2004年度AISFニュース

Back


 
  • 2004年度研究報告会 

    2005年3月5日(土)午後2時から6時、東京都文京区関口の渥美財団ホールにて、2004年度渥美財団研究報告会が開かれ、当期渥美奨学金受給者が研究成果を発表しました。前日の雪が残る寒さにもかかわらず、今期・来期の渥美奨学生やラクーン会(同窓会)メンバー、財団役員、留学生支援財団の方々も含む約50名の方々が、ご参加いただきました。最初に、渥美伊都子理事長から、ホールに飾ってある雛飾りは自分が生まれた時(昭和初期)に祖母がイタリアへ送ってくれ、帰国後も戦争中は疎開し、東京空襲の焼失を逃れたというお話がありました。自分の博士研究内容を「子供にもわかるように」「15分以内で」説明するという大変難しい課題にもかかわらず、発表者はパワーポイント(コンピューターを使って発表するプログラム)を使ってそれぞれ素晴らしい発表をしてくださいました。 最後に、来賓としてご参加くださった文部科学省学生支援課の阿部幸治氏、留学生教育学会名誉理事の都竹武年雄氏、弁護士で渥美財団評議員の植田兼司氏からご挨拶をいただきました。その後、参加者はビールと中華料理、お寿司などを食べながら歓談を楽しみました。

    当日の今西明日香が写した写真はアルバムからご覧いただけます。

    文責:今西淳子

  • 韓国ラクーン会 

    2005年2月26日(土)午後6時、ソウル市の中心、鐘路(チョンノ)にある、プルコギで有名な「韓一館(ハニルグァン)」にて、第3回ソウルラクーン会が開催されました。羽田空港から金浦空港までひとっとびし、李來賛さん(96)のご案内で冷凍庫のように冷え切った骨董屋の街、仁寺洞を散策した後、久しぶりに韓国ラクーンの皆さんにお会いして、温かい一時を過ごしました。皆さんがそれぞれ、ソウルで活躍している話を伺い嬉しく思いました。参加者は、李來賛さん、金雄熙さん(96)、李香哲さん(97)、洪京珍さん(99)、朴栄濬さん(02)、金賢旭さん(03)、蔡相憲さん(03)と、今西明日香+今西淳子でした。

    2月27日(日)、午前10時半のKTX(韓国の新幹線)の乗って、太陽のまぶしい釜山へ。久しぶりに再会した朴貞欄さん(95)のご案内で、山の中の梵魚寺(ボモサ)見学の後、海雲台(ヘウンデ)ビーチを見下ろすホテルへ。大邱(テグ)から来てくださった李承英さん(04)と一緒に、カルビ焼肉屋で、初めての釜山ラクーン会を開催しました。

    今回のラクーン会の開催が、正式に決まったのがたったの2週間前だったにもかかわらず、お忙しい中、また遠いところ、ラクーン会に集まってくださった方、どうもありがとう!今回お会いできなかった方、次回、8月下旬に是非お会いしましょう。」

    韓国ラクーン会の写真はアルバムからご覧ください。

    文責:今西淳子

  • 渥美財団、10歳のお誕生日おめでとう! 

    2005年2月16日(水)、人類の歴史の新しいページを開く京都議定書の正式発 効とともに、渥美国際交流奨学財団の設立10周年を祝うイベントが、東京赤坂の鹿 島KIビルで開催された。当日の朝の震度5の地震や冷たい雨にも関わらず180名も の関係者が集まり、渥美健夫氏の遺志で10年前に設立された、規模が小さいが夢が 大きいこの財団の記念日を一緒に祝ってくださった。

    渥美理事長と今西常務理事の指導のもと、数週間前から数回にわたる準備会を重ねて きたが、当日は現役と来年度の奨学生らで構成する渥美奨学生、元奨学生からなるラ クーン会、ラクーン会から発展した関口グローバル研究会(SGRA)の運営委員と 研究員・会員(とその子供たち)、そして鹿島建設の皆さんがお手伝いに駆けつけ、 記念講演会の成功に繋がった。渥美ファミリが一堂に動いたと凄く感じた。

    記念講演会は午後4時に始まった。最初に渥美理事長から財団の設立の背景と特別講 演をされる緒方貞子さんのことについてお話があった。次ぎに、今西常務理事から、 パワーポイントのスライド付きで、財団の設立からの今に至る経緯についての説明が あった。遠慮深い理事長から「あまり宣伝しない」と言われたということだったが、 常務理事はSGRAのコンセプトは渥美財団と一致していると断った上で、財団の話 に重ねてSGRAの紹介とその活動へのお誘いを、遠慮なく発表した。

