SGRAイベントへのお誘い

第5回日台アジア未来フォーラム「日本研究から見た日台交流120年」

第5 回日台アジア未来フォーラム「日本研究から見た日台研究120年」へのお誘い

 

下記の通り第5回日台アジア未来フォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。

 

日時:2015年5月8日(金)午前9時00分~午後6時30分

 

会場:国立台湾大学文学院演講庁20番教室/会議室

 

お申込み・問合せ:SGRA事務局 電話:03-3943-7612 Email:[email protected]

 

● フォーラムの趣旨

 

日清戦争の帰結としての「下関条約」によって台湾が日本に割譲されるまで、台湾と日本の関係は薄かった。しかしそれ以降「最初の植民地」としての台湾と宗主国の日本との関係は急に緊密になった。戦前50年間の植民地の歴史は台湾社会のみならず、日本と台湾の文壇や文学創作方向、また日本語教育にも多大な影響を与えた。戦後になると、台湾は中華民国に復帰し新たな時代を経験してきた。中華民国政府は1972年まで日本と近い友好国の関係を維持し、またその後国交はないものの、互いに親近感の濃厚な「民間交流」関係が築かれ、今日に至っている。

 

そうした日台関係の「大還暦」を迎える2015年という大きな節目に、日台交流の諸相に言及する際、さまざまな視点より語ることができる。戦前の経験はいかなる遺産としていかに再認識すべきか、また戦後東アジアが新たな秩序を模索する中、台湾と日本との関係は様々な困難を乗り越えて再構築されるプロセスにおいて如何なる特徴を有しているのか。一方、日本文学研究や日本語學・日本語教育の研究は日台交流の状況につれ、如何に変わってきたかなどの問題も見つめ直さねばならない。 さらに、120年の経験を踏まえ、次の120年の日台関係を展望するには如何なるキーワードを念頭にいれる必要があるのか。本フォーラムはこのような問題意識をもって議論を展開し「日台関係120年」の実像に迫る。

 

フォーラムは「語学と文学」、「国際関係」そして「社会変容」という三つのセッションから構成され、台湾、日本、中国などからの第一線で活躍されている学者を招き、斬新な視点より鋭い議論を通して新たな「日台関係論」の構築に資したい。 今回も、過去の実績を踏まえ、渥美国際交流財団関口グローバル研究会と国立台湾大学が共催する。日中同時通訳付き。

 

詳細は、プログラムをご覧ください。

 

 

開会の辞】范淑文(国立台湾大学日本語文学科学科長)(09:00-09:10)

 

【基調講演】「日台関係120年の変遷・特徴・意義」   (09:30-10:30) 座 長:陳弱水(国立台灣大学文学院院長) 講演者:松田康博(東京大学東洋文化研究所教授)

 

【休  憩】(10:30-10:50)

 

【第一セッション】政治環境・国際関係の変容から見た日台関係(10:50-12:20) 座長:呉密察(国立台湾大学歴史学科兼任教授) 【報告1】「台湾からみた日台関係120年」李承機(国立成功大学台湾文学科副教授) 討論者:周婉窈(国立台湾大学歴史学科教授) 【報告2】「日本からみた日台関係120年」川島真(東京大学総合文化研究科准教授) 討論者:楊均池(国立高雄大学政治法律学科教授) 【報告3】「中国からみた日台関係120年」王鍵(中国社会科学院近代史研究所研究員) 討論者:石之瑜(国立台湾大学政治学科教授)

 

【昼  食】(12:20-13:20)

 

【第二セッション】日本研究の回顧と展望~言語と文学~(13:20-14:50) A .文学・文化 座長:范淑文(国立台湾大学日本語文学科学科長) 【報告1】「台湾における日本近代文学研究」黄翠娥(輔仁大学外国語学院副院長)        討論者:林水福(南台科技大学応用日本語学科教授) 【報告2】「台湾における日本古典文学研究」曹景惠(国立台湾大学日本語文学科副教授)        討論者:陳明姿(国立台湾大学日本語文学科教授) 【報告3】「台湾における日本研究―思想と文化をめぐって」〈藍弘岳(国立交通大学副教授) 「日本研究在臺灣―以思想與文化為主」 討論者:辻本雅史(国立台湾大学日本語文学科教授)

 

B.言語・語学 座長:林立萍(台湾大学日本語文学科教授) 【報告1】「台湾における日本語の研究」頼錦雀(東吳大学外国語学院院長) 討論者:林慧君(国立台湾大学日本語文学科教授) 【報告2】「朝鮮資料の成長性~諸本『隣語大方』から考える~」申忠均(韓国全北大学教授)

 

討論者:落合由治(淡江大学日本語文学科教授)           【報告3】「台湾における日本語教育学研究」葉淑華(高雄第一科技大学外国語学院院長)        討論者:林長河(銘傳大学応用日本語学科教授)

 

【休  憩】(14:50-15:10)

 

【第三セッション】日台社会の変容と交流の諸相(15:10―16:40) 座長:黄克武(中央研究院近代史研究所所長) 【報告1】「戦前台湾にいる日本人と日本にいる台湾人」鍾淑敏(中央研究院台湾史研究所副研究員) 討論者:傅琪貽(国立政治大学教授) 【報告2】「日台企業間の協力と信頼の再生産」佐藤幸夫(アジア経済研究所新領域研究センター長) 討論者:蘇顯揚(中華経済研究院日本センター長) 【報告3】「台湾ナショナリズムにおける『日本』の役割」呉叡人(中央研究院台湾史研究所副研究員) 討論者:汪宏倫(中央研究院社会学研究所研究員)

 

【休  憩】(16:40-16:50)

【総合討論】 21世紀の日台関係を展望する(16:50―17:50) 座   長:徐興慶(国立台湾大学日本語文学科教授、日本研究センター長)   パネリスト:范淑文、辻本雅史、松田康博、呉叡人、川島真、林泉忠(敬称略)

【閉会の辞】 今西淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会代表)(17:50―18:00)

 

 

日台アジア未来フォーラムとは

 

第一回「国際日本学研究の最前線に向けて」は、台湾に見られる「哈日族」の現象に注目しつつ、日本の流行文化を取り上げた。第二回は「東アジアにおける企業法制の継受及びグローバル化の影響」をテーマとして、法学の問題について議論を深めた。第三回「近代日本政治思想の展開と東アジアのナショナリズム」は、政治思想とナショナリズムとの関係について、また第四回フォーラムでは、「東アジアにおけるトランスナショナルな文化の伝播・交流-思想、文学、言語-」をテーマとする。メディアの発達によって、東アジアにおける文化の国境が消えつつある実態に着目し、異文化がどのように媒体を通じて、どのように同化し、もしくは異化するか、またそれによってどのような新しい文化が形成されるかを議論した。

 

このように、関口グローバル研究会(SGRA)は、日本、台湾さらにはアジアの未来に向けて、アジア各国の相互受容や影響関係に焦点を当て、文化、文学、言語、法学、政治思想などの議題について考えている。