SGRAチャイナフォーラム

レポート第62号「Sound Economy ~私がミナマタから学んだこと~」

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第6 回日SGRAチャイナフォーラム講演録

「Sound Economy ~私がミナマタから学んだこと~」

2012年6月15日発行

 

<もくじ・要旨>

 

【講演】Sound Economy (健全な経済と社会)~私がミナマタから学んだこと~

                    柳田耕一(財団法人水俣病センター相思社初代事務局長)

 

水俣病は20世紀半ばに発生した世界で知られる環境問題の一つです。それは日本の南部の漁村で発生しました。当初、被害者は劇症型の病像を呈していたため「奇病」として恐れられ、隔離されるなどの酷い仕打ちを受けました。折から日本は戦後の復興期の入り口にあり、僻遠の地に救済の手が差し伸べられるまでには長い時間がかかりました。 公式発見から半世紀経った現在でも、抜本的な治療法は無く、被害の全体像の解明は進まず、地域経済は疲弊したままです。一方で水銀による環境汚染は世界中に広がり、酷似した症状をもつ人々も出現し、Minamata Diseaseは世界共通語となっています。現在では微量水銀の長期摂取による健康影響に世界の関心は向かっています。 もう一つの側面として関心がもたれているのは、社会経済的分野です。開発重視、科学重視、利益重視、人権無視の経済運営は、生活の基盤である環境を歪め傷つけ最後には地域社会そのものを持続不可能にしてしまいますが、その象徴として水俣病事件を捉えることもできます。

 

【報告】内モンゴル草原の生態系 ~鉱山採掘がもたらしている生態系破壊と環境汚染問題について~

                     郭 偉(内モンゴル大学環境資源学院副教授)