    午後4時半ごろに、JICAの理事長である緒方さんがみえて、一休みもせずに「人 間の安全保障」というテーマの講演が始まった。奨学財団の講演会だから教育という 側面に関心が高いであろうという前提で、人間の安全のためには人間を強化すべきな ので、その一つの有力な手段として教育が非常に重要であるということにお話の焦点 が当てられた。特に、国際教育の面では多様性を尊重し、排除しないinclusiveな人 を育てる教育が一番大事だとされた。このような特質の欠如こそが人間の安全を脅か すと強調された。これは、確かに、渥美財団とSGRAの「多様性のなかの調和」と いう原理に基づく「良き地球市民の実現に貢献」というビジョンと一致している。同 時に、「グローバラゼイション」という名で呼ばれている、あまりサイレントではな い津波によって、この多様性の尊重が実現できるのかどうか考えさせるところだっ た。「会場の皆さんと一緒に考えましょう」という緒方さん自身のお招きもあって、 さばききれないほどの質問を受けてから、記念講演は、午後5時45分に終了した。

    その後、緒方さんにもお時間が許す限り参加していただいて、KIビルのカフェテリア で懇親会が開かれた。渥美財団の選考委員長を10年間務めていらっしゃる、「失敗 に学ぶ」というベストセラーで有名な畑村洋太郎先生の挨拶と乾杯でスタートした。 参加者全員がレセプションを楽しんだ。渥美直紀鹿島副社長が、建設業らしく、三三 七拍子の手拍子とともに中締めをした。

    様々な方々とお話ししたが、なかでも、渥美健夫さんの同期で、毎年数千人の留学生 の面倒をみているロータリー米山記念奨学会の加美山節副理事長(渥美財団評議員) からいただいた「素敵な財団ですね」という言葉が大きいなお祝いになった。渥美健 夫さんもきっと同じことを考えているであろう。

    記念講演会の写真はアルバムからご覧ください。

  • 渥美財団2005年新年会 

    2005年1月15日(土)正午〜3時、恒例の渥美財団新年会が開催され、今年度 奨学生受給者とラクーン会会員と家族約50名が、渥美財団ホールに集まりました。 今年のハイライトは、リシャットさん(2004)と叶盛さん(2004)によるロ シア料理(ボルシチとサラダ)!李家の手作りキムチも美味。ラクーンの皆さんから いただいた世界各地からのお菓子類。それに、子供たちの協力でついたおもちのは いったお雑煮。おせち料理、焼き鳥、点心もありました。おなかがいっぱいになった 後、全振煥さん(2001)の奥様の柳永任さんがピアノで「冬のソナタ」の曲を演 奏をしてくださいました。その後、李鋼哲さん(1999)から、スマトラ島沖地震 と津波の復興支援募金のよびかけがありました。そして、最後に恒例のビンゴ。今年 も、ラクーン二世の小中学生の皆さんに手伝っていただきました。3階の回廊には、 古着のリサイクルコーナーが設けられましたが、残ったものはスマトラ島にある津波 復興の支援団体に送られます。スマトラ島沖地震と津波の復興支援募金に関しては、 スマトラ島出身のナポレオンさん(2004)に連絡役をつとめていただきます。

    2005年新年会の写真はアルバムからご覧ください。

  • 2005年度渥美奨学生が決定しました 

    2005年度ネンド渥美アツミ奨学生ショウガクセイ        
    氏名シメイ 国籍コクセキ セイ 大学ダイガク 専門センモン分野ブンヤ
    包 聯群 中国(ウチモンゴル) 東京大学 言語情報学
    韓 珺巧 中国 早稲田大学 建築学
    韓 京子 韓国 東京大学 日本文化研究
    江 蘇蘇 中国 横浜国立大学 物理情報工学
    金 範洙 韓国 東京学芸大学 学校教育学
    金 娟鏡 韓国 東京学芸大学 心理学
    藍 弘岳 台湾 東京大学 地域文化研究
    テネグラ ブレンダ レスレション ティウ フィリピン お茶の水女子大学 人間発達科学
    ヴォー・チー・コン ベトナム 東京工業大学 数理計算科学
    王 健歡 香港 総合研究大学院 統計科学
    王 雪萍 中国 慶応義塾大学 政策メディア
    趙 長祥 中国 一橋大学 商学

