目される出来事は、89 年に制 定された行政訴訟法である。それまで、「政府は人民の利益の代表者」として位置付けられ、「政府は正しい 存在」と考えられ、国民が政府を訴えることはありえないとされてきた中国社会にとっては大きな衝撃であ った。行政訴訟制度の中国での実施は初めてのことであるだけに、この10 年間の実績は正に模索の過程だっ たといえよう。 本稿では、行政訴訟法の施行から10 年の間に行われた人民法院の行政裁判に関するデータに基づいて、行 政訴訟の「請求と処理」状況を考察し、そこに存在する問題点とその原因の解明を試みる。そして、行政訴訟 事件数の推移、行政訴訟事件の種類、裁判所による行政訴訟事件の処理状況に対する、具体的考察と分析を 通じて、以下の見解を示す。 第1 に、この10 年間の行政訴訟事件数の推移から見た場合、中国では、毎年新規受件数の記録を更新して いる。行政に対する訴訟制度のスタートからわずか10 年経ただけで、一年間の新規受件数は9 万件以上にの ぼっている。この状況は、行政訴訟法の実施に伴い、より多くの国民が行政訴訟を通して自分の権利救済を図 っているという状況を反映しているともいえよう。もっとも、人口の割合から見れば、実際の行政訴訟事件 数は、せいぜい100 万人当たり25 件程度に止まっていること、また、全国の各法院が受理する件数は毎年 平均で7〜8 件に過ぎないこと、法院の受理している事件総数の中で行政訴訟事件が占めている比率は極めて 低いこと、などから単に数の増加を根拠に行政訴訟の実効性を評価することはできないと考える。特に、行政 処罰と行政上の強制措置が中国社会に大量に存在し、その濫用が深刻である状況から見た場合、今の行政訴 訟請求数は、必ずしも多いとはいえず、国民の権利救済の主な手段としての機能を発揮しているとは結論し にくい。 第2 に、行政事件の内容から見た場合、行政の相手方の重大な権利利益に関わる、しかも一時的性質を有 する公安、土地、都市建設関係の行政訴訟事件に集中していることが分かる。更に、その訴訟対象となる具 体的行政行為は、行政処罰と行政上の強制措置が多く、民主主義において意義を持つ公害、環境などに関する 訴訟は見られない。これは中国の現代型行政訴訟が未発達であることを表しているといえよう。 第3 に、裁判所の行政訴訟事件に対する処理状況から見れば、取り消しし率(被告行政機関の具体的行政行 為を取り消す判決の占める比率)が低迷に陥っているのに対して、取り下げ率が大きく伸びていること、かつ その比率が高いことが最大の特徴である。そして、その「本来取り消しし判決によって処理されるべき行政 訴訟事件が取り下げによって処理されてしまう」という実態からは、実際の行政救済ができなくなってしまう 裁判所の事件処理状況が窺える。 第4 に、中国の裁判所の事件審理期間の統計によれば、表面上、かなり能率的に処理されているように見え るが、事件の内容、特殊性、取り下げ率の高い状況などから総合的に見た場合、額面どおりに受け取ることは できない。もっとも、この統計からは、裁判期限の法定化、裁判組織と人員の専門化などの裁判の効率を図 る工夫が、裁判コストを下げ、行政救済の実効性を高めるのに一定の効果があったことを反映しているとも 考えられる。 |
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| 2001年12月21日(金)午後5時半から8時まで、東京代々木上原のイスラーム教モスク、東京ジャーミィにて、第6回SGRAフォーラム「日本とイスラーム:文明間の対話のために」が開催されました。参加者は、まず、SGRA研究員で東京ジャーミィ副代表のセリム・ギュレチさんの案内で、礼拝堂を含む施設の見学をしました。その後、1階の多目的ホールにて、東京ジャーミィ代表のジェミル・アヤズ様とSGRAを代表して今西から挨拶があり、次に、ギュレチ氏より、9月11日のテロ事件後、たくさんの報道人がインタビューにやってきたが、イスラームについて極めて限定的な知識しかもっていなかった。そこで「日本人の皆さんが人間を磨くために考えることは、ほぼイスラームの基本的な概念をなしている」と申し上げた、という短いコメントが披露されました。 講演会では、日本のイスラーム学の権威、東京大学名誉教授の板垣雄三先生のお話を伺いました。