ラクーン会 in 北京大学




3月21日、天津での会議の帰路、北京に立ち寄り「ラクーン会 in 北京」に参加した。

天津では、3月19日と20日の両日、「第6回東アジア日本研究フォーラム:東アジアにおける日本研究の射程と域内連携」という会議に、今西さんの代理として出席した。会議の第1日目は、浙江商工大学の王 勇教授の基調講演「『求法』から『巡礼』へー中日文化史研究視座」から始まり、日・中・韓・台の日本研究の大御所たちの発表が続いた。ハイライトは2日目のソウル大学日本研究所所長の朴 チョルヒ教授の「『東アジア日本研究者協議会』の設立の趣旨と『第1回国際学術会議』」の提案であった。講演の中で朴教授は、国、分野、学会を超えた日本研究者の国際的連携の必要性を強調し、東アジアの日本研究者が一堂に会して交流しあえる場としての「国際会議の開催」を具体的なプランを示しながら提案した。渥美財団としてはこの提案に賛同し開催を促す発言をしたのだが、議論は百出し、会議の開催を決定するには至らなかったことは残念であった。どうもこの種の会議は、「総論賛成各論反対」が、日本だけでなく、古今東西「世の常」のようだ。

21日の月曜日の朝、PM2.5もなく、桜も咲く本当に暖かい日差しの中、孫 建軍さん(2002狸)、解 璞さん(2013狸)、 チョ 娥羅さん(2016狸/韓国)と渥美財団の事務局を手伝ってもらっていた孫さんの奥さん呉 倩さんが集まり、北京大学の学生食堂で朝粥をススリながら、肉マンを食べながらの「ラクーン会 in 北京」が行われた。

孫建軍さんは、昨年の8月まで、早稲田大学の孔子学院の院長として東京に滞在し、今は北京大学外国語学部に復帰して、日々の講義に追われているようだが、様々な講演会やシンポジウムにと忙しく飛び回っている。解 璞さんも昨年から同じ北京大学の外国語学部で日本語を教えているのだが、講義よりも事務の雑用に忙殺されているとのこと。どこの国の大学でも新入りは、こき使われるのだろう。チョ 娥羅さんは、2016年度秋からの韓国人渥美奨学生。日中の国際関係が研究テーマなので、3月から北京大学に来て中国語のブラッシュアップと資料収集や孫さんもアドバイスを受けて、教授たちとのネットワーク作りにも余念がない。秋には慶応大学で研究生活、論文執筆を始める。呉 倩さんは、ダンナさんの孫建軍さんが日本滞在中に渥美財団の事務局をお手伝いしてくれていたし、交流会などにもズッと参加していたので、知り合いの方も多いだろう。今は、北京語言大学の事務局で働いている。ゆったりした、ゆとりのある人柄は相変わらずだ。

今回お会いした北京大学のラクーンの方々は3人とも「日本研究」携わっているため、話題は自然と天津で開催された「日本研究フォーラム」に集中する。そもそも、「日本研究って何なの?」「日本研究の未来は?」…。どうも、良くわからないことばかりだが、良くわからないながらも、楽しい会話が続いた。

孫さん、皆さん。学生食堂のチョッと甘い小豆粥と肉マンは連日にわたり豪華中国料理攻めにあって疲れていた私の胃には本当に優しく、素晴らしい朝食でした。最高のアレンジでした。
ありがとうございました。

(文責:角田英一)