  • 第二回 韓国ラク−ン会 (Korea Society of Raccoon: KSR) 会議 報告書 2004. 11. 1 

    by 李來賛

    第2回 韓国ラク−ン会(Korea Society of Raccoon: KSR)2004年下半期の集まりが10 月30日(土)、韓国のソウル市江南区の中心に位置するモダンな中華料理店Mr. Chowで 開催された。会議の前、レストランのマネージャであるMichael Jung氏の案内でレス トランの由来を聞き、と内部施設を見学することができた。 当日の会議では、KSR会員らと共に、御多忙のなか日本からわざわざ来韓してくだ さった渥美国際交流奨学財団の理事長渥美伊都子様、常務理事今西淳子様を含め、来 年日本への留学を予定される韓国の通信委員会のLee Heonさんがゲストとして招待さ れ、総勢9名が参席した。当日、財団の理事長からは本会の更なる発展と激励の御心 をこめた後援金が渡された。 KSR運営陣は、会員間の親睦を深めながら活動領域を徐々に拡大していくとの創立会 議での合意に従い、まず第一歩として各会員の学問的業績と社会活動を載せた「2004 年会員活動報告書」を刊行した。会議では報告書に基づいて会員各自の活動を発表す るなど有益な歓談が続いた。この報告書は、近々アップ・グレードしてインタ−ネッ ト上のコミュニティ−で会員同士に共有される予定である。

    出席者: 朴哲主, 金雄煕, 李來賛, 鄭成春, 李R瑛, 蔡相憲, 渥美伊都子, 今西淳 子, Heon Lee

    KSR-Oct04-small.JPG  KSR-Oct04-GateMr-Chow2.JPG  KSR-Oct04-Inside-Mr-Chow.JPG

  • 渥美財団の集い 

    10月8日(金)午後6時より、渥美財団ホールにて、恒例の「渥美財団の集 い」が開催されました。今年は、当財団理事で、政策提言シンクタンクのNPO 「構想日本」代表の加藤秀樹氏に「中小・ローカル・ローテクが日本を作る」と いうタイトルで、大変興味深いご講演をしていただきました。氏は、最近の日本 は行き過ぎて、日本の中小・ローカル・ローテク部門、つまり、職人技能を中心 としたものづくり部門を忘れかけているのではないかと問いかけました。そし て、様々な例を取り上げました。ものづくりの日本(そしてアジア)は、ドット コムビジネスばかりではいけない。勝ち組と負け組みの2分類法では、大多数の 人々がむしろ「負け組み」にされかねない。この2分類法だけではなく、より多 様性のある国づくりが必要だ。時価会計ばかりもてはやされているが、こつこつ とものづくりをしている会社の工場の土地まで資産として扱う必要はない。グ ローバル企業は時価会計が必要かもしれないが、そうでない会社にまで同じ基準 を押し付ける必要はない。最近は製造業の大企業までが、投資信託のようなこと ばかりして業績が良くなったと言っているが、そんなことがあと何十年も続くわ けがない。教育制度にしても、どの制度が良いというよりは、様々な制度が混在 できる仕組みにすることが大事だ。過去50年、日本はローカルからグローバ ル、ローテクからハイテク、小から大、分散から集中、「遅い」から「早い」、 固有から普遍、という方向を突き進んできたが、これからは逆の方向も大切にし て、多様性に富む社会を作らなければならないと主張されました。台風22号に 刺激された秋雨前線による土砂降りのせいか人数が少なかったのが残念でした が、参加者は皆、明解なお話と、羅仁淑さん(1998ラクーン)の弟さんのレ ストラン(東大正門前「とうがらし」)の韓国料理を心から楽しみました。

    (文責:今西)

  • 2005年度奨学生応募状況について 

    たくさんの応募をありがとうございました 

      2005年度渥美奨学生募集は2004年9月30日をもって締め切られまし た。 今年は、22ヶ国/地域、47大学からの、172名の方にご応募いただき ました。今後、予備書類選考・予備面接・選考会を経て12名の採択者が決定さ れます。選考結果 は12月中旬に発表されます。

 

  • 今年は軽井沢も暑かった! 