先生は、まず、日本はイスラームを遠ざけて見ようとし、イスラーム世界は日本に親近感を抱いているが、何故そうなったのかという問題を提起されました。イスラームは、本来、宗教や文化の異なる多様な人々が共生し取引する「都市」を生きる生き方を教えてきた。このイスラームの多元主義的普遍主義に対して、欧米は、欧米対イスラームの対立にこだわり、イスラームを敵と決め付ける文明衝突論の伝統を抱えてきた。イスラーム世界の人々にとっては、欧米諸国に双肩する日本は憧れでもあり親しみも感じている。 一方、欧米のメガネを借りた日本人のイスラーム観は、しばしばこの思いを裏切る。正倉院御物の中にも見出されるように、日本とイスラーム世界との繋がりは非常に古い。また、現在の日本人は、日本の経済的繁栄の土台である化石燃料が、あたかも自動的にもたらされたもののように勘違いしている。日本社会は、イスラーム世界の日本に対する好意的な心情が、日本にとってかけがえのない資産だということに気づかなければならない。 イスラーム文明は、近代欧米文明の源泉である。日本の知識人がイスラームへの無知を口にするのは、実はよく知っていると思っている欧米への無知を告白しているにすぎない。世界人類を巻き込む現在の危機において、日本は欧米を通したイスラーム観から離脱し、日本独自の役割を演じなければならない。「多元的な都市」を生きるイスラーム文明本来のメッセージを評価して、イスラーム世界と文明的協力を進めていかなければならない、と訴えられました。 その後、限られた時間でしたが、板垣先生とセリムさんのおふたりに対して、質疑応答が行われました。そして、トルコ料理の懇親会においても、おふたりの講師の先生は、参加者の熱心な質問に答えていらっしゃいました。雪まじりの雨が降る生憎の天気でしたが、トルコのお茶サーラップに始まったSGRAフォーラムに参加した76名の参加者は、温かくて明るいモスクの中で、イスラームの夕べを楽しみました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| SGRAレポート#9:第5回フォーラム 「グローバル化と民主主義:対話と共生をキーワードに」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2001年10月1日(月)午後6時半〜8時45分、東京国際フォーラムガラス棟402会議室にて、SGRA第5回研究会「グローバル化と民主主義:対話と共生をキーワードに」が開催されました。46名の参加者は、まず、9月11日にニューヨークとワシントンで起きたテロリストの攻撃の犠牲者とその家族に黙祷をして追悼の意を表しました。 その後、チベット文化研究所のペマ・ギャルポ所長が「民族アイデンティティと地球人意識」というタイトルで、「肌の色や宗教が違っても、人間は同じなんだ。」という、ご自身の体験に基づいた信念を迫力ある語り口でお話しくださいました。文革が終わり、一掃されてしまったチベット語の教師を外国から送り込むことになった時、その人たちを教育して、いつでも蜂起できるようにしよう、という提案に、ダライ・ラマ法皇はとても悲しい顔をされて、「私達が暴力で訴えたら、どうして中国政府を批判することができるだろう」とおっしゃった、というエピソードなどは、仏教の教えに根ざした平和主義の力強さを伝え、聞く者の胸に迫りました。「違った人々が共存していくためには、普遍的な価値を確認しあうことが必要である。幸いにも、基本的人権など、それは国連憲章に定められている。しかしながら、そのような普遍的価値を押し付けるのではなく、相手に悟らせる。誰にも押し付けられなかったのに、文化や宗教が違っても、徐々に、たくさんの人が洋服を着るようになったように。少しずつ説いていけば、チベットのことを海外の人々が応援してくれるようになり、そして今は情報が限られている一般の中国の人たちの中にも応援してくれる人がでてくるようになり、やがて民族同士が対立するのではなく、お互いの文化や宗教を尊敬しあいながら、共存していくことができるようになるだろうと信じている」というお話は、「地球市民の実現」をめざすSGRAにとっても、とても力強い応援歌でもありました。 