ミニラクーン会 in 島根



4月29日、今西さんと三女の瑞穂さんを載せた飛行機は島根県出雲空港に到着した。 ロビーには1999年狸の葉文昌 さんと2010年狸のユンさんが今西さん初の島根来訪を待ち望んでいた。葉さんは2010に島根大学に着任、ユンさんは2011に旦那さんが島根県立大学に着任、それで島根県の狸はにわかに賑わうようになった。

到着後早速葉さん人生初の自慢の愛車に乗って旅館へ向かう。島根県は温泉が多く、松江しんじ湖温泉、玉造温泉、海潮温泉、温泉津温泉、、、そして数々の秘境温泉。その上「日本三美人の湯」。だから島根は温泉三昧するにはとてもいい場所なのである。4人を乗せた車は紆余屈折の山間道を走り、一車両しかない電車に追越され、山間に散らばる村や田んぼを眺めつつ旅館に到着した。

日本の忘れられそうな県の更に忘れ去られそうな山間部のひなびた旅館、世界の東京にあったらおそらく誰も見向きしないであろう旅館がここでは不思議と乙な風情を醸し出す。これも未知の旅の醍醐味なのかも知れない。到着ですでに夜7時を回っていたので夕食となる。囲炉裏風のテーブルにはこれでもかという程にご馳走が並ぶ。そしてビール乾杯の音頭で国造り神話以来初の出雲国ラクーン会は始まる。何を話したかは実は覚えてないのだが、酒は進み、酩酊するうちにお開きとなる。温泉に1時間浸って就寝となる。

翌日は真っ先に出雲大社へ。あの縁結びの神様のいる神社である。皆さんお決まりのようにくじとお守りを買う。出雲大社のくじには凶がないそうな。これではつまらないと葉さん。凶を引いてもそれを乗り越えて次の吉に期待するのが人生だから。更に出雲大社でもう一つ有名なのが太い締め縄。コインを投げて縄に挟まればご縁が訪れるとのこと。縄の下には人が集まってご縁にあやかろうと必死にコインを投げていた。そして何時の間にユンさんもその中に居た。「あの投げ方はどう見ても無理だな」と葉さんが言った途端に縁の神様はあざ笑うかのようにコインは見事に縄に食 い込む。しかしユンさん曰く、コインが入った代わりに二枚のコインが落ちたと。縁が成就するにあたって二つの縁が落とされる。こちらは如何にも現実的な話である。

参拝が終わって一行は出雲そばの有名店へ。1時間並んでやっと入れる。そばとぜんざいを堪能したあとは安来の足立美術館へ。足立美術館はその日本庭園が有名であり、アメリカのガーデニング雑誌では8年連続で日本庭園一位になった他、ミシュランでも「わざわざ足を運ぶ価値あり」の三ツ星を取得している。これは足を運ばずには居られない。きれいな庭園、大観の絵画、魯山人の言葉はいずれもとても魅力的であった。

鑑賞を終えて 葉さんの本拠地の松江で夕食は地魚が食べられる居酒屋へ。目当ての「のどぐろ」は漁師から魚が届けられる当日の朝にならないと予約できな いので、朝から電話して3匹あるのどぐろのうち1匹を予約。更 にこれまでノロウィルスに日本で唯一汚染されたことがないとされる隠岐島から取れる岩カキを2つ。あとはおまかせ料理と行った。やはりのどぐろと岩カキは大好評で、これも「わざわざ島根に足を運んで食べる価値あり」のミシュラン3ツ星賞、ではないが瑞穂さんの賛賞を得る。

ユンさんはこれで二時間半と遠い自宅へ帰宅する。今西さん当夜はしんじ湖温泉に宿泊。翌日は境港のゲゲゲの鬼太郎ロード、牡丹で有名な大根島、そして松江に戻って堀川遊覧船での松江城堀川めぐりで二泊三日にわたる国造り神話の出雲国の2011年ラクーン会は終わりを告げる。また次の島根ラクーン会に期待して。

(文責:葉文昌)