    東京では史上最高気温を記録した週の終わりに、9回目の渥美財団軽井沢旅行が開催された。現役奨学生と家族以外にも、東京、仙台、沖縄、そしてソウルから、ラクーンたち(元渥美奨学生)が、離山のふもとにある鹿島軽井沢研修センターに集まった。15年ぶりにアメリカに帰国した財団のカウンセラーのマルコ ム・ペーレントさんが、2ヶ月で日本に帰ってきたので、心配された離山ハイキ ングと楽しいゲームも実施された。花火とスイカ割りは王しん君と今西勇人君の担当。センターの駐車場では、小さな日本の夏祭りが賑やかに開催された。最初 にスイカを割ったのは梁明玉さん。花火の時は逃げ回っていたけれど・・・
    新しいプログラムの、「軽井沢オリエンテーション:狸の探検」とパワーポイン ト教室は私が担当した。オリエンテーションでは、友達のヴォヴォ(10才、メ ス)とラカ(2才、メス)に案内役を引き受けてもらった。パワーポイント教室 では、勇人君が初級を担当し、私と嶋津さんが中級のクラスを受け持った。小人 数だったが、みんなが活発にクラスに参加してくれた。とくに、中級クラスのメ ンバーたちはたくさんの質問をしてくれたので遅々として進まず、教室終了時に は初級と中級は、既に同じことを話していた。
    翌日、第16回SGRAフォーラムがセンターの会議室で行われた。食事休憩時間に何人かの狸仲間と議論が盛り上がって、共同で質問を出すことになった。フォー ラムのあとには講師と参加者の議論、ゲーム、飲み会、ピカピカの一年生(現役)と交流など、今までみたことがないほど賑やかな集まりになった。
    日曜日に、理事長の別荘で恒例のバーベキューが行われた。王立彬さんのテニス教室は午前6時半スタートした。今年は、現役のリシャットさん担当して、叶さ んとナポレオンさん(撮影担当)が手伝って、ロシアンバーベキューだった。朴 貞姫さんと李鋼哲さんの延辺・韓国料理も堪能した。例年とおり原嘉男夫妻がお でんをたくさん持ってきてくださった。途中で雷の心配があったが、記念集合写 真も無事に取り終えた。
    最後に、ヴォヴォとラカのお願いをここで繰り返させてもらいたい。軽井沢で新 しい発見ができた皆さんに、簡単なパワーポイントの報告を、今西さんに送って いただければ幸いです。狸の皆に伝えます。
    また、避暑地の軽井沢で会いましょう。
    文責:マックス・マキト

     

  • たなばたラクーン会 in 関口(7月7日) 

    元気な3人娘―2003年ラクーン:マリア・エレナ・ティシさん(イタリア)、張桂娥さん(台湾)、アナ・エリザ・ヤマグチさん(ブラジル)―が幹事となって、渥美財団ホールで初めてのラクーン会が、7月7日の七夕に開催された。幹事の皆さんが朝から用意した料理に加え、韓国、ドイツ、中国からの奨学生のご馳走も並べられた。
    今西さんの提案により、七夕の雰囲気を一段と演出するために、財団のスタッフが渥美家の庭から切ってきた竹が飾られ、参加者は皆、願いごとを書いた短冊を結びつけたB日本滞在16年目の私も初めて七夕という祭りに関心をもった。私の質問に、嶋津さんがつぎつぎと答えてくれた。(なんてよくご存知なんだろうと感心していたら、事前に調べておられたとのこと)
    お天気も協力的で、関東地域の空は天気予報通り快晴だった。渥美理事長の指示により噴水の庭の明かりを消して、最も好奇心お旺盛な連中と一緒に東京の空を見上げた。いくつかの星が見えたが、年一回許される織姫と彦星の再会は肉眼では確認できなかった。それにしても、なんてロマンチックな物語でしょう。多少悲劇を含むラブ・ストリーだが、織姫の両親が二人の愛情を認めたのだから、ロミオとジュリエットほど悲しくはない。二人がお互いにあまりにも夢中になりすぎ仕事をしなくなってしまったので、織姫のお父さんは年一回しか会わせないという厳しい対策を採らざるをえなかった。私のラテン系の血は、お父さんの厳しい対策に反発するものの、ちゃんと仕事をしなければならないという教えは印象的である。
    私は、現在と過去の奨学生に、渥美財団ホールには特別な魔法がかかっていると話した。せっかくだから、この魔法を逃さないように、参加者は願いごとを書き忘れないように呼びかけた。ここにいる参加者は、以前、このホールで願いごとをして、みごとに叶えられたからこそ、この集まりに来ることができたのである。
    当初のメニューにあったサンバの踊りまで、3人の幹事のエネルギーが及ばなかったが、子供から大人まで昔習った踊りや歌を披露して楽しい七夕だった。
    文責:F.マキト(1995ラクーン)