次に、香港から参加した東京大学法学研究科在籍中でSGRA研究員の林泉忠さんが、「北京五輪と『中国人』アイデンティティ:グローバル化と土着化の視点から」と題してお話しくださいました。林さんは、まず、北京五輪について、中国本土は「強い期待→大喜び」、香港では「まぁいいんじゃない→商機への期待」、台湾では「どうでもいい→台湾への影響を心配」、海外華人はさまざまと分類した後、1980年代半ば以降の「中華世界」アイデンティティの多様化を分析しました。そして、中国本土のナショナリズムの増強と本土以外の土着意識の顕在化から、「大陸」と「非大陸」へ二分化されていることを指摘しました。オリンピックの北京開催によって、大陸では@求心力の強化に一定の効果がありA台湾・香港への姿勢も強まる可能性もあるが、B今後の経済発展の持続と中央統制力の維持ができるかが鍵となるだろう。一方、非大陸では@五輪のみで中華世界の求心力が急速に強まることはなくA大陸の国力の増強は構造的に求心力を強める方向に導くがBキーポイントは大陸への政治帰属意識が増強できるかどうか(つまり大陸の民主化が進むかどうか)ということだという結論を導きました。 その後、SGRA地球市民研究チームの薬会チーフの司会で、フロアーとの質疑応答が為され、第5回研究会は盛会のうちに終わりました。 (文責 今西) |
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| SGRAレポート#4:第一回フォーラム 地球市民の皆さんへ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2000年11月9日(木)午後6時半ー8時半、東京国際フォーラムのガラス棟402号室にて、 SGRA第一回研究会「地球市民の皆さんへ」が開催されました。約50名の参加者は、SGRAの 目標である「良き地球市民の実現」の「地球市民」とは何かということを考えました。 「グローバル化と地球市民」研究チームの薬会チーフの研究経過報告の後、一橋大学で地球市民論 の講座を担当されている関啓子教授より「地球市民の皆さんへ」というタイトルの講演をしていただ きました。 関先生は、地球市民という概念は、成績表がつけられるようにはっきり規定されるべきものではな いこと、地球市民は知識を蓄えるだけでなく行動することが大切なこと、マジョリティもマイノリテ ィも対話をしながらお互いに変わっていくプロセスが大切な要素であることなどを強調されました。 次に、ニューヨーク大学客員教授のローレンツ・ビッヒラーさんの「市民社会?西洋の論理と中国 の現実」というタイトルの発表では、ヨーロッパ人の意見として、中国の天安門事件においては、東 ヨーロッパのキリスト教会や労働組合のような頼るべき市民社会がなく、対話を求めた学生は共産党 を脅かすものとして弾圧されたこと、しかしながら近年「宣伝通訊」「内部参閲」のような党内部の 機関紙さえオープンになりつつあり、より多くの人々を巻き込む国家主導型市民社会が発達しつつあ ることが報告されました。 三番目の発表者、東京大学博士課程の高熙卓さんの「近代以前の日本と<公共>性」の発表では、 江戸時代の民間儒学者の伊藤仁斎の「天下の公共」思想では、為政者中心の「公・私」「天下」「王 道」思想から一般人中心のものへの捉え直しが行われていることが指摘され、西洋理論が導入された 明治時代以前の日本を対象に<公共性>を語れる可能性は大いにあるとの結論がだされました。 その後、限られた時間でしたが、3名の発表者に対して質疑応答が行われました。参加者には2種 のアンケートをお願いし、「地球市民の意識調査」の集計結果は研究会の最後に写真と一緒に披露さ れました。(文責今西) |
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| SGRAレポート#3:技術の創造 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2 0 0 0 年10月3日(火)午後6時半より、恒例の「渥美奨学生の集い」が開催 され、渥美財団役員、ラクーン会員、本年度奨学生、SGRA研究員あわせて約30 名が集まりました。 今年は、渥美財団選考委員長で東京大学工学部の畑村洋太郎教授に「技術の創造」 というお話をしていただきました。「失敗に学ぶ」ことがいかに大切かということ、 効率や便利さばかり追い求めるために教訓を忘れてしまっていること、効率の低い枝 葉の部分を切り落としてきたために、ひとつのルートがつまると他へ迂回できなくな っていること、作業がマニュアル化され全体がわかっている人が居なくなっているこ と、それゆえ事故があっても適切な判断ができないこと、技術の成長周期は30年な ので、半導体を初めとする多くの産業の最盛期が終わりつつあること、現在次々に起 こる事故はこのような状況から説明できること、まだまだ日本では危機感が少なく、 今後1 0 年はこのような嫌な事故が起きるだろうということ、などなど「恐ろしい 話」をたっぷり伺いました。また最後の10分間には、ビデオを使って、先生の研究 室で行っているナノ・テクノロジーの紹介をしていただきました。その後、「科学の 進歩は人類にとって必要か」(科学は人類を幸せにするものではないが、人間の好奇 心が科学を発展させる)「人間の心は科学的に説明できるのか」(好きになる等の人 間の心も、今では物質の移動で説明される)など、参加者からのたくさんの質問にも 丁寧にお答えいただきました。(文責今西) |
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| SGRAレポート#2:グローバル化への挑戦(多様性のなかの調和を求めて) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本稿で、私たちは「多様性の中の調和」という概念に取り組みます。しかし、多様性の中の調 和が必要であるということは認めながらも、発表者からまとまったひとつの方策が提案されてい るわけではありません。各々が自分の専門分野からひきだされた原則に従って論じているのです から、相違は当然のことともいえますが、ここでは、様々なグローバル化の側面を紹介していま す。 グローバル化における様々な地域性(今西)、都市環境問題の様々な解決策としてのクラスタ ー化(高偉俊)、様々なネットワークの構成方法(李來賛)、様々なITの普及方法(金雄熙)、 そして、様々な市場形態(マキト)。今西は、留学生と支援組織が様々なレベルの地域の中で協 力しあうことが大事だと指摘します。高は、都市の中で環境と調和して共生していくために、自 然の力を利用することを提案します。李は、様々なネットワークを繋ぐ上位のネットワークが必 要とされ、現代のネットワークを繋いでいくのは組織にとらわれない自由な目的探索的インター フェースであることを説明します。金は、IT革命におけるデジタル・ディバイドの進行を指摘 し@IT先進国と途上国が共通認識をもつことA途上国の支援をすることB共同研究を進める ことを提案します。最後に、マキトはグローバル化とグローバル・スタンダード化の違いを明ら かにし、違ったシステムの良いところを認めあうことが大切であると喚起します。 それぞれの側面で、大きな課題が内包されており、発表者は今後さらに研究を続けていく所存 です。私達が本日提案した様々な問題を、激動の世の中でグローバル化に対応していく際の一助 としていただければ幸いです。 |
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| SGRAレポート#1:SGRA設立特別講演「21世紀の日本とアジア」−−船橋洋一 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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関口グローバル研究会(Sekiguchi Global Research Association 略称SGRA)設立記念講演会が、
2000年7月26日、慶應義塾大学三田キャンパス北新館2階ホールにおいて行なわれた。 本稿は、その設立記念講演会において、朝日新聞コラムニスト船橋洋一氏がゲスト講師として「21
世紀の日本とアジア」のテーマで特別講演したものである。 設立記念講演に先立って行われた、研究会設立の趣旨、事業計画概要、研究プロジェクトの事例紹介 を併せて掲載させていただく。